更新できましたが、話の時間が全然進みません。
スミマセン。
「ふぃー。」
魔力を集め終わり一息つく。何とか倒すことが出来た。初戦にしては上出来かな。
「凄いですね辰連さん。まさか倒しちゃうとは。」
佐倉ちゃんがこっちに歩きながら話しかけてくる。足は引きずっているが歩けるまでは回復したみたいだ。大事にならなくてよかった。
「何とかね。でも佐倉ちゃんさっきはゴメンね。危ない目に合わせちゃって。」
「でも辰連さんが守ってくれましたから、大丈夫ですよ。」
うーん。あれもギリギリ間に合った感じなんだけど、佐倉ちゃんがそう言っているのならいいのかな。しかし、ここで魔物は倒したけど、次はどうすればいいのだろうか。白い魔法使いはさっさといなくなってしまったし、白い魔法使いを追える手段は俺にはない。
これからどうすりゃいいのかねぇ。でもそう言えば
「確か佐倉ちゃんのお姉様だっけ?その人はあとどれ位でこれそう?」
「どうでしょう、さっき念話が通じたときはもうこっちに移動しているって話していたので、もう来てもいいと思うんですけど。」
辺りを見回す佐倉ちゃん、あと少しで来ると言ってもいつになるか分からないしまだ変身はとかない方がいいかな。周りは森だし、暗い。
また何か来る可能性もあるかもしてない。初戦で二連戦は勘弁してほしいが。それに佐倉ちゃんがお姉様といった人はどんな人なのだろうか気になるな。
「佐倉ちゃん、君が言っていたお姉様ってどんな人なの?」
「お姉様ですか?」
「そう、どんな人なのか気になったし、これから来る人の事を少しは知っておきたいから。」
「そうですね、どこから話せばいいか「愛衣!!」あ。」
佐倉ちゃんに話してもらおうとしてところで佐倉ちゃんの後ろの森から人が二人出てきた。佐倉ちゃんの呼んだのは佐倉ちゃんより少し年上の女の子。黒いワンピースみたいな服を着ている。そしてもう一人
「愛衣君、無事だったかい?」
黒人の男性が森の中から出てきた。この女の子が佐倉ちゃんの言っていたお姉様かな。来た二人は佐倉ちゃんの無事を確認して安堵したように息を吐いていた。
「愛衣、ケガはしてない?念話では襲われていると言っていたけど。」
「大丈夫ですお姉様。」
「愛衣君、君を襲っていた魔物はどうしたんだい?姿が見えないようだけれども。」
「魔物なら辰連さんが倒してくれました。」
「辰連さん?君の事かな?」
佐倉ちゃんの説明を聞いていた黒人の男性が俺の方を向く。俺を見る表情は警戒をしている。
まぁ見たこともない仮面をつけた人物がいるのだから当然か。お姉様の方も俺を警戒しつつ、佐倉ちゃんを庇うようにしながら、こっちを何時でも攻撃出来るようにしている感じだ。これじゃあ話が進まないので、こちらに攻撃の意志が無い事を見せるために変身を解く。
「初めまして。辰連拓人です。」
こっちに攻撃の意志がないことが伝わったのか黒人の人は警戒を解いてくれたけど、お姉様の方はまだ警戒したままだ。
「こちらこそ、私はガンドルフィーニという。生徒を助けてくれてありがとう。」
そう言って手を差し出してくる。握手をしながら彼と話をする。
「いえ、こちらも佐倉さんには助けられましたから。そう言えば佐倉さんを生徒と言ったあなたは。」
「ああ、私は教師なんでね。」
「なるほど、そうでしたか。」
ガンドルフィーニ先生からここに来た経緯を簡単に聞く。今夜の仕事は敵の量も少なくそれほど強くないためにいつもなら二人で行動させている佐倉ちゃんとお姉様の別行動を許可したらしい。
「そしたら、愛衣君からの念話だ。任務を始める前の自分を叱ってやりたいよ。」
ぼやく先生。佐倉ちゃんからの念話を聞いた後急いでここに来たそうだ。
「本当に君には感謝しているよ。高音君も挨拶位しなさい。」
先生の声に反応したのはお姉様だった。こっちをまだ警戒しているようだが、さっきに比べたら警戒を解いてくれているようだ。
「愛衣を助けてくれて感謝いたします。私は高音・D・グッドマンと言います。」
お姉様は高音さんという人だったのか。固さは抜けていないけど。
「辰連さん本当にありがとうございました。」
佐倉ちゃんからもお礼を言われる。この子が無事でよかった。
「辰連君、この後はどうするつもりなんだい?」
「特に予定はありませんけど。」
ガンドルフィーニ先生が聞いてくる。この後は何もやることもないし、何をやればいいのかも分からない。
「それなら私と来てくれないか?学園長が君と話がしたいそうなんだ。」
先生の提案に頷き了承する。学園長か、何を言われるのかねぇ。指輪の事を聞かれても詳しいことは分からないからどうなる事やら。それにしても学園長は俺がいるってことがよく分かったな。
「高音君、愛衣君。君たちはもう夜も遅いから先に帰りなさい。」
先生が二人を返している。確かにもう結構いい時間だ。女の子が外にいる時間じゃないな。
「分かりました先生。それじゃ辰連さんおやすみなさい。」
そう言って佐倉ちゃんは高音さんと一緒に歩いて帰っていった。
「さて辰連君、私たちも行こうか。」
先生に促されて俺も森を後にする。しばらく森を歩くと広場に出た。噴水があって中々にきれいな場所だ。これが昼の時間だったらたくさんの人で賑わっているのだろう。昼の時にでも一回行ってみようかな。
「それじゃ私は車をとってくるからここで少し待っていてくれるかな。」
ガンドルフィーニ先生に「分かった」と告げると先生は車を取りに走っていった。
「まぁ初戦にしてはまぁまぁと言ったところか。」
「……………ドラゴンか。」
目の前にあった広場が真っ暗闇の空間に変わる。そして声が聞こえ、ドラゴンが俺の周りを飛んでいた。ドラゴンは口の端を歪める。恐らく笑っているのだろう。
「俺の力を初めて使うにしてはまぁ妥協できる戦い方だったな。」
「お前は俺が戦っているのが見えるのか?」
「当然だ。何せお前が使っているのは俺の力であり、魔力なのだからな。」
俺に魔力は存在しないと思う中で何故魔法が使えるのか、最初から不思議に思っていたことだが、どうやら全部ドラゴンのおかげという事なのか。
「それで、俺に何の用だ。まさか魔力を使ったことに対しての感謝の意を示せとか言うんじゃないだろうな。」
俺の言葉に対してドラゴンはそれを鼻で笑う。
「そんなものは何の足しにもならん。俺がお前を呼んだのはお前に新しい力を渡すためだ。」
「新しい力?ついさっき指輪を貰ったばかりなのにもう次の力か?」
ドラゴンに『フレイムウィザードリング』を見せる。
「前にも言っただろう。それは一番扱いやすいだと。それを扱いえない奴は俺に食われるが、お前は残った。次のステップに進むのは当然だろう。」
ドラゴンから『フレイムウィザードリング』に似た三つの指輪が飛んできた。
「ウォーター、ハリケーン、ランド。」
「ほう、それらも知っているのか。ならそれらについての説明は不要だな。」
手の中にある指輪を見る。一個ずつ来るかと思っていたが、まさか三つ一気に来るとは予想が外れた。
「この三つも適合しないと俺はお前に食われるのか?」
「それは無い。一度俺の指輪に耐えることが出来たからな。今渡した三つの指輪は最初に渡した奴とそう対して変わらない。ただバランスが少し違う程度だ。」
ドラゴンの言葉を頭の中で繰り返す。確かにこの三つウォーターは魔力、ハリケーンはスピード、ランドはパワーと特化している方向が違う。
一度ウィザードに慣れた俺なら大丈夫という事なのだろう。
「これからは最初のフレイムを含めて四つの指輪を使い分けていく事になるが、相手との相性を考えて戦うことになる。精々頑張ることだ、俺に呑み込まれないようにな。」
ドラゴンはそう言い残すと暗闇の中に飛び立っていった。
読んでいただきありがとうございました。