ゲームしてたらパルデア地方に何故かいる『元』24歳は自分です 作:DELTA-nuinui
職業訓練のコミュニケーションワークのプログラムでディベートがありまして、昨日終わりました。
『おはこんハロチャオ〜ナンジャモだよ〜♪デルタ氏ぃ〜♪ちょーっとパルデアの大穴に行きたいんだけど、手伝ってくれないかな?』
コルサさんとメロコと何故か居たネモのバトルに巻き込まれた日から、2日たったある日、俺のスマホロトムが鳴って、ナンジャモさんからそんなことを言われた。
「大穴ですか?なんでまた?」
俺は疑問に思ったことを聞いてみた。
『ん〜ちょっとね〜……最近デルタ氏のお陰もあって、エリアゼロに入れる機会って出来たじゃん?……それでデルタ氏の報告も相まって、どんどん おとぎ話みたいな感じだったエリアゼロの実態が鮮明になって、皆んなが『無謀にも』挑んで痛い目にあったり、失踪したりする事件が増えてきたじゃん?』
ここまでナンジャモさんの言ったことを聞いて俺はなんとなく察してきた。
『とりあえずボクは、動画でパルデアの大穴に入って、どれだけ危険なパラドックスポケモンがいるか、みなのものに注意喚起しようと思うんだよねぇ〜』
この前のペパーにサンドイッチの具を届けた時もそうだったが、パルデアの大穴……エリアゼロはポケモンリーグ直属に設立された警備部隊によって、許可証のない人は侵入禁止として指定されていた。
その時にあったが、少年とゴーゴートが大穴に落ちて、俺達は大捜査をした。
こんな事がまだ続くと……
「分かりました。ナンジャモさん、ちなみに俺は大穴で何を手伝えばいいんですか?」
俺がふと聞いてみるとナンジャモさんは『にっしっし〜♪』と不敵な笑い声を漏らした。
「なんでこうなった」
「それじゃあデルタ氏♪配信はっじめ〜るよ〜♪」
パルデアの大穴があるエリアゼロの前で、ナンジャモさんはスマホロトムの撮影モードを起動させながら言った。
スマホロトムにはポケモン世界語で『ドンナモンジャTV』と表示されており、その下に『新チャンピオンと行くパルデアの大穴』とあった。
「何この、さんぽ動画みたいなタイトル」
俺はナンジャモさんにジト目で見つめる。
「いやいや、これでも真面目な動画配信だから安心してくれていいよ〜」
俺は「はぁ…」とため息を吐いた。
そしてナンジャモさんは配信を始めた。
「おはこんハロチャオ〜♪皆んなの目玉をエレキネット♪何もんなんじゃ?ナンジャモです♪」
ナンジャモさんが配信を始めると、コメント欄には『おはこんハロチャオ!』とか『配信キター!』とかが爆速で流れ始めた。
「さぁ!今日は新たに誕生した、パルデア地方のチャンピオン!デルタ氏と、パルデア地方で話題になっている、パルデアの大穴にやって来ました!」
ナンジャモさんを撮っていたスマホロトムが俺の方に向いて、撮り始める。
俺はとりあえず「おはこんハロチャオーデルタです」と言って初めてのジム戦の時みたいに手を振る。
(ジム戦配信でも無いのに俺を映して大丈夫か?仮にもこの地方でチリさんと肩を並べる大人気女性ポケモントレーナーなのに)
俺は心の中で心配する。
すると
マスカニャ仮面『うぉー!デルタさんキター!』
ナッペさん『マジで!?チャンピオンと一緒にパルデアの大穴行けるの!?』
オトシドリのアンチ『え!?あの人!?やべぇ!この前のボウルタウンの戦い見た!』
(あれ?意外と好評?)
俺が呆気にとられているとナンジャモさんが話し始めた。
「今日はタイトルにある通り新チャンピオンのデルタ氏とパルデアの大穴…エリアゼロの奥底へ潜入調査をしていくよ〜♪」
ナンジャモさんはそう言うと、俺に話しかける。
「では早速行ってみよ〜♪」
(なんかもう既に帰りたい)
俺は心の中で弱音を吐きつつ、ナンジャモさんとゼロゲートへ入った。
ゼロゲートはペパーの両親が開発した。
エリアゼロの観測所を行き来するポータルがある地上と繋がってる施設だ。
「うぉ〜これは凄い施設だね〜」
ナンジャモさんはキョロキョロとそこら中を見ながら、スマホロトムも動かす。
コマタナのツノ『噂のゼロゲートだ!』
だいもんじ『めっちゃハイテク装置満載じゃん!』
ミガルーサに家を貫かれた人『警備員いっぱいいるw』
エレキン『(¥5,000)すげー!』
視聴者の皆さんも画面越しにゼロゲート内を見て興奮している。
「エレキン氏ありがと〜♪ね〜めちゃくちゃハイテク装置だらけだね〜」
俺とナンジャモさんは警備員さんに、許可証を見せて、エリアゼロへの侵入を許された。
「それではエリアゼロへ行きますので、この中央の緑の光を放ってるこの区画に立ちます」
俺の説明にナンジャモさんが「え?ここに立つの?」と聞く。
俺は「はい」と答える。
「デルタ氏ぃ〜ボクをからかってない?まさかココに立つと転送されます〜とか言わない?」
ナンジャモさんが面白半分にジトーとしながら俺に聞いてきたから、俺は「はい、今から転送してエリアゼロへ行きます」といった。
「……へ?……ちょ、ちょっと待ったぁあああ!!!」
ナンジャモさんは慌てた様子で俺に詰め寄る。
「ど、どうしました?」
俺はナンジャモさんに焦りながら聞く。
「そんなこと急に言われても心の準備ができてなぁあい!」
俺は「あ、あはは……」と苦笑いをする。
その後に言う。
「転送以外にも1階下のフロアに大穴へ飛び込める場所がありますよ。……地面まで数百メートルありますが」
俺のセリフにナンジャモさんは
「よ〜し!デルタ氏!早速『転送』してエリアゼロに出っ発だよ♪」
と意気込んだ。
「分かりました。じゃあ行きましょう」
ナッペさん『ド畜生で、くさテラスタルするわw』
モトトカゲ3号『鬼のデルタw』
落とされたカイデン『そういえばボウルタウンでも鬼畜戦法してたし、かなりドSじゃねw』
だいもんじ『ナッペ山が、くさテラすんなやw』
俺とナンジャモさんは、緑色の光の放つ床の区画に立った。
そして
「ではいきま〜す♪」
ナンジャモさんの掛け声と共に俺達は転送された。
場所はエリアゼロ第1観測ユニット
「お?何か違う感じの部屋に来た!ホントに転送された!」
ナンジャモさんはめちゃくちゃ驚いてる。
「それじゃあ行きますよ」
俺の声にナンジャモさんが「オケオケ〜♪」と言って付いてくる。
俺は「あっ!」と小林製薬みたいな事を言うとナンジャモさんが「ん?どうしたんデルタ氏?」と俺に聞いた。
「そう言えばコレ渡しときます」
そう言って俺は未来のライドポケモン『ミライドン』の入ったボールを渡す。
ナンジャモさんは「ん?モンスターボール?何で?」と聞く。
「この中にはミライドンというライドポケモンが入ってます。エリアゼロを移動するのにモトトカゲでは行けない場所があるので」
俺の説明を聞いたナンジャモさんは「へぇ〜そんなポケモンもいるんだね〜ありがと♪」と俺からミライドンの入ったボールを受け取る。
そして俺達は第1観測ユニットから出た。
「ようこそ、エリアゼロへ」