ゲームしてたらパルデア地方に何故かいる『元』24歳は自分です 作:DELTA-nuinui
「おい!デルタ!ボウルタウンに行くぞ!」
「は?」
それは突然起こった。
俺はやることも無くピーチアカデミーの学生食堂でサンドイッチをつまんでいた時だ。
いきなり元スター団の炎担当でチーム・シェダルのリーダーのメロコが俺の前の席に腰掛けて目をクワッ!とさせて言ってきたのだ。
「だから、ボウルタウンだよ!お前知らないのか!?」
「い、いや知ってるけど……」
俺は困惑しながら答えた。
ボウルタウン
全面的にくさタイプを推してる街で、ジムリーダーで芸術家のコルサさんがいるところだ。
風車やキマワリの像がとても印象的な美しい町だ。
「ならいいんだよ。ほら、早く行くぞ!!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!!なんで急に……?」
「あ?芸術家のコルサさんに会いにいくんだよ!」
メロコは「何言ってんだこいつ?」みたいな顔で俺を見てくる。
「えっと……何で俺?…恐らく美術部に入ったから芸術関連だとは思うけど、何で俺?…美術部の人達と行けば良いんじゃないの?」
俺が疑問を口にすると、メロコは
「アイツらはアイツらなりに作品があって忙しいんだ!」
と返した。
「他のスター団の皆んなは?」
と聞くと
「皆んなそれぞれ用事があるんだよ!それにコルサさんに興味ねぇだろ」
(俺だってねぇよ)
俺がそんなこと思ってるとメロコは続ける。
「それにデルタはコルサさんと戦ったりして仲良いんだろ!?」
「仲良いかは分かんないけど、戦ったことはあるな……てかメロコの知り合いで他にいないの?」
俺の質問にメロコは「あー」と言って続ける。
「チーム・シェダルの皆んなは元々、スター団ってだけでオレ含めてジム戦には行ったことねぇな……知り合いでジム行った事ありそうなのは、お前とネモだけだ……そしてネモは、めちゃくちゃめんどくせぇ事しそうで嫌だし、お前しか居なかったんだよ!!」
「あ、そうですか……」
俺は呆れながら返す。
そもそもが俺以外に頼るあてが無かったと言うのは少し悲しい気がする。
「まぁ、別にいいけどさ」
俺はサンドイッチを食べ終えて立ち上がる。
「じゃ、行こうぜ!」
メロコも立ち上がり、俺とメロコはライドポケモンに乗ってボウルタウンへ向かった。
道中、俺はメロコに気になったことを聞いてみた。
「なぁ、メロコ」
「あ?なんだよ」
「コルサさんって、くさタイプのジムリーダーだし作った作品って『投げやりのキマワリ』とかしか知らないけど、メロコの炎イメージとは真逆なんだけど……なんでまた?」
と、聞くとメロコは
「確かに、炎と草は相性悪ぃかも知れねえけど、その発想は無かった!みたいな作品が作りてえんだよ!だから行くんだよ!」
と力強く答えた。
俺は「へ〜」と言う。
そんな会話をしていると、ボウルタウンに到着した。
相変わらず美しい街並みとキマワリ達がわんさかいた。
「ここがボウルタウン……」
「ああ、そうだ。コルサさんは多分『いつもの場所』だと思うからそこに向かうぞ」
俺がそう言うと、メロコは「いつもの場所?どこだよそれ?」と言った。
俺は「あそこ」と言って風車を指さして、俺とメロコは風車に向かって歩いていった。
すると、風車の近くに人集りが出来ていた。
「なんだあれ?」
メロコが不思議そうに呟いた。
俺は「見てれば分かる」とだけ言うと、人集りが『おぉ!』と歓声を上げた。
俺とメロコは風車を見ると、回転していない風車の羽の上に1人の男が立っていた。
彼こそがメロコが会いたがっていたジムリーダーで芸術家のコルサさんだ。
コルサさんは「とう!」と羽から飛び降りて、アメコミヒーローのようなスーパーヒーロー着地をした。
メロコは「おぉ!?」と驚く。
コルサさんはジムテスト『キマワリ集め』をクリア人の前に現れる時、いつもあのやり方で登場している。
デッドプールや本人も言ってるが、あの着地は膝に悪いらしい。
まぁそうだろうな……
「よし!行くぞデルタ!」
「え、ちょ!?メロコ!?」
メロコは俺の手を引いて、コルサさんの前まで行こうとするが、俺はメロコを思いっきり引っ張って止める。
「ちょっとメロコ!ストップ!ストップ!」
「あ?んだよ」
「いやいやいやいや!コルサさんがアレやってるって事はジム挑戦者がいるんだよ!少しは待てって!」
俺が必死にメロコを抑えていると「む?キサマはデルタでは無いか!」とコルサさんが俺を見て言った。
「え?あー……お久しぶりです」
俺はコルサさんに挨拶をする。
コルサさんは「うむ!」と答えて続ける。
「デルタよ、キサマは何故ここに?」
「えっと、この子がコルサさんに会いたいって」
俺はメロコを紹介する。
「オレはメロコだ!コルサさんの作品に興味があってな!」
メロコはいつも通りの不良テンションで答える。
コルサさんは頭を掻きむしって『あの言葉』を言った。
「アヴァンギャルド!!!」
「おあ!?」
コルサさんの突然の叫びにメロコが驚いた。
コルサさんは続ける。
「デルタとは違った、その見た目以上の熱い魂!芸術への愛を感じるぞ!良いぞ!メロコよ!今日は特別に私が直々に作品を見せてあげようではないか!」
「本当か!?」
メロコは興奮している。
「ああ、付いてくるが良い!」
コルサさんはそうすると
「あ、あのー……」
盛り上がっているコルサさんとメロコに声をかける人がいた。
ジム挑戦者の少女だった。
「すみません…あのー…ジムテスト、クリアして戦いたいんですが……」
(うん、そうなるわな)
俺はコルサさんとメロコを( ⚭_⚭)な顔で見ていた。
「む?そうだった!すっかり忘れていたぞ!今はジムリーダーとしているのだった!!」
「わ、悪ぃ!オレもつい興奮しちまった!」
コルサさんとメロコは挑戦者の少女に謝る。
「すまない。デルタ、メロコよ!私は芸術家ではあるが、今はポケモンジムのジムリーダーの仕事をしなくては!急いで終わらせるから待っていてくれ!」
何やらコルサさんの目に闘志の様なものを感じた。
「おう!分かったぜ、コルサさん!頑張れよな!」
メロコは答えた。
コルサさんは「うむ!」と言うと、ボウルタウンのジムコートの方へ走っていき、少女は「あ、ちょっ!待ってください〜!」とコルサさんを追いかけた。
(あ〜コルサさんのマイペースは相変わらずすげぇな……)
俺はとりあえずメロコと一緒にコルサさんと少女のポケモンバトルを見ていた。
くさタイプのボウルジムのジムリーダー、
コルサさんは挑みやすさで言えば、2番目となるレベルのポケモンを扱っている。
コルサさんが出すポケモンは3体
チュリネ Lv.16
ミニーブ Lv.16
そしてマジッキーと1部では呼ばれているくさテラスタルをした。
ウソッキー Lv.17
である。
少女はポケモンは2体しか連れておらず
ヒノヤコマ Lv.17
アチゲータ Lv.18
だけだった。
勝てなくは無いのかも知れないが……俺は不安だった。
「うわーん、まけたー!」
案の定、少女は最初の2体を倒して行けると思ったのだろうが、最後のウソッキーの『いわおとし』で、ヒノヤコマとアチゲータは瞬殺された。
「……」
隣で見ていたメロコはめちゃくちゃ鋭い目付きで、バトルを見ていた。
「なぁ、デルタ」
メロコが声を低くして話しかけてきた。
俺は一瞬ビクッとした。
「な、なんだよ?」
「コルサさんと戦いてぇ」
「は?」
メロコの突然の一言に俺は呆気に取られた。
「だから、コルサさんと戦ってみてえんだよ!」
「いや、お前、『芸術家』としてのコルサさんに会いに来たんだろ!?なんで戦うんだよ!?」
若干メロコの奥にネモを感じた。
ボタン風に言えば「ネモい」だ。
俺とメロコが、そんなやり取りをしていると、コルサさんがケンタロスの如く走って戻ってきた。