なんか、変な奴と暮らしてたら変な組織に人理を救えと言われて連れ去られた件。 作:にわかによる妄想劇場
「おはようございます、マスター」
「あぁ、おはよう。オルト」
朝日が遮光カーテンの隙間から差し込む中、目覚まし時計のアラームで目を覚ました俺はモゾモゾと動くと同居人でありながら異形種であるオルトが起こしに来た。
最初に彼女と会った時、なんか人間の常識なんて意に介さないやべー奴が来たなぁと率直に思ったのだが、話してわかったのはただ単に常識を理解していないだけの知的生命体だったので一緒に生活しながら教えていった。
とは言え、生活をし始めた当初は赤ん坊の様に何も知らなかったので目が離せずに色々と苦労したのだが、それらを乗り越えた今では普通に生活できる程にまで常識を身に付けてくれたので、それまでは独身生活を送っていた俺からすれば大分助かっている。
その為、彼女に起こされた俺はベッドから抜け出して歯磨き等を済ませてから朝食が置かれたテーブルの席に座った後、いただきますの挨拶をしてから食べ始めると彼女から話を切り出した。
「それで今日はどうするの?」
「消耗した分の物の買い出しをするだけだがどこか、行きたい所あるかい?」
「だったらこの映画を観に行きたい。予告編で気になってた新作が公開されてるし、その後で近くのゲーセンに行きたい」
「分かった。食べ終わった後で準備しよう」
彼女が来る前だったら、株式や投資によって得た利益で底値で買った田舎の屋敷を改装して日用品や食料を配達してもらう引き篭もりの生活を送っていたが、来た後は教育をするついでに一緒に出歩いたりしていたので週に数回、軽自動車に乗って町に出る様になった。
その為、日頃の行動範囲の広がりに喜びを感じながらどうやって彼女達との生活を送れるのかを考えていると彼女達が何かを感じ取った様だ。
「マスター、変な奴らが来る」
「どう言った連中?」
「なんか、武装してる。物理的に処して良い?」
「そう言う行動に出てからな。それまでは待機だ」
その何かを理解したオルトが、物騒な事を言ってきたので暴走しそうな犬を宥める様に立ち上がった彼女を止めた。
何しろ、彼女が来てから訳の分からない連中に俺自身が誘拐やら拷問やらを仕掛けられてきた為、少しでも敵意がある輩を探知して排除する行動に出ようとする程に過敏になっている。
それだけ、彼女に取って俺と言う存在が必要不可欠だと言う事なのだがその理由を聞こうとすると、適当にはぐらかされているので彼女の様な強い奴が俺を必要とする理由が未だに分かっていない。
その為、荒ぶる彼女達を宥めながら来客を待った。