ひろがる星々! 星のプリキュア!   作:HR-H HR-E

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皆さんがこれを読んでる頃には私は星のカービィWii デラックスを遊んでいるでしょう。


第3話 シクシクホームシック

 

 

「ぽよ!」

 

 午前9時、住居者が倍近く増えた虹ケ丘家にて、帰れる目処が立つまでしばらくの間居候として過ごす事になったカービィは朝食に使用された食器を汚れ一つ無く綺麗にした後、綺麗になった食器を棚に収納する係のバンダナワドルディに手渡す。

 無償でここで住ませてもらい、ご飯まで食べさせてくれる以上、カービィとバンダナワドルディは何か恩返しとして虹ケ丘家のお手伝いをしたいとの本人(人?)の希望で、食後の皿洗いをしていたのだ。

 ちなみに、カービィと言えばとんでもない食事量だが、虹ケ丘ではその食事量をかなり自重している。

 今朝だってカービィはご飯を7杯、味噌汁を9杯しかおかわりしていないのだ。

 

 最後の皿をバンダナワドルディが食器棚にしまい終えると、とりあえず今出来るカービィ達の仕事は終わりだ。

 終了報告をしようと虹ケ丘ヨヨ、または虹ケ丘ましろを探そうとしたその時.....

 

 広間(もしくは客間)の方からスカイランドの赤ん坊、エルの泣き声が聞こえてきた。

 赤ちゃんは泣く事が仕事と言われるくらいなのでエルが泣く事に別にカービィ達は驚きはしないが、気になりはする。

 カービィとバンダナワドルディはキッチンテーブルと食器棚から飛び降りるとそのまま台所を出てエルの泣き声がする広間へと向かった。

 

 広間のソファーには悲しそうな表情をするエルとエルを抱き抱えるソラ、そして抱き抱えれているエルと目線が合うように屈んでいるましろの3人が居た。

 

「どうかしたの...?」

 

 バンダナワドルディが心配そうにエルに訪ねる。すると、代わりにましろが答える。

 

「あ、ごめんね驚かせちゃった?...エルちゃん...スカイランドのパパとママに会えなくて、寂しくて泣き始めちゃったの...」

「あ.....そっか.....いきなり親から引き離されちゃったから...」

 

 まだ生後1年経つかどうかくらいの赤子である、エル。いきなり親から引き離され、数日も経てば親が恋しくなるのも無理はない。

 しかし...だからと言ってどうする事も出来ない。ここはスカイランドでは無い為、どれだけ走り回ってもエルの親など見つかりはしない...かと言ってスカイランドに戻る方法も無い。

 

「せめて、パパとママの顔だけでも見せてあげられたら.....」

 

 しかし、それも無理だろう。

 スカイランドと地球は異世界。スマホやパソコンでテレビ通話など出来るような環境では無いのだから.......

 

 

「出来るわよ」

 

「「「え?」」」

 

 広間の扉から虹ケ丘ヨヨがやってくる。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 虹ケ丘ヨヨはそう言うと、ソラ達とは反対側の広間の椅子に座ると手に持って居たややファンシーな装飾がされた鏡を見せた。

 

()()()使()()()、両親が居るスカイランドと通信が出来るわ」

 

「「「ええぇ!!??」」」

 

 まさかの異世界を通じる事が出来る便利道具の登場にソラ、ましろ、バンダナワドルディは驚く。

 異世界を通じる道具という事は異空間を潜り抜けて通信しているという事。そんな代物はバンダナワドルディはローアかハルトマンワークスカンパニー製品しか知らない。

 

「これはミラーパッドと言ってね...好きな場所を映せるの。これを使えば、スカイランドに居るこの子の両親ともお話できるのよ」

 

 そう言うと、ヨヨはミラーパッドの表面をスワイプさせると様々な場所をリアルタイムでミラーパッドに映した。

 ソラとましろが初めて出会った場所、ランボーグと戦ったハンバーガー店、化粧品店、化粧品店内部などなど...

そんなミラーパッドを見て、ソラとバンダナは感心する。

 

「この世界には便利な道具があるんですね〜!」

「ハルトマンワークスカンパニーのロゴが無いからこの世界自作の製品なのかな? 凄いや!」

 

 しかし勿論こんな代物、現代技術では(ギリギリまだ)不可能である。ましろは「いやいや、こんなの無いから!」としっかり否定する。それと同時に、こんな代物を何故持ってるのかヨヨに訪ねる。

 

 すると、虹ケ丘ヨヨは少し間を置くと...................

 

「実はね.......私はスカイランド人なの♪

 

 

 

 

「「スカイランド人!!!???」」

「ぽよぉ~!」

 

 

 虹ケ丘ヨヨのあまりにも衝撃的過ぎる告白。

 衝撃と驚きのあまり、ましろとバンダナワドルディは驚きながらその場で少し飛翔した程だ。

 逆にソラはましろ達程は驚かずに「本当ですか!?」とやや落ち着きながら聞き返していた。

 

「ええ、本当よ。博学者だった私は50年前にこの世界を調べにやってきたの.....なーんて話、とても信じられないだろうけど.....この子達が居る今なら、信じて貰えるかしら?」

 

 ソラを受け入れた事、ミラーパッドの存在、そしてスカイランドの存在...この3つが無ければましろはこの話をきっと信じなかっただろう。しかし...上記の3つが事実である今、ましろは自身の祖母がソラと同じスカイランド人である事を驚きはしたが、一切疑いはしなかった。

 

「待ってください! ヨヨさん、もしかして...私とエルちゃんがスカイランドに帰る方法を知ってるんじゃ...!」

 

 事故でこの世界にやってきたソラとエルと違い、ヨヨはこの世界を調べる為にやってきた。という事は帰る方法も知ってるのでは?と思ったのだ。

 そんなソラの質問に対してヨヨは頷く。

 

「ええ、知ってるわ。少し時間はかかるけど、私に任せてちょうだい」

 

 ヨヨの言葉にソラの顔は明るくなった。エルを両親の元へ帰してあげられる日は思っていた程遠くは無さそうだった。

 

「よ、ヨヨさん。もしかして...プププランドへの帰り方は...」

 

 今度はバンダナワドルディが恐る恐るヨヨへ質問する。ヨヨがこの世界とスカイランドの行き来を知ってるならアナザーディメンションやプププランドへの帰り方も実は知ってるのでは?と思ったのだ...

 しかし、ヨヨは悲しげで申し訳無さそうな表情をする。

 

「ごめんなさい。スカイランドとこの世界、どちらも詳しい私でもプププランドやアナザーディメンションは聞いた事は無いわ」

「やっぱり.....いえ、大丈夫です! ありがとうございます!」

 

 バンダナは少し悲しい表情をしたが、すぐにヨヨに感謝を述べる。どの道そう遠くない内にマホロアやエフィリン辺りが助けてくれると確信しているバンダナとカービィにとってはそこまで気に病む事でも無いのだ。

 

「その代わり、貴方達のプププランドの友達が迎えに来てくれるまでここに居ても本当に構わないからね。貴方達が本当にいい人達だってミラーパッドで見てたから。」

 

(あっ、おばあちゃんがバンダナワドルディさん達をすぐに受け入れてたのってそれが理由だったんだ...)

 

 実はカービィとバンダナワドルディがソラとましろを守る為に戦っているのをちゃんとミラーパッドで見ていたヨヨがカービィ達が家に来ても驚きも怪しみもしなかったのはそれが1番の理由である。もし、それが無かったとしてもカービィ達を家に受け入れはしただろうが、エルを守る為にヨヨはカービィ達をしばらくは警戒はしていただろう。

 

「ありがとうございます、ヨヨさん!」

「ぽーぽぽよ! ぽよ!」

 

 バンダナワドルディとカービィは改めてヨヨに感謝の深い礼をする。

 

「さて...」

 

 ヨヨは何処からか太陽の様な紋章が描かれた分厚い本を取り出す。

 本には付箋が貼ってあり、ヨヨはその付箋が貼ってあるページを開く。すると、ページにはカービィ達には読めない謎言語と青い宝石が載っていた。

 

「スカイランドと通信するには沢山のエネルギーが必要なの。そのエネルギー源がこの宝石よ」

「スカイジュエルですね!」

 

 どうやら、ソラはこの青い宝石を知っている様だ。というよりもスカイランドのアイテムであるミラーパッドのエネルギー源がスカイランド由来なのでソラが知っててもおかしくないが...(そもそも何故ミラーパッドを知らないのか...見た目通りの高級品だからだろうか?)

 スカイジュエルというのは、スカイランドにある様々なエネルギー源に使用される鉱物らしく、どうやらこの世界には存在している様であった。

 しかし、ましろは見た事が無いと言っている。そもそも鉱物というものは簡単には見つからないので当たり前ではあるが...ソラとましろはエルの為に例えどんなに困難だろうとこの世界のスカイジュエルを見つけて見せて、エルと両親を会わせてあげたいと言った。

 

「僕達も行きます!」

「ぽよ!」

 

 その気持ちはカービィとバンダナワドルディも一緒であった。ソラとましろはともかく、カービィとバンダナは大冒険に慣れている。例えこの世界を一周しようとも宝石1つ見つけるくらいやって見せるとも...と言わんばかりに...

 

 

 

 

 

 

「スカイジュエルは家の裏山にあると思うわ♪」

 

 

 

 

 

 

 

「「「近ッ!!!」」」

「ぽよッ!」

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 その後、ソラ達は軽い身支度をしてスカイジュエルを探す為に裏山へと出発した。

 カービィは手ぶらだが、バンダナワドルディは護衛用の為に槍を持ち、ましろはリュックを背負い、ソラはエルに気分転換させてあげる為にスリングにエルを乗せて運んで移動していた。

 スカイジュエルを探すのが第一目標ではあるが、少しでもエルちゃんにこの世界に慣れて貰う為に、敢えてソラ達はゆっくりと裏山の景色を楽しみながら歩いていた。

 

 やがて、午前11時半頃になるとソラ達の昼食とエルちゃんにミルクを与える為に裏山の少し広めの原っぱにましろはピクニック用のレジャーシートを敷いて、水筒のお茶と自宅で自作したパンを振舞った。

 

 大食いのカービィの為か、パンの数が10を軽く超えて30近くあるが、ソラもカービィもバンダナもそこは突っ込まずにパンを1つずつ手に取る。

 パンは雲をイメージした白いパンと星型の黄色いパンの2種類があった。

 

「白いパンはスカイランドを、黄色い星のパンはポップスターをイメージしてみたの!」

 

「凄いです! ましろさん!」

「凄い! 形もちゃんと星型だし...モグモグ...味も美味しい!」

「ぽよぉい!」

「えるぅ〜!」

 

 雲のようなパン、くもパンも星型のパンのほしパンもどちらもスカイランド人、ポップスターの住民から大好評であった。

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「おばあちゃんが言ってたのはこの辺りだけど...」

「本当にあるんでしょうか...」

 

 昼食休憩が終わり、スカイジュエル捜しを再開したソラ達。ヨヨからはスカイジュエルの細かい場所はソラがキュアスカイに変身する時に使用するミラージュペン(スカイミラージュ)が発光して在処を示してくれるとの事なのでソラは片手にミラージュペンを掲げて移動していた。(エルはましろが抱き抱えている)

 一行は裏山に流れる川に辿り着くと辺りを見回す。

 

 すると、ソラのミラージュペンが緑色に発光し始めた。おそらくこれがスカイジュエルが近くにある事を知らせる反応だろう。

 

「さぁ、宝探しの時間です!」

「ぽよ!」

 

 スカイジュエル発見までもう少しなのと、子供が誰しもがワクワクし憧れるであろう宝探しの様な感覚になり、ソラとカービィのテンションは上がる*1

 

 道中、ゴロピョンの様な積み上がった石があったり、ソラがスカイランド神拳を使って自分より数回りでかい岩を破壊したり、それを見たカービィがかちわりメガトンパンチの要領で真似しようとしてバンダナワドルディにガチで止められたりと色々あったが.....しばらく歩いていると川の浅瀬にミラージュペンの発光に呼応して水色に輝く謎の物体を見つけた。

 

 ソラはミラージュペンを仕舞い、川の浅瀬でしゃがむと水色の物体に手を伸ばす。

 

「ありました! スカイジュエルです!」

 

 ソラが手に取ったのは水色に輝く手のひらに収まらない特大サイズのスカイジュエル。ヨヨに見せて貰った本、そしてソラが知るスカイジュエルと全く同じものである。

 

「やったね! これでスカイランドと通信が出来る!」

「やったね、ソラちゃん!」

「んー...やったー!!! やりましたー!!!

 

 

 

 

 

ドンガラガッシャーン!!!!!

 

 

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!」

 

 

 

 その瞬間、ソラ達の背後から岩や石が崩れる音と成人男性の雄叫びの様な悲鳴が響いた。

 何事かとソラ達が振り向くと.......

 

 

「おい! びっくりして崩れちまったじゃねぇーか! どうしてくれるのねん!」

 

 

 圧倒的不審者(カバトン)が居た。

 

 

「あなたは...()()()()()()

 

「カ バ ト ン ! いい加減覚えろっつーのねん!」

 

 まさかまさかの遭遇。

 バンダナワドルディは槍を構え、ソラやましろ達の前に出てカバトンに槍を向ける。そしてカービィは周りの空気を吸い込んで一回り大きくなる。

 しかし一方のカバトンは臨戦態勢のバンダナワドルディとカービィを気にも留めてないのか、ましろが抱えるエルちゃんを見つけると汚い笑みを浮かべる。

 

「探し物が向こうから来たのねん...その赤ん坊をこっちに寄越しな!!! カモン! アンダーグ・エナジー!」

 

 カバトンは右手を大きく掲げた後に地面に触れ、触れた地面から禍々しい黒紫の何かが溢れ出てくる。前にカービィ達が見たあのエネルギーと同じである。

 つまり.......

 

『ランボォォォーーーグゥゥゥゥーーーー!!!』

 

 ランボーグの再臨である。

 前回は自販機にアンダーグ・エナジーが集まって自販機のランボーグが出来たが、今回は川の近くに生えていた竹の1つにアンダーグ・エナジーが集まり、竹のランボーグが現れた。

 竹が巨大化し、竹に足が生え、モヒカンが生え、腕はタケノコとなっていた。

 

「ましろさんは隠れていて下さい!」

「カービィ! 僕達はましろさんとエルちゃんの傍に居てあげよう!」

 

 ソラはもう一度ミラージュペンを取り出し、バンダナワドルディとカービィは非戦闘員のましろとエルの安全を優先する為にましろの傍に移動する。

 勿論、ソラ...いや、キュアスカイがピンチになってもいつでも飛び出せる様に準備はしておく。

 

ヒーローの出番です!

 

 ソラはミラージュペンを掲げると、ミラージュペンはスカイミラージュへと変化する。

 しかし、その一瞬...カービィはソラが震えている様に見えた...それは果たして動揺か、武者震いか...それとも恐怖か...

 

スカイミラージュ! トーンコネクト!

 

 

ひろがるチェンジ! SKY(スカイ)

 

 

きらめきHOP(ホップ)

 

 変化した髪には髪飾りと耳飾りなどの装飾品が飾られ…

 

さわやかSTEP(ステップ)

 

 服装は派手で可愛らしい水色と白のドレスへと変化する。

 

はればれJUMP(ジャンプ)JUMP!

 

 ハートの付いた手袋、そして左腕から左肩にかけて外側が青、内側が赤の高貴なマントがバサっとひろがる。

 

無限にひろがる青い空! キュアスカイ!

 

 

 無事、プリキュアへと変身を終えたキュアスカイ。しかしキュアスカイの変身が終わると同時にランボーグは上空へと飛翔し、その巨体でキュアスカイを押し潰そうとしていた。

 よく、ヒーローの変身中に敵は何故攻撃しないのかと議論に上がるが、敵は敵ですぐに攻撃に移しているのだ。しかし、プリキュアの変身は敵からすれば一瞬の出来事であり、変身前に襲っても攻撃が届く頃には既に変身後の姿である*2

 このキュアスカイもそうである。

 ランボーグが押し潰そうと着地した時には逆にキュアスカイはランボーグよりも上空に飛んでいた。

 

『ランボッ!?』

 

 そして己がしようとしていた押し潰し...とは少し違うが、キュアスカイの落下蹴りはランボーグを地面に強く叩きつける。

 その反動を利用し、キュアスカイは距離を取るが...

 

『ランボーグー!』

 

 距離を取るのはかえってランボーグに有利に働いた。

 ランボーグは地面にタケノコの腕を突き刺すと、どういう原理か地面から鋭い竹が次々と生えてキュアスカイを串刺しにしようと動き始めたのだ。

 反射的にキュアスカイは更に距離を取るが、竹はキュアスカイがどれだけ距離を取ろうが全く数が減る事も無く、スピードも衰える事無くキュアスカイを追い掛け続ける。

 挙句にはキュアスカイが大きな岩の上に乗って、地面から離れようと試みても、なんと竹はキュアスカイが一時的に避難した岩にも生えて岩を粉砕した。

 あの竹は恐らく、地面から生えてるのでは無く、ランボーグを軸に無機物に伝染して竹が生える仕組みなのだろう。

 

「距離を取るのは危険...だったら懐に...!」

 

 キュアスカイは岩が粉砕されると同時にもう一度大きく飛翔し、ランボーグに蹴りを入れようとする。

 だが流石に2回目の行動なのでランボーグは早々に地面に突き刺していたタケノコ腕を地面から引き抜くと空中のキュアスカイを迎撃しようとタケノコ腕を空に伸ばしたが...

 

 タケノコ腕が迎撃に来たタイミングでキュアスカイは空中蹴りをキャンセルし、そのまま真下に直線に落下。上を見ていたランボーグの死角である、足元に上手く移動したのだ。

 

「はぁっ!!」

『ボゥグゥゥゥーー!!!』

 

 隙だらけのランボーグの腹部にキュアスカイは正拳突きをお見舞い。プリキュアに変身せずとも岩をも砕くキュアスカイの正拳突きは体格が数倍大きいランボーグをいとも容易く後方へ吹っ飛ばした。

 

「むきっー!!! 何やってるのねん!」

 

 大ダメージではあるが、まだ戦える。

 ランボーグはカバトンの苛立ちに呼応して立ち上がると、今度は腕のタケノコをミサイルの様に飛ばしてきた。自販機ランボーグといい、ミサイルは標準装備なのだろうか?

 近い距離の初見ならともかく、キュアスカイは過去にランボーグのミサイルを経験済である上にそれなりの距離があったので難なく回避。

 右左、そして上空に飛んでタケノコミサイルを回避し、かすりもしなかった。

 しかし、やたらめったらに動くキュアスカイに対してやたらめったらにミサイルを発射するランボーグ。

 飛び交うタケノコミサイルのその内の1本が運悪く、キュアスカイとは全く関係無い方向...それもましろとエルが隠れている岩陰の方へと真っ直ぐと飛んで行った。

 

「.....っ!ましろさん! エルちゃん!」

 

 しかし、こんな事もあろうかとましろ達の近くにはバンダナワドルディが居る。過去にロボットとも対峙した彼からすればミサイルの対処などおちゃのこさいさい。

 

 

 

 と思っていたが...タケノコミサイルが近づいてくると、そのサイズ感にバンダナワドルディの表情は強ばる。

 タケノコミサイルはバンダナワドルディからすればミサイルというロケットと言えるサイズ感であった。いくら歴戦のワドルディであるバンダナワドルディでも流石に槍一本で対処出来るか怪しかった。

 

 だが...タケノコミサイルはそれ以上バンダナやましろ達に近付く事は無かった。

 何故なら、タケノコミサイルは途中で何かに引き寄せられるかのように横に移動したのだ。

 

「あっ、カービィ! ありがとう!」

 

 そう、カービィが()()()()()()()

 

 自分より何十倍もでかい、ロケットとも言えるミサイルを...

 

「え、ええ...ミ、ミサイルを...!?」

「ぽよぉ!」

 

 タケノコミサイルを『すいこみ』して、ミサイルを丸々頬張ったカービィはいつもより歪な形になり体積も倍近くになっていたが何ら苦ではなさそうであった。ましろ達が無事である事を確認すると嬉しそうにランボーグの方に向くと……頬張っていたタケノコミサイルをお返しと言わんばかりに吐き出した。

 

『ラ、ランボォォォグ!!!!』

 

 自身が発射した時よりも格段に速いスピードで返って来たタケノコミサイルをランボーグが避けられるはずも無く、タケノコミサイルもろとも爆発する。

 そして黒煙の中、息も絶え絶えなランボーグに容赦無くキュアスカイは3度目の飛翔をする。しかし今度は今までの飛翔の中で最も大きい。

 十分な距離を取ったキュアスカイの狙いは必殺技を放つ為の距離を稼ぎたかったのだ。

 

ヒ〜ロ〜ガ〜ル〜スカイパーンチ!!!

 

 水色の閃光となったキュアスカイはランボーグの身体を貫通し、竹のランボーグもあえなく浄化された。

 

『スミキッタ〜』

 

 

 

「ムキッー!!! こうなったら、第2ラウンドなのねん!」

 

 ランボーグとの戦いで被害にあった山がプリキュアの浄化の力で修復されていく中、怒ったカバトンは何処からかあまりにも毒々しいキノコを2つ取り出すとそのまま口の中で頬張る。

 ()()()()()()()()、ましろは「あっ!」と声を掛けて止めようとしたが既に遅い。カバトンはキノコを飲み込むとお腹を満たし、力を蓄えた。

 

「いくぜ! カモン!アンダーグ_____」

「ええっ!? まさかの2回目ですか!?」

 

 しかし、カバトンがアンダーグ・エナジーを出そうと地面に触れた瞬間……カバトンは急にお腹を押さえて悶え出す。

 

「い、今のキノコ…毒キノコなんだよね…」

「ああ、だからなのか」

 

 ましろがカバトンが食した毒々しいキノコはその見た目通り、毒キノコであると伝え、バンダナワドルディはカバトンの苦しんでる理由に納得する。

 そんなカバトンのマヌケすぎる自滅にキュアスカイは呆れる。

 

「もう、山に生えてるモノを無闇に食べたら駄目なんですよ! めっ!

「ぽよぽよっ!……モグモグ……モグモグ」

 

 キュアスカイはまるで子供を叱り付ける様にカバトンに山の危険を伝える。そしてそうだそうだと言わんばかりにカービィもカバトンが食べた()()()()()()を50〜60本食しながら頷いていた。

 

「く、くぅ〜! 覚えてるのねん! カバトントン!」

 

 お腹を押さえながらもお得意の煙幕は使える様で、カバトンはその場からスっと消えた。

 そして同時にプリキュアの変身が解かれ、キュアスカイはソラ・ハレワタールへと戻った。

 

「さ、早く戻ってヨヨさんにスカイジュエルを渡しましょう!」

「「うん!」」

「ぽよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえばカービィさん、さっきは助けてくれて___……って毒キノコ食べてるぅぅぅ!!??」

 

 カービィは合計で76本の毒キノコを食べたが、何も異常は無かった。

 それに対してバンダナワドルディは「カービィが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()(笑)」と笑っていたがましろとソラは気が気で無かったという。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

「はい、これで繋がるはずよ」

 

 ソラ達から渡されたスカイジュエルのエネルギー源をミラーパッドに注入したヨヨはミラーパッドをソラ達の方へと向ける。

 ソラやましろ、エルがミラーパッドを覗くとそこには大きなお城が映った後に……高貴な服に身を包んだ髭の生えた男性が映し出された。そして次に同じく高貴な服に身を包んだ女性も映った。

 この2人こそ、エルちゃんの父親と母親であり……

 

『おお、()()()()()・エル!

 

 スカイランド国王とスカイランド王妃であった。

 

「「「ええぇ!? プリンセス・エル!?」」」

 

 

 

「私がつけた名前合ってましたね!」

「「そこじゃないよね???」」

 

 ソラは名前が分からないので自身が仮で名付けたエルという名前が本当にエルちゃんの名前である事に喜んでいたが、バンダナワドルディとましろはそこよりも別の所に驚いていた。

 

「プリンセス・エルって事は……!」

「エルちゃんは…スカイランドのお姫様って事!?」

 

 王族に仕えるバンダナワドルディよりも上の、()()()()()がエルちゃんの正体であった。

 それと同時にバンダナワドルディはカバトンが何故エルちゃんを狙うのか、目的を理解した。

 

(成程、王族の娘……だからカバトンは諦めずに3回も狙ってきてたのかな?…という事はカバトンはもしかしてただの誘拐犯じゃなくてテロリスト組織の一員? それならあの禍々しいエネルギーにも説明が付くぞ……思ってたよりも事件の規模が大きいかも!)

 

 証拠も無い予想は口に出してもスカイランド国王もエルちゃんも不安にさせるだけ。だからバンダナワドルディは自身の予想を頭の中だけで留めた。どちらにせよ、相手がただの誘拐犯だろうがテロリスト組織だろうが神だろうがエルちゃんは無事に守り抜いてこの国王達に届けないと行けない。

 

『皆さん、プリンセス・エルの事……』

『よろしく頼みます……』

 

 ミラーパッドの向こうでは、スカイランド国王と王妃が現在プリンセス・エルを預かっているのがスカイランドでも有名な博学者ヨヨであると知ると、安心した様で。頭を下げてプリンセス・エルの事を頼んで来た。

 王族に仕えるバンダナワドルディなら知ってる。王様が頭を下げるなんて余程の事であると……もし()()()()()()()()()()が誰かに頭を下げて頼み事なんてしたらきっとバンダナワドルディは一生忘れる事が無いだろう。

 それは……同じく大王を知るカービィもそうであった。

 

 

「「「はい!」」」

「ぽよ!」

 

 

 ソラ、ましろ、バンダナ、カービィは力強く頷いた。

 その勇敢なる4人の戦士の姿を見届けた国王……やがて、すぐにミラーパッドのエネルギーが底を尽きてしまい、何も映らなくなってしまった。

 

 ほんの数十秒……1分あるかどうかのとても短い会話だったが……それはエルちゃんが寂しさを乗り越えるには、そしてソラ達が更にエルちゃんを守り抜いてみせると決意するには充分であった。

*1
ちなみにカービィはマジルテにてガチの宝探しを経験済

*2
諸説あり。今でも人類はこの事について様々な議論を交わしている。





カービィが毒キノコを食べても『ポイズン』にならないのは、食事とコピーは別物として処理しているからだと解釈しています。(じゃ無ければかき氷を食べる度にアイスカービィに、ジュースを飲む度にウォーターカービィになってしまうから)。

*追記 Wiiデラックスにてカービィもお腹を壊す(らしい)ことが判明しました。地面に落ちてるもん食っても大丈夫なのにね…

次回、『新たなヒーローガール! キュアプリズム!』




☆カービィ、プリキュアを知らない人の為の用語解説★

〜プリキュア〜
【ミラージュペン】
・今作のプリキュアが変身する時に使うペン。これが無いと変身出来ない。

【虹ケ丘ヨヨ】
・まさかの第3話でスカイランド人だとカミングアウト。プリキュアが全員揃ったらカミングアウトするのかと思ってました。
この場合、ましろにもスカイランド人の血が入ってる事になる。
つまり現在虹ケ丘家には純粋な人間は誰も居ない(スカイランド人3人、クォータースカイランド人1人、ワドルディ1体、悪魔1匹)

【プリンセス・エル】
・カバトンやアンダーグ帝国がエルを狙ってるのは単純に王族だからでは無いと思われる。(ソラをキュアスカイにした力が目当て?)


〜カービィ〜
【マジルテ】
・星のカービィSDXの洞窟大作戦に登場した地下世界。危険がいっぱいだが、宝物も沢山。カービィは偶然この世界に落ちてきて、脱出とお宝入手を目的にマジルテで冒険する。

【ゴロピョン】
・星のカービィ64のザコ敵。得られるコピー能力はストーン。64以降の作品は一切の出番無し。

【かちわりメガトンパンチ】
・ミニゲームの1つ。カービィ達が素手でポップスターをどれだけ強く割れるかを競うとか言う、頭のイカれたスポーツ。星を救うはずのヒーローが自身の星を真っ二つにするな。

【すいこみ】
・カービィの代名詞。色々な物を吸い込めて、自分より数倍でかいものも吸い込める。そして吸い込んだ物は吐き出して相手にぶつける事がカービィの主な戦い方の一つである。
しかし、吸い込んだ物を吐き出さずに呑み込むと...???
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