ファイナルファンタジー3 リブートエディション 作:北村 貴之
ネプトの神殿で祀られているネプトの海竜が暴れた原因は、神殿内の竜の像にはめこまれていた竜の目がネズミによって奪われたことだった。
光の戦士として選ばれたソールたち4人と旅人のデッシュはそのネズミを討伐し、無事竜の目を取り返してネプトの竜の像にはめこんだ。
それにより、海上で暴れていたネプト竜は深い眠りにつき、海の上は穏やかさを取り戻したのだった。
しかし、ネプト竜いわく、大地震の影響で、自身が守っている水にも影響が及んでいるのだという。
彼女が守っていた水にも光が宿っていたらしいのだが、どうやら水の中の光が奪われてしまった、とのことだ。
自分を救ってくれた光の戦士たちに、水の牙を授けた。
勾玉型の青い石だ。
水の牙を手に入れたソールたちは、早速バイキングのアジトへと戻っていたのだった。
ここバイキングのアジトは、他の大陸の町の者たちと交易を行いながら生計を立てている。
しかし、先述のネプト竜が海上で暴れていたため、船を壊され、船を出せなくなり生活が苦しくなっていた。
そんなある日、ネプト竜がソールたちの活躍により落ち着きを取り戻して眠りについたため、元通りの暮らしを取り戻すことができた。
そのため、バイキングたちはその知らせを聞くと、かつての賑わいを取り戻そうと必死になっていたのだ。
そんなバイキングたちが、アジト内でせっせと次の仕事の準備をしていた。
「あの人たちが海竜を鎮めてくれたから、また魚を大漁に獲れるねえ」
「ああ、これでまたしばらく食いつなぐことができるな」
海賊たちが談笑しながら、魚を入れるため籠を担いでいる。
最初訪れたときはかなり静かな雰囲気だったが、神殿を訪れた後に戻ってくると活気で賑わっていた。
「おお、みんなうれしそうだ」
ソールがその様子を見て笑顔になる。
「この人たちの助けになれてうれしいわ」
ティエラがそう言うと、仲間全員がうなずく。
「あ、そうそう。ここのリーダーにまず船をもらえるかどうか聞かないとね」
マイムがそう言った。そう。このバイキングのアジトのリーダーである女性と、ある約束をしていた。
無事にネプト竜を鎮めることができたのなら、このアジトに船舶している船「エンタープライズ」をあげると言っていた。
ソールたちは見事、その海竜を鎮めることに成功したのだ。
ソールたちはそのボスがいるというアジト内の部屋に入った。
「すみませ~ん…。船の件だけど……」
マイムが部屋の中にいたバイキングたちに尋ねる。
「おお!あんたたち!」
バイキングたちのリーダーであるボスは、気さくそうな長い黒髪の女性だ。
健康的に焼けた小麦色の肌をしており、真っ白なビキニをその身に包んでいる。
足には金の装飾があしらわれた黒いロングブーツを履いている。
「ま、まさかホントに海竜を鎮めてしまうとは…」
嬉しさを抑えられないボス。そして彼女の後ろでは、部下たちも歓喜の声を上げていた。
「ありがとうございます……!本当に助かりました!」
「約束通りエンタープライズは今日からお前さんたちのものだ!」
ボスが嬉しそうな顔で、大切にしていたであろう船、エンタープライズをくれた。
これで海を渡って新たな土地を踏むことができるようになった。
【デッシュとの会話】
「確か…。南の大陸のアーガス王が飛空艇の秘密を知ってるって、カナーンで聞いたぜ」
エンタープライズを手に入れて数分後のことだった。
デッシュがこんなことを言ってきたのだ。
そういえば、以前カズズの町で出会ったカナーンに住む老人のシドからも聞いたことがある話だ。
飛空艇についての情報を持つアーガス王は南の大陸に城を築いているとかなんとか……。
「どうやって飛空艇は空を飛んでるのかしら?また乗りたいわ」
普段は物静かなヴェントがどこかワクワクした様子で言った。
【デッシュとの会話 その2】
バイキングたちの持つ船・エンタープライズを手に入れたことにより、行き先が広まった光の戦士とデッシュ。
そんなデッシュは、どこか嬉しそうな様子を浮かべていた。
というのも…。
「やったぜ!船を手に入れたぜ!これであっちこっちの美人を探しに…」
デッシュが喜んでいた理由。それは、船で各地の町に行き、そこで美女を見つけてナンパしてお持ち帰りする、ということだったようだ。
なんとも不純な動機だった。
そんな彼に物申したのが、ティエラだった。
商人の家の養子として育ったためかは不明だが、真面目な性格をしている。そんな彼女は、お気楽なデッシュを叱りつけた。
「もうっ!やっぱりあなたって人は!!」
ティエラの眉間にしわが寄る。
そんなティエラの顔を見たデッシュが顔を青くする。
「うそ…。うそだって!!」
慌ててデッシュは謝った。
「まったく……」
デッシュの言動に呆れながらも、彼がいつもどおりでほっとしたような表情を見せた。
そんなやり取りを見て、旅を共にしている仲間たちが笑みを浮かべていた。
【デッシュとの会話 その3】
「グルガン族っていう、目の見えない一族が住んでいる谷があるらしいぜ」
デッシュからある一族の情報を聞くことができた。
流石、各地を旅していることだけある。
「なんでも予言ができるとか。本当かな?」
「なんだって、未来が見えるだって?うーむ、知りたいような、知りたくないような…」
デッシュからの情報を聞いたソールが目を丸くした。
ウルの村から滅多に出ることがなかったソールにとって、興味が出る情報でもあった。
【絡まれたソール】
バイキングのボスとの会話を終えたときの出来事だった。
マイムは何やら不機嫌そうな顔を浮かべていた。
なぜ彼女がそんな顔をしているのかというと…。
時は戻りボスとの会話の場面。
そのバイキングのボスは女性だった。
そのボスは健康的な小麦色の肌を惜しみなく晒し、その身体に真っ白なビキニを着ているため、ほぼ裸に近い状態だった。
しかし、そのままビキニだけの姿というわけでもなかった。
青いコートを羽織っており、足には黒いロングブーツを履いていた。
「本当にネプト竜を鎮めてしまうとは!ありがとう、ありがとう!」
そう言っていたボスがペコペコと頭を下げていた。
その時だった。彼女が何度も頭を下げていた時に、上半身にぶら下げていた豊満な双丘がぷるん、と上下に大きく揺れていたのだ。
程よく焼けたその肌の色をした胸は、男が見たら思わず目を奪われてしまうだろう。
ソールも例外ではなく、彼女のその豊かな胸に目が釘付けになっていた。
「…………っ!?」
ソールの視線に気づいたのか、ボスがハッとなって顔を上げた。
「あ……!す、すみません……」
ボスが頬を少し赤らめる。そんなボスは少し内股気味になっており、かなりセクシーだった。
むちむちの太ももも眩しい。
「ああ、悪いねえ…。男の子の前だったね」
ボスが笑いながら謝罪した。どうやらボスは、部下たちに慕われているだけでなく、男女問わず人気があるようだ。
「あの船をよろしく頼むよ!」
ボスは笑顔でそう言った。
ソールとボスのやりとりを見ていたマイムはソールの方を凝視していた。
ソールのズボンが、何やら意味深に膨らみを見せている。
それを見たマイムが、仲間たちに聞こえない音量で、低く舌打ちをした。
「ソールくーん。ちょっといいかな?」
少し低い声でマイムがソールに声をかけた。
「え?どうしたんだ?」
ソールが反応する。
「ちょっと二人でこっち来ましょうか」
「は?」
ソールは突然のことに首を傾げる。
すると、突然ソールは、手首を強く握られる感覚に襲われた。
それもそのはず。マイムがソールの左手首を強く握ったのだ。
そして、そのまま、マイムはソールの手を引いて歩き出した。
「ちょ……、どこ行くんだよ……!?」
「いいから。黙ってついてきてください」
「は……?なんで……!?」
訳が分からず、戸惑うばかりのソール。
そして、そのまま、ソールを連れたマイムは酒場に来た。
(え?どうして酒場…?)
未成年のソールだが、当然お酒は飲めない。自分を連れてきたマイムも未成年だ。
そんな彼女は、酒場の店主に声をかけた。
「いらっしゃ…。あ、君たちまだお酒が飲める年齢じゃなさそうだね」
「すみません突然。トイレを貸してほしいんですけどいいですか?」
「あ、ああ。好きに使ってくれたまえ」
店主は少し困惑気味に、トイレを貸してくれた。
「ありがとうございます。さ、行きましょう」
顔をソールの方に向け、そして手首を掴んだままトイレの方へとそそくさに向かって行った。
バタン、と扉を閉め、そして鍵を閉めた。
酒場内のトイレは割と広めだった。
用を足すための便器があり、手を洗う場所も完備だ。
マイムがしかめた顔でソールの顔を見る。
「まったく……。あんなおばさんの胸で興奮するなんて…。どれだけ欲に忠実なんですか!」
「ごめん……」
マイムは怒り心頭のようで、顔を赤くして怒っている。
(いや、あの人「おばさん」と言える年齢なのか?だいぶ若そうに見えたぞ)
ソールはボスの見た目はまだ若く見えていた。確かに、あの女性は20代くらいの美人だった。
「わかりやすく大きくするなんて…。これで光の戦士が務まると思って?」
マイムの声に怒りが混じっていた。
「ええと…。それは…」
「なあに?言いたいことがあるならはっきり言ってください?」
マイムの口元がニヤリと笑みを浮かべていた。
マイムは、ソールの股間を指差した。
「これ、どうにかしなさい?」
「はい……」
ソールの膨らみは縮んでしまっていた。マイムに問い詰められているのか、戻ってしまったようだ。
我慢の限界を迎えたのか、マイムは突然ソールに接近し、
「相変わらずわけのわからない孤児院育ちの男なんだから!もう、こうなったら出すまで許してあげないんだから」
「お、おい…!」
ソールが冷や汗をかいていた。マイムは舌をペロッと出し、何かを企んでいるような目をしていた。
トイレの中からソールとマイムの声がする…。
見せることはできないが、何やらかなり危険な状態になっているようだった。
「へ~え。大人の女でさっきあんなに大きくしてたのにあたしでも反応するんだ」
「おい、やめ…」
「やーめーまーせん。さっきも言ったでしょ、出すまで許してあげないって」
「うぅ…」
弱気なソールの声と、どこか楽し気なマイムの声が扉越しに聞こえてくる。
それからしばらくして…。
「お、おおっ…!どうしてだ?商人の養子なのに、なんで手慣れているんだ?」
「あら。これでもあたしも初めてなんですけど」
「え?そうなのか?」
「はいはい。あんまり動くの駄目」
「あっ、やめ!」
かなりの時間が経過していたが、二人はどうやらまだトイレの中にいるようだ。
そして、この会話内容から察するに、どうやらマイムはソールに説教をしているというよりも、ソールで「楽しんでいる」ようだった。
そして…。
「ああ…。どうしよう…。もうすぐだ…」
「もうすぐ?はい。頑張って!」
「ああっ!ダメだ…!うっ…!」
この後はどうなったのか…。中にいた二人のみぞ知る。
ガチャリ…と扉が開いた。
トイレから、顔を赤らめてうつむいているソールと、同じく頬を赤くして少し興奮気味のマイムが出てきた。
トイレを我慢していたバイキングの男がそれを見て、大慌てでトイレに駆け込んだ。
「お前ら…。一体どれだけ中にいたんだよぉ~」
そう文句を言いながら、急ぎ足でトイレの中に入っていったのだった。
マイムがソールの顔に、整った顔を近づける。
「いい?もう簡単に大きくしないでね」
「はい…」
「よろしい」
マイムがウインクをした。
その後、二人で酒場を出た。
「エンタープライズ…かあ。これで海を渡って別の大陸に行けるようになったはいいが…。まずどこへ行こうか」
ソールは悩んでいた。
旅のルートが広まったのはいいが、次の行き先がわからずにいた。
「ふふ。そんなこと悩んでもしょうがないですよ。とにかく、今はいろんな場所に行くしかないじゃない」
「そうだな」
マイムの言葉に納得したソール。
すると、ヴェントに声をかけられた。
「あーっ、ちょっといいかな」
「あら、ヴェント」
マイムが反応する。
「せっかくデッシュさんがいるんだし…。一度カナーンの町に戻って、サリーナさんに会わせてみるのはどうかな」
それを聞いていたデッシュが会話をしている光の戦士たちの方を向いた。
しかし、彼は何も言葉を発さなかった。
「そりゃいいな。何も言わずに町を出たんだ。あの人に顔さえ見せりゃ元気が出るだろう」
「よし決まりね。じゃ、早速行きましょう」
こうして、光の戦士一行は、デッシュを連れて、ドラゴンの住む山の近くにある町・カナーンへと向かったのだった。