ファイナルファンタジー3 リブートエディション   作:北村 貴之

30 / 38
其之30 アーガス城 時の歯車

魔導士ハインを倒し、無事にアーガス王やアーガス城の人々たち、そしてトックルの村の人々を助け出した光の戦士たち。

彼らは生きている森を後にして、アーガス城へとやって来ていた。

生きている森にわかりやすくそびえ立つ、「長老の樹」なのだが、ハインにより魔力で居城に変えられ、多くの人たちを拉致・監禁していたようだ。

だが、トックルの村にて捕らえた光の戦士たちの活躍により、その居城は元通りの樹となり、、囚われていた人々も救出され、今ではかつての美しく、たくましい本来の樹の姿を取り戻した。

長老の樹より、闇の力を払う力があるという「風の牙」をもらったソールたちは、次の冒険に必要となる「飛空艇」の情報を知っているというアーガス王を訪ね、アーガス城を訪れていた。

前回も来たことはあるのだが、ハインに拉致されていたため、誰一人この城にはいなかった。

だが、今は違った。

城内には兵士や使用人たちが、ソールたちを迎えてくれた。

アーガス王は最上階にある円卓の間にいると教えてもらったので、ソールたちはその円卓の間へと向かった。

 

円卓の間は豪華な宝飾が施されていた。天井にはシャンデリアが吊るされている。

アーガス城には玉座はなく、それに相当する椅子が、その代わりのようなものであった。

アーガス王はその円卓の端の方に座っていた。

「おお! 来てくれたか!」

アーガス王はソールたちを見るなり、嬉しそうな顔を浮かべている。

「光の戦士たちよ。そなたたちのおかげで再び平和が訪れた。心から礼を言う」

アーガス王が頭を下げる。

「ありがとう!これを持っていくのだ」

そう言うと、アーガス王は円卓に置かれていた焦げ茶色の木箱を開封し、金色の歯車をソールたちに手渡した。

歯車はくすんでおらず、ピカピカに光っており、作り立てのような雰囲気を感じさせる。

「これはわが国家に代々伝わる、『時の歯車』というものだ。古代の民が作ったと言われている。これをカナーンに住む、技術者のシドに渡すんだ」

アーガス王はどうやらカナーンの町に住むシドを知っていたようだ。

彼は光の戦士たちと一時的ではあったが旅を共にした。

現在では奥さんと二人で仲良く暮らしている。

「やった!これでシドに飛空艇を作ってもらえれば、この浮遊大陸を飛び出せるね!」

マイムが嬉しそうな顔をしてそう言った。

「おお、シドを知っているのか?それなら話は早い。では行きなさい」

詳しい事情を聞くことなく、アーガス王はそう言ってカナーンへと向かうように促した。

平和にはなったが、一時的なものでしかないのは知っていたようだ。

「はい。ありがとうございます」

ヴェントがそう言って頭を下げた。

「気をつけて行くのだぞ」

アーガス王が言った。

ソールたちはこうして、アーガス城を後にした。

 

空では太陽が高く登り、昼の時間であることを告げている。

「それじゃあ、お腹も空いたことだし、みんなでお昼ご飯にしましょうか」

マイムがそう言うので、ソールとヴェントもティエラも賛成した。

船のエンタープライズの中で、4人は昼食をとることにした。

彼らがここで食べていたのは、肉や野菜の入ったサンドイッチだった。

パンは街のパン屋からもらったもので、少し硬く、保存用のパンのようだった。

だが、パンが固くて食べにくいのと、味付けが塩しかないのを除けば、食べることはできる。

マイムは水筒の水を魔法で温めてからみんなに配った。

「ん~…。船の中で飯なんていつ以来だっけか」

ソールが呑気そうな声を上げてサンドイッチに舌鼓を打っていた。

ティエラはお茶を飲んでいる。

「そうね…。ここでご飯なんて食べた記憶はあんまりないような…。数日しか経ってないけどね」

ヴェントがそう言った。

「無理に思い出をひねり出しても時間の無駄だし、シドの所へ行って飛空艇を作ってもらいましょ」

ティエラがサンドイッチをかじりながら言った。

他の3人も彼女の意見に同意して頷き、まずは腹ごしらえを済ませることにした。

こうして昼食を終えた後、一行はカナーンの町へと向かったのだった。

ソールが舵をきり、カナーンへと目指した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。