ファイナルファンタジー3 リブートエディション 作:北村 貴之
共同墓地に封印されていた魔神、ジンを何とか封印することができたソールたち。
ソールはジンの炎の攻撃により苦しめられたものの、ヴェントとティエラが二人がかりで放った氷の魔法の一撃により、ジンに致命傷を負わせることができた。
そのため、1度目は封印できなかったものの、2度目はソールたちが弱体化したおかげで封印に成功した。
サスーンの城の姫であるサラが、ミスリルの指輪を使ってジンを封印したのだ。
こうしてサラの瞬間移動の魔法で共同墓地を後にしたソールたちは、現在サスーンの城の前に来ていた。
ここサスーンの城には、地下に聖なる泉があるらしく、その泉で先ほどの指輪を清めれば、サスーンの城と、カズズの町の呪いを受けた人たちを元に戻すことができるという。
「じゃあ、まずは地下にあるっていう、聖なる泉ってところに行くんだね」
「ええ。急ぎましょう」
一刻も早く呪いを解きたがっているサラに催促され、ソールたちは早速、城の中にある、聖なる泉へと急行したのだった。
サスーンの城の地下にある聖なる泉の間についた。
この聖なる泉のある部屋は、清らかな雰囲気が漂っている。おそらく、この場所こそが呪いを解く場所なのだろう。
「では、始めます……」
そう言ってサラは、手に持っている指輪を外す。
そして、その指輪を、泉にめがけて投げたのだった。
投げられたミスリルの指輪は、ちゃぷん、と音をたてて、泉の奥底へと沈んでいった。
「ず、ずいぶんあっさりなのね」
ヴェントが小言でその様子を見て呟く。
聖なる泉の様子は何一つ変わっていなかった。
水質はきれいな状態だし、泉の中に沈んだはずのミスリルの指輪もない。
本当にこれで呪いが解けたのか?と疑問に思うくらいだ。
「……何も起きないわよ?」
ティエラも首を傾げている。
「いえ、これで呪いが解けたはず。さあ、お父様のところに行ってあげて!」
サラにそう言われ、ソールたちは呪いが解けているであろう、サスーンの王たちの元へと向かったのだった。
場所は変わり、サスーンの城の中の王の間。
王は玉座に座っていた。
この城の王は、赤茶けた髪と髭をしている中年男性だ。頭には王様の証である王冠を被っている。
「ありがとう、若者たちよ!そなたたちのおかげで、皆が救われた!」
嬉しそうな顔で、王は光の戦士たちを見つめている。
「それじゃ、俺たちはこれで…。光の戦士として旅立たなきゃいけないんだ」
ソールはそう言い残して立ち去ろうとする。
だが、そんなソールの言葉に、王がいち早く反応した。
「光の戦士…。そうか。それは大変なこったな。しかし、そなたたちが力を合わせれば、どんな困難にも立ち向かえるだろう」
王は4人に激励の言葉を送った。
「はい。ありがとうございます。それじゃ、失礼します」
ソールたちは王に別れを告げる。
他の3人も挨拶をして、ソールと共にその場から立ち去った。
「これで、私たちの旅が始まるのね」
「ああ。あとは世界各地のクリスタルの巡礼…かな」
話しかけてきたマイムに、ソールがこう答えた。
サスーンの城を後にしようとした4人。ソールたちが城門を抜けようとすると…。
「みんなー!!」
サラの声が後ろから聞こえてきた。ソールたちは振り向く。
「あっ、サラ姫様!」
マイムが反応する。サラは少し寂し気な顔をしていたものの、その直後に満面の笑みを浮かべていた。
「元気でねー!旅が終わったら、必ず帰ってきてね!」
城のバルコニーにいたサラは、右手を振りながら、ソールたちを見送っていた。
サラが左右に腕をふるものなので、ぷるん、ぷるん、と、けしからん大きさの胸が上下に揺れている。
何とも大胆なお姫様である。
「じゃあ!サラ姫!」
ソールは笑顔で手を振り返す。
そして、ソールたちはサラに見送られながら、城を去ったのだった。
「ふぅ……」
ソールは、城の門を抜けたところで、大きく息を吐いた。
「どうしたの?」
そんなソールに反応したのは、マイムだった。
「いや、あのサラって子、可愛いんだけど、なんか変な感じの子だったなって思って」
「えっ!?」
マイムは驚いて、ソールの方を見る。
「いやいや…。別に変な感じってわけじゃなかったんですけど?」
マイムが慌てて反応する。
しばらくして、マイムが、
「ふーん。あ、まさかとは思うけど…。あちらの意味での『変な感じ』ってわけかな?」
と、怪しむ感じでソールの顔を眺めてきた。
そのマイムの反応にさすがのソールも焦りの色を見せていた。
「いや、そうではなくてな…」
「まぁ、どっちにしても、あなたには関係ないことよね」
そう言って、マイムは笑いながら、ソールの横を通り過ぎていった。
「……おい。ちょっと待ってくれよ!」
その後ろ姿を追いかけるように、ソールも歩き出す。
ソールたちは、共同墓地の近くに置いてきてしまった飛空艇を回収すべく、再び共同墓地の方面へと向かった。
今回は森の中を徒歩で向かうこととなる。
森の中を進んでいる中で、ティエラがいきなり、ソールたちに声をかけた。
「あ、あの…」
ティエラのその様子は、少し落ち着かない様子だった。
「ん?どうしたんだ?」
ソールが心配そうに聞いてくる。
何かを察したヴェントが、ティエラの方に向かい、彼女に耳打ちをした。ソールからもその声は聞こえることはなかった。
ティエラはぼそぼそと、ヴェントに何かを話していた。しばらくすると、ヴェントはソールに近づいてきて、こんなことを言った。
「……ねぇ、ソール。ごめんなさい。ちょっとここで待っててくれる?」
「……え?」
ソールはいきなりここで待ってほしいとお願いされた。しかし、辺りは森で、草木が生い茂っているだけで何もない。
「ほんの少しでいいの。ね?お願い」
ヴェントが手を合わせて、ソールに懇願してきた。
ソールは仕方ないな、というような顔をした。
「あぁ…。わかった。あんまり遠くには行くなよな」
「ありがとう」
こうして、ソールは1人でその場に取り残されることになった。
「……大丈夫かしら。あいつは」
そんなソールの様子を見て、マイムが呟いた。
「……ん?ソールがこっちに来るか心配してる?」
「そっ」
マイムとヴェントも、ティエラについてきてあげていた。そのため、ソール一人が、ポツンと居残りさせられている状態だった。
「ここならもういいかしら…」
ティエラがもじもじしている様子で、マイムたちに話しかけた。
「うーん……。そうね。この辺でいいんじゃない?」
マイムはあたりを見回した。彼女たちの腰回りが隠れるくらいの高さの茂みがそびえている。
「じゃあ、早速やってもいいわよ」
ヴェントがティエラにウインクして、何かをするように促す。
そんなヴェントの言葉を受けたティエラは茂みをバックにしゃがみこんだ。そして、彼女はスカートをたくし上げた。彼女の白い太腿が露になる。
そして、履いていた白いショーツも脱いでしまう。
慣れていないのか、はたまたやったことがないのか、ティエラは顔を赤くしてキョロキョロと周囲を警戒している。
そんな彼女を見て、ヴェントが、
「安心して。もしソールが来たら、私たちが何とかするから」
と、優しく声をかけた。
「……うん」
ティエラは小さく返事をして、自分の下半身を露出させたままの状態で、目を閉じた。
それから数分後。待たされていたソールの目の前に、マイムたち3人の少女が帰ってきた。
「おお。意外と早かったんだな」
ソールは安堵した表情で彼女たちを出迎えた。
ティエラはうつむいた顔でソールの顔を見ようとしなかった。
そんな彼女の様子が気になったのか、ソールはティエラに質問をしようとした。
しかし、それを遮るかのように、マイムが彼の前に出てくる。
「あ、ごめんね。ちょっとこの子、初めてだったみたいだから…」
マイムの両手が、ソールを押して後退させた。
ソールはますます気になった様子だ。
聞こうとするが、ティエラに笑顔で接しているヴェントの背中からなにやら変な圧が出ているような気を感じ、話すことはできなかった。
「そんなこんなでお待たせ。じゃ、飛空艇に向かいましょ」
ティエラが話しかけてきた。頬が少し赤い。
ソールは内心もやついたまま、戻ってきた彼女たちとともに飛空艇へと向かった。