とまれ!ウマぴょい警察だ!   作:sannsann

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どう?うまピョイ警察は

 

 

約束していた時間にファミレスに入ると、親友は既に座っていた。

 

「やっほー、久しぶりー!元気してた?痩せたんじゃない?」

 

「お久しぶりです、そちらこそ元気にしてまして?」

 

久々に再会した親友はメイクでごまかしているが、肌は荒れているし目の下にクマもできている。

話には聞いているが、やはり芸能界というのは大変なのだろう。

 

「あ、ボクはちみー、薄め柔め多めで!」

 

「わたくしは、アイスティーで、無糖で結構ですわ」

 

現役の時は濃いめ固め多めだったかしら、私も糖分が気になってきましたし、お互い歳をとったものですわ。

 

「で、どう?うまピョイ警察は。大変だって聞くけど」

 

「ええ、それはもう・・・。

 まず走ること以外のトレーニングがあんなに辛いとは思いませんでしたわ。

 と言いますか、トレーニングというのもおかしいですわね。

 あれは単なる精神鍛錬ですわ・・・肉体の成長は二の次って感じです」

 

「あー、そうなんだー・・・。

 けど痩せれてよかったじゃん」

 

「こんな痩せ方は嫌ですわ・・・。

 そういうそちらこそ、大変なんじゃありまして?

 目の下のクマも、肌の荒れも、誤魔化しきれてませんわよ?」

 

「あははー・・・バレちゃったか・・・。

 いや本当ドロドロしててしんどいよ・・・。

 レースみたいに我武者羅に頑張るだけじゃ駄目みたい」

 

「お互い大変ですわねぇ」

 

歌って踊れるということで芸能界に進んだ親友、実家の経営が危うくなり安定した公務員の道へ進んだわたくし。

お互い、道を進み始めたときは夢と希望にあふれていましたが、今となっては会うたびにお互いやつれていっていますわね。

 

「大変なんですが、そんな中あの人はすごいと思いますわ。

 この前5つ目の部長賞をいただいていましたわ」

 

「えー・・・そっちでも7冠達成するんじゃないの・・・」

 

「そのうち本当に達成しそうで怖いですわね・・・

 わたくしにとっては、もう雲の上の存在すぎて声もかけられませんわ」

 

一時は親友と親しくしていた影響か、よく会話をしていた存在。

しかし今となっては階級差もあいまって声をかけることすらできなくなっている。

 

ちなみに一般警察と同様に、うまピョイ警察においても●●賞というのが存在しますわ。

その中でも、部長賞というのはその最上位のもの。

 

うまピョイ警察本部長賞

総務部長賞

生活安全部長賞

地域部長賞

刑事部長賞

交通部長賞

警備部長賞

一応その上に、ヒト耳警察部門と合わさった警察省長官賞という幻の8つ目があるとか。

ウマ娘のレースのG1クラスと同様かそれ以上、とれるのは頑張ったごく一部のウマ娘ポリスだけです。

わたくしなんて頂けても1つがいいところでしょう。

 

それをとある社会復帰ウマ娘によって、5つ目が取得されましたの。

その人はずっと本部勤務、まさに住む世界が違いますわ。

そのうち『所轄ごときが、本部を無礼(なめ)るなよ』とか言い出しそうですわ。

 

「わたくしは毎日の仕事だけで精一杯ですわ・・・

 スタミナには自信がありましたのに」

 

「ボクもだよー・・・歌と踊りには自信があったんだけどさー。

 どっちも井の中の蛙大海を知らずって感じだよ」

 

わたくしたち二人とも、その世代のトップクラスの実力をもっていた。

だが勿論、世代が交われば似たような力の存在は数多といるのだ。

そんなわけでお互い伸ばしていた鼻をへし折られてしまった。

 

「この前なんかさー、鼻からハチミー飲まされたんだよ!?

 ボクはお笑い芸人じゃないのに!

 あれからもう香りが強いせいか濃いめ固め飲めなくなっちゃったんだから!」

 

「た、大変ですわね・・・ッ」

 

言えない、ハチミーが逆流して鼻水とか諸々吹き出したシーンを見て爆笑してたなんて。

 

「あーその顔見てたでしょ!?

 ボクが鼻からハチミー吹き出してた痴態見てたでしょ?!」

 

「ぶ、ぶほッ・・・み、っ見てません・・・わよ・・・ッッッ」

 

「見てた!絶対見てたでしょ!

 もー! 歌手としてデビューするまではテレビ見ないでって言ったのにーー!!」

 

「み、見ッ・・・ああ、もう駄目ッ!あははははははは!」

 

「チキショーメー!!」

 

ああ可笑しい。

仕事は大変だけど、こうして親友と笑い合うとその疲れも悩みも吹き飛んでしまう。

いつだってそうだ。

わたくしの心が折れたあの時だって、親友は引っ張ってくれた。

今日も、正直辞めてしまおうかと悩んでいたが、もう少しだけ頑張ろうと思えてきた。

親友も体をはって頑張っているんですもの、わたくしも頑張らないといけませんわね。

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