麦わら少女の異世界冒険譚   作:クリオネf。t

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コルボ山・盃兄妹編、開幕。


コルボ山・盃兄妹編
EP09 山賊の元へ


 ある日、突然彼はやって来た。

 我が祖父、ガープさんである。

 

「久しぶりじゃなルフィ!元気にしておったか?」

「あ、おじいちゃん。久しぶり。わたしは元気だよ」

 

 海軍中将である彼は忙しい身だ。中々こちらへ帰って来れず、顔を出すのも本当に時たまである。

 そして彼は、わたしを海兵にしたいらしい。前までのわたしなら特に決まった夢もなかったし、まぁそれはそれでいいかと思っただろう。

 だけど今は違う。わたしは夢を見つけたのだ。

 

「おじいちゃん。わたし、夢を見つけたの」

「おお、そうか!!立派な海兵になることか!?」

「ううん…わたし、海賊になる」

「……何じゃと?」

「わたし、海賊に…って、痛ッ!?」

 

 わたしがもう一度「海賊になる」と言おうとする前に、脳天に拳骨が落とされた。

 え、ちょっと待って、わたし打撃効かないんだよね?それなのに物凄く痛い!!え、愛の鞭なら効く…ってコト!?

 わたし、大混乱である。

 

「え、ちょ、おじいちゃ、え…!?」

「海賊になるじゃと!?許さん!!お前は立派な海兵になるんじゃ!!」

「えー!?決定事項なの!?」

 

 流石にわたし、無理矢理は嫌だよ!?

 ああでも、そうだ。おじいちゃんってこういう人だった。それに海賊って世間的に見たら犯罪者だもんね。おじいちゃんが色々案じてくれる気持ちはわからないでもないし…

 それでもわたしは海賊になりたい。だって折角夢を見つけたんだもの、夢を追ったっていいよね。

 

「それにその帽子は何じゃ!!」

「これはシャンクスさんから貰ったの」

「赤髪か!!おのれ赤髪め…よくもワシのかわいいかわいい孫娘を誑かしよって…!!」

「かわいいかわいい孫娘に拳骨落とすのやめよう??」

「これは愛の鞭じゃッ!!」

「そ、そう…」

 

 相変わらずインパクトが強すぎる…

 なんて思っていたら、突如身体が地面から浮く。おじいちゃんから持ち上げられたのだ。

 そこから何故かわたしは山の中へ連れて行かれた。いや、山に連れ込まれたことは何回かあるけれども、今回はなんか…いつもと違う気がする。

 

「ねぇおじいちゃんどこ行くの!?」

「村長から聞いたぞ!!ルフィ、お前悪魔の実を食ったそうじゃな!!」

「え、あ、うん…なんか…食べちゃったの」

「その上海賊になるなどとふざけたことを抜かしおって…!ルフィ!お前もエースも、将来は最強の海兵になるんじゃ!!」

 

 エースis誰!?

 知らない人だ!!

 

「お前を生ぬるいフーシャ村に置いたのが間違いじゃった」

「おじいちゃん!!エースって誰!?」

「これからお前の兄貴になる奴じゃ」

 

 わたしのお兄ちゃんにって…え、もしかしてわたし、その子がいるところでこれから暮らす…ってコト!?

 いや、まぁ、それは構わないのだけど。せめてマキノちゃんや村長さんたちに一言挨拶くらいさせて欲しかったな!!

 そして暫く歩いて辿り着いたのは、少し大きめの山小屋だった。わたし、ここで暮らすのか。

 

「ダダン!!出て来い!!」

 

 おじいちゃんはその家の扉をダンダンと叩いて、中にいるのであろう人の名前を呼んでいた。

 すると扉が開き、中々にガタイのいい女の人一人と、男の人二人が中から出て来る。

 

「が、ガープさん!!ホントもう、勘弁しておくれよ!!エースの奴、もう10歳だよ!?」

「これ以上、我々じゃ手に負えニーよ!!引き取ってくりよ!!」

 

 なんか、大変そうだな…いや本当に、うちのおじいちゃんのせいで苦労かけてるんだろうな、冗談抜きで。申し訳ない…そう思って彼女らに視線を向けていれば、おじいちゃんの腕の中にいる私の存在に気付いたようで。

 

「が、ガープさん。そのガキは一体……」

「ワシの孫じゃ!!ほら、ルフィ!!挨拶せい!!」

「えっと、こんにちは。モンキー・D・ルフィです。よろしくお願いします」

 

 にこ、と笑みを浮かべて挨拶をする。挨拶は大事。挨拶は基本のコミュニケーションである。

 すると彼女らは、

 

「ええええ!!もう一人増える!?ガープの…あ!!ガープさんの孫ォーッ!?」

 

と叫んだ。余程苦労しているらしい。

 

「よし、じゃあ選べお前ら。豚箱で一生を終えるか、コイツを育てるか。目を瞑ってやってるお前らの罪は、星の数…!」

「そりゃまー、捕まるのも嫌だけど、時々監獄の方がマシじゃないかって程、エース一人で参ってんのに、それに加えてアンタの孫って…!どうせ怪物みたいなんでしょ!?そのガキ!!」

 

 監獄の方がマシだと思えるくらい手のかかる子ども…エースくん、一体どんなやんちゃボーイなんだろう…

 いつの間にやらわたしは地面に降ろされ、とりあえずほっと一息をついた。その時、べちゃり、と何かが頬にかかる感触。

 え、何これ、と思い飛んできた方向を見れば、今のわたしよりも少し年上っぽい少年。あ、これこの子の唾か。なるほど、これは荒んでるな…なんて思いながら、頬にかかった唾液を拭う。恐らくこの子がエースくんで間違いないだろう。

 

「おお、エース」

「うおっ!?帰って来てたのか、エース!!」

 

 ああ、やっぱりエースくんなのね。

 

「アイツがエースじゃ。歳はお前よりも3つ上。今日からコイツらと一緒に暮らすんじゃ。仲良うせい!!」

「決定ですか!!」

「何じゃい」

「お預かりします!!」

 

 …ダダンさんも苦労人だ。




ダダンさん、私大好きです。
なんやかんや母性溢れるダダンさんは3兄弟のママですよね。
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