なんやかんやあってわたしが家の中へ足を踏み入れると、何故かダダンさんの仲間から首元にナイフを突きつけられた。
「金目の物を置いていきな。そうすれば命は助けてやる……!」
いや、この身ひとつで来たので金目の物はないです。要求するならおじいちゃんにどうぞ。
「やめな、お前たち!そのガキはガープの孫だよ」
ダダンさんがそう言った途端、その人は突然目の色を変えて、
「が、ガープ…サンの…ま、孫ぉぉぉぉぉぉ!!!!すいませんでしたァァッ!!!!」
と怯えたようにわたしを解放した。
彼だけではない、その場にいる全員がわたしのバックにいるおじいちゃんを恐れ、土下座していた。
どれだけ怖いの、おじいちゃん。いや、確かに怖いけれど…
それから昼食の時間。
彼らはガツガツと美味しそうにお肉を頬張っていた。対して、わたしの目の前に出されているのは、質素なご飯のみ。
まぁ食事を出してもらえるだけありがたいのだが、如何せんこの身体、燃費が悪いのだ。他人の何倍もの量を食べないといけない、そうじゃないと満足できない…大食いファイターみたいな身体なのである。いくら食べても太らないのはありがたいけど。
「突然来たのにも関わらず住まわせていただいて、食事の用意もしていただいてありがとうございます。いつも祖父がご迷惑をおかけしているようですみません…」
わたしがそう言えば、ダダンさんは驚いたように、
「えっ…礼儀正しい、だと…!?」
と口にした。しかしゴホン、と咳き込むと、
「いいか?先に言っておくが、ここではあたしらに分け前を渡すことで食事が食卓に並ぶんだ。山賊は不況なのさ!!アンタもこれ以上の飯が食いてェってんなら自分で狩ってくるこった!!そしておめェにも死ぬ気で働いてもらう!!掃除、洗濯、靴磨きに武器磨き!!窃盗、略奪、詐欺、人殺し!!いいな!!ここでさせられた事は、絶対にガープの奴にチクるんじゃねェ!!」
な、なるほど…後者の犯罪行為は流石にわたしには無理だ。いや、なんかもう、本能的に拒絶している。
「1日に1回、茶碗1杯の米!!コップ1杯の水!!これだけは保証してやる!!あとは自分で調達するんだ!!そして、勝手に育ちな!!」
「はい、わかりました、頑張ります」
「んわかったんかいッ!!泣いたりするトコだそこはァ!!」
「要はサバイバルってことですよね。大丈夫です、わたし得意なので!!あ、家事も得意なので、そこも任せてくださいね!」
「お、おう…」
おじいちゃんのお陰でサバイバル生活には慣れっこだし、前世の記憶もあるから家事も一通りできる。
ああそうだ、どこかで小規模な畑でも耕して野菜でも育てようかな、そっちの方が効率的に野菜が手に入りそうだ。まぁ、これから育てるとなると実がなるまでには結構かかるけれど、いつか海に出るまであと10年くらいはありそうだし、大丈夫だろう。
「ごちそうさまでした。…あ」
わたしが手を合わせて食事終わりの挨拶をしていると、丁度エースくんも食べ終わったのかどこかへ行こうとしているところだった。大方、食材などの調達だろうが。
「待って!」
わたしは食器を流し場に持って行ってから、家を出てエースくんのあとを追った。
あとでちゃんと皆さんの分の食器は洗うので今はちょっと許してください。と心の中で謝罪しておく。
「ねぇ、エースくん、だよね。わたし、ルフィっていうの。これからよろしくね!」
そう言って彼の背中へ呼びかける。
多分これ以上の深入りはよろしくないだろう。今はまだいいのだ。少しずつでも打ち解けていければいい。無理をする必要はない。
…先は長そうだけど。
成り主はルフィの性格に思慮深さとかをプラスした性格なのでこれから先どういう風にしていくかが悩みどころ…あれ、思慮深いルフィって何…??