あれから食材の調達に出たわたしたちは、その傍らに昼食をとっていた。
「ルフィ、お前悪魔の実の能力者だったのか?」
「うん、そうだよ」
「なら泳げねェのも無理ねェな」
食材調達の時、川へ行くことがあり、そこでわたしが泳げないことを彼らに伝えた。その理由も。
「元々は泳げたんだけどね、なんか、ついうっかり食べちゃったの。自分でもなんでだかよくわからないんだけど」
「ふーん…ほら、お前も食えよ」
そう言ってサボくんは自分たちが獲った魚をわたしに分けてくれた。いい子だな。
「ありがとう、サボくん」
「…おう」
照れたように笑うサボくん。うん、かわいいね。
「フン、甘ェなサボは」
「まァ、いいじゃねェか。で、何の実食ったんだ?」
サボくんは如何にも興味津々、と言った様子で尋ねてくる。まぁ、悪魔の実は海の秘宝とも呼ばれる果実で、珍しいものなので興味が沸くのはごく自然なことだろう。
「ゴムゴムだよ」
「ゴムゴム?ゴムか?」
「うん」
「カナヅチと引き換えにゴム人間かよ。くだらねェ」
「まぁ確かに地味だけどね。でも、何でも使い様だよ。何に関しても、使い方次第で強力な武器になるから」
「確かにゴムは伸びるし、縮むし、膨らむし…案外戦いに使えるかも知れねェな」
そうなのだ。
伸縮性を利用すればその分強い力を発揮できる。風船みたいに膨らめば、大砲の弾だって弾き返せる。能力の使い道は無限大なのである。だから面白い。
「今のところ能力を駆使した戦い方よりも、武器を使う戦い方の方が得意ではあるんだけど…能力を上手く使いこなせれば、武器がなくても十分戦えるようになる。少しずつだけど、能力を使った戦い方も練習してるんだ」
「ま、今のところすばしっこさならお前が一番なんじゃねェの?」
「エース…お前な」
「いいんだよ。それに速さは大事だしね」
「おれたちもずっと森とかで過ごして来たからあれだけど、ルフィも中々スイスイ森の中進むよな」
「じゃなきゃ、おれたちの海賊貯金の在り処まで辿り着かねェだろ」
「あー…それは確かに。でも、それにしてもスムーズに駆け抜けるよな」
「パルクールが趣味なので」
「ぱる…何だそれ」
やっぱり知らないよね…この世界にはパルクールってなさそうだし。あったとしても、名称が違うのかも。
「街とか森とかで自由にスタートとゴールを決めて、障害物を越えていくスポーツだよ」
「へェ、そうなのか」
「障害物を越えていくのが凄く楽しいんだ~」
「確かに楽しそうに駆け抜けてるよなァ…」
実際物凄く楽しい。駆け抜けているときの爽快感は中々のものである。
「…一回競争してみる?」
「おう、いいなそれ!!」
「へッ、おれは負けねェぞ!!」
というわけで三人でパルクールで競い合うことになった。
因みに結果はわたしの圧勝だった。
これを機に定期的にパルクール大会が開かれることになったのはまた別の話である。
パルクールって出来たら物凄くかっこいいですよね。
…私には無理ですけどね。