麦わら屋、お前ウタにキスしろ   作:涙巻き

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魔王 序奏

 ウタから出た黒い渦は側にいたシャンクスやホンゴウを吹き飛ばす。

黄猿「困ったねェ。せっかく用意したコレも、ああなったら意味ないねー」

 黄猿はイヤーマフを外し、破壊する。

モモンガ「何ということだ。発動してしまった。しかし何故だ!?能力者であるウタは気絶してるにも関わらず何故実体化した!?古の魔王トットムジカ!?」

 完全に意識を失ってるはずのウタがトットムジカを歌い続けてる。渦は上昇しながら、次第に質量を増していく。やがて渦の中央に殺戮と破壊を繰り返す魔王が現れた。

 シャンクスは体制を立て直し、剣を振りかぶった。魔王はピアノの鍵盤を出して迎え撃つ。鍵盤と刃が衝突し、両者の間に火花が散る。

シャンクス「クッ……」

 シャンクスは一旦距離をとり、近くの塔の屋上に降り立った。

 魔王はビームを放ち、会場を囲んでいた軍艦を次々と沈め始めた。隣では、背中から黒い翼を生やしたウタが、トットムジカを歌い続けている。

 

 マリージョアでは、ルッチと五老星が、ライブ会場の様子を見守っていた。音声を切っている筈なのに、電伝虫から映像だけでなくウタの声も流れてくる。

ルッチ「音声が切れません」

五老星「もういい。トットムジカが発動したら歌声でウタワールドに引きずり込まれることもないだろう。意味がないのだ。魔王によって、現実とウタワールドは繋がってしまったのだから」

 

 

 

 

ヘルメッポ「おいおいおいおい、どういうことだよ。このまま解放される流れじゃねえのかよ。能力者が気絶してんだぞ。なんでトットムジカを歌えているんだ!?」

 ウタワールドでも現実世界とリンクするように気絶した筈のウタがトットムジカを歌唱していた。

ロビン「まさか、魔王が能力者であるウタを操ってるとでもいうの!?」

ルフィ「ロビン、離せ」

 ロビンがルフィの拘束を解いたとたんルフィはウタの元へ駆け出した。

ウソップ「あ、待てルフィ」

 ウソップの静止の声も無視して魔王の元にルフィは突っ込む。

ルフィ「ウタァァァアアアアア!!!」

 ルフィがゴムゴムの象銃乱打で魔王に攻撃をするがバリアに守られてるのかまるで効いてない。ウタは魔王に守られながらトットムジカを歌わせられてる。

 麦わらの一味が魔王への攻撃を試みるが、魔王の出した音符の戦士達に邪魔される。

 ブリュレとオーブンは、鏡の中を移動してなんとか魔王に接近した。しかし、魔王の手であっさり吹き飛ばされる。ジンベエもナミの援護を受けて接近したが、指1本ではねのけられた。総出で向かっているのに、誰一人魔王を攻撃することが出来ない。

 

 

 

観客「ウタ!ウタ!目を覚まして!!」

観客「ウタ!ウタ!聞こえてないのか?」

観客「ごめんウタちゃん!私がずっとウタちゃんの歌を聴いてられる世界にいたいって言ったから」

観客「お願いだ、どうかウタを救けてくれ。彼女は悪くない」

 オモチャにされたにも関わらず観客達はウタを恨み憎みもしていなかった。中には海軍に助命を願っている。

シャンクス「トラファルガー・ロー、観客達を、避難させろ。戦闘の邪魔だ!海軍、お前らも力を貸せ」

ロー「あいつの知り合いには身勝手な奴しかいないのか!?」

 そう言いつつローが観客達を集めて島の反対側に移動する。

モモンガ「海賊に最後まで市民守られるとはな。お前ら!必ず魔王を倒して世界を救うぞ!」

 現実世界では海軍及びその大将と赤髪海賊団という大戦力が魔王と対峙していた。

 

 ウタワールドでも魔王との攻防が続いていた。

ウソップ「ルフィ!危ねえ!!」

 魔王への攻撃に夢中になっていたルフィをウソップが魔王の攻撃を掻い潜りながらルフィを押し倒す形で魔王の反撃からルフィを守る。

ウソップ「ルフィ!ようく聞け。トットムジカは俺達に任せろ。だから!!」

サンジ「ウタちゃんを一人にさせんな」

ゾロ「海賊らしくいこうぜ、ルフィ」

 ゾロの発破にルフィは思わず呟く。

ルフィ「海賊らしく……か。ありがとな、ゾロ」

ゾロ「なんだ?突然」

ルフィ「なんでもねえ」

 ルフィの顔にはいつのまにか不敵な笑みが浮かんでいた。

 ルフィはギア2を発動させると瞬く間に気を失ってる筈のウタの元に辿り着く。

ルフィ「ウタ!聞こえてるのかどうか知らねえけど聞け!」

 ルフィの言葉を遮るように魔王から音符の攻撃が続くがルフィは悉くその攻撃を交わす。

ルフィ「お前にどんな事情が有るのかわかんねえけど、俺はお前を必ず救けるぞ」

 魔王に操られてる筈のウタの目から一筋の涙が流れた。

 

 

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