6本の手足をデタラメに動かし、魔王は大暴れをしていた。
オーブン「
自らの身体を熱し、高速回転して魔王に突っ込む。だが魔王の体からバリアが出現し、オーブンの攻撃から身を守った。
オーブン「ぐぅぅ……がぁ!」
バリアの力に跳ね返されオーブンはダメージを受ける。
ブリュレ「オーブンお兄ちゃん!」
ブリュレが救出に向かうと、音符の兵士が殺到した。すると、ブリュレの前をサンジが横切った。サンジの足技で兵士は蹴散らされ、背後のブリュレに声をかける。
サンジ「レディーにケガを負わせる訳にはいかねえ。それに、君にしか出 出来ない事がある」
ブリュレ「ええ」
レディーと言われ思わずブリュレは笑顔で頷いた。
別の場所で戦っていた麦わらの一味も突破口を探っていた。
ナミ「コビー!指揮をとって!」
コビー「はい!防衛の陣形!観客の保護を最優先します。ナミさんとロビンさんは避難の列を作ってください。観客の皆さん!落ち着いて鏡の中へ!チョッパーさんはブリュレさんの護衛をお願いします!」
ロビンがハナハナの実の能力で巨大な手をゲート状に形成し、ナミは天候棒で雲を出して避難するゲートを作る。このゲートを進めば、誰一人迷うことなく避難する事ができる。避難ゲートの先には鏡を持ったブリュレだ。ブリュレの鏡の中に観客は吸い込まれていく。そんなブリュレを守るのはチョッパー、ブルーノ、サニー君。
コビー「フランキーさんとジンベエさんは側衛。僕とヘルメッポさんも側衛に入ります。ウソップさんは後方からの火力支援、ブルックさんとサンジさんは防御中心の前衛。攻撃中心の前衛はゾロさん!オーブンさんに任せます!ルフィさん、魔王に取り込まれたウタさんの救助はあなたに任せます」
ルフィ「コビー、ありがとう。お前ら!サポート頼んだ!」
ゾロ「へっ、はじめるか」
そう言ってゾロは魔王に十字の斬撃を放った。
現実世界では、シャンクスが愛剣のグリフォンを振るって、魔王に攻撃していた。しかし剣は魔王のバリアに遮られる。シャンクスは魔王の死角に移動し、攻撃した。しかしそれもバリアで弾いてしまう。そして、シャンクスに向けて音符の兵士達が一斉にシャンクスに向かってくる。更に魔王は目からビームを放つ。雑魚を相手にしている場合でないが、対応しないわけにもいかない。シャンクスが軽く構えを取ったとき、白い物体がビームをガードした。更に、グニョグニョした白い物体は音符の兵士を捕まえてしまう。白い物体は拳の形になり、ものすごい圧力で音符の兵士を消してしまう。
カタクリ「赤髪!必要なのは同時攻撃。ウタウタの世界と同じタイミングで同じ場所に攻撃することだ」
シャンクス「ビッグマムの息子がなんの用だ!」
カタクリ「妹を助けに来た!」
そう言うと、足を振り上げて、餅に変化し、空を覆う大きさになると地面に振り下ろした。
カタクリ「見聞色の覇気で向こうの世界で妹が見ている景色が一瞬見えた。こいつにはあちら側とこちら側の」
シャンクス「わかっている。見聞色の覇気使いはお前だけじゃない」
シャンクスがそう言うと、ヤソップが狙撃しながら叫んだ。
ヤソップ「でもあいつはまだまだだ!冷静になれちゃあいねェ!
シャンクス「だけどな、カタクリ。来てくれて助かった」
海軍も奮戦しているがその多くはこのレベルの戦いに精一杯な者ばかり。だがカタクリの参戦でシャンクスは攻撃の矛先を向けられる。攻撃はやはりバリアに防がれるが、衝撃音と共に、それが破られた。
シャンクス「ルフィか・・・」
ウタウタの世界でも、現実世界と同じように魔王がダメージを受けていた。
ルフィ「シャンクス」
ルフィが呟く。
ブルック「効きました!」
コビー「現実世界と同時だったんだ!」
ルフィとシャンクスの攻撃が偶然にも魔王の同じ場所にヒットし、ダメージを与えた。しかし、致命傷にはなっていない。魔王は反撃のビームを放とうとしている。
ルフィ「おおおおおおおおおおおおお〜〜〜〜!!」
ルフィはビーム拳で受け止めた。ものすごい勢いで発射され続けるビームを、ルフィの拳が散らしている。魔王に集中しているルフィ。そこに無数の音符の兵士が迫るのを見たゾロが動く。走りながら音符の兵士達を次々に斬り伏せ、そのままの勢いで目の前で戦うサンジの肩を踏んでジャンプした。
サンジ「ハァッ!?てんめェッ!!」
叫んだころには、ゾロは遥か先にいた。
ゾロ「三刀流奥義!!六道の辻!!」
六つの斬撃が無数の音符の兵士を葬り去る。しかし、音符の兵士は次々に出てくる。
ゾロ「キリがねェ!」
サンジ「人を踏みつけにしやがって、あのクソ剣士!覚えてやがれッ!!」
ゾロへの怒りを蹴りに乗せて、音符の兵士達を蹴散らしている。
ルフィ「早く倒さねえと、ウタが死んじまう」
魔王に囚われたウタの観ている景色を一瞬観えたルフィは焦りを抱いていた。
このままではまずい。魔王を倒すには、現実世界と同時に攻撃する必要があるが、闇雲に攻撃してもタイミングが合う可能性は低い。ウソップはちょこまかと逃げ回りながら、状況の打開を探していた。
ウソップ「クッソォ、せめてあの手足さえなんとかできりゃあ!いや、待て、キャプテン・ウソップ。こーゆー時こそ冷静に……」
目を閉じ考え込むと次第に頭が冷めてくる。そんなウソップの脳内に一瞬現実世界の光景が見えた。
ウソップ「はっ!親父!??」
ヤソップ「やーっと気づいたか、バカ息子」
親子で2つの世界を視覚で共有した。
ウソップ「見える!親父が見ている景色が!ルフィーーーーーーー!!」
ルフィ「よしっ!野郎どもぉぉぉぉぉぉぉ!!気合入れろ〜〜〜〜!!!」
「おうっ!」
ルフィの叫びに仲間達が応えた。
シャンクス「よし!野郎共気合入れろ!」
「おおーッ!」
ウタワールドのルフィ達とリンクするようにその言葉を叫んでいた。二つの世界の仲間達の意識が今、一つになった。
ヤソップ「指示に従って動いてくれ!先ずは右足!」
ウソップ「右足!」
ゾロが即座に反応し、魔王の右足に向かっていく。後を追うコビーがゾロの斬撃と共に、魔王の右足のを守るバリアにぶつかる。
同じタイミングでベックマンの覇気をこめた弾丸が藤虎の重力刀の斬撃に乗って魔王の右足に攻撃していた。
バリィン!
ゾロ「鬼気九刀流 阿修羅」
魔王の右足は破壊された。
ウソップ・ヤソップ「「左腕!」」
ジンベエとヘルメッポが飛び出した。現実世界では、ホンゴウとルウが魔王の左腕を狙う。高速回転するルウをホンゴウが蹴り出し、ルウは魔王の左腕に激突する。
ジンベエ「海流一本背負い」
魔王の左腕は破壊された。
ウソップ・ヤソップ「「左足!」」
オーブンは自身の熱をサンジの右足に送る。サンジはさらに熱を上げ、白熱した右足で魔王の左足を蹴り潰す。
現実世界ではガブが魔王の左足のバリアを破壊、カタクリと黄猿が魔王の左足を蹴り潰した。
ウソップ・ヤソップ「「真ん中、右!」」
ウタワールドではロビンがチョッパーを投げ飛ばすと、チョッパーは柔力強化に姿を変えて、高速回転してカンフーキックで攻撃する。
現実世界ではボンク・パンチと猿のモンスターが右ストレートで腕を破壊する。
ウソップ・ヤソップ「「真ん中、左!」」
指示と同時にナミとブルック、ライムジュースとロックスターと海軍中将モモンガが攻撃を仕掛ける。魔王の腕は電撃と斬撃で破壊される。
シャンクス「ヤソップのやつ、仲良いじゃねえか」
ウソップ・ヤソップ「右腕!」
ヤソップは魔王の右腕に照準をあわせ、ウソップも巨大パチンコ・カブトを右腕に照準を合わせる。二人の弾丸は寸分の狂いもなく発射された。
フランキー「フランキーフレッシュファイヤー!」
フランキーが放った炎はウソップの弾丸を飲み込み火の鳥へと姿を変化する。
現実世界ではビルディング・スネイクの二刀流による回転攻撃がヤソップの弾丸を追いかけ二重の衝撃を与えた。
ウソップ「ルフィィィィィ!!」
ヤソップ「シャンクス!」
ウソップ・ヤソップ「「今だ!!」」
麦わらの一味と赤髪海賊団等が魔王と戦ってる間、ウタもまた自身の姿をした影に抗っていた。もう9割方ウタは色を奪われて、残る色は目の色だけとなり、自身こそまるで影のような姿になっている。
ウタ「なん・・・・で、そうまで・・して壊そ・・・としてるの?」
??「なんで?おかしなことを言うんだね。私は世界を救おうとしてるんだよ」
ウタ「救う?……どこが?…」
??「フフッww。あなたも知ってる筈、観客をおもちゃにした時のあの静寂さを。あの静寂こそ何よりも平和と呼べる世界。そうでしょ?あなたが心から求めてた平和の形」
ウタ「そ・・・れ・・は」
影の言うとおりだった。それはウタも感じていた。争い合う観客達皆をおもちゃに変えてしまったとき。元の一人きりの孤独になってしまったにも関わらず私は心からの解放感を感じてしまった。ファンの求める歌姫として、新時代に導く救世主としての重圧から解放された。このままずっと続けば良いとさえ思ってしまった。でも、そうはならなかった。そして、そうじゃなかった。
ああ、やっとわかった。これは、こんなのは新時代じゃない。だって私はシャンクス達が来てくれて嬉しかった。ルフィにキスされて感じた事ない気持ちが湧いた。これは静寂なあの世界では決して起こり得ない幸せだ。
そして思わず顔に笑みが出てくる。力が湧いてくる。
??「何が可笑しいの?」
ウタ「私の・・馬鹿さ加減・・かな?・・・・・それと・・・目の前の・・私が・・すごく・・憐・・れに・・思えて・・・」
??「憐れ?」
ウタ「あなたワタシには誰も・・世界も・・救えない・・・って事」
そしてウタの後方から光が差した。
ルフィは左拳を打ち出し、シャンクスは剣を抜いて、魔王の放つビームを躱しながら最後の魔王のバリアを破壊する。
二人の体が覇王色の覇気を纏っていく。その覇気は二人の武器に集約されていく。ルフィの髪は白く染まり、神々しい姿になる。太陽の神、解放の戦士”ニカ”そう呼ばれる姿へと変貌していた。そしてルフィは右拳に、シャンクスは剣に。
二人の動きは完全にリンクしていた。
ルフィ・シャンクス「「おおおおおおおおおお〜〜〜!」」
魔王の巨体に二人の攻撃が突き刺さる。
ガラスを突き破るように魔王の体が壊れ、そこには空間が拡がっていた。真っ暗闇の空間の中心に二人のウタがいた。一方のウタが一方のウタを殺そうとする異常な光景にシャンクスは思わず迷ってしまった。
シャンクス(本物はどっちだ?)
ルフィは既に左拳を後方に伸ばし、攻撃準備をしていた。
二人の侵入に焦ったソレはウタの心を影に落とし、力を取り戻そうと罵声を浴びせた。
??「あなたなんか救われていいわけないでしょ!エレジアを滅ぼした悪魔が許されるはずがない!世界一の悪者のあなたに居場所なんてない。あなたは「ありがとう」
思わぬ言葉にソレは言葉を失う。
流れるようにルフィの左拳に覇気が行き渡り、熱を帯びて白熱する。その拳を回転させて炎を灯す。
ルフィ「ゴムゴムの〜〜」
まるで太陽の如き輝きと熱を帯びた拳がソレに突き刺さる。
ルフィ「
空間が大量の音符となって消滅していく。
ありがとう『