麦わら屋、お前ウタにキスしろ   作:涙巻き

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一騎討ち

 ナイフを持ったウタの手をそのまま引き寄せウタを抱き寄せた。12年の空白を埋めるように。

 全部、全部聞いていた。かつての選択の過ちを。俺は間違いなく父親失格だ。ウタには陽の当たる道を歩んで欲しかった。海賊にさせるべきではない、それが正しさだと思っていた。ウタは堅気として生きるべきだなんて親のエゴそのものだ。その選択の結果がこれだ。これは俺の、俺達の罪だ。

ウタ「は?……は!あはははははは!………離して!!!」

 ウタは狂笑した後強引にシャンクスの包容を振り払った。

ウタ「ちょうど良かった。もうすぐ私と世界中のファンが新時代を迎える。その前にあんたと決着付けて起きたかった!」

 ウタは後方にジャンプして距離を置いた。

ウタ「みんな!一番悪い海賊が来たよ!一緒にやっつけよう!」

 数万の観客達が、ウタに操られてふらふらと起き上がる。そして、一斉に襲いかかった。

 

 

 

 

現実世界に突然現れたことで、ウタワールドにいたウタは、目を閉じたまま黙りこくってしまった。その頬を、つっと涙がつたう。

ルフィ「シャンクスが来ているのか」

 ルフィは確信をもって訊ねると、ウタはハッとして、取り繕うように涙を拭った。

コビー「今です!」

 ウタの感情の隙をついて、コビーが叫ぶ。すると隠れていた海賊たちがウタに攻撃を仕掛けた。

 たちまち音符の戦士達が現れ、あちこちで、海賊vs戦士の乱戦になった。

 麦わらの一味は戦士たちを蹴散らしながら、なんとかウタに迫ろうとする。ロビンは十六輪咲きでウタを捕まえようとしたが、音符が邪魔して容易に避けられてしまった。

ウタ「まだやるの?それなら・・・」

 ウタは新時代を歌おうと、小さく口を開ける。その時、

ルフィ「やめろお前ら!!!」

 ルフィの覇王色の覇気が戦場に行き渡る。

 

 

コビー「ルフィさん・・・どうして・・・・」

オーブン「なんのつもりだ麦わらァ!!?」

 皆が一様にルフィがこの戦いを止めたことに驚いていた。

ルフィ「悪いがこの喧嘩は皆手ェ出さねえでくれ。1vs1(サシ)でやらなきゃいけねえ。元々俺に売られた喧嘩なんだ。お前らが買う必要はねえだろ」

コビー「け、喧嘩って・・・違いますよルフィさん!!これは世界の存亡がかかった

ゾロ「コビー!!黙って見てろ」

 ゾロがコビーを止めた。

コビー「ゾロさんまでなんで・・・・」

ゾロ「悪いが俺はあんたの部下ってわけじゃねえ。あそこに居る船長の部下なんだ。俺達が聞く命令はそっちの方だ。船長が手出し無用を求めるならそれに従うまでだ。それとお前らに言っておくがここから先はルフィの喧嘩だ。手出しするようなら俺達が相手すると思え」

 ゾロの号令で戦いは乱戦からルフィとウタの一騎討ちへと変わっていく。

ウタ「どうしたの?ルフィ、皆と一緒になって戦えばいいじゃん。一人じゃ絶対に勝てないんだからさ。散々さっきまでボロボロにされたの忘れたの?」

ルフィ「まだ負けてねえ」

ウタ「出た、負け惜しみィ〜。184勝目も私のものかな」

ルフィ「そうはならねえよ。ここで俺が初勝利をもぎ取るんだからな」

ウタ「え?それってどういう・・・」

 そのウタの疑問にルフィは応えずに二人は向かい合う。ウタの両肩にルフィの手が置かれた。

ルフィ「覚悟しろよ、ウタ」

 ウタはノーガードに決めていた。先程と同じように。ルフィが攻撃を当てられないことをわかっているから。だからこれは予想外の強烈な一撃だった。

 唇に柔らかいものが触れた。

 

 

 

 

 

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