ニンジャスレイヤーIF少女   作:BANZAINAMUSAN

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ファースト・クエスト・ファースト・ショー・オフ#3

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

◆投げ縄ワッカが◆「どこまでいくのー?」「ちょっとそこまで」暗黒大道芸ジャグリング・ピストルカラテ!「ナイスファイト。だが無意味だ」「マジかよ」「イヤアアアアーッ!」「古代ローマカラテは魔技!」チャイルド・イナ・バッグの中で目が赤く光る!◆ぐるぐるしていた◆

 

 

【ファースト・クエスト・ファースト・ショー・オフ】#3

 

 

……0110……少女の目が赤く光る、その三秒前!懺悔ボックスめいた間仕切りのある拡張ローカルコトダマ空間内で、ナラク・ニンジャとゼクスマイレンのプラズマめいたヒトダマイメージが顔を会わせず対面していた。ゼンモンドーせぬ、というタテマエのリモート中立地帯。

 

 

ゼクスマイレンから滝めいた汗イメージが流れ、著しいヘイキンテキに乱れが見られる。カコン!ローカルコトダマシシオドシの音が響く。『断る、と言ったら?』『グググ……コムスメの安息は失われ、古代ローマカラテ学習を通してサツバツを学び、ジッカイ・ジツなど障子戸同然に破られるであろうなあ』

 

 

ニューロン速度で交わされる会話。ここ数日で少女の支配権は現状、ややゼクスマイレンが優勢になりつつあった。イクサがなかったからだ。だが束の間の平穏は失われるだろう。現状をこのまま見過ごせば。その状況を打破するカラテの持ち主からの提案。悪辣な。

 

 

『オヌシにとっても悪い話ではなかろう?』『ヌウーッ!』激しい葛藤!ゼクスマイレンの心境をチェス用語に例えるならば、悪手と分かっていながら指さざるを得ない一手を意味するツーツクワンク!可能ならば拒否したい。だが状況がそれを許さぬ。ナラクはフーリンカザンを活かし畳み掛けた。

 

 

『儂はオヌシを殺せずフラストレーションが溜まっておる。一刻も早くニンジャをスレイしたい。肉体に自由があり、目前にニンジャがおれば、誰彼構わずスレイしてしまうやもしれぬなあ』なんたる邪悪!ナラクはゼンモンドーでゼクスマイレンを殺しきれぬとみるや、その矜持を崩しにかかっているのだ!

 

 

奇特な保護者、ドブネズミのもと、少女に平和メンタルを保たせ、この邪悪ニンジャソウルを封殺するためには致し方ない犠牲……コラテラル・ダメージ!アワレなマッチ売りめいた働きを見せ、モータルの保護欲を刺激する策が失敗した以上、次なる保護者確保幸運は期待できぬ。

 

 

ゼクスマイレンはナラクを殺したいのではなく、封殺したいのだ。死ねば次なる犠牲者へ……だが少女への憑依状態で留め置けば……『回答は如何に?忌まわしいが、決定権はあくまでもオヌシにある』プレッシャー!『クウーッ!』ゼクスマイレンは歯噛みした。

 

 

そしてナラクを封殺せんとする頑なな意思が、ナラクを封殺せんとするがゆえに、歪んだ!『エエイ!ナムサンーッ!』ゼクスマイレンは【限定解除・3秒な】と記されたコトダマイメージ羊皮紙にコトダマイメージハンコを押した!バン!【認可】!BREAK!「ンアーッ!」

 

 

ゼクスマイレンの信念が折れたことを示すニューロンに不可逆のダメージ!ウワーオ!ウワーオ!ウワーオ!懺悔ボックスに非常事態アラート発報!【非常事態な】【非常事態な】【非常事態な】警告のコトダマが懺悔ボックス四方に満ち、外向きに倒壊!

 

 

少女とナラク間でローカルコトダマネットワーク正常接続!プロキシめいたイチバンからジュウバンのジッカイ・ジツ拘束限定解除!破損エラー箇所は赤表記!拘束箇所は機能停止を意味する黒表記に変化!【実質総じ緑な】オーバーレイを通してナラクのカラテがミリ秒単位で少女を蹂躙!

 

 

「ンアーッ!」少女の身体がナラクのカラテではち切れそうだ!『ンアーッ!』アッ少女が憎悪の炉に放り込まれた!「ンアーッおばあさまンアーッ!」トラウマ・フラッシュバック!ゴウッ!少女の全身がマッチめいて燃えた!赤黒に!ナラクは少女の自我掌握!

 

 

(グハハハハ!ようやく!ようやくだ!どおれコムスメ!手本を見せてやる!真のカラテとは、こうやるのだ!)「イヤーッ!」少女の声色がジゴクめいたものに変わり、カラテシャウトとなって吐き出された!

 

 

IF未来では、この現象を外部分析し「ニンジャスレイヤー・アブノーマル・リアクション・アゲンスト・カラテ・アージェンシー」(Ninjaslayer Abnormal Reaction Against Karate Urgency)、頭文字を繋げて「N・A・R・A・K・U」と称した。

 

 

◆古代ローマカラテ◆

 

 

◆油断ならぬ強敵◆

 

 

……プシュウウーッ!ジャグパイプから吹き出るほど良い熱気がスチーム風呂を満たし、少女の肢体を湯気で包む。その皮膚は白魚めいた白ではなく、褐色に染まっている。胴体中心付近は赤黒だ。それが徐々に、徐々に、白く。ニンジャ新陳代謝はスシブーストにより加速している。

 

 

その目は死んだマグロめいて瞳孔が開いている。なお、ニンジャスレイヤーIF少女ブルーレイ購入特典でもこの霧が晴れることはない。卑猥は一切ないからだ。(((グググ……猛省せよ!敵がカイシャクの意思あらば既に死んでおったぞ!)))アクマめいた声による叱責。(あんなに練習したのに)

 

 

(((児戯!)))辛辣!だが少女は否定できぬ。ヴァイスサムニテの構えた古代ローマカラテは、同じく古代のカラテであるはずのネコカラテから少女が繰り出すあらゆる打撃に対応し、中腰だからと下がっていた頭部を狙った一発逆転の大技は拒絶され、少女は気がつけば地に抑え込まれていた。

 

 

少女が勝ちを拾ったのはイクサを引き継いだアクマめいた存在の手によるものにすぎぬ。3秒間の肉体支配。少女は分からされた。カラテが足りない。何もかもが。これでは敵討ちなど夢のまた夢。少女はアクマめいた声に身を委ねきらぬよう「からてのおさらい」をイマジナリーしていく。

 

 

暗黒カラテ。なんたるニンジャ悪夢めいたコワイなカラテなのだろう。だが強い。とてつもなく。ネコカラテとはパワが違いすぎる。少女の目つきがだんだんと鋭くなり、サツバツを帯びていく。「おーい。ダイジョブ?」外からドブネズミの声。「アッダイジョブダッテ!」「フーン、そっか」

 

 

ドブネズミの声で我に返った少女は、やがて蒸気とともに浮き出た煤めいた汚れをヘチマで拭き取り、桃色パジャマに着替えてリビングに戻った。卓上のスシ・デリバリーは片付けられ、数枚のオリガミメールの他、羊皮紙が広げられている。「これはなあに?」少女は聞いた。

 

 

あえてドブネズミの痛ましい負傷から目を背けた。右腕は闇医者の手により固定ギプスと包帯とでぐるぐるにしてあり、吊るされている。その他の負傷箇所も重篤だ。だが尋常ならざる意志力で動いている。それこそマッシーンめいて。なにが彼をそこまで突き動かすのか、少女には分からなかった。

 

 

「お嬢ちゃんはイズミアックスのメルヘン伝説を知ってるかい?」「知ってる!正直者が幸せになって嘘つきが死ぬやつ!だからウソついたらいけないんだ!」少女は笑みを浮かべ、早口に答えた。「……うん、まあ、そう語り継ぐ地方もあるかもな」ドブネズミはファジーに頷いた。

 

 

そして羊皮紙を指指す「そいつがニンジャで、今はこの辺の湖にいる」羊皮紙に書かれていたのは、アバウトながらもヨーロッパ地図だ。言うまでもないが、19世紀においても未だ地図は軍事機密である。いくらあやふやな内容とはいえ、一般的モータルが常備するものではない。

 

 

「エート、エート、ヴァーレン?」少女は椅子の上に立ち、テーブルを上から覗き込む。「うん。ボルター運河や専門学校が出来て景気がいいとこ。で、ここがベルリンね」ドブネズミは地図の一角を指さす。「へーそうなんだ」地理学習!

 

 

「ホント、申し訳ないんだけど、湖の位置はまだ特定してない。特定してからクエストをお願いしたかったんだけど……」ドブネズミは左手で頭を掻こうとし、苦痛に顔をゆがめた。「だが有力な情報がある。12人のメン・イン・ブラックを追いかければたどり着ける筈」「メン・イン・ブラック?」

 

 

少女は首を傾げた。「ヨロシサンのバイオテクノロジー。ホムンクルスだって噂」(((ホムンクルス!?許されません!許されませんよそれは!)))(黙って)少女はテンシめいた声を黙らせた。「どうしてメン・イン・ブラックについていけば良いって分かったの?」少女は聞いた。目つき鋭く。

 

 

「ああ、オーロンって馬鹿がね、ダブルアックスをカネに変えてて羽振りが良いんだ」ドブネズミはオリガミメールの1つを少女側に寄せ、一点を示す。少女に数学的知見は無いに等しいが、ある時期から書かれている数字が桁外れになっていることだけは分かった。「よく分かンないけど、ナンカスゴーイ」

 

 

少女はパチパチと二度瞬きした。「どうやって調べたの?」次の瞬間には疑問を顔に出す。コロコロとよく変わる顔だとドブネズミは思った。「サーペントは同類の暗号を読む。悪いが企業秘密。知り合いに迷惑がかかる」「フーン、ソッカ」少女はドブネズミの真似をした。

 

 

「さて」ドブネズミは死んだマグロめいた瞳で少女を覗き込んだ。「最初の取引だ。正確な情報で慎重にビジネスといきたい。僕は少なくとも明日……というか、今日の昼ごろに届く情報で湖のニンジャの湖を特定する自信がある」日付は既に変わっていた。草木も眠るウシミツアワーだ。

 

 

ドブネズミは自身の増上慢を戒めるべく、こう続けた。「信じられないならここを出ていき、二度と戻ってくる必要はない。信じられるなら、一晩待ってほしい」願いを叶えたら、願いを叶える。そういう約束であったはず。ドブネズミの想定では流れに沿って進むはずだった。だがそうはならなかった。

 

 

(((グググ……コヤツからはカルマ・ニンジャクランのアトモスフィアを感じる。殺せ!)))(えっ?ニンジャ?)少女は困惑した。少女のニンジャ第六感ではドブネズミからいかなるニンジャ性も感知できないからだ。(ウソだ。ウソついたらタタミ針千本なんだよ)

 

 

(((ウソではない!分からぬのはコムスメの未熟!コヤツの語り口はほとんどカルマ・ニンジャクラン存在!実質ニンジャ!疑わしきは殺すべし!)))ナムサン。アクマめいた存在は今日を機に少女の人間性を破壊し尽くし、掌握しようというのか!(イ、イヤだ!人間を殺したらいけないんだ!)

 

 

アクマめいた存在は少女の人間性を削ぎ落としにかかる!(((爆発四散したらニンジャだ!爆発四散しなかったら人間だ!ニンジャか人間かは殺せば分かる!)))(殺せば分かる?分からないのは、殺さないから?)(((よって殺すべし!)))(イ、イヤだ!人間を殺したらいけないんだ!)

 

 

アクマめいた存在は少女の人間性に揺さぶりをかける!(((……カルマ・ニンジャクランのタイジン・ジツはゴジョ・ゴヨク・コトワリを操り、言葉と礼儀で相手を縛りつける!)))ゴジョ?ゴヨク?コトワリ?いずれも少女がまだ学んでいない言葉ばかりだ。学ぶ前にニンジャスレイヤーになったからだ。

 

 

(((ゴジョとはすなわち、喜び、怒り、哀しみ、楽しみ、恐怖!ゴヨクとは、食欲、性欲、名誉欲、金欲、そして風流なり!コムスメ!コヤツがオヌシにニックネームを付けたのは、いわば布石!コヤツは紙切れ一枚でオヌシを奴隷にするであろう。ニンジャの奴隷にな……!)))

 

 

(ニンジャの……奴隷!)ゴウッ!豊かな空想が憎悪の炉に直結!カンニンブクロが温まる!ああニンジャスレイヤー!アクマめいた囁きに惑わされ、現在の生活保護者を手にかけるのか!?その時である!(((騙されてはいけません!実際貴方は彼に救われたはず!)))アクマと対をなすテンシめいた声!

 

 

ゼクスマイレンは自己を再定義し、アクマめいた声に悠然と立ち向かったのだ!(((キサマ!邪魔をするな!)))(((ンアーッ!人間性重点!)))アクマめいた赤黒とテンシめいた青黒は赤黒の圧倒だ!(ムゥー?)そのふわふわイメージが何を意味するのか。今の少女には分からぬ。

 

 

だが、なにか、自分は、捨ててはいけないものを、たったいま捨てようとしていたのではあるまいか?少女は葛藤に眩暈がした。ニューロンイメージが三色イビツのトモエ・パターンを描いてぐるぐるしている。「ウーン」「オーイ。聞いてる?」「ウーン?」少女は卓上に倒れた。バターン!

 

 

「おい。ちょっと。ダイジョブ?おい……おい!」額に触れれば、低温火傷しそうなほど熱い。ストレス性のニューロン酷使による、突発的な高熱。実際ヤバい。ドブネズミはいまにも死にそうな苦痛に耐え、少女をとにかくどうにかふわふわベッドに運んだ。

 

 

ベッドの中で少女はうわごとめいた。「ネ、ネ、お願い、手、握って。コワイ、コワイだよ」「…………」ドブネズミは包帯の巻かれた左手を見た。ギブス固定されていないからと言って、無事というわけではない。手を握ったら苦痛倍点でショック死するのでは?「やれやれ。僕は死にたくないんだが」

 

 

だが、少女の人間性はいまにも死にそうだ。ドブネズミは生きるため、少女の手を握った。その夜、少女が悪夢にうなされ、敬愛する祖母へ呼びかけながら、しきりにエアカラテチョップを繰り返すさまを見て、ドブネズミはたいそう肝を潰した。

 

 

これもまた大きいクエストと小さいクエストの前金二重取りしたヨクバリへのメルヘンからのインガオホーなのか?だが生きているからダイジョブダッテ!

 

 

(「ファースト・クエスト・ファースト・ショー・オフ」終わり)

 

 

 

 

◆ここまでのあとがき◆

 

 

◆CM◆エーッ!忍殺少女には少女の変身シーンがあるのォー!?シンジラレナーイ!ちょっと見てみよう……ウワッスゴッ。ニンジャが死んだ。もう一度見てみよう……ウワッスゴッ。ニンジャが死んだ。もう一度見てみよう……ニンジャスレイヤーIF少女。BANZAINAMUSANから◆定期◆

 

 

◆ニンジャスレイヤー少女は変身する。これは言うまでも無いが、いわゆる「魔法少女もの」全般のオマージュであり、リスペクトだ。私がはじめてマトモに視聴した魔法少女ものは「大魔法峠」であるが、「魔法少女とはカラテに優れているものなのだなあ。ニンジャでは?」と思ったものだ。◆

 

 

◆やや欺瞞が混ざった。順序が逆だ。つまり、ニンジャスレイヤーアニメイシヨンを見て「コレもしかして大魔法峠っぽいシュールギャグ?」と思ったのだ。そして私はアニメイシヨンからヘッズとなったのだ。オリジン語りはここまでにして、とにかく少女は変身する。◆

 

 

◆そして、12回くらいベルリンクエストと忍殺メルヘン紀行を繰り返し、13回目に「ハーゴンベルグ・イン・フレイム」が発生し、次にまた12回くらいベルリンクエストと忍殺メルヘン紀行を繰り返し、26回目に「ベルリン・ヘル・オン・アース」が発生する計画だ。◆

 

 

◆これはアニメ業界では半ばお約束となった1クール手法をリスペクトしたものであり、なんと忍殺少女は開始前から実質2クール分、ベルリンクエストと忍殺メルヘン紀行を別と考えれば実質4クールの放送枠を確保しているのだ!全52回!?ワオー!スゴイ!覇権性がある!ツヨイ!◆

 

 

◆一回のメルヘン紀行で複数回イクサしているので正確な数値ではないが、かんぺきなすけじゅーるを紹介したので今回はここまで。また時系列不定の忍殺メルヘンで行く。オタッシャデー◆

 

 




◆忍殺◆ニンジャ名鑑#020【ヴァイスサムニテ】◆少女◆
ライオンめいたニンジャ装束を着たニンジャ。その正体はシハンダイか、ヴェンダーか、アドミか、それ以外の誰かだが、忍殺少女はミステリーではないので特にヒントは無い。真相はラビリンスに消えた。
 
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