ニンジャスレイヤーIF少女   作:BANZAINAMUSAN

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サイバー・プロット・インダクション

 

【ニンジャスレイヤーIF少女AoM】

 

・舞台は19世紀の産業革命期

 

・EUヨーロッパアンダーグラウンドの魔の手より悪の科学技術が加速する

 

・立ち枯れの時代なのにある日突然ニンジャになることが増えつつある。フシギ!

 

・ニンジャスレイヤーはニンジャをスレイする

 

 

【カイセキキカンとは】

 

・人類史上最古のコンピュータ

 

・スチームと物理エンジンで動く

 

・改善を重ねて小さくなり、UNIXのプロトタイプになる

 

・ダイヤルアップ接続でインターネット可能

 

・しょうさいなどうさげんりをあきらかにするべきではないのではぶく

 

 

【邪悪な敵ニンジャ】

 

・オーカミ・ニンジャ:ニンジャスレイヤーが倒すべき祖母の仇だ。

 

・ウィリアム・フォン・ハーゴンベルグ:悪のユンカーで、オーカミ・ニンジャにメンキョをもらった。ニンジャネームはまだ秘密だ。

 

・まだ見ぬ邪悪ニンジャ:実際たくさんいる。決断的にスレイだ!

 

 

【今回のエピソード】

 

・EUヨーロッパアンダーグラウンドの研究話

 

・オーカミ・ニンジャのカラテ初公開!

 

・ひみつ研究所に潜入してきた異端審問ニンジャをレッツ・イーティング!

 

 

 

 

ダカダカダ、ダカダ、ダカダカダカダ。第三ひみつ研究所内にタイプライター音が響き、スチーム貨物列車一台分程度に小型改善したカイセキキカン次世代が反応する。パイプライン素材や配管構成も改善し計算速度も3倍!選抜モータル集合知!

 

 

未来に宣言されるムーアの法則めいて、カイセキキカン関連の科学技術はデイウォーク・ムーンサルトしている。ダカダカダ、ダカダ、ダカダカダカダ。カコカゴカゴカコ!ガコガコガコカコ!タイプライターとカイセキキカンの連動動作にもはや違和感なし。入力から1分弱で結果が出力された。

 

 

「**イロハニホヘト/チリヌルヲ/ワカヨタレソ/ツネナラム/ウヰノオクヤマ/ケフコエテ/アサキユメミシ/ヱヒモセズ**」平安時代のハイクソーサラー、菅原道真が死の直前に唱えたデスハイクが2048個のフラスコで構成されるモニターにエンシェント・カタカナフォントで表示される。

 

 

菅原道真はソガ・ニンジャのキョジツテンカンホーに抗った数少ない存在だ。そのハイクの禍々しさを理解できるものは今、この場にいない。ヴィウィーン。シュゴオオオオ。グポォォオオン。ピュウウイイイイイイ!明らかに設備由来ではない、尋常ならざる理解不能音が響く。

 

 

「アイエエエエ!ゴボボーッ!」拉致されてきた感受性の強いアメリカ原住民少年が全身の血という血を嘔吐し死亡!「ウワッ死んだ」「えっ何?」異常事態により動揺が目立つ選抜現場労働者達。「安心なさい。ダイジョブダッテ」アッシュブラウン作業着のニンジャ装束を纏ったニンジャが語尾を強めた。

 

 

「「「「アッハイ、ダイジョブです」」」」多種多様人種たちは自我無きジョルリめいて、声を揃えた。そのニンジャ、カンリチョーは両手にそれぞれ持つ赤旗と白旗を上げたり下げたりする。旗信号!「フリップ・フロップ反転。3Dワイヤーフレーム構成ヨシ」博士は円盤レコードに音声記録。

 

 

髪全体が垂直に逆立った髪型のジャヌエール・ホロウ博士は元は歴史学者であったが、古代エジプトなどに散見される不可解な古のハイテックを調べはじめたころからヨーロッパ・アンダーグラウンドに知故を得た。今ではこうして研究所のひとつを任されるほどだ。

 

 

博士が見ているのは巨大フラスコモニターではなく、俯瞰統括エリア内に設置された、垂直に並んだ512の試験管めいたもので構成されたテストチューブモニターだ。試作型の。そこには単純な発光オンオフだけではなく、原色を含めた8色のカラー表示分けがされている。

 

 

描かれているのはホロウ博士の言葉どおり、3Dワイヤーフレームだ。どこか黄金立方体じみている。「これがアカシックレコードだろうか?少なくともアカシャに実在するのは観測できたな。エデル博士の誇大妄想めいた記録に間違いはなかった」率直な意見を円盤レコードに音声記録。

 

 

だが、とホロウ博士は続ける。0の地平線という仮定は間違いで、正しくは0と1の二進数で構成されている。その詳細を読み解くことは今のホロウ博士にはできないが、何らかの暗号めいた意味のある文字列であるのではいか?という推察を記録した。

 

 

古代ギリシア、あるいは古代ローマにおいて、コノヨは4つの元素で構成されている、という概念があった。いわゆるフーリンカザンだ。しかしモータルの科学技術は発展し、その概念を打ち破って多様な元素を見つけている。けれどもホロウ博士は、もっとシンプルな結論に至った。

 

 

「コノヨは0か1か、あるかないかで構成されているのでは?細やかな元素分類はその下位に属する。アカシャと同じだ。そして、おそらく、構成比か何か……別の化合物要素で、分かれているのではないか?国境のように目に見えず、しかし確固として存在する壁が……」「そこまでだ、博士」

 

 

次の瞬間、ニンジャがいた。茶灰色の毛皮ニンジャ装束を纏った。「それ以上はいけない」「いけない?なにが?科学に禁忌などない。人間の好奇心を止める事はニンジャにもできない」ホロウ博士は毅然と言い返した。強いメンタルであった。「発展を望んでいるんだろう?黙って見ていろニンジャ存在」

 

 

オーカミ・ニンジャは小指をコキリと鳴らした。ホロウ博士は息を呑んだ。だが言葉を続けた。「世界中を網羅するほどにネットワークが繋がれば、なんらかの化学反応が起き、場合によってはコノヨとアカシャは繋がるかもしれないな」「すばらしい」オーカミ・ニンジャの顔が歪んだ。

 

 

「今は世界中とは言わん。ヨーロッパ圏内で達成しうる方法を算出してみろ。帝王にしてやろう」「地位などいらない。私が欲しいのは知識だけだ。コノヨの法則だけだ」博士は狂っていた。あたかもなんらかのなにかに憑りつかれているかのような。

 

 

「それに計算問題を私に問いかけるのはナンセンスだ。もっとふさわしい人材に頼みたまえ。いるんだろう?キミには」「違いない」「筆記記録は明日提出する」「ククク。ハゲミナサイヨ」「言われるまでもない」オーカミ・ニンジャは舌なめずりした。そこにまだ熟していない、青い果実を見たからだ。

 

 

そしてゆるりと退室した。「俺はフォックス・ニンジャとは違う」その脳裏に浮かんだのは、古代メルヘン伝説の「すっぱいブドウ」だ。フォックス・ニンジャは才能あるモータルにミームを継承しようとし、カラテ満ちる前に殺し尽くした結果、ニンジャの中のニンジャの怒りを買ったのだ。

 

 

ひみつ研究所の壁際に満ちる無数のパイプライン。モータルの手にかかれば、このパイプラインは、もっと細く、薄く、中のエネルギ伝達は速くなる。やがて壁際ではなく壁の中に配管されるやもしれぬ。オーカミ・ニンジャには考えもつかぬ手法で。「やはりモータルはすばらしい」要保護。

 

 

「勝手に成長し、勝手に成果を出し、そして時には素晴らしいメシとなるのだから」オーカミ・ニンジャは目を細め、天井を見た。廊下にはガス灯が等間隔に並んでいる。このガス灯もきっと、発展するだろう。何もかもが、発展するだろう。そしていつの日か……

 

 

将来の夢から覚め、オーカミ・ニンジャは現実を見た。そこにはニンジャがいた。「ドーモ、異端者=サン。ツヴァイシーカーです」「ドーモ、ツヴァイシーカー=サン。オーカミ・ニンジャです」蒼黒のカソックコートめいたニンジャ装束を身に纏うニンジャだ。

 

 

「ようやく見つけたぞジェヴォーダンの獣め。キサマを見つけるのに100年以上かかった」「ククククク。ご苦労、ご苦労。お仲間はどこかな?」「モンド・ムヨー!エイメンッ!」ツヴァイシーカーはホーリーシャウトとともに飛びかかった!ドリル回転トビゲリ!「オソイ!」ドオォーン!

 

 

オーカミ・ニンジャのカラテ満ちる腕が一瞬赤く光り、ツヴァイシーカーの飛びかかりを拒絶し、その体勢を、崩したのだ!ツヴァイシーカーは一切体勢を立て直すこと叶わぬ!身体が痺れてシリモチをつき、側転もバック転もブリッジすらできない!豪腕からは想像もできぬ繊細なワザマエ!

 

 

そして!オーカミ・ニンジャはアイサツめいて両手を合わせ、首を90°傾け、メンポを開き、体勢の崩れたツヴァイシーカーに、喰らいついた!「イタダキマス!」「アバーッ!」咀嚼音無慈悲!どうか読者諸君は直視を避けていただきたい!野性の掟!ルーザーランチ&ウィナーイーティング!

 

 

この世でもっとも原始的なビーストカラテ。そのカラテは、敵を喰らい、血肉を糧とすることを至上目的とする。そこにタツジンのワザマエが寄り添ったとき、化学反応が起きる。カラテ満ちるマエ・バライはあらゆる打撃を無効化し、カラテ反発力を相手の体内で乱反射させ、数秒の全身麻痺に至らしめる。

 

 

極めて鋭く儚い、刹那のムテキ・アティチュードの一種。原作ニンジャスレイヤー読破済みの我々はこの現象と類似するものを知っている。サツキ、あるいはカラダチ。オーカミ・ニンジャもまた……それに類するワザマエを有しているとでも……言うのか!?

 

 

「アバーッ!サヨナラ!」ツヴァイシーカーは爆発四散した。オーカミ・ニンジャの口の中で。その口の大きさはもはや人類のそれではない。ツヴァイシーカーを丸呑みして余りあるほどになっていた。

 

 

「アー……ウマーイ……」口の中でニンジャが弾ける触感を、オーカミ・ニンジャは堪能した。巨大化した口の大きさは長くは続かず、すぐに常人並みとなった。エテルに不足だ。いくらニンジャを喰らっても、その血肉は口に残らぬ。爆発四散するからだ。だが爆発四散するまでの触感はある。

 

 

オーカミ・ニンジャは舌なめずりし、感想を口にした。「やや肥満か?脂身がデリシャス。軟骨が良い。次のニンジャはどこかな?それともモータルも含んだチームか?どうせチームで来ているんだろう?クッククククク」そして邪悪な笑いを上げ、第三ひみつ研究所に潜り込んだ敵性存在ハントを始めた。

 

 

異端者ハンター達は自らの尽力によりオーカミ・ニンジャを見つけ、そして自分達がカラテを十全に発揮すれば狩ることができると信じて疑わぬ。タイガー・クエスト・ダンジョンめいて。故に、自らランチ・テーブルの上に並ぶ食材であるとは夢にも思わぬ。

 

 

古代ギリシアの哲学者、アリストテレスのコトワザが思い出される。「欲望は満たされないことが自然であり、多くの者はそれを満たすためのみ生きる」オーカミ・ニンジャはその満たされぬ欲望を満たすため、邪悪に暗躍するのだ。「イタダキマス!」「アバーッ!」咀嚼音無慈悲!

 

 

ナムアミダブツ!おお、ナミアミダブツ!

 

 

【サイバー・プロット・インダクション】終わり

 

 




◆忍殺◆登場人物#026【カンリチョー】◆少女◆
ニンジャでありながらオーカミ・ニンジャに喰らわれぬ稀有なニンジャ。彼を喰らえばただ一口分の満足があるのみ。だが活用すれば、より多くのニンジャが喰える。オーカミ・ニンジャはそういうニンジャ人材を活用し、満足を深めようとしている。


◆忍殺◆登場人物#027【ジャヌエール・ホロウ】◆少女◆
エーデルハイド・エデル博士のアカシャ研究を引き継いだ科学者のうちの一人。研究の過程でなんらかのニンジャソウルが宿り、オーカミ・ニンジャにターゲッティングされてしまった。その余命は長くないだろう。


◆忍殺◆登場人物#028【ツヴァイシーカー】◆少女◆
異端審問ニンジャチーム『エクソシスム』の一員。高いニンジャ野伏力によりオーカミ・ニンジャの居場所にたどり着くことができたが、誘い込まれたことには気付かず喰らわれた。
 
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