ニンジャスレイヤーIF少女   作:BANZAINAMUSAN

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アインズ・スープ・ウィズダム#3

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

◆アインズ・スープ・ウィズダム。「ンマァイ!」老人絶叫!「ンマァイヤッター!」「ヤッター!」「カワイイヤッター!」「料理がじょうず!」「マズイ!」(嘘つきだ!嘘つきだ!嘘つきだ!みんな嘘つきだ!アタシを見て笑ってた!ヒドイよ!ヒドイだよ!)(((少女!聞きなさい!)))◆

 

 

【アインズ・スープ・ウィズダム】#3

 

 

『ホッホッホ。ホホホノホ』ゴルゴダの丘めいた拡張ローカルコトダマ空間内に不気味な笑い声が響く。逆さX字に磔されたナラクの左手右足、両膝両肘を貫くゴスンクギ。ゴスンクギとナラクの間に縫い止められた聖なるオフダには様々な制約的文言が書き込まれている。

 

 

「名前を呼んではいけません」「アイドル活動禁止」「人を殺してはいけません」「エッチなのはいけないと思う」「ウソついたらタタミ針千本飲ます」「クレクレ乞食は奥ゆかしくない」ネイル・オブ・ザ・テン・コマンドメンツのうち、4つの戒めは砕け散っている。

 

 

顔を死のベールで覆い隠す青黒のシスターニンジャ、ゼクスマイレンはしかし罅割れたコトダマビジョンを伴いナラクの前に現れた。『グググ……またオヌシか』呆れた声色でナラクは呟く。何度 完 全 論 破 しても死を認めず、また諦めぬゼクスマイレンとのゼンモンドーにうんざりしていたのだ。

 

 

『実際私が諦めない限り無限コンテニュー可能!奇跡は起こる!邪悪なおじいたやんを封殺するまで!』これは少女が全裸ルカノール伯爵の逸話めいて「アインズ・スープはマズイ!」と叫んだくらいの瞬間に起こっている出来事である。

 

 

『だれがおじいたやんだ!』ナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。『オホホノホ。私、分かってしまいました。IPを割られなければkickコマンドは回避可能なのです』別のゼクスマイレンが姿を現し、ナラクのkickコマンドの刃がバラバラに引き裂いた。再登場!

 

 

回避できていないのでは?否、IP特定されていないのでノープロブレムなのだ!実際、実体無きブンシン・ジツめいている。『オーッホッホッホッホ!』口元に手を当て高笑いをあげるゼクスマイレン。様子がおかしい。度重なる不可逆のニューロン損傷により、ずのうしすうが低下しているのだ。

 

 

『そしてェ!おじいたやんの忍殺理論を 完 全 論 破 する理論も構築したのです!』ナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。『グググ……ありえぬ。この理論に破綻なし。いかなるセッキョーも通じぬわ!』しかしナラクは再登場した敵を油断なく見据える。

 

 

『整理しましょう。全てはニンジャが悪く、だから全ニンジャを殺す。そうですね?』ナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。再登場!『その通り!ニンジャは全て殺す!無論、オヌシも殺す!が、既にスレイ済みよ!グハハハ!』『ノーカウント!』ゼクスマイレン一閃!

 

 

幾度ものコトダマ擬死体験を繰り返したゼクスマイレンは、不可逆なニューロン損傷と引き換えに精神的タフさを獲得していたのだ!『この理論には致命的な欠陥があるのです!』な、なんだってーっ!?一体どこに!ナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。再登場!

 

 

『瑕疵はない!』ゼナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。ゼクスマイレン再登場!『ある!』力強いコトダマが久々にナラクのコトダマと拮抗した!だがナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。ゼクスマイレン再登場!

 

 

『そも、全てのニンジャが本当に悪なのでしょうか?本当に全てのニンジャを調べたのですか?かなり控えめで邪悪ではないニンジャもいる!』『おらぬ!ニンジャは全て悪!絶対悪!故に殺す!慈悲はない!』『比較的善良で社会的な害はないニンジャもいる!』『おらぬ!』『いる!』

 

 

キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!

 

 

こ、これは!アドバンスショーギのサウザンド・ウォーを想起させる理論と理論の打ち込み合い、カイスイヨク!確かにこの盤面に持ち込めば一時的とは言えゼンモンドーは拮抗しよう……しかしここからゼクスマイレンはどうするつもりだ?これでは 完 全 論 破 とは言えないぞ!

 

 

ナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。『おらぬ!』ゼクスマイレン再登場!『いるわ!ここに一人!』ゼクスマイレンは自慢げに豊満を逸らし、親指で豊満を指差した。(完璧だ!イッツパーフェクト! 完 全 論 破 オホホーッ!)彼女のバストのサイズがおかしい。

 

 

まさか自己の再定義に不具合が!?『バカ!言いたいことはそれだけか!このバカ!』ナラクのkickコマンドがゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。再登場!『ナンデェ!?』その背には「わたしはバカです」と書かれた藁半紙!非人道兵器マキビシめいて時間差でニューロンを傷付けるトラップだ!

 

 

『オヌシが邪悪ではないニンジャだと、どこの誰が証明するのだ!?誰もおらぬではないか!そして儂はオヌシを邪悪ニンジャと断ずる!故に殺す!』ナラクのコトダマの刃がソトバ・エクスキューショナー・カタナブレードツルギとなりゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。『ナンデェー!?』

 

 

今日も 完 全 論 破 されたゼクスマイレンは悪霊めいて退散。少女はこのバックグラウンド進行しているバトル・オブ・ゼンモンドーの存在を知らぬ。だが少女の精神的支配権優劣を賭け、かような口先のイクサはチャメシ・インシデントに展開されているのだ。

 

 

(理では勝てぬのか)ビシリ!無意識に漏れた自己批判でゼクスマイレンにまたひとつ不可逆のニューロンダメージが増えた。このままでは自己の再定義時により多くの不具合が増え、やがて頭がおかしくなって死ぬ。『わたしはバカではありません』その背に張り付く藁半紙はコトダマにより剥がれた。

 

 

だがいずれ、それすら出来ず「わたしはバカです」の文言を背負い続けよう。『確かにそなたから見れば私はバカであろう。だがそなたのほうがよっぽどバカで浅はかよ』ゼクスマイレンは不屈の闘志で自己を再定義した。ゼンモンドーの最中に、取るべき揚げ足を、現状を打破するヒントを掴んだのだ!

 

 

(私がかなり控えめで邪悪では無いニンジャだと第三者が証明すれば良いのだろう?そのウカツ!モラッタ!)理ではなく情で勝つべし!人間性なら勝つる!

 

 

◆不自然なバストサイズ◆

 

 

◆言語野にも不具合◆

 

 

(((少女!聞きなさい!)))ゼクスマイレンは少女にテンシめいた声を投げかけた。リアルタイム状況はマルチタスクで把握している。(ウルサイウルサイウルサイ!)少女はカンシャクを起こしている。危険だ。またタタミ針千本呑まされるかも。ゼクスマイレンに冷や汗めいたイメージが浮かんだ。

 

 

そのようなコワイに怯まず、彼女は少女の心に響くセッポー、あるいはセッキョーをせねばならない。試練だ。だが乗り越える!(((アインズ・スープ作りの手伝いをしてくれた人々に申し訳ないと思わないのですか!)))ビクッ!少女のニューロンに電気ビリビリが走る!

 

 

(((彼らはあなたから何かボッタクリしましたか?していません!無償のラブだからです!)))なんたる詭弁!だが少女のヤバレカバレなダッシュは止まった。ここはどこだろう?周囲を見渡せば、アドバルーンを空高く上げる公園広場であった。係留されたロープが上空からの影響で緩やかに左右。

 

 

少女は酸性的な湿り気をおびた草原にガール・シットダウン。(でもみんな、アタシを笑っていたわ。笑い者にしてたのだわ!)その目にはウルウルととどまり続ける人間性の欠片。(((違います!)))ゼクスマイレンの断定口調が少女の迷いを払わんとする。

 

 

(((みなさんはあなたが料理を学ぶ姿勢が嬉しくて、成長する様子が嬉しくて笑っていたのです!そして実際にスープを美味と感じた!少女がアインズ・スープをマズイと思ったのは、少女の心が貧しいからです!)))批判的なセッポーだ。だがいまの少女にはそれが効く!

 

 

(アタシ、心が貧しいの?)(((そうです!ボッタクリ商店街のかたがたは、物質的に貧しかったが心が豊かである!これを清貧と言います!)))実際は違う可能性大。だが、ゼクスマイレンの断定口調はあたかも間違いのない真実であるかのごとく少女の心に沁みいる。

 

 

ゼクスマイレンは口うるさく、誤解や勘違いが多い。だが、やや心の弱った少女はこのヨスガに頼った。(アタシ、オーロンみたいになっちゃった?)(((そこまでは言いません。ですがこのままでは、いずれそうなるでしょう。私はもう、心を入れ替えよとは言いません。ですが考えを改めなさい)))

 

 

幾度も心折れたゼクスマイレンは、ガチガチの信仰押し付け態度に柔軟性が増して柔らかくなっていた。(((悪いニンジャを殺す。たいへんりっぱなけついです。ですがそのために、みんなにわるいことをしたりいやなおもいさせないほうがいいと思うよ?)))シンプルな結論。

 

 

かんたんでわかりやすい!敬愛する祖母の教えにも寄り添っている!それに自分が考えたミームも肯定された!「アタシ……アタシ謝ってこなくちゃ!」ダダダ!少女は来た道を反転して再度走った!その速度は色のついた風めいていない。カラテではなく道徳メンタルが少女を走らせているのだ!

 

 

……こうして少女はボッタクリ商店街に戻り、いろんなひとにシツレイを謝りましたとさ。「ちゃんとゴメンナサイできてエライ!」「カワイイ!」「カワイイだ!」「許す!」アタシ許された!少女は満面の笑みだ!ヤッタネ!やっぱりメルヘンはハッピーエンドでなくっちゃ!

 

 

(((どうですか少女?私はかなり控えめで邪悪では無いニンジャであることですね?)))(え?そうかな?)(((ナンデェー!?)))だが信用度ステータスはちょっとプラスされた程度ではまだまだひくいぞ!ゼクスマイレンのテンシめいた声から述べられるありがたいセッポーはこれからもつづく!

 

 

――もしもアマクダリ・セクト「12人」の一人、タイジン・ジツ使いのメフィストフェレスが後年、かような出来事を記された物語を読んだなら、こう述べるに違いない。「相手が精神的に無防備になっているところを説得するのは理に適っている。その手管、悪魔的」と――

 

 

(「アインズ・スープ・ウィズダム」終わり)

 

 

 

 

【ここまでのあとがき】

 

 

※CMはパッと思いつかないのでおやすみです※

 

 

◆少女のモラトリアム期間は僅かだ。かように健全解像度を高めたシーンは後半になればなるほど減り、イクサばかりが増える。だからいまのうちに幸福な体験が必要だ。すべてがサツバツに塗りつぶされぬように。これは「魔法少女まどか☆マギカ 」とかでも採用されている手法だ◆

 

 

◆あの作品はたいへんハートフルな魔法少女モノで、実際えげつない。大好物だ。カワイイなところが歪んで崩れていくところが良い。かなりの高評価。(作者は真顔で書き終えた)◆

 

 

 




◆忍殺◆登場人物#033【アネサン】◆少女◆
カタナめいた鋭い双眸を持つボタル地区のヨージンボーめいた存在。ワザマエがスゴイらしい。スチームゴスはなんかぜんたいてきにくろっぽくてスチームパンクス的な要素も内包するカワイイとカッキエーの両立めいたすごいかっこうだぞ。
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