「みぃ~つけたぁ!ジゴクにようこそ!」気がつけば、そこは地の獄。ニンジャスレイヤーは邪悪に目を見開いて瞳をセンコめいて収縮させ、まずはじめに、ウサギニンジャクランのレッサーニンジャソウル憑依者の顔面を無言で鷲掴みにすることからはじめた。「グワーッ!」
「イヤーッ!」180°反転し地に叩きつける。「グワーッ!」グシャア!大地陥没。「ニンジャ殺すべし」頸椎損傷したのか、抵抗はない。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは顔面を鷲掴みにしたまま、再び持ち上げて180°反転し二度叩きつけた。「グワーッ!」グシャア!大地陥没!
ニンジャスレイヤーは顔面を鷲掴みにしたまま、再び持ち上げて180°反転し三度叩きつけた。「イヤーッ!」「グワーッ!」更なる陥没!ニンジャスレイヤーは顔面を握り潰さんとばかりにカラテを込めた手を離し、両手を合わせてオジギした。「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
「ア、アバッ……」もはやウサギニンジャクランのレッサーニンジャソウル憑依者はアイサツもままならぬ有り様。ふらふらと、仰向けに倒れ――「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはアイサツを聞く価値なしと判断し、倒れる前にカラテパンチを叩き込み、その頭部を陥没させた。
「アバーッ!サヨナラ!」爆発四散。ゴキッゴキッ!ニンジャスレイヤーは盛大に首を左右にヘッドバングし肩と首の付け根を鳴らし、周囲を見渡した。畳5枚距離の合間に無数の塵芥と死骸が積み重なっている。壁面には「バカ」「ヤバイ」「死」という背筋の凍るダイイングメッセージが。
血文字で書き込んだ下手人は骨となり風化して久しい。天を仰ぎ見れば遥かな彼方にかすかな月明かりが、このヘルクライムを救いなきジゴクであると誤認させることだろう。「グググ……ここか。なにもかもが懐かしい……くだらんセンチメントよ」ナラクは即座に感傷を捨てた。
ニンジャスレイヤーはナラク穴と呼ばれる、平安時代の地震で200メートル近く陥没した縦穴ダンジョンを、左右にトライアングル・リープ繰り返しによって登っていく。赤いビロードの頭巾が赤黒く染まり、ケープもまた同じく。赤黒のニンジャ装束をカラテ精製。
ニンジャスレイヤーは縦穴ダンジョンのさなかに水平方向へと伸びる不自然な横穴へとしめやかに侵入した。
その横穴の続く先は……おお、見よ。美しい。シークレットガーデンじみている。
そこは、ニンジャアニマルの隠れ里。
いや、待て、感動している場合ではない!まさか!
ニンジャスレイヤーはニンジャ第六感で感知したニンジャソウルを追い、肩慣らしとばかりにワンダーランドめいたニンジャアニマル隠れ里で生きるニンジャ存在を殺し尽くそうとしているのか!?コワイ!
「イヤーッ!」「グワーッ!サヨナラ!」ニンジャアヒル爆発四散!「イヤーッ!」「キャイン!サヨナラ!」ニンジャドッグ爆発四散! 「イヤーッ!」「ゴワーッ!サヨナラ!」ニンジャゴリラ爆発四散!「イヤーッ!」「キュイーッ!サヨナラ!」ニンジャナイチンゲール爆発四散!
「ヤメテ!」その時である。青白のエプロンドレスニンジャ装束を着た金髪碧眼乙女ニンジャがニンジャアニマルへの狼藉を繰り返すニンジャスレイヤーの前に立ちはだかったではないか。「ドーモ、ミラーマッチです」「ドーモ、ミラーマッチ=サン。ニンジャスレイヤーです」
ニンジャスレイヤーがアイサツを返した、そのコンマ05秒後!「イヤーッ!」爆発的なカラテで畳2枚距離を詰めたニンジャスレイヤーがミラーマッチの心臓を摘出した。ミラーマッチは何も出来なかった。「アバッ……ハヤイスギル……」「オソイスギルのはオヌシよ。イヤーッ!」心臓粉砕!
カブーム!ミラーマッチはしめやかに爆発した。「ムッ」ニンジャスレイヤーは両目をますます邪悪に見開き、即座にジツを見抜く。「ミラー・カケラジツ!」超自然的に桃色発光する硝子欠片が爆発したミラーマッチから地雷めいて炸裂!「ヌウーッ!」ニンジャスレイヤーはクロス腕ガード。
「オネガイヤメテ」ミラーマッチは地底湖水面に立つ。無事である。その足は桃色発光しており、波ひとつ立たない静謐な水面を謎めいた足場としていた。シュー……ドライアイスめいて水面から煙が湧き立ち、新たなるニンジャのエントリーを演出。
「ドーモ、ニャンニャスレイニャー=ニャン。チェシャ・ニャンニャです」白い毛並みの二足歩行ニンジャキャット。人語を理解する様は太古の叡智を感じさせる。体毛で覆われた複乳は豊満であった。「グググ……ウォーミングアップには丁度良い」
ニンジャスレイヤーは悪鬼羅刹めいた邪悪な笑みを浮かべた。「ヤメテニャ。ニャーは悪いニャンニャじゃニャイヨ?」チェシャ・ニンジャはゲゼンめいて小首を傾げた。「戯言!イヤーッ!」ツヨイ・スリケン!「ンニャーッ!サヨニャラ!」チェシャ・ニンジャはあまりのハヤイに抵抗も出来ず爆発四散!
「ニャー!イッキ減ったニャ!オニ!アクマ!」チェシャ・ニンジャが即座に復活!?否!いまのはセレクティブ・ディセンションだ!逃げ惑うネコ存在へと瞬時に憑依したのだ!今はトラジマにロングブーツ姿!「あと100万回ほど死ぬが良い!イヤーッ!」
ニンジャスレイヤーは再びツヨイ・スリケン!「ヤッテオシマイ!」ミラーマッチがインターラプト!いや、正しくは超自然的桃色発光するミラーから現れたニンジャビースト存在だ!「Arras!」ニンジャバンダースナッチがゴムめいた肉体でツヨイ・スリケンを受け止め……SRASH!
そのまま引きちぎられる!「Eija!」そのダメージを無視してゴムめいた右前足がニンジャスレイヤー強襲!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはゴムパンチに対しカラテチョップ迎撃!SLASH!ゴム右前足切断!次の瞬間には密着間合いでカイシャク!「イヤーッ!」「UGAAA!」
ニンジャバンダースナッチは桃色発光する硝子破片を撒き散らし、実体化を保てなくなった。プシュウウウウウウ……あたりには濃霧が立ち込めている……チェシャ・ニンジャのケムリ・ジツに相違あるまい。「グググ……逃がすものか。ニンジャ殺すべし」
【NINJASLAYER】
【NINJASLAYER】
「急がなきゃ!」ミラーマッチは駆けていた。反射物間を転移するミラー・マバタキ・ジツは希少なエテル減少を更に加速させ、あっという間に枯渇に導くだろう。チェシャ・ニンジャの放つ濃霧を維持するためには、自らのカラテで駆けるしかなかった。
ターン!「みんな!赤黒の女王が蘇ってきたわ!逃げないと処刑されちゃう!」駆けた先にあるのは地底城の戸を開け放つ。建造目的も分からぬ謎めいた場所には実際たくさんのニンジャアニマルがいた。「ウワーッ!」「ウソダーッ!」「ウソだと言ってよミラーマッチ=サン!」
「ウソじゃないわ。だって本当のことだもの」いるのはニンジャアニマルだけではない。地上では絶滅したと言われる動物や、UMAや架空存在と判断されたニンジャビーストもいる。フシギ!だが、いま、彼らの楽園は滅びようとしている。
「モウダメダー!」「ニゲルンダー!」「勝てるわけがないよ」ドタバタ!ドタバタ!人語を解するニンジャアニマルにニンジャビーストは完全に逃げ腰。それは構わない。だが、誰かがシンガリしなければ順に追われ、各個撃破されよう。「アタシ、残るのだわ。皆逃げて」ミラーマッチは悲壮な覚悟を決めた。
シン。先ほどまでのブザマな騒ぎが一瞬で収まった。「それはダメだ」「ミラーマッチ=サンから逃げないと」「僕らはニンジャ奉仕種族。ニンジャを置いては逃げられない」人ならざる者同士のユウジョウめいた尊み……「君は地下ミラールームから逃げるんだ」「でも」KRASH!「グワーッ!」
なにかの破砕音とニンジャアヒルの壮絶なシャウト!「ハヤク逃げるんだァー!」ニンジャスナーク絶叫!「サヨウシカラバ、コレニテ、ゴーメン!」ミラーマッチは今生の別れを告げる最上の礼儀作法を残し、地下のミラールームへと駆けた。
赤黒の女王……かつてこの秘境を支配したニンジャを惨たらしく殺し、血と暴力で大地を赤く染めた邪悪存在……あらかた殺戮したあとは、地上へと遠征し、二度と戻ってこなかった……ニンジャアニマルたちはあの時期、ただ隠れ潜み、いつ惨殺処刑されかと怯えるしかなかった……歴史は繰り返すのか?
否!ニンジャアヒルが妙に強い!「グワーッ!」「イヤーッ!紛らわしい!」濃霧を超えて地底城侵入を目指すニンジャスレイヤーを食い止めるのは白鳥のニンジャアヒルだ!「グワーッ!」カラテシャウトとも悲鳴ともつかぬ叫びから繰り出されるのはアヒル・ケン!
「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは即応対応するがするりと空に逃れられる!白鳥のニンジャアヒルは小刻みなU字飛行を繰り返し、終わり無きダンス・マカブレを繰り返しているのだ!なんたる高速バタアシキックか!タツジン!あの流麗なUターンはまさにアヒル・ケンの飛行技!アヒルガエシ!
「平和な暮らしなんざハナから期待していない!俺はイサオシをあげるぞ!グワーッ!」白鳥の両足がネギトログライダーめいて空を掻きニンジャスレイヤーの対空拳打と拮抗!今度はミニマル木人拳めいた!カラテの小宇宙!(ええい!カラテについてこぬ!なんだこの惰弱なボディーは!)
ニンジャスレイヤーはミニマル木人拳の最中に困惑した。ニンジャスレイヤーらしからぬ動揺であった。その全身からプスプスとセンコめいた煙が立ち上っている。センコめいた煙からカラテが抜けていく。ニンジャソウルが肉体に漲らせるカラテだけで、五体が燃えて爆発四散しそうなのだ。
いまここで唐突に爆発四散してはそれ以上ニンジャをスレイできぬ。(冗談ではない!久方ぶりのスレイ時ぞ!)そのような狂気が、結果としてニンジャスレイヤーを慣れぬカラテ加減に追い込んでいる。しかし加減が行過ぎればアヒル・ケンに拮抗を破られかねぬ!
自滅せずにスレイできる加減をさぐらねばすぐにでも死んでしまうぞ!「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」両者拮抗継続か!?否!
「ナントォ!」白鳥のニンジャアヒルがより高く地底の空を舞った!あ、アレはアヒル・ケン奥義!フェザーダンス・マカブレ!撒き散らす羽毛の一つ一つに粘着力のあるカラテミサイルを纏わせて放ち、ミニマル木人拳めいて抵抗する敵の動きを封じてスピード・アドバンテージで有利!
ニンジャ運動能力を阻害しダンス・マカブレを確実に直撃させる大技だ!しかも、美しい!なんたるエアリアルカラテと自身の白鳥特性にニンジャアヒルのニンジャソウルを高度に融合させた三位一体技か!「死ね!ニンジャスレイヤー=サン!死ね!」急滑降で加速してハヤイ!
だが白鳥のニンジャアヒルとニンジャスレイヤーではセンシとしての歴史が違いすぎた!「イヤーッ!」「グワーッ!サヨナラ!」白鳥のニンジャアヒル爆発四散!ニンジャスレイヤーの赤黒の炎に燃える左チョップ突きがフェザーダンス・マカブレを正面から穿ち、その胴体を貫いたのだ。
動きを阻害するはずの粘着力のあるカラテミサイルは赤黒の炎に燃え尽きていたのだ。ニンジャスレイヤーの燃える左腕は炎上。いまにも燃え尽きようとしている。ニンジャスレイヤーは左腕にカラテ装甲を纏わせることでいま以上の延焼を防いだ。だが!
「イヤーッ!」ニンジャドードー鳥がランスチャージめいた突撃からヤリめいたジャンプキック!「イヤーッ!」「グワーッ!サヨナラ!」ニンジャスレイヤーが燃える右足でメイアルーアジコンパッソ!回避と迎撃を同時に行いニンジャドードー鳥が爆発四散!両足をカラテ装甲化!
「◆◆◆◆!」ニンジャジャバウォックが直上からアンブッシュ!「イヤーッ!」「◆◆◆◆!◆◆◆◆!」ニンジャスレイヤーが燃える右腕で対空ポムポムパンチ迎撃!爆発四散!右腕カラテ装甲!「ニャーッ!」セレクティブ・ディセンションし蘇ったチェシャ・ニンジャがネコゾリ・ノバシ・アシ!
ニンジャスレイヤーは両足を隙間無くピッタリ閉じ、ネコゾリ・ノバシ・アシをインタラプト!「ネコゾリ・ノバシ・アシ敗れたり!イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはミニマルなピボットターン!こ、これは!暗黒カラテ、ボディチェック!「ンニャーッ!サヨニャラ!」
チェシャ・ニンジャ爆発四散!もう近場にネコがいないので即時戦線復帰不可!胴体にカラテ装甲!「ブーッ!」ニンジャスナークがとてつもなくきけんな対消滅ジツ、ブージャム・ジツを!?「イヤーッ!」「ジャワーッ!」ニンジャスレイヤーがコンマ02秒で頭から吶喊し頭突きでニンジャサインを砕く!
「イヤーッ!」そしてフィニッシュムーブメント!コンパクトな空中前転からカラテチョップ!「グワーッ!サヨナラ!」ニンジャスナーク爆発四散!FLAAAAME!なにものかが地底城に放火!あっというまに炎が燃え広がる!赤黒の女王帰還に備えていたとでもいうのか!?
炎がワンダーランド中を嘗めるようにして燃え広がる。ナムアミダブツ!おおナムアミダブツ!「ARRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRGH!!」
全身を赤黒のフルアーマーカラテ装甲で覆い、UMAめいたけものの姿となったニンジャスレイヤーは、狂ったように叫びながらアビインフェルノジゴクめいた秘境からいずこかへ飛び出して行った……ワンダーランドは再び滅び……歴史は繰り返すのか……
【ナラク・イン・ワンダーランド】終わり
◆忍殺◆登場人物#040【ディフェンダー】◆少女◆
ウサギニンジャクランのレッサーニンジャソウル憑依者。受けた衝撃を吸収し、足裏に移動させて解き放つムテキ・アティチュード亜種を使う暇も、アイサツし名乗る余裕も無く顔面が陥没し爆発四散した。
◆忍殺◆登場人物#041【ミラーマッチ】◆少女◆
本名マリアージュ・リデル。時を逆しまに生きると嘯くニンジャに拉致され、過酷な修行をかせられたにも関わらずカイデンネームを与えられる前に鏡のコトダマ空間から放り出されたフォーセイクン。反射物に由来する様々なジツを使いこなす。
◆忍殺◆登場人物#042【チェシャ・ニンジャ】◆少女◆
太古の昔からテキトーに生きるニンジャキャット。戯言で煙に巻き、自信も煙になり、時に濃霧になり、死しても即座に次のネコにセレクティブ・ディセンションでき、ディセンション先で外見も変わるので、見た目さえアテにならない。
◆忍殺◆登場人物#043【白鳥のニンジャアヒル】◆少女◆
白鳥に産まれながらニンジャアヒルのニンジャソウルが憑依した実際稀有な存在。アイデンティティーの悩みの果てにカラテシャウトとも悲鳴ともつかぬ奇っ怪なカラテ、アヒル・ケンを使いこなしたが、健闘むなしく爆発四散した。
◆忍殺◆登場人物#044【ニンジャバンダースナッチ、ニンジャジャバウォック】◆少女◆
ニンジャスレイヤー本編に登場する同名のニンジャネームをもつザイバツニンジャとは無関係なUMAニンジャビースト。ナラク・ニンジャに殺された。
◆忍殺◆登場人物#045【ニンジャスナーク】◆少女◆
視線を交わせている者との間にコトダマネットワークを形成し、サップーケイめいて現世からモンド・ムヨーで対消滅させる恐るべきブージャム・ジツを使いこなせるUMAニンジャビースト。視線を反らされて殺された。これが真のニンジャのイクサだ。