ニンジャスレイヤーIF少女   作:BANZAINAMUSAN

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◆注意◆なんだか今日はムラムラするからアトモスフィアがエッチなのだ(かぞくのめとかにちゅういしてね!)◆喚起◆


ユビキタスハンス・ファースト・コール

ベルリン・エロスセンタービル街通り……その地には国からの公的メンキョを得た女がネオプロイセンの東西南北問わず入り混じる。下水配管から湧き出すスモークが足首の高さに立ち込め、ガス灯はスモークを薄く彩り、縦横を横切るパイプラインは時折排気を噴出する。

 

 

ベルリン区画整理で集中したオイランビズ特化地域だ。「実質王子様体験」「ハイティーンじみた」「大きい人専門店」ネオンめいた配色の看板はヘンタイ看板職人手ずからのもの。国の定める健康基準を満たす、大小さまざまな背景を持つ者達が自然と集まり、極彩色の歓楽街が生み出された。

 

 

日本のヨシハラ。オランダのセックスパレス。ネオプロイセンのエロスセンター。いつの世にも世界にはヘンタイの需要を満たす領域があり、夜闇に息づいている。ここでは合理的配慮につき警察の目は届きにくく、ちょっと油断すればシーフギルド存在から財布をピックポケットされる。

 

 

あるいはもっと直接的に、カラテを持て余したアウトローカツアゲマンに襲われ、路地の陰に引き摺り込まれて金品強奪の憂い目にあう。「イヤーッ!」「グワーッ!」「今日カツアゲされるのはお前だったようだな」「アイエエエエ!」紺色ジュー・ウェアの男がスチーム義手カツアゲマンを返り討ちに!

 

 

ドロップしたトークンバック中身は銅貨銀貨が入り混じる。フェアナンドはややもの足りない軍資金の点検をしている間に、アウトローカツアゲマンは逃げ出した。現地徴収。今夜も豊満だ。しかし情報に不足。コワイを求めて寒村や田舎巡りの日々からの開放。彼の足は自然とベルリンに向いた。

 

 

特にエロスセンターへ。だがこのエロスの殿堂について、フェアナンドは細やかなルールに通じていない事を痛感している。「十人十色!十人十色!」客引きのソバカスオボコが退廃サウナビル入り口で、やや物足りないセクシーさを必死にアッピール。(ウカツにああいう店には入りたくないな)

 

 

美しいことが国の定める基準ではない。ふと別の狭い路地裏に目を向ければ、モヒカン・ヘアの側面に「アク」の文字をペイントしたカツアゲマンが気弱なサラリマンを壁に押し付け、紙幣の詰まった財布を奪い取っている。「待ちな」「ア?」「イヤーッ!」「グワーッ!」フェアナンドのヒーロームーブ。

 

 

彼が助けるのは豊満ばかりではない。「アイエエエエ!」気弱なサラリマンは腰を抜かしたまま、何とか路地に戻ろうとし……「待ちな、おっさん」「アイエッ!?」フェアナンドに呼び止められた。「ああ、待て待て、安心しろい。カツアゲじゃねえ。むしろビジネス」

 

 

フェアナンドは気弱なサラリマンに肩を貸して立たせると、その耳元に囁いた。「アンタ、スキモンだろ。このへんどっか、オススメねえか?豊満の。アンタ、ミズサキ(訳注・案内人)。俺、ヨージンボー。情報と安全をトレード。どうだ?」

 

 

サラリマンが表路地上空を見上げ、釣られてフェアナンドも見上げる。上質ビル4階の桃色格子戸からオイランがベランダ越しに微笑み、カラフル扇子をゆっくりと振っている。確かに豊満美女。だが……「流石にありゃあ、ちとオタカイな。色々と。趣味じゃない。ワカル?」

 

 

気弱なサラリマンは卑屈な笑みを浮かべた。「アイヤッ、そのう……まだあまり君の趣味嗜好を把握していないのだが……羞恥に不足な?」「ワカル」二人は本当に軽く拳を打ち合わせた。その手にビールジョッキを持っていればカンパイしたであろう。

 

 

エロスが合ったらユウジョウ。ヘンタイの常識だ。二人は路地に並んで戻った。肩を組み。「安い、安い、実際安い」「ヨイデハ・ナイカ!パッション重点」「パンティーのかわく暇が無い」客引きの様々な誘い文句にメランコリックな街頭アコーディオンBGMが混じる。卑猥な歌だ。

 

 

退廃サウナビルから全身を「ととのえた」三人のヨタモノが出てきた。みな満足げな顔で、ホットな熱気に赤らめている。ああも油断していてはカモであろう。あの満足がつづくのは二秒後か二分後か。ヤッてメンポを確かめよというエロス・コトワザを知らぬらしい。

 

 

「君、好きなのは豊満だけかい?他には?人種は?プレイ内容は?言うだけ言ってみなさい。若い者が遠慮するな」フェアナンドは口笛を吹いた。困っている人を助けないのは腰抜け。助ければ助け返されるのだから、助けない理由がない。

 

 

ここは不夜城エロスセンタービル前通り。0時以前など、いわば朝のようなもの。ガス灯に誘われるホタルめいて、オイランとそれを求める男が交錯する。カンバンムスメサービスの過激な飲み屋の一軒、ホットなオイランランド、深夜イベントのクールな地下クラブを求めて、東へ西へ歩き過ぎる。

 

 

「当然コーカソイド一択だ。ラブがあればなお良い」「フィヒ……オタクも相当スキモノ」気弱なサラリマンはいやらしい笑みを浮かべる。「そんな君にオススメの店があるんだが……非合法で、ややリスキー。しかも、金を払えば良いという訳でもない。男の粋とワザマエがいる。どうするね?」

 

 

その程度のコワイに身を引くフェアナンドではない。「当然行く。なんて店だ?」「フェアビリーベン。表向きはただのバー。だが在籍オイランとサービスはこのあたりの高級店に引けを取らず、豊満割合は相当高い。しかもコストパフォーマンスが良い」眼鏡がガス灯に反射し光る気弱サラリマンは熱く語る。

 

 

フェアナンドは、自身の名と一致する部分のある店舗名にややニューロンが刺激された。「場所はエロスセンタービル街通りじゃない。パンカラス地区。いささか遠いぞ?それでも良いかね?」気弱なサラリマンはもはや気弱ではなかった。エロスに精通する男の気迫があった。

 

 

「構わんよ。豊満があると聞けばどこにでもいくさ」フェアナンドは己の欲望に素直であった。「そういやオッサン、名前は?俺はフェアナンドだ。ヨロシク」「フィヒ……私はハンス。ありふれた名前の、どこにでもいるヘンタイさ」ハンスの眼鏡が光った。

 

 

――――――――

――――

――

 

 

「オイデヤス。ハッキョホー?」結構な時間をかけて地区を移動したフェアナンドを出迎えたのは、豊満であった。出会って5秒でガップリヨツ!「オオウ。これは凄いな」「そうだろう?」店舗内全体をしっとりと覆う淫靡なアトモスフィア。

 

 

「同席しますか?それとも個別?」「アー、個別で頼むよ。それではフェアナンド=サン。ゴユルリー」ユビキタスハンスとは店舗入り口で分かれた。彼もまた別種の豊満とガップリヨツののち、席のひとつに案内されて行った。一般的なパブ?どこがだ?

 

 

「ドーモ、アダルハイドです。お客様は初めてでアリンス?」「アッアア。そうだな」フェアナンドは臀部に刺激を加えられつつ、深く腰掛けるソファのひとつに案内された。マワシ。第二ボタンまで外された無地のブラウス。秘所はどこも隠されている。だがアトモスフィアがエッチだ。

 

 

「それじゃあじっくり」アダルハイドはソファに腰掛けたフェアナンドの両膝にまたがるよう、真正面から腰掛けた。豊満が目の前に!「提供サービスの説明からするドスエ」スゴイ。スゴイ過ぎる。性的接触が、ではない。それはまだだ。男を高ぶらせる段階を踏む手法が精錬されすぎている!

 

 

「当店は健全なオスモウバー、ドスエ」ど こ が 健 全 だ 。フェアナンドは口を慎んだ。目線は完全に豊満に囚われている。「まずはドリンク注文。ビールやワインは各種取り揃えてインス」アダルハイドは自身の豊満を隠すようにメニュー表を置いた。「ビール、ビールが良い」

 

 

フェアナンドが即座に注文すれば、メニュー表は取り払われた。「ンフフ。カシコマリアリンス」豊満がよりフェアナンドに近づいた。「カンバンムスメとちょっとした交流もアリンス」「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!こ、交流とは?」あとワン・インチ距離!しかし直接接触してもセーフなのか!?

 

 

知識に不足!だが!「こうやって……」アダルハイドはフェアナンドの両腕をたおやかに掴み、自身の腰元、マワシへと導いた。「握っても良いドスエ?」フェアナンドはパワフルにマワシを握った。「オスモウバーでアリンスから、トリクミできるドスエ」アダルハイドは豊満をフェアナンドに!

 

 

「ンフフ。アーン。いけませんわ。呼吸がエッチ過ぎますわ」アダルハイドは十秒ほど豊満を堪能させてから離れた。「プハーッ!ハァーッ!ハァーッ!す、スゴイ過ぎる」フェアナンドはすっかり我を忘れそうになる。 こ ん な 健 全 が あ っ て た ま る か 。

 

 

エッチとは、もっと直接的で、性欲を発散させるものだ。だが、このオスモウバーは性欲を高まらせるのだ!性欲を持て余す!「ビールドスエ」ウェイトレス・ムーブをする別種の豊満がテーブルにジョッキを置いたが、フェアナンドの目には入らなかった。

 

 

「たくさん呑むと、実際酔いやすいドスエ。そういう人は二階で、休憩、な?」アダルハイドは再び豊満を押し付け、首を丸めて小声で囁く。「本バショは別料金。合言葉は……」「ノコータ!ノコータ!」フェアナンドは豊満から開放された直後に叫んだ。「ダァメ。まだ、呑んでないドスエ?」

 

 

「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!」フェアナンドはややアダルハイドを押し返し、テーブル上のジョッキに手を伸ばす。そしてイッキ!「アーン。逞しいドスエ」「ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!プハーッ!美味い!もう一杯!」「カシコマリアリンス」一杯目のジョッキがすぐ空になった。

 

 

「もっと良い娘が良い、と思ったら、モノイイ、な。トリクミ相手をチェンジできるドスエ」「君が良い」フェアナンドはブラウス第三ボタンがはちきれそうな豊満を凝視しながら言った。「これほどの豊満は初めてだ」「ンフフ。これほどの?」豊満!

 

 

フェアナンドはジョッキを掴んでいた手でマワシを掴もうとした。ハウスルールが分かってきた。アッ!アクシデントで手が豊満なヒップに!「アーン。ハプニングー。いけませんわー」呑んで、トリクミして、本バショ。男の粋とワザマエが無ければ、本バショにたどり着けぬやもしれぬ。

 

 

一般的なエロスセンターではそのような心配は不要。エッチは確約されている。だがこの店舗はエッチを確約せず、まずは男の粋を試すのだ!「なんて店だフェアビリーベン。気に入った。もっとトリクミするぞ!」フェアナンドはやや腰を浮かせ、マワシと股間を接触させた。そしてマワシを逞しく引く!

 

 

「アーン。逞しいドスエ。負けませんわ」アダルハイドはワザマエを駆使し、時に楽しませ、時に焦らし、時には抵抗めいて、フェアナンドを昂ぶらせる。相互に技アリ交換!「ビールドスエ」次のビールが来れば一時トリクミを中断してイッキ!「ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!プハーッ!美味い!もう一杯!」

 

 

……「ありゃあ完全にハマったな」奥まった座席からエキサイトするフェアナンドの席辺りに目をやるハンス。「ンフフ。ハンス=サンの目利きドスエ」その横に密着して座り、ワインを注ぐナンバーツーオイラン、アーチン。フレンド誘引サービスにより、彼は今日、彼女を格安で楽しめる。

 

 

「二号店はエロスセンタービル街通りに出来ないのかい?楽しみにしてるのに」「ここは健全なスモトリバーですからネー」「コラッ。ウソツキめ」ハンスはアーチンの肩から手を回し、豊満を鷲掴みにした。「アーン。いけませんわ」「本当にいけないのかな?」

 

 

ハンスの凄まじいワザマエにより、アーチンはホットに上気していく。「アッアッアッアッアッ。いけませ……いけ……イッ……もっとしてください」アーチンはあっという間に達し、ハンスにしなだれかかった。「ン?私が君にもっとする前に、君が私にもっとサービスするべきじゃないかな?」

 

 

「アッハイ」アーチンは何らかのワザマエをかけようとハンスの股間を撫でていた手で『見せられないが』健全なメタウォールが非健全な描写を遮った。奥まった席なので、他の席から実情が見られることはない。「いやー素晴らしいワザマエ。あの日地下格闘を見に行ってよかった」

 

 

あの日とは、地下格闘オスモウレスリングの日であろう。知る人ぞ知る大会は、ベルリン社会の裏側に密やかに浸透した。フェアビリーベンの名とともに。「ニョホー!ノコータ!ノコータ!」再びフェアナンドが叫んだ。そして、千鳥足をアダルハイドに支えられ、二階に向かった。

 

 

女峰山とは女貌山、女体山とも呼ばれる江戸の北に位置する山脈群のひとつ。山頂からは、日光連山、会津、越後、那須、筑波山、富士山などの山々を展望できる。山頂の南東側にある雲竜渓谷は、稲荷川の源泉。もちろん、この用語解説はフェアナンドの現状とは一切関係ない。

 

 

「ンッ。さて、フェアナンド=サンもリピーターになりそうなくらい楽しんでくれたところも見れたし、私達も行こうじゃないか」ハンスはアーチンのマワシを逞しく引っ張って合図し、股間に埋もれていた顔を起こさせた。そこに気弱そうなサラリマンの面影は無い。

 

 

あるのは数時間くらいかけて女をねちっこくなんかいろいろしそうな、ヘンタイの顔だ。「今夜は寝かさないよアーチン」「アッ……トリクミウケテミロオネガイシマス、でアリンス」そして二人もまた、肩を寄せ合い、二階に登った。

 

 

(「ユビキタスハンス・ファースト・コール」終わり)

 

 




◆忍殺◆ニンジャ名鑑#057【ユビキタスハンス】◆少女◆
よくある名前の、どこにでもいるヘンタイ。ありふれたサラリマンの風貌でありながら、ネオプロイセンのどこにでも見かける機会がある。まるでニンジャだ。
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