月が蒼く見えた。不吉の予感。ニンジャを求めて彷徨う全身カラテ装甲のゴリラめいた3メートルのけものは、四方に視線を飛ばし、獲物の群れを捉えた。「ジェヴォーダンの獣の再来よ!鎮まりタマエー!」異端審問ニンジャチームのうちの一人、ダメージディーラーが声高にホーリーチャントをとなえた。
「グググ……ニンジャ殺すべし。慈悲はない」返事は、ジゴクめいた慟哭であった。生きとし生けるものすべての天敵じみた双眸がニンジャチームを凝視。「ウッ」ゼクスマイレンは物理的畏怖を覚えた。その背を支えるエレメンタラー。「恐れるな。全員が役目を果たせば勝てる相手だ」
ニンジャチームのリーダー、サブシスタンスが代表として両手を合わせてオジギした。「ドーモ、我々はアイゼンハンマーの異端審問官です」「ドーモ、アイゼンハンマーのみなさん。ニンジャスレイヤーです」両者がアイサツを交わした、そのコンマ1秒後!「イヤーッ!」「イヤーッ!」衝突!
もっとも年老いたカソックコート装束のニンジャ、アンデルセンデルタがタワーシールド片手にニンジャスレイヤーの吶喊を防いでいる!「イージス・ニンジャクランのアーチ級ニンジャ!」「いかにも!イヤーッ!」返答はシールドバッシュ付き!「イヤーッ!」
けものはシールドバッシュを破壊すべくカラテパンチを返す!だがカラテ・リフレクション・ジツ効果がカラテ衝突衝撃吸収して反射!「ヌウーッ!」ダメージディーラーとサブシスタンスがたじろいだけものの左右にすかさず展開!「ボンジャンハイッ!」「ボンジャンハイーッ!」「グワーッ!」
ニンジャれんけいワザマエ、エクスボンジャンパンチ!けもののカラテ装甲を削る!「『猛吹雪/コマドリは巣で/篭の鳥』エイメンッ!」「ヌウーッ!」ゼクスマイレンのハイク・チャントが、けものの状態判断を阻害!網膜に投影される吹雪で実質盲目状態!けものは無造作に暴れ狂う!「イヤーッ!」
「イヤーッ!」アンデルセンデルタがタワーシールドで野放図な暴力を押さえ込む!「オヌシの相手は吾だろうが!」挑発!「イヤーッ!」けものは憎悪のままにアンデルセンデルタへポン・パンチ!「イヤーッ!」だがカラテ・リフレクション・ジツ!カラテ衝突衝撃反射!「ヌウーッ!」
「イヤーッ!」次の瞬間、一歩後退したけものの足元が泥めいて沈下する。エレメンタラーの遠隔ドトン・ジツだ。エレメンタラーは多様なジツを駆使するマジョ・ニンジャクランのニンジャソウル憑依者である。「イヤーッ!」ダメージディーラーは距離を取りクナイダート投擲!
「イヤーッ!」サブシスタンスも距離を取りスリケン連投!「イヤーッ!」catch!けものはクナイダートを人差し指と中指の間で摘まみ、カブーム!「グワーッ!」バクチク炸裂!更に追撃の連続スリケン!けもののカラテ装甲をより削る。「面倒な!イヤーッ!」
フラストレーションが溜まってきたけものは、取り巻く全てを抹殺するべく恐るべき回転跳躍からヘルタツマキ!「グワーッ!」「ヌウーッ!」「ヌウーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!「イイーッ!」ニンジャチームぜんたいに手痛いダメージ!しかし!
「アーイイ……もっとイタイノ・チョーダイ!」ニンジャチーム最後の一人、セイジョがチーム一体感を通して他者のイタミを預かるイタミ・ヒーリングでニンジャチームぜんたいのイタミを取り除いた!更に「イタイノ・トンデケ!」そのイタミをノロイめいて白い風に乗せて送り返す!
イタイノウインド・ジツ!「グワーッ!」けものにヘルタツマキ六人分のイタミ!さしものけものも苦しみ悶えた!「イヤーッ!」その隙にアンデルセンデルタはショートカタナソードを無限めいてX字に繰り返し切り刻む!「グワーッ!」こ、これは!ゲルマンドーの秘剣!ゼクスインフィニティ・キル!
けもののカラテ装甲を削る。ダメージディーラーは跳び上がり、後頭部側に回り込んで組んだ両手を硬く握り締め振り上げている!「イイイヤアーッ!」そして振り下ろした!ダブルスレッジハンマー!「グワーッ!」大振りでカラテ係数倍点!ダブルで倍点の倍点!頭部にクリティカルヒットでスゴイ倍率!
「大気中エテルはどうか?」後方に引いたサブシスタンスは後衛メンバーと状態判断会議。「あまり良くない。移動しながら戦ったほうが良い」エレメンタラーがすかさず回答した「ジツ・サポートが切れればあっという間に持っていかれるおそれが」
蒼ニンジャローブを翻し、逃走経路をいくつかピックアップ。いずれも人里離れるルート。このようなニンジャ災害を人里に近づけては、暗黒の時代にはチャメシ・インシデントであろう滅びが待ちうけよう。神聖戦士として許すわけにはいかぬ。
「移動しながらカラテを押さえ込むのは実際難しいのでは?」ゼクスマイレンが疑問を呈する。「痛くなければ覚えません。本能的に繰り出すカラテ・パターンを引きずり出して封殺しましょう」白ニンジャローブ姿のセイジョが紅潮を隠さずに発言。そのバストは豊満であった。
「概ね同意である。ゼクスマイレン=サン、ハイクを絶やすなよ」「ヨロコンデー」「セイジョ=サン。オペレーション・スイッチだ。前衛と入れ替わり、誘導を始める。エレメンタラー=サンは下がった二人にいまの作戦を周知。次の合図も頼む」「ヤー」「フンス!ヤー!」チーム一体感。
そこに増上慢はない。「スイッチ!」「「「「イヤーッ!」」」」ニンジャチーム四人が大きく動いた!網膜吹雪の渦中、けものは忍殺本能的に最短距離の敵を追いヤリめいたサイドキック!「イヤーッ!」「イイーッ!」セイジョが身を挺してダメージディーラーを庇う!イタミ!
「もっとしてください!」イタミ・ニンジャクランのニンジャソウルが彼女の本能を刺激するが、理性で御する。「オニ=サンこちら!アンヨがじょうず!」挑発!「イヤーッ!」「イイーッ!」イタミを引き受けながら誘導!セイジョの背面に回るサブシスタンスはスリケン連投!「イヤーッ!」
「ヌウーッ!」けものを攻め手に集中させぬ!「『蜃気楼/かすむ砂漠に/オアシスな』エイメンッ!」ゼクスマイレンのハイクスイッチで意識をセイジョへ集中させるパターンと切り替えた。けものの視野が吹雪から晴れ、だが狭い。セイジョ以外の視界が蜃気楼めいて移ろい、狙いがおぼつかぬ。
……6人からなるニンジャチームは強かであり、クレバー。その中にいる最も年若いシスターニンジャ、ゼクスマイレンはコトダマデバッファーであると同時にフィニッシャーとしての役割が期待されている。その懐には、伝説のゴスンクギ。ネイル・オブ・ザ・テンコマンドメンツ。
邪悪に打ち込む聖なる楔だ。(悪しきニンジャソウルの跳梁跋扈はなんとしてもくいとめなければ!)彼女のキアイは十分。カラテ装甲から本体コアが露出した時、仲間が作った隙に飛び込む覚悟の準備は出来ていた。
アンデルセンデルタがメインとなってニンジャスレイヤーの攻撃を防ぎ、セイジョがイタミを引き受け、またサブの肉盾となって攻撃を防ぐ。ダメージディーラーが物理的なオフェンスを担い、ゼクスマイレンがコトダマ方面からメンタルハッキング。
リーダーのサブシスタンスが物理カバーと足りぬ手のフォロー。そして全体の統括。エレメンタラーが全体を俯瞰。カバー、バックアップ、多彩なジツでの翻弄を兼任。どれほど強力なニンジャ存在とて、アイゼンハンマー・ニンジャパーティであれば恐るるに足らず。
役割理論に徹すれば、この精密機械じみた万全体制で打ち倒せぬ敵など理論上存在しないのだ。事実、彼らはバルト海はゴッドランド島に蘇らんとした神話の巨獣、ニンジャベヒーモスの復活阻止、封印処置を経験済み。アイゼンハンマー・ニンジャパーティの実力は本物だ。
暴走し、視野狭窄の全身カラテ装甲ニンジャスレイヤー存在といえども、そう簡単には……そう、簡単には、だ。若干、ニュアンスを変えれば、その言葉に内包する意味、イクサの有利不利は全く異なる。
◆勝てるなら死んでもいい◆
◆ハイノートリアスカラテモンスター◆
「イヤーッ!」「グワーッ!」サブシスタンスのスリケン連投!けもののカラテ装甲を削った。「イイイヤアーッ!」「グワーッ!」仰け反るけものの背後に回ったダメージディーラーが超強力なヒサツ・ワザであるダブルボンジャン・ポン・パンチを繰り出し、ますますカラテ装甲を削る。
だが未だ、カラテ装甲の底が見えない!「イヤーッ!」けものは真背後の敵を打ち砕かんと暗黒カラテボディチェック!「グワーッ!」カラテ衝撃痛烈!「ダメージディーラー=サン!前に出すぎだ!」エレメンタラーは高地から俯瞰的に指示を出した。
「イタミ・ヒーリング急げ!」サブシスタンスが状況判断。「イタイノ・チョーダイ!」イタミ・ヒーリングは物理負傷を癒さぬが、そこを起点とするイタミ全てを徴収する。「イイーッ!」だがイタミ・ニンジャクランのソウル傾向がそのイタミを望むのだ。「すまん、助かった」
「スイッチ・オペレーション準備!」「吾はまだいけるぞ!」アンデルセンデルタはけものの正面を押さえつつ、エレメンタラーへ主張。「土地エテル僅か!エリアチェンジ!」「あい分かった!」このイクサはいつまでつづく?四時間を越える死闘。日付はとうに変わっていよう。
徐々にだが、けものの動きが良くなってきている。カラテの高まり?時間経過?「ゼクスマイレン=サン!ハイクだ!」「アッハイ!『しずけさや/遠く遥かに/死のイタミ』エイメンッ!」「ヌゥー!」けものはイクサの最中にありながら耳が痛くなるほどの無音高周波と視界ノイズに襲われた。
集中力阻害!「オニ=サンこちら!アンヨが上手!」挑発!「イヤーッ!」「イイーッ!」苛立ちの篭るカラテパンチ!セイジョがイタミを感じ、豊満が揺れる。「もっとしてください!」「イヤーッ!」直前にイタミを取り除かれたダメージディーラーがややスローペース間隔でクナイダートを投げる。
ヘイト調整だ。「イヤーッ!」けものは腕ガード!良く見れば、クナイダートのうちの一本に導火線めいた糸がエレメンタラーの手元に伸びている!「カトン・ジツ・イヤーッ!」糸を伝ったカトンがクナイダート爆破!「グワーッ!」カラテ装甲を削り、カラテをセイジョに集中させぬ。
「どう見る?」サブシスタンスがエリアチェンジ後退しながら後衛メンバーと状態判断会議。「徐々にスリムにはなってきている。カラテ装甲を追加生成もしていない。だがまだ削りきれない」常時後衛のエレメンタラーの的確な見切り。「ワザマエが冴えてきた。加速しておる」
アンデルセンデルタは後退速度に追いついているが、ニンジャらしからぬ重装備故に遅れ気味だ。しかし最も重要な直接対面者の意見。「装甲が薄れて、カラテが増している?」ゼクスマイレンが端的に発言。「各員の提言は最もである。どこかで勝負する必要がある」サブシスタンスがまとめた。
「どこで?」「どこが抜けそうだ?アンデルセンデルタ=サン」「頭部か胸部だ。頭は単純に最重要部位、胸は全体のカラテ挙動の根幹となっておる故、全身比較すればやや薄い」「ネイル・オブ・ザ・テンコマンドメンツは頭部より胸部のほうが効き目が良いです」「では胸を狙う」「ヤー」
「アーッ!イイーッ!」セイジョの体温が高い。「イヤーッ!」けものの連続ボディーブローがセイジョの良いところに当たる!「イイノーッ!」「下がれ!セイジョ=サン!実際限界だ!」ダメージディーラーは独自判断。「まだイケます!モット!モット!」危ない!ニンジャソウル嗜好の悪影響が!
「スイッチ!」サブシスタンスの声がギリギリ間に合い、なんとかセイジョはアンデルセンデルタと交代した。「イタイノ・トンデケ!」イタイノウインド・ジツ!「グワーッ!」けものはセイジョに与えたイタミに悶える!「ああ、せっかくのイタミが……欲しい」「落ち着けセイジョ=サン」
エレメンタラーは古式タイガーニンジャサインから何度もふくざつにニンジャサインを組み替え、最後にセイジョの背を叩いた。「ARRRRRRRRRGH!!」セイジョ絶叫!そして。「……フーッ。アリガトゴザイマス。落ち着きました」すごく落ち着いたセイジョは感謝を述べた。
「ヒーラーのキミを管理するのもボクの役目だ。ニンジャパーティの誰も機能停止になんかさせない」エレメンタラーは使命感をもってそう言った。ソウル・ジツ。邪悪なりしマジョ・ニンジャクランの奥義。ニンジャソウルに影響を与える、深遠なるソウルの業。暴走、沈静化、その他諸々。
エレメンタラーはそのおぞましい邪悪な力を信仰によって制御している。ニューロンに悪影響が無い限り、その正道に歪みは無い。「イヤーッ!」「イヤーッ!」けものが新たに真正面に立ち塞がるアンデルセンデルタの盾を両手で掴んだ!アンデルセンデルタは必死に抵抗!ツナヒキ!
「『抜け殻な/ヘビの細道/藪から棒』エイメンッ!」「ヌウーッ!」けものは突如として脱力した。脱皮したヘビの抜け殻めいて、腕にカラテが入らない。「イヤーッ!」「グワーッ!」シールドバッシュ痛烈!けものがひるんだ!「イマダー!」サブシスタンス吶喊!手にはたくさんのバクチク!
自爆特攻か!?危険だ!否!「ハイハイハイハイハイーッ!」けものの懐に飛び込んだサブシスタンスの痛烈なボンジャンラッシュ!ピンと来たダメージディーラーがバクチク付きクナイダート準備!「アイン!」そしてカウント!「ツヴァイ!」アンデルセンデルタがカウントを引き継ぐ!「ドライ!」
「イヤーッ!」サブシスタンスが跳び下がると同時にダメージディーラーはバクチク付きクナイダート投擲!KA-TOOOOOON!危険なバクチク連携成功!「グワーッ!」「コイツも取っておけ!」ああ、アンデルセンデルタが手にしながらほとんど振るう機会の無いショートカタナソードをZ字に振るった!
ゲルマンドー!ゼットスウィフト!けものの胸カラテ装甲がれんぞくこうげきで大いに削れた!コアらしき赤黒ニンジャ装束胸部露出!「ゼクスマイレン=サン!」「やってみせる!イヤーッ!」ゼクスマイレンがサウザンド・ワンチャンスに賭けアンデルセンデルタの右後方から跳躍した、次の瞬間!
けものの目に篭ったノロイめいたオーラが、弾けた!「イイイヤアーッ!」あ、アレは!ヘルタツマキのカラテ応用めいて!両腕を左右に突き出してのジゴクめいた亜音速回転!デスダブルラリアット!今宵はじめて見せる大技だ!「ゼクスマイレン=サン!アブナイ!」
「ウワーッ!」セイジョがゼクスマイレンの跳躍をインターラプト!「ヌグワーッ!」アンデルセンデルタが構えていたタワーシールド無残!限界だ!「アーイイーッ!スゴイー!」入れ替わるようにデスダブルラリアットに飛び込んだセイジョが!「「「セ、セイジョ=サンーッ!」」」
ネギトログライダーより遥かに激しいカラテの奔流に巻き込まれ……達した。「ンアーッ!スゴイスギルーッ!」彼女は半ばネギトロめいて挽肉化し、カラテ衝撃に弾き飛ばされた。不可逆の重篤ダメージ!「バカな!一撃だと!?」サブシスタンスはカラテ災害めいたデスダブルラリアット威力に驚愕。
「マズイ!ヒーラーがやられた!総員長期戦は諦めろ!とにかくどうにかジェヴォーダンの獣の再来の動きを止めろ!」エレメンタラーは状況判断。「ウオオーッ!」ダメージディーラーは腰ニンジャバッグからフックロープを取り出し投擲!
デスダブルラリアットに絡ませる!だが減速は僅か!「ウオオーッ!」ダメージディーラーは全力でフックロープを引っ張る!だが止まらぬ!何たる回転!「イヤーッ!」アンデルセンデルタが特攻!カラテリフレクション・ジツは盾が無ければ意味が無い。腕が、身体が、順次ネギトロに!
アラシめいた回転は物理肉体でも止まらぬ!「グワーッ!」アンデルセンデルタに重篤ダメージ!「グワーッ!」ダメージディーラーもまたネギトログライダーより遥かに激しいカラテの奔流に巻きこまれ、弾き飛ばされダメージ重篤!「イヤーッ!」サブシスタンスが跳んだ!
(恐るべしワザマエ!だがそのカラテ!頭頂部は隙だらけだ!)トルネードかハリケーンめいた殺意の塊めいた回転の中、一見して動かぬ中心点がある。「イヤーッ!」とにかくどうにか回転を止めるべく、サブシスタンスは頭頂部めがけてストンピング!エアリアルカラテ!イーグルグライダー!
「サツバツ!」だが!「グワーッ!」「バカなーッ!?」ゼクスマイレン驚愕の叫び。デスダブルラリアットに呑み込まれたのはサブシスタンスのほうだ!けものは亜音速回転しつつも原点移動しており、イーグルグライダーを回避しつつもデスダブルラリアット渦中に巻き込んだのだ!
サブシスタンスは半ばネギトロと化してから弾き出された。やがてデスダブルラリアット回転は減速し、停止した。時間にしておよそ十秒。それでニンジャチームは半壊した。四肢が無事な者のほうが少ない。欠損部位はスチーム義肢化するほかあるまい……
「まだだ!イヤーッ!」エレメンタラーのドトン・ジツ!ザンシンにより動けぬけものの下半身を即座に地に沈めた!「ゼクスマイレン=サン!イマダー!」「うっ」ゼクスマイレンは躊躇った。コワイ!みんな半身ネギトロになった!コワイ!
「キサマがいっとう鬱陶しいぞ!イヤーッ!」けもののツヨイ・スリケン!「アバーッ!」あまりの早さに対応できなかったエレメンタラーがスリケン一投で重篤ダメージ!「嘘だ……私のハイクでカラテ減衰してるはずなのに……」
ゼクスマイレンは怯えた。あんなカラテのオバケの懐に入り込んで、ネイル・オブ・ザ・テンコマンドメンツを打ち込む?出来るわけが無い。「イ、イタイよ……スゴイイタイ……イタイんだからァー!」セイジョがチーム一体感を通して他者のイタミを預かるイタミ・ヒーリング発動!
馬鹿な!重篤な身の上でそのジツを使ったら!イタミ許容限界を超えて死んでしまうぞ!「ンアーッ!ンアーッ!ンアーッ!ンアーッ!イタイノ・トンデケ!」セイジョは一度身に引き受けたイタミをノロイめいて白い風に乗せてけものへ送り返す!イタイノウインド・ジツ!
「モウダメーッ!ダメナノーッ!サヨナラ!」セイジョはジツ発動直後に爆発四散。「イヤーッ!」けものは手の届く範囲に居たアンデルセンデルタを盾にして掲げた。白い風がアンデルセンデルタにまとわりつく!「アバババババババーッ!サヨナラ!」アンデルセンデルタはしめやかに爆発四散!
「チクショーメ!やるしかない!」「ゼクスマイレン=サンにすべてを賭ける!」サブシスタンスとダメージディーラーはイタミは晴れども重篤ダメージの癒えぬ身体に無理をさせ、左右に別れけものの腕をそれぞれ押さえ込んだ。「ヌウーッ!」
ソウルの深く篭った押さえ込みがけものにクラッチを切らせぬ!「離せ!無駄な!」「断る!イマダー!」押さえ込みで与えられるダメージは無い。けものが暴れつづければいずれクラッチは切られよう。だが!ほんの数秒だけで良いのだ!「ゼクスマイレン=サン!ハヤクトドメヲサセー!」チーム一体感!
「う、ウワアアー!」ゼクスマイレンは仲間の声に背を押され、ヤバレカバレに吶喊!ホーリーチャントを声高らかに!「『我は請う/誓いを胸に/ジッカイな/富めるときも/病めるときも』エイメンッ!」ゼクスマイレンは手にするネイル・オブ・ザ・テンコマンドメンツを!
けものの胸部コア露出部位に力強く打ち込んだ!「グワーッ!」次の瞬間!けもののカラテ装甲が赤黒の炎と化して燃え上がったではないか!「アバーッ!サヨナラ!」ダメージディーラー爆発四散!「アバーッ!サヨナラ!」サブシスタンス爆発四散!「ンアーッ!」ゼクスマイレンもまた生命の危機!
(皆イノチガケだった!私も命を賭けねば嘘だ!)「アバーッ!」絶叫をあげながらも、ゼクスマイレンはネイル・オブ・ザ・テンコマンドメンツ越しにローカルコトダマダイレクトハッキング敢行!その命を、ソウルをネイル・オブ・ザ・テンコマンドメンツに架ける!「グワーッ!」
「アバーッ封殺アバーッ!」……月が蒼い。不吉の予感。予感は予感では終わらず、事実となった。「アバッ……まさか全滅、するとは……ゼクスマイレン=サンは……うまくやったようだが」地にうつ伏せに倒れているのは、少女だ。全身カラテ装甲の内側にいた少女。
彼女こそがジェヴォーダンの獣の再来だったのだ。ゼクスマイレンの屍は、そのすぐそばに。爆発四散エネルギさえも込めて、今際の時までダイレクトハッキングに全力を注いだ結果、爆発四散せずに死体が残ったのだ。しかし赤黒の炎が死体を焼く。悲しいことだが、遠からず燃え尽きよう。
エレメンタラーもまた重篤なダメージ。適切な治療を受けねば爆発四散は時間の問題。「このジツだけは使いたくなかった」独白し、彼は異質なるニンジャサインを組み上げていく。失敗すれば死ぬ。望まぬトランスセクシャルの恐れも。「ボクは死ぬわけにはいかないんだ。彼女に会うまでは」
何らかの使命感を胸に、エレメンタラーはジツを発動。「コレニテ・ゴーメン!」ソウル・アセンション・ジツ!アクマ・ニンジャクランやマジョ・ニンジャクラン間に秘めやかに伝承されし、ハラキリ・リチュアルとは別ベクトルにソウル制御アプローチした禁忌のジツだ!
エレメンタラーの物理肉体爆発!(30秒だ!ボクのワザマエなら30秒だけなら、ソウルはオヒガンに引っ張られず動ける!)ヒトダマめいたプラズマ思念体となったエレメンタラーは宙を舞う。爆発的勢いで物理肉体では到底不可能なマッハ飛行。20世紀の弾道ミサイルめいた。
ソウルを燃やし……実際危険だ。モータルを厳選するヒマは無い。剥き出しのソウルとなったエレメンタラーは秒毎に大気エテルをダイオキシンめいて汚染し、またソウルも大気悪影響を受けるのだから。夜空を駆ける蒼いイナズマの如く飛翔する先は、ベルリン。
シューティングスターめいて墜落する落下先には、エロスセンタービル街通りでのホットな一時から帰路につくヘドロの姿があった……(コイツの身体を頂くか)不運にもヘドロはニンジャの目に付き、空から不幸に襲われた。その日のことを、彼は最期まで思い出すことはなかった。
【ハンマー・ア・ネイル・ザ・テンコマンドメンツ】終わり
◆忍殺◆ニンジャ名鑑#067【ダメージディーラー】◆少女◆
白ニンジャライトアーマー装備の異端審問ニンジャ。ことオフェンスに限ってはアイゼンハンマー随一のセンシ。腰のニンジャバッグにはイクサ七つ道具が収納されている。最期のイクサにおいて、ヌンチャクを使う暇は無かったようだ。
◆忍殺◆ニンジャ名鑑#068【サブシスタンス】◆少女◆
紫ニンジャ装束の異端審問ニンジャ。元は十字セイセンシの指揮官級であったが、ニンジャとなって異端審問官に。指揮官先頭のメリット・デメリットを理解し、イーグルめいた俯瞰視点を得るジツで指揮を取るイクサ巧者。
◆忍殺◆ニンジャ名鑑#069【アンデルセンデルタ】◆少女◆
老練なる異端審問デミ・リアルニンジャ。ニンジャソウル憑依しながらも修行を怠らず、フーリンカザンを理解し、リアルニンジャじみた領域に達したタツジン。アイゼンハンマーの異端審問教導官を勤めていた次期もある。
◆忍殺◆ニンジャ名鑑#070【セイジョ】◆少女◆
白ニンジャローブ装束の異端審問ニンジャ。この素晴らしいイタミを分けてあげたい。そんな慈愛に満ちたイタミ・ニンジャクランの異端者ニンジャソウルに憑依された。そのイタミ接続を応用し、彼女は至高のイタミ領域に達したのだ。