◆◆◆◆◆◆◆◆
(悪名高き『粉挽き職人・ランペイジ事件』が始まったのだ。「このニンジャは粉挽きの要領で、空を墜として大地を磨り潰し、金粉にするらしい」「悪いニンジャだ。殺してやる」(指揮権ヤッター!)「新情報通信兵器にインターネットというものがある。上手く使ってくれ」)
【コール・ミー・マイ・ネーム】#2
ガラガラガラガラ!戦術的な速度で早馬馬車が街道を駆けていた。中身はインターネットだ。短距離通信網インターネット中継精密器械が急いで運ばれていく。振動ダメージを避けるべく内部の余白スペースはヤワラカクッションで覆われ、人が座るスペースは実際無い。
ベルリンまで繋がるほどの大規模インターネット中継設備は、スモトリ数人分ほどもある。撤収のことも考えれば、安易な場所には展開できない。モータル偵察部隊がトクガワリバー沿い、ベルヘム付近に再設置している予定だ。生きていれば。
ニンジャ大隊は走っていた。早馬馬車より速く。極論、近代的なヘータイは走ることが仕事だ。故に、ニンジャのヘータイも走ることが仕事だ。「しかし、こんなガキがなァ」ニンジャスレイヤー少女は声の主をギロリと睨んだ。
「ア?やんのか?お?分からせコラー?」彼女に下賎な目を向ける緑黄色ニンジャ装束のニンジャの名は、トーラーマン。行軍の前に小隊内での自己紹介は終えている。「おい、ニンジャスレイヤー=サンへのシツレイはやめろ」マーダーランツェが止めた。
少女は外部協力者としてその小隊の4人目として走っていた。「仕方あるまい。胡乱なのだ」灰色ニンジャライトアーマー装束のニンジャ、フィーダーバルは忌憚の無い意見を述べる。(((グググ……かきいれ時!全員殺せ!殺すのだ!)))(ウルサイ!黙ってて!)
少女はふつふつと湧きあがる忍殺衝動を抑える。無理に抑え込み続ける形ではない。無理は良くない。無理は続かない。少女は失敗から学び、ソウルをうまく御する。(悪いニンジャだったら殺す。違ったら殺さない。いまは保留!)(((それが甘いというのだ!)))(ウルサイ!)
「言いたいことはワカル。私もユリコ=サンに同様の思いを抱いておるからな。しかしそれぞれの疑問はイクサで晴らすべし。犬死に、無駄殺しはパラニンの恥と知れ」マーダーランツェは統括した。バカラッバカラッバカラッバカラッ!一人だけパワフルホースに乗っている。
無論、これはマーダーランツェが楽をしているわけではない。その背には全長4メートル超で穂先鋭角三角錐が過半を占める黒鉄ヤリ。鋭角三角錐部位には「ヘ ヴ ィ ラ ン ス」とルーンカタカナ文字で刻印されている。その超重量を最大限生かすための騎乗。
ただのホースではあるまい。ニンジャアニマル調教されていよう。並のホースとは馬力が違う。古来よりニンジャは、己のイクサの助けとすべく、動物を使役するクランも存在する。マーダーランツェに憑依したニンジャソウルもまたその一派なのだろう。
(((グググ……キバ・ニンジャクランのグレーターニンジャ……殺せ!)))(ヤダ!)拒絶!トルガウまで2時間ジャストで行軍。一般的なホースがギャロップ速度継続して達成できるかどうかという速度である。それは整備された街道を走った場合の話。
しかしそのような事をすれば街道を行きかうモータルらへの精神的衝撃、NRSは計り知れぬ。9つのニンジャ小隊はそれぞれ僅かずつ異なる、道ならぬ道ルートを通り、時速60~70キロで走り続ける……それが19世紀ドイツ騎士団ニンジャに求められる最低限のパルクールなのだ!
ニンジャスレイヤー少女は「遅れたら、置いていく」とマーダーランツェから事前に言い含められていた。だが遅れを取らぬ!「テメーひとりだけネンゴロ連れでよォ」「トーラーマン=サン!クドイぞ!」「へいへい」態度が悪い!減点!
トーラーマンは胡乱な相手には雑な対応だが、実は身内には親身なのだ。そのような事情を知らぬニンジャスレイヤー少女は、トーラーマンのニンジャ邪悪さを態度で計り、減点方式で批評していく。マイナス点になったら決断的にスレイ判定。
木々のスキマから漏れる太陽は徐々に傾き、夕暮れ時が近づいてきている。行軍予定通りであれば、日没とほぼ同時にトルガウまでたどり着けるであろう。そして一泊して英気を養い、製粉所を磨り潰す邪悪ニンジャを殺す。そういう計画だ。
(アイゼンハンマーは動いているのかしら?)少女は平坦な胸中に疑問を抱いた。(((機能していれば)))ゼクスマイレンは懐疑的だ。あのニンジャパーティがアイゼンハンマーの最終パーティであった。そのミームを受け継ぐ者がいなければ、ニンジャパーティ伝説は御伽噺めいて立ち消えよう。
(((少女、私、とても良いことを思いつきました。悪いニンジャだけではなく、ニンジャモンスターもスレイしましょう)))(そのうちね)少女は冷たく切り捨てた。マイナス減点が大きいのだ。ゼクスマイレンは信用度が低い。
そして日が沈んだ。
ニンジャ大隊はトルガウ最大のパブ「ビールの味わいが深い亭」に集い、英気を養う。明日のイクサに備えて。ニンジャスレイヤー少女を除き、27人ものニンジャがいた。(((よりどりみどり!全員スレイすべし!)))(静かにしてよ!)少女はアクマめいた声を拒絶!
ここで彼女は、パラディン・ニンジャなる組織が如何ほどのニンジャ組織かと批評しようというのだ。「アーン。エッチ!」「アーン。ヤメテー」さっそく減点行為発見。「へっへっへ」「好きだろォ?」ビールジョッキ片手に下賎な笑みを浮かべるニンジャたちがエッチなイタズラ!減点!
ミニスカートディアンドル装束のウェイトレス達の顔はみな一様に引きつっている。だが歪みながらもスマイル維持。ブザマに騒ぎ、シツレイがあればファック&サヨナラは避けられまい。現実のニンジャから現実逃避し、しかし職業意識重点!カンバンムスメサービス精神!奉仕!
「騒々しい!静かにせよ!」マーダーランツェは規律を維持しようと声を張り上げる。ちゃんと注意してえらいので加点!「オイオイヨ。英気重点ヨ!」「ヨイデハ・ナイカ!パッション重点!」「シシャクランクの癖に生意気だぞ!」だが通らぬ!規律に乱れ!暴力的で非服従!減点倍点!
「イヤーッ!」ニンジャのビール瓶ボトルネックカットチョップ!「ヒイーッ!」アブナイ!切断先のボトルネックがウェイトレスに!減点!「オットット!アブネーゾ!」ブン!「ヒイーッ!」バスターカタナブレード素振りインターラプトニンジャ!庇っててえらい!加点!
「ドーモー。新入りの嬢ちゃん。ミルクばっかり飲んでないでオシャクしろや。役目だぞォ!」酔っ払いニンジャがニンジャスレイヤー少女へ物理的に絡む!減点!「マーダーランツェ=サンより俺の方がニンジャランクは上だ、だから、な?」手つきが卑猥でエッチ!減点!
ガタン!ニンジャスレイヤー少女は卑猥な手を払い丸チェアを立った。「明日に備えて寝ます」「アー?まだ宵の口だぞォ?ナメテンコラー?」「カッカッカ!まだまだガキ!許してやれよ!」「フィーヒヒヒ!」マナー最悪!スゴイ減点!(パラニンがどういう組織か良くわかった)
少女の目つきが鋭くなった。エッチなのはいけないと思う。だいたいみんな悪いニンジャだ。だが流石に全員同時に相手するのは分が悪い。機を見て順次スレイするべし!「なんだその目はァ。反抗的コラー?」「イヤーッ!」少女は絡み酒ニンジャの手首をひねった!「ウワーッ!」
今のはオスモウフォーティエイトのカタ!小手投げ!ドシン!辛み酒ニンジャは激しくシリモチをついた。「酔い過ぎると明日のイクサに毒だと思います。オサキー」少女は「ビールの味わいが深い亭」を出ようとする……が、3人のニンジャが立ち塞がった。
「オイオイヨ。ナメテンコラー?」「平坦カワイイだねェ」「外部協力者の癖に生意気だぞ!」反抗的!「明日に響くようなマネはやめろ!」マーダーランツェは規律を維持しようと声を張り上げる。頑張っててえらいので加点!ニンジャの一人が丸テーブルに片肘を付き、90°曲げた腕を差し出した。
「おいガキィ!帰る前にアームレスリングで勝負!」ナムサン。この男は少女にアームレスリングロックを極めて、平坦好きニンジャの平坦前後をサポートする腹積もりなのだ。エッチなチームワーク!ボー・オブ・ザ・コラシメルが秘めやかに臨戦体制!囲んで棒で叩くつもりか!?
組織トップがエッチなので部下もエッチなのだ!なんといやらしい組織なのだ!「それともノーカラテだから逃げるかァ?」「イッヒヒヒヒヒ!」「ガキだからなァ!」減点!ニンジャスレイヤー少女は挑まれたアームレスリングに応じた。
臨時審判役ニンジャが互いに掴んだ二人の手を掴む。「準備して!」少女はテーブルに体重を預け、重心を落とし、カラテをこめた。彼女の背後には突き出たヒップを舐めるように見つめるヘンタイなニンジャが!危険だ。「始めて!」「イヤーッ!」「グワーッ!」コンマ5秒で決着!
「なに?」ヘンタイなニンジャは訝しんだ。あんなに小さい少女が、カラテで上回っている?彼はアームレスリング拮抗すれば少女の背後からヒップ・タッチし、アームレスリングサポートする心積もりであった。だが今の攻防を見てやめた。下手に手を出せば返り討ちにあいそうだ。
「イタイ!イタイ!離してくれ!頼む!」アームレスリング挑戦ニンジャは身体を捻ってテーブルタップした。このままでは腕が折れてしまう!明日のイクサに悪影響が!「正直ちょっとムカついてたんだよね。散々好きなように言ってくれちゃってさ!」
少女は一度、ことさら強くテーブルに相手ニンジャの手を押し付けてから手を離し、パンパンと両手をはたいてキタナイ・アトモスフィアを払った。「ッハ!良い女な!」「情けねえゾー!」「アッハッハッハッハ!」酒場はケイオスじみた。みな、酔いが回っているのだ。
ビール重点で呑み競う者。ニンジャ余興を楽しむ者。仲間と雑談を興じる者。秘めやかにオサキーしホットなエッチ施設に向かう者。様々だ。少女はニューロンに悪いニンジャ記録を保存した。記憶力には自信はないが、忍殺力には自信がある。
「オサキー」少女は酒場を出た。今度は止められなかった。簡単には止められぬと、実力を示したからだ。彼女は安全性重点なやや料金の高い宿屋に向かい、寝室アンブッシュに備えながら寝た。夜は更けていく……
◆クイズニンジャスレイヤー◆
◆28人中、何人死ぬ?(景品はありません)◆
エレケは十数年カラテ修行し、カイデンの証を得てリアルニンジャとなった。そこから更に、自身が納得するまで修行を継続した。カラテの道に終わりは無い。だが職人の拘り、納得には理想の実現という一区切りがいちおうはある。
学んだカラテを自己解釈し、イシウスカラテに昇華させ、理想を実現して納得し、彼女はワインめいて数十年熟成させた怒りをばくはつさせた。「全ての製粉所を磨り潰す。立てよ粉挽き屋!誇りを忘れるな!」そのアジテーションを聞く者は誰もいない。すべて磨り潰したからだ。
この世すべての製粉所を磨り潰そう。どうやって?杞憂だ。空を墜落させてウワウスとし、大地をシタウス(訳注・イシウスの下半分)として挟む。圧迫する。反時計回りに回転させ、磨り潰す。気象現象を紐解き、職人技を駆使すれば理論上は可能だった。机上の空論とはいえ。
どれだけのカラテが必要だ?すべてを一瞬でこなす必要がある。つまり、カラテがあればできるのだ。明確なビジョンが彼女にカラテ成長を促した。(黄金を生み出す螺旋回転にカラテをかけて100倍だ!分かるまい!このニンジャカラテ学の美しい公式が!)彼女は理想を実現したのだ。
……シャーデン製粉所。次の磨り潰しポイントにたどり着いたエレケは、異形のカラテを構えた。右脇を閉め、肘を90°まげて前方に突き出し、左腕を水平に真直ぐ伸ばす。両手の平は内側に向け、やや丸めるが握らない。右膝を一杯に曲げて腰を落とし、左膝を30°角度で前方に。足裏は大地にピッタリ。
カラテ攻防になんらタクティカルアドバンテージを感じない構えであった。実際、カラテ攻防を意識した構えではなかった。粉挽きの究極。シュツルム・ウント・イシウスを繰り出すためだけの構えであった。「シューッ……ハーッ……」エレケは特殊な呼吸法で、カラテを高めている。
その正体は、ヨーガの呼吸。情け容赦無用の殺人拳の呼吸。十分にカラテが高まり、彼女が反時計回りに螺旋を描いた時、マイクロバーストめいて、空が、墜ちる。真空粉挽き。伝説のジュドー技、エアスローを始めとする、モータル間にも僅かながらに語り継がれる真空の力を彼女は追求した。
必要な要素だからだ。カラテが、ミームが、ビジョンが、怒りが、ガッチリと歯車めいて噛み合う。噛み合わさり職人技。「シューッ……ハーッ……」歯車が回る、回る、回る……とどまるところを知らぬ!誇りがある。絶対に妥協したりなんかしない。すべて手作業。技術だ。職人のワザマエ、そしてカラテ。
おお、見よ!目視出来ぬハズのカラテオーラが渦巻いて!エレケの身にとてつもない量のエテルが集まってくる!この立ち枯れの時代にこれほどのジツを!?「シューッ……ハーッ……」否!違う!カラテだ!カラテの高まりが空間を!大気を歪ませているのだ!
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ! アナヤ!遥か天高くまでもが軋んでいるではないか!リアルニンジャいい加減にしろよ……19世紀は神話の時代じゃないんだぞ!「シューッ!ハーッ!」ヨーガの呼吸!
「ケッケッケ。若いって良いねェ。エネルギッシュ!キアイも良い!」エレケから十キロ前後離れた高地から、彼女のシュツルム・ウント・イシウス事前動作を見つめる影あり。あの時の小人だ。おそらくリアルニンジャ。あるいはその遠隔操作端末。
「そしてオーカミ・ニンジャ=サンよぉ。調子に乗りすぎたな。だからこうやって痛い目にあう」彼はオーカミ・ニンジャと何かしら因縁が?「モータル集めて何してる知らねぇけどよォ、ヨーロッパ全土の製粉所が潰れてモータルの食べるパンがなくなったら全員餓死して死ぬしかねェよなァ!」
ナムサン。リアルニンジャ間のつまらぬ諍いが、これほどの悪意に、ニンジャ災害に繋がるのか?とにかく彼はエレケを利用し、オーカミ・ニンジャにカラテハラスメントすることを目的にインストラクションを施したのだ!「ま、あのガキがこんなイカれたカラテ成長するとは予想外だったがな!」
エレケは小人と分かれ、彼の手の届かぬどこかに行ってしまった。惜しいタマゴを無くしたと思ったが、何を思ったのか帰ってきた。だから再び導いたのだ。「シューッ!ハーッ!」カラテ臨界点!「ウィピピー!ヤッチマエー!」次の瞬間!「イイイイヤアーッ!」カラテで空が墜ちてくる!
S-TOOOOOOOOOOOOOOOOOOORM!ナムアミダブツ!シャーデン製粉所無残!おお、ナムアミダブツ!黄金の粉塵がマイクロバースト外周から噴出!すべて金粉!カラテ元素変換!?これも古代ローマ史に記されしマッポーの一側面なのですか!?「イタゾー!」ニンジャ小隊が!
「こちらアイン小隊。シャーデン製粉所に敵性ニンジャ発見。排除する。オーバー」「センポー重点!」「ヒャッハー!イサオシ・イチバンはこの俺だァー!」シャーデン製粉所から3km地点で一報を入れたアイン小隊はイサオシを争うように駆ける!
そのように騒げば、カメであろうと遥か遠くに逃げ始めるだろう。逃げ切れるかどうかは別として。「シューッ!ハーッ!」だがエレケは逃げぬ。ニンジャ第六感で敵性ニンジャ感知。風にたなびく紺色カッポギエプロンニンジャ装束をそのままに、ヨーガの呼吸を深めていく。そして!
「イヤーッ!」全身駆動で螺旋を描きながら立ち上がり天に突き上げる反時計回りスクリューブロー!天から落ちるソニックカラテ!「アバーッ!サヨナラ!」アイン小隊のニンジャ一人無残!爆発四散痕から黄金の粉塵が!「凄ェ!カ、カネだ!」「どけ、俺のだぞ!」金の欲望に惑わされて醜い!
そして彼女はザンシンを解き、両手を合わせてオジギした。「ドーモ!そこらにいるどこぞのニンジャのみなさん!シュツルム・ニンジャです!ウチとイクサするつもりなら、全員磨り潰す!」アイサツシャウト!イクサバにおいて比較的ポピュラーなアイサツだ。古代ローマ史にも書かれている。
シュツルム・ニンジャは返答を待った。「ドーモガッ!」答えようとする者はいたが、口を塞がれた。誰も答えなかった。トテツモナイ・シツレイ!近代戦争の悪影響だ。「シューッ!ハーッ!」彼女はヨーガ呼吸しながら10秒待ち、パラニンらとアイサツする価値なしとみなした。「イヤーッ!イヤーッ!」
再び異形のカラテを構え、全身駆動で螺旋を描きながら立ち上がり天に両腕を突き上げる!シュツルム・ウント・ダブルソニック!「「アバーッ!サヨナラ!」」金粉を競って集めていたアイン小隊生き残りニンジャ2人が空から落ちるソニックカラテに磨り潰され爆発四散!黄金の粉塵!
ソニックカラテ……その修行シーケンスはカゼ・ニンジャクランと共に失われたのでは?その現代とはいつの現代だ?21世紀?21世紀は19世紀ではない。「ッカ!バカどもが」別ルートで斥候していたニンジャがアイン小隊のウカツを嗤った。
「こちらツヴァイ小隊。シャーデン製粉所に敵性ニンジャ発見。排除する。オーバー」シャーデン製粉所から2km地点で一報を入れたツヴァイ小隊は速度重点で駆ける!「ソニックカラテスナイパーだ。近づけば勝てる」
本作戦に不参加であるが、パラニンにもソニックカラテスナイパーはいる。遠距離特化修練したソニックカラテ使いは、そのぶん近接カラテに弱くなるのが道理!「シューッ!ハーッ!」だがシュツルム・ニンジャは逃げぬ。ニンジャ第六感で敵性ニンジャ感知。ヨーガの呼吸を深めていく。
そして!「シュツルム!ウント!ソニック!」異形の構えから全身反時計回り螺旋駆動!大気干渉!気象操作!三連続極小マイクロバースト招来!「アバーッ!サヨナラ!」「アバーッ!サヨナラ!」「アバーッ!サヨナラ!」ツヴァイ小隊ニンジャ全滅!爆発四散痕から黄金の粉塵!
「こちらドライ小隊。シャーデン製粉所に敵性ニンジャ発見。排除する。オーバー」シャーデン製粉所から1km地点で一報を入れたドライ小隊はステルス重点で匍匐前進!「シューッ!ハーッ!」だがシュツルム・ニンジャは欺けぬ。ニンジャ第六感で敵性ニンジャ感知。ヨーガの呼吸を深めていく。
「イヤーッ!」天に突き上げる反時計回りスクリューブロー!天から落ちるソニックカラテ!「バカナーッ!?」「ナンデェー!?」「ウソダーッ!」「「「サヨナラ!」」」ドライ小隊ニンジャ全滅!爆発四散痕から黄金の粉塵!
「こちらマーダーランツェ!総員に告ぐ!シュツルム・ニンジャ=サンのソニックカラテは連続して繰り出せぬ!一斉にかかれ!全速前進だ!対応の暇を与えるな!カラテ圧迫せよ!天駆けるブリッツの如く進発せよ!進発せよーッ!オーバー!」マーダーランツェの突撃指令!
全方位1.5km地点に展開していた19人のニンジャは一斉にシャーデン製粉所めがけて吶喊!「シューッ……ハーッ……」だがシュツルム・ニンジャは恐れぬ。ニンジャ第六感で敵性ニンジャ感知。ヨーガの呼吸を深めていく。(ノー・カラテ・ノー・ニンジャ)彼女の思考はシンプルであった。
何故誰にも分かってもらえないのか、理解に至ったのだ。弱いからだ。カラテのない、無力な乙女と思われていたからだ。力があれば、分からせられる。そしてシュツルム・ニンジャはカラテを得た。(今も昔もニンジャはカラテを極めた者が上を行く)カゼ・ニンジャクランに語り継がれしミーム。
「シューッ……ハーッ……」彼女は己の納得のために、各地の秘境を巡りニンジャクランを渡り歩いた。ニンジャバスタード。ミーム混在ニンジャ。あまり褒められた存在ではない。だが、古代中国では7つのミームをかけあわせ、新しいミームを考案するミーム合成法が盛んに行われた。かの地は寛容だった。
シュツルム・ニンジャ。彼女は誰にも分かってもらえず、故に誰からの理解も拒んだ。だからこそ究極の拒絶のカラテに行きついた。イシウスは挟まるものを磨り潰しながら外周に排出する。小麦が逆流し、ウワウス穴から飛び出ることなど許さぬ。「シューッ……ハーッ……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ! シュツルム・ニンジャの身にとてつもないカラテの高まりが!(((コムスメ!止まれ!実際死ぬ!)))ズザーッ!少女は途方も無いカラテ圧力に、アクマめいた助言も合わせて500m地点で制動ブレーキをかけた。「臆したか!」
フィーダーバルは全速前進を制動ブレーキしたニンジャスレイヤー少女を唾棄すべき惰弱と切り捨てた。「だから俺は言ったんだ!」トーラーマンもそうだ。バカラッバカラッバカラッバカラッ!マーダーランツェは「ヘ ヴ ィ ラ ン ス」を構え、一瞥もくれぬ。背には指揮官インターネット端末。
シャーデン製粉所があった場所は、その半径200m以内のすべてのすべてが磨り潰され、黄金粉塵が排出されたシタウスめいた滑らかな丘となっている。シュツルム・ニンジャは一人、異形のカラテを構えて丘の中心にしゃがみこむ。「シューッ!ハーッ!」カラテ臨界点!
「マーダーランツェ=サン!分からないの!?」ニンジャスレイヤー少女は思わず静止するよう叫んだ。マーダーランツェが比較的善良で邪悪ではないほうのニンジャだったからだ。無論、マーダーランツェも分かっている。だがもう止まれぬ!口に出した指示は絶対だ!最大イクサ速度!
そして!「イイイイヤアーッ!」シュツルム・ニンジャが究極的な全身駆動反時計回り螺旋回転!真空バキューム発生!カラテで空が墜ちてくる!7種のミーム、カラテ流派をこだわりの独自割合ブレンド配合した、ニンジャ史上初となる全く新しいイシウスカラテ!そのヒサツ・ワザ!
シュツルム・ウント・イシウス!S-TOOOOOOOOOOOOOOOOOOORM!おお!ナムアミダブツ!ナムアミダブツ!19世紀の科学技術では最大瞬間風速計測不能!局所的マッポーカリプス・ナウ!ニンジャスレイヤー少女!かようなニンジャ災害に勝てるのか!?
【コール・ミー・マイ・ネーム】#2終わり。#3につづく。