ニンジャスレイヤーIF少女   作:BANZAINAMUSAN

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コール・ミー・マイ・ネーム#4

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NINJASLAYER/IFGIRL】

【コール・ミー・マイ・ネーム】#4

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

(((殺すべし)))ローカルコトダマ子ども部屋。じぶんの部屋。(((殺すべし)))童話集。オコサマスケッチ。オコサマベッド。クルミ割り人形。ピラミッドウサギ。手作りクマチャンに手作りウサギチャン。(((ニンジャ殺すべし)))そしてアクマめいた声。

 

 

背の低い化粧台に映るオバケ。(オバケダー!)オバケリアリティショック。(((ド モ、      サン。  ク・ニ    す)))音声に乱れ。ノイズ。精神的衝撃。(((オヌ【ピーーーーーー】ンジャが    儂とと       すべし)))……011101011……

 

 

……1110……「イヤーッ!」「ヌウーッ!」シュツルム・ニンジャの逆時計回り回転体当たり!チュイイン!ニンジャスレイヤーは腕ガード角度をつけて後方へ逸らす!カラテ装甲ブレーサー損傷!(儂の名を呼べ!)(((ヌウーッ!)))少女は思い出せぬ!オバケリアリティショックの悪影響だ!

 

 

(((卑怯者!)))ゼクスマイレンは非難!少女は憎悪の炉に焼かれながらリフレイン!思い出せ!思い出せ!忘れたら、オーテ・ツミだ!(((ヌウーッ!)))だが思い出せぬ!「イヤーッ!」「ヌウーッ!」グッシャア!カラテ装甲ブレーサー無残!直前に受け流し!カラテ装甲ブレーサー再生成!

 

 

もう駄目か!ニンジャスレイヤー少女!オバケリアリティショックに、無限めいて続く回転に屈してしまうのか!「イヤーッ!」「ヌウーッ!」グッシャア!ハヤイスギル!ブレーサー無残!(儂の名を呼べ!)(((ヌウーッ!)))思い出せぬ!(((クウーッ!)))ゼクスマイレンは歯噛みイメージ!

 

 

(コムスメは間に合わなんだか……イザ!)ニンジャスレイヤーの目がレーザーポインターめいて光った!「イヤーッ!」「イヤーッ!」シュツルム・ニンジャの逆時計回り回転体当たり!ニンジャスレイヤーはカラテ装甲を纏った左ポン・パンチ迎撃!キュイイイグッシャア!「グワーッ!」

 

 

ニンジャスレイヤーが打ち負けた!?何たる回転だ!だが!「ウワーッ!?」シュツルム・ニンジャもまたカラテ斥力ノックバック先で転倒!一体何が!?ああっ!ローキック痕に抉れた丘がシュツルム・ニンジャの芸術的な回転スライド駆動を狂わせて!ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!

 

 

シュツルム・ニンジャは凄まじい勢いで滑らかな丘をワーム・ムーブメントめいて回転!まさかニンジャスレイヤーはこのフーリンカザンのためだけに!?「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは左腕の損壊を無視して前傾ダッシュ!(儂の名を言ってみろ!)(((クウーッ!)))……01110101……

 

 

(((殺すべし)))マイルーム。童話集。オコサマスケッチ。(((殺すべし)))オコサマベッド。クルミ割り人形。ピラミッドウサギ……「オールイン感謝」「ディープありがとう」と書かれた掛け軸。「ハドー」と書かれた謎めいたマキモノ。(((ニンジャ殺すべし)))そしてアクマめいた声。

 

 

背の低い化粧台に映るオバケ。(オバケダー!)オバケリアリティショック。(((ドーモ、◆◆◆◆◆=サン。ナラク・ニンジャです)))ノイズ。自分の名が聞き取れぬ。(((オヌシのグランドマザーは死んだ。ニンジャが殺した。儂とともに復讐を果たすべし)))……11101101……

 

 

……1110……「イヤーッ!」シュツルム・ニンジャのマウントを取ったニンジャスレイヤーの右パウンド!「ンアーッ!」「イヤーッ!」右パウンド!「ンアーッ!」威力に不足!いずれどこかのパウンドタイミングでひっくり返される!一手足りぬ!(儂の名を呼べ!)(((ナラク!)))バリン!

 

 

ゼクスマイレンの掌の中で「名前を呼んではいけません」のネイル・オブ・ザ・テンコマンドメンツが粉々に砕け散った。何故ゼクスマイレンの掌に?彼女が唯一コトダマイメージで触れることのできるそれを握り、自ら引き抜いたのだ。『ゴボボーッ!』

 

 

四つ這い嘔吐イメージ!封じるべき邪悪ニンジャの戒めを自ら解き放ったことでゼクスマイレンのニューロンに負可逆な重篤ダメージ!『ハヤクトドメヲサセー!』彼女はゴルゴダの丘めいた拡張ローカルコトダマ空間内で絶叫!ニンジャ災害スレイ重点!職業意識!

 

 

ゴウッ!ニンジャスレイヤーの右拳に赤黒の炎が宿る!ナラクの炎が!「イヤーッ!」右パウンド!「ンアーッ!」「イヤーッ!」右パウンド!「ンアーッ!」「イヤーッ!」右パウンド!「ンアーッ!」「イヤーッ!」右パウンド!「ンアーッ!」

 

 

その肉体の主導権は、既にニンジャスレイヤー少女にある。少女は自らの意志で肉体の一部を燃やすことは出来なかった。限界が訪れ全身が燃え上がるか、一瞬ばくはつさせるだけだった。だが今は!「イヤーッ!」「ンアーッ!」「イヤーッ!」「ンアーッ!」己の意志で右拳の血肉を燃やす!

 

 

(おばあさまは言っていた……ジツはとっても危険だから、気安く使ってはいけないよって、イザって時しか使っちゃいけないよって……おばあさま!イザって今よ!イザ!イザ!イザ!)「イヤーッ!」思い出した祖母の教えをリスペクトし、激しくナラクの炎パウンド!「アバーッ!」クリティカルヒット!

 

 

「イヤーッ!」「ンアーッ!」「イヤーッ!」「ンアーッ!」「イヤーッ!」「ンアーッ!」「イヤーッ!」「ンアーッ!」「イヤーッ!」「ンアーッ!」「イヤーッ!」「ンアーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!」素材から製法全てにこだわった職人製最上級メンポ粉砕!

 

 

だが右パウンドを緩めぬ!「イヤーッ!」「アバーッ!」(((コムスメ!手を緩めるな!1秒余裕を与えればニンジャコロの原理で吹き飛ばされよう!さすればソヤツは容赦なく牙を向くぞ!執拗に叩き潰すべし!)))ナラクの炎を激しく燃やし右パウンド!「イヤーッ!」「アバーッ!」

 

 

それはイシウス発明以前。原始の粉挽きめいた。小麦を叩き、叩き、ひたすら叩き、小麦粉になるまで叩き続けるのだ!(ああ、歴史が見える。粉挽きの歴史が)シュツルム・ニンジャはソーマト・リコール中に神秘的な何かに接続し、現在に至るまでの粉挽きの歴史を過去視した。

 

 

なんて原始的なワザマエだろう。そのミームを受け継ぎ、先に行った者として、手本を見せなければ。だが、手が、足が、動かぬ!(ウチは、追い詰められてしまったの?)どこかに光明があるはずだ。シュツルム・ニンジャはリボルバー回転めいて渦を巻く淡い視界に目を凝らす。

 

 

失敗はチャメシ・インシデント。失敗し、原因を突き止め、納得し、改善する。独自開発した職人サイクル回転で乗り越えられなかった課題などありはしないのだから。(このくらい……ネコソギ引っくり返す!成せば成る!成せば成るんだから!)シュツルム・ニンジャの目はまだ死んだマグロではない!

 

 

このリボルバー回転の中に、現状を打破する突破口は必ずある!窮地を撃ち抜くシルバーバレットめいて!やがてイシウスの歴史が見えてきた。自分のほうがスゴイと思う……かつて抱いた感動はない……ERROR!神秘体験強制終了!(ナンデェ!?)リスペクトに不足!「イヤーッ!」「アバーッ!」

 

 

「イヤーッ!」カイシャクせずナラクの炎パウンド!「アバーッ!」「イヤーッ!」四方固めしてばくはつしたりせずナラクの炎パウンド!「アバーッ!」「イヤーッ!」ゴウッ!少女の全身が赤黒に燃える!体温限界突破!「アバババーッ!」パウンドに追加して延焼ダメージ付与!

 

 

「イヤーッ!」「アバーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!」ニンジャスレイヤー少女はひたすら愚直にナラクの炎パウンドを繰り返し、繰り返す!シュツルム・ニンジャは白目を剥き、口から泡を吹いた!勝機!

 

 

「イイイイヤーッ!」ニンジャスレイヤー少女は渾身の力で右パウンド!「アバーッ!サヨナラ!」シュツルム・ニンジャの耐久力限界突破!爆発四散!じゅうっ!少女は即座にナラクの炎鎮火!「フーッ!ハーッ!」ぷしゅううううううううううううううう!そしてカラテ放熱!

 

 

少女はバンザイ姿勢で仰向けに倒れた。ぷしゅううううううううぅぅぅううう!全身スチーム噴出継続!「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!」限界がかなり近い。だが完全なる限界ではない。カラテ成長実感。

 

 

(……ナラク)(((なんだコムスメ)))(アリガト)(((くだらぬ!)))少女は滑らかな丘をコロコロ転がった。滑らかな坂道の先には、エルベリバー。穏やかな流れ。「イヤーッ!」バシャーン!彼女は自らエルベリバーに飛び込み、その体温を冷却。清流が全身に染みる。

 

 

(ネーネーナラク)(((なんだコムスメ)))(ドーモ、ナラク・ニンジャ=サン。ニンジャスレイヤーです)(((やかましい!うっとおしいぞ!)))(エヘヘ)少女は顔だけ水面に浮かべ、空を見上げた。大気の乱れは納まっていた。まだまだ足りぬ。少女は思った。

 

 

ナラクが見せたようなカラテなど、出来るとは到底思えぬ。ナラクが見せたようなイクサ運びなど、全くイメージ出来ぬ。だが、出来る者もいるのだ。敬愛する祖母の仇の前で、そういうのか?出来るわけが無いからやめてくれと?ナンセンス。あれが、あれこそが真のニンジャのイクサなのだ。

 

 

しかし今日、参考とするべきカラテのおてほんを見た。体感した。ならば。「……ニンジャスレイヤー=サン。生きているか」「生きてまーす」マーダーランツェだった。黒ラバースーツニンジャ装束姿。バストは豊満である。手に「ヘ ヴ ィ ラ ン ス」は無い。磨り潰されたのか。

 

 

「女のひとだったんだ。声、男のひとだったのに」「ああ。アレはワザマエだ」マーダーランツェは金髪碧眼コーカソイド美女であった。それこそ、ウィリアムと閨を共にするオイランメイドたちに勝らずとも劣らぬほどの。

 

 

「どうしてパラニンやってるの?みんなエッチだったよ?」「私はな、偉くなりたいんだ。アヤツに実質尻を叩かれたからな。奮起している」「そーなんだ」少女はそれ以上聞かなかった。「イサオシを取り上げるようで申し訳ないが、約束どおり、私の成果にさせてもらうぞ」「いいよ」

 

 

少女はもとよりパラニンのイサオシに興味など無い。彼女とドブネズミとの間に結ばれた約定に価値を見出ださなかった。だかそれは、欺瞞を許していることに繋がるのではいないか?ウソつきは針千本のジッカイはどうした?ピシ。該当するテンコマンドメンツに微かなヒビ。

 

 

アキレウスの踵。ジークフリートの菩提樹の葉の痕。ベンケの泣き所。この世に完璧なものなどない。伝説のゴスンクギにとって、名前の封印は相応に重点。その一点が崩れたことで、理が乱れたのだ。少女は自己を、自分らしさを取り戻しつつある。

 

 

そんなことよりカラテやりたい。少女は今一度空を見上げて、そう思った。だが、この両手では難しかろう……左腕は危うくねじ切られるところであったし、右腕は何度もパウンドした。ナラクの炎で殴れば、反動ダメージで拳も傷つくのだ。治療の時間が必要であった。ニンジャ相応の。

 

 

空は千々に千切れた雲が入り乱れる、今にも落ちてきそうな空だった。杞憂だ。古代中国。杞の国のモータルは天が墜ちてこないかと憂えたという。正しくは、ニンジャが空をカラテで墜としてこないか、と。もうニンジャのカラテで空が墜ちてくることは、きっと無い。

 

 

カゼ・ニンジャクラン期待の新星は、シューティングスターめいてニンジャ史に一瞬の煌きを輝かせ、地に墜ち、執拗に叩かれ、爆発四散したのだから。まわりより飛び出たネイルは叩かれるものだと歴史が証明している。今回もそうなろう。

 

 

だが、真にニンジャ脅威を憂うならば……今はただ、備えよう。

 

 

◆ニンジャアフター◆

 

 

◆インターミッション◆

 

 

「オニを呼んだな!オニを呼んだな!」小人は喚いていた。シュツルム・ニンジャの死は想定外インシデント。たかがニンジャソウル憑依者ごときに負けぬとたかをくくっていた。それが死んだ!何故だ!?オニだからだ!

 

 

彼女を止めるべくオーカミ・ニンジャが現れれば、小人はニンジャ真の姿を表しインターラプト。人数差アドバンテージで磨り潰す計画であった。だがオニが!オニが現れてぜんぶ叩き潰した!「オニは反則!協定違反!」そのように騒げばカメとて遥か遠くから逃げ始めるだろう。

 

 

……逆に、耳聡い者は抜け目無く聞きつけよう。「ドーモ、ルンペルシュティルツヒェン=サン。オーカミ・ニンジャです」「アイヤッ!」ナムサン。小人の1フィート背後に、ニンジャ野伏力を駆使して忍び寄った、四つ這い姿勢オーカミ・ニンジャの影あり。

 

 

小人は滝じみた汗を流し、ゆっくりと背後に振り返った。「クックククク。どうした?アイサツせよ無礼者」ルンペルシュティルツヒェンはゆっくりとした動作で、両手を合わせてオジギした。「ドーモ、オーカミ・ニンジャ=サン。ルンペルシュティルツヒェンです」「イヤーッ!」「グワーッ!」

 

 

ルンペルシュティルツヒェンはニンジャ真の姿に変身する前にオーカミ・ニンジャの四足獣じみた両前足掌の内に閉じ込められてしまったではないか!これでは変身できぬ!「オニを呼んだな!オニを呼んだな!協定違反だ!ブッダも怒る!」だが諦めず喚き始めた。

 

 

感情的なゼンモンドーで全てをうやむやにするしかない!「ククク。だから?」「だから?では無いわ!オマエはこれまで恥というものを全く知らないで生きてきたのか!ヨーロッパにオニは出さぬ!そういう取り決めではないか!」ニンジャ真実の一側面を突き、手を引かせるしかない!

 

 

「そして皆、個人の都合で破ったようだなァ。クックククク。何が協定だ笑わせる」「クウーッ!」歯噛み!返す言葉もない。事実だからだ。「調子に乗った奴から負ける」そのコトワザ通り、かつて誰もがニンジャ兵力を求めてオニを招くような惨劇を引き起こす時代があった。

 

 

紆余曲折の末にヨーロッパの地にギンカク・テンプルを招く事態となり、誰もがオニを御すことが出来ず、自身の増上慢を悔いて爆発四散していったのである。古代から中世への変遷期、日本の平安時代とはヨーロッパではまさに乱世。ケイオスの坩堝であった。色々あったのだ。

 

 

「オレとて腹が減ったのだ。仕方あるまい。それともなにか?オレに餓え死ねと?」ギューッ!「アバーッ!」握力で圧迫!脱出不可能!こうも圧迫されてはニンジャ真の姿に変身できぬ!低燃費ニンジャ野伏力重点フォームが仇となった!インガオホー!

 

 

「安心せよ。美味しいオヤツを食べれば、オレの腹といえども暫し餓えを忘れよう」「ヤメローッ!ヤメローッ!」ルンペルシュティルツヒェンは必死に暴れた。脱出不可能!絶望!「やはり量より質!オレの糧となるが良い!ルンペルシュティルツヒェン=サン!イタダキマス!」頭から丸齧り!

 

 

「アバーッ!」咀嚼音無慈悲!「サヨナラ!」ルンペルシュティルツヒェンはオーカミ・ニンジャの口の中で爆発四散!口の中でニンジャが弾ける味わいを、オーカミ・ニンジャは心から堪能した。「ンー。美味!サイズは問題ではない!やはりリアルニンジャよ!味わいが違う!感無量!」

 

 

おお、見よ!オーカミ・ニンジャのカラテが滾り、溢れるではないか!なんと邪悪な!「ンー満足、満足」腹を軽く叩いて撫で、舌なめずりする彼の眼差しは十数キロ先のニンジャスレイヤー少女とマーダーランツェに注がれている。

 

 

「ヤッコサン、運が良かったな。オレはいま満足だ。いずれ喰らってやる。いずれな」『オニを呼んだな!オニを呼んだな!ノロってやる!ノロッテヤル!』アナヤ!爆発四散痕からプラズマめいたスパークがヒトダマとなるではないか!?ゴールデンタッチ・ジツ!「グワーッ!」

 

 

オーカミ・ニンジャの両手が、そして口の中が黄金に輝く!ギザギザ総金歯!『ザマを見ろ!餓えて死ね!サヨナラ!』ルンペルシュティルツヒェンのファイナルアタック!ノロイを残し、オバケビジョンはノイジーな01羅列に飲まれて消えた。「ヌウーッ!つまらぬマネを!オノレー!」

 

 

オーカミ・ニンジャは屈辱に悶え、高地を転がった。悪足掻きと分かっている。あの場所に行きさえすれば、なにも問題ない。だが!「腹が減ってもメシが喰えぬではないか!」死活問題な。リアルニンジャを喰らうのは、いつもリスクが伴う。だがいくらでも食べたいのだ!リアルニンジャを!

 

 

――――――――

――――

――

 

 

「ムッハハハハハ!ムッハハハハハ!良くぞオオイチバンを制した!マーダーランツェ=サン!このイサオシは大きいぞ!」「ハハーッ!」マーダーランツェはニンジャ騎士の礼に倣って平伏した。装いは黒鉄ニンジャフルアーマー姿だ。女の姿を見られるわけにはいかぬ。テゴメにされてしまう。

 

 

「オヌシの名!しかと覚えたぞ!重用してやる故、今後ともますますハゲミナサイヨ!」ウィリアムは上機嫌だ。玉座の背後に控えるのはヴィクトリアンメイド装束のユリコ。「ニンジャ26人の損失は決して軽くありませんが、話に聞くワザマエの相手に相討つとなればペイできます。アッパレ見事」

 

 

「ドーモ。しかしユリコ=サンの働きには及びませぬ」彼女への礼は淡白なもの。最低限だ。やや奥ゆかしくないが礼節の範囲内。この女がネオプロイセンにウィリアムを台頭させた真の黒幕。マーダーランツェはそう訝しんでいる。かつてありし乱世を望む邪悪存在ではないか、と。

 

 

「インターネットの実戦活用はどうか?」「アレは良いものです。戦争が変わりますよ。ウィリアム=サンの慧眼の賜物かと」すかさずヨイショ。「そのイサオシは……ユリコ=サンにあろう。よい提言であった」ウィリアムはドラゴン・ニンジャと呼びかけ、口を噤んだ。礼儀の問題だ。

 

 

名乗らぬ場で、カイデン・ネームは軽々しく呼ぶものではない。古代ローマ史にもそう書かれている。「結局あやつは何だったのだ?調査班からの報告は?」「どうやらロート・シュツルム……コホン、失礼、シュトルムボック関連のようです」ユリコは咳払いを挟み、発音の不備を訂正。

 

 

「モータル偵察隊は作戦前日に夜襲を受け全滅。調査班が片付けたようですが」ナムサン。ルンペルシュティルツヒェンはロート・シュトルムボックに関わっていたのか?真相はオーカミ・ニンジャが喰らい、迷宮入り。インターミッションで明らかになることはない。

 

 

「……」マーダーランツェは口を噤み、ニンジャ騎士の礼姿勢を維持。意見を求められぬ限り、沈黙こそが正解だ。「次のクエストはハイパーグロッセ=サン経由で通達する。ゆるりと休め」「ありがとう存じます。失礼します」マーダーランツェはしめやかに退室した。

 

 

言葉通りに休むも、退廃的に過ごすも、カラテトレーニングするも、フリークエストを受けるも自由。マーダーランツェはイマジナリーポップアップ選択肢の中から新たなニンジャホース候補選抜を視野に入れた。キバ・ニンジャクランが最大の力を発揮するには、ホースの力が必要だからだ。

 

 

そののちに、ひたすらカラテトレーニングするだろう。(リアルニンジャは強い……まだ早い……今はカラテを高めなければ)彼女はゲコクジョを企んでいた。結束の力とは、むやみに振るうものではない。抑止力とするべきだ。油断ならぬ国家でさえあれば、戦争は起こらないのだから。

 

 

【コール・ミー・マイ・ネーム】終わり

 

 

 

◆ここまでのあとがき◆

 

 

◆ガチャガチャ!「鍵がかかって開かないよー」『キミが望むなら、カラテ判定で解錠することができるぞ!難易度はHARDで5だ!』「エート、エート、カラテ判定は腕力だから、サイコロ1個!エーイ!」コロコロ!少女ダイスロール!出目は2!失敗!あなたは鍵をどう開けますか?◆

 

 

◆CM◆ニンジャスレイヤーTRPGで遊ぼう!リプレイはユメミル・シナリオ・シリーズから◆定期◆

 

 

◆原作ニンジャスレイヤーには「この○○、絶対△△だろ……」と言いたくなるような描写がたくさんある。私はニンジャスレイヤーのそういうニューロンを焼きにくる描写を気に入っていて、ニューロンを焼かれると気持ちが良い。今回はその要素を特にフューチャーした◆

 

 

◆ニンジャ多様性という概念において特に重点されるのは、ラブ、リスペクト、そしてラブである。シュツルム・ニンジャはミームに敬意を払わなかった。自己中心的になるあまりリスペクトを忘れた。だから敗北した。インガオホー◆

 

 

◆二次創作を好むものは忘れてはならない。我々は人類の成果を簒奪する闇のニンジャめいて、グレーゾーンのけっこうあぶないはしをわたっていることを。ラブ、リスペクト、そしてラブ。謙虚に、奥ゆかしく。なにより楽しもう。禁じられた遊びを。背徳的!明日からはまた短編だ◆

 

 




◆忍殺◆登場人物#078【エレケ】◆少女◆
粉挽き業の乙女。幼年期のころからロバが挽くイシウス外周からこぼれおちる小麦粉の美しさに魅了され、手ずから挽き始めた。職人気質で、妥協というものを知らない。運命の夜。黄金を生み出す螺旋回転のひみつを知り、人生の目標とした。


◆忍殺◆ニンジャ名鑑#079【ルンペルシュティルツヒェン】◆少女◆
オーカミ・ニンジャと敵対関係にあるリアルニンジャ。ゴールデンタッチ・ジツにより金と化した小麦を金粉にし、エレケから偽りのソンケイを得たが、まさかカラテで再現するとは思わなかった。正体を明らかにすることなく退場。


◆忍殺◆ニンジャ名鑑#080【トーラーマン】◆少女◆
ムテキ・アティチュードの使い手。マーダーランツェのひみつを知るが、そのバックボーンに感銘を打たれ、組する。シュツルム・ウント・イシウスに対し、ムテキ・アティチュードで抵抗しようとしたが、磨り潰された。


◆忍殺◆ニンジャ名鑑#081【フィーダーバル】◆少女◆
カトン・ジツの使い手。マーダーランツェのひみつを知るが、そのバックボーンに感銘を打たれ、組する。シュツルム・ウント・イシウスに対し、カトン・カベで抵抗しようとしたが、磨り潰された。


◆忍殺◆アイテム名鑑#007【ヘ ヴ ィ ラ ン ス】◆少女◆
キバ・ニンジャクランのニンジャウェポン。ニンジャホースに乗り、ヘ ヴ ィ ラ ン スを構えたキバ・ニンジャクランの前に立つことは死を意味する。対抗策が用意されるまで、ヨーロッパにおいて無敵の象徴であった。


◆忍殺◆ニンジャ名鑑#082【シュツルム・ニンジャ】◆少女◆
ヨガ、ソニックカラテ、ジュドー、カンフー、気象学、職人技、黄金を生み出す螺旋回転……イシウスカラテの理想を追求し、ついには杞憂ビジョンを実現させたリアルニンジャ。若いリアルニンジャは理想に暴走しがちで、危うい。


◆忍殺◆ニンジャ名鑑#083【ペーベアス】◆少女◆
ユビキタスハンスそっくりなヘンタイニンジャ。パラニン立場で直結役得するためにコウシャクランクまで登り詰めた。シュツルム・ウント・イシウスに対し、命令無視して小隊ごと射程外ブレーキし、カラテ衝撃波はドトンピラー・ジツで防御した。
 
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