【ニンジャスレイヤーIF少女AoM】
・舞台は19世紀の産業革命期
・都市部は異常発展しているが農村部は旧態依然としている
・ある日突然ニンジャになったりニンジャに攫われたりする
・カミカクシは神のワザマエなので見過ごされる
・ニンジャスレイヤーはニンジャをスレイする
【ニンジャのスリケン】
・スリケン(suriken:手裏剣)は殺傷能力が高い
・ある程度鍛錬されたニンジャは、スリケンを何枚でも投げられる
・カラテと速度でスリケンを生み出し、投げる
・昔のビデオゲーム等でスリケンを無限に投げられるのは、正しいニンジャの歴史に基づくもの
【ニンジャスレイヤー少女とその協力者】
・ニンジャスレイヤー少女:この物語の主人公
・ドブネズミ:情報屋
・マーダーランツェ:ネオプロイセンの戦時体制移行を阻止したいパラニン
・フォルクスワーゲン:旅先で忠告してくれるアウトロー
・まだ見ぬ協力者:(実装予定)
【今回のエピソード】
・グリム童話の「うつばり」から着想を得た
・だが原型はほとんどとどめていない。いつものことだ
・そのニンジャ端末を今回スレイする
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マジョ!古代以来、ヨーロッパでは何らかの超自然的な手段で他者を害することのできる超人がいると信じられていた。ヌンチャクを振るってフーリンカザンのエテルを操り、みたかんじヤバイ級のなんかすごいニンポを使ってくると恐れられた……ポジションがあからさまにニンジャなのだ!
そう、マジョとは、中世ヨーロッパをサバットによって支配した、半神的存在なのだ。つまりニンジャ。歴史は改変され、修正され、彼女らはモータルの知恵と勇気で打倒可能な、打倒すべき悪に貶められる。立ち枯れの時代が彼女らの弱体化を促した。
神聖騎士、異端審問官、そして勇気と無謀を履き違えた力無きモータルの群衆……マジョ・ニンジャは見誤ったのだ。モータル一体感の熱量を。そして、ジゴクの炎を再現せんとばかりに火あぶりにされ、歴史の表舞台から姿を消したのである……
しかし火あぶりにされた者の9割以上はモータルが誤解、誤認、あるいは悪意を持ってマジョ・ニンジャクラン員扱いしたモータルであった。ナムアミダブツ。悲劇よな。ただ、その集団ヒステリーめいたヤバレカバレが一定の効果をあげたこともまた事実。
さて、冒頭にマジョ真実の一端に触れたところで、今日はマジョに憧れる女の子のおはなし……「ニンポを使うぞ!ニンポを使うぞ!」特徴的な三角帽子を被る、黒ローブ装束を纏ったマジョマニアックが深夜のシュタイル町の往来で、拙くヌンチャクワークしていた。
夜遅いこともあり、往来には誰もいない。都市部とは違い、大通りにガス灯が等間隔に灯ることも無く、月光が照らすばかり。彼女の名はマリーリア。ちょっと僅かに黒魔術……ニンポに興味のある女の子。草木も眠るウシミツアワー。彼女のシャウトだけが往来に響く。
何故?男の子がアウトローの危険な生き様に憧れるように、女の子もまたマジョのもつ危険な神秘的に憧れる時期があるのだ……それは、誰にでもそういう時期があるのだ。ビョーキなのだ……今日は月に一度のマジョセッションの日。
闇のエテルがもっとも高まると信じられる時間帯で、闇のエテル体感しながら神秘体験を積み、彼女はマジョめいたなにかになろうとしていた。当然、モータルの感じるエテル体感など、その9割以上が錯覚だ。「シャドウニンポ!イヤーッ!」マリーリアのニンポシャウト!次の瞬間!
……特に何も起こらない!「コリニンポ!イヤーッ!」……特に何も起こらない!「カミナリニンポ!イヤーッ!」……特に何も起こらない!「カトンニンポ!イヤーッ!」……特に何も起こらない!「エート、エート、ブンシンニンポ!イヤーッ!」……特に何も起こらない!
もしも彼女に学があり「狂人の真似をしたら実際狂人」というミヤモト・マサシのコトワザを知っていたなら、このようなマネはすまい。モータルがマジョを見ているとき、マジョもまたモータルを見ているのだから。「ドーモー」「ひえっ」背後からの声に、マリーリアは心胆寒からしめた。
誰かにこのインモラル活動を見られたらマジョ狩り!死ぬ!体温が上がった。「ひえっひえっひえっ。お嬢ちゃん、マジョの真似事かい?」振り向いた先には、人に似て人ならざる黒ニンジャローブ装束存在が両手を合わせて会釈していたのだから。
その頭部には、メルヘンチックな三角帽子!同志存在!「ド、ドーモ、マリーリアです。一体、あなたは……」「ドーモ、マリーリア=サン。ストロードールです。今日はアンタをマジョの世界に連れて行く。喜びな。アンタは選ばれたんだ」「アーレー」ナムサン。
ストロードールはマリーリアを少女一人収納できそうなチャイルド・イナ・バッグに包み込む。その時である!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ストロードールは背後からのアンブッシュをヌンチャクの一振りで迎撃!カラテ反動で飛び上がる赤黒の小柄なシルエットは、しめやかに着地した。
ドサッ!「ンアッ!」チャイルド・イナ・バッグが地に落ち、袋の隙間からマリーリアの頭部がまろびでる。そして見たのだ!「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。ストロードールです」ヌンチャクの素材を!
「ブナノキに暗銀の鎖のヌンチャク!思慮深く繊細なワザマエ!私詳しいのよ!」マリーリアの視界解像度はストロードールのヌンチャクに向かっていたことでNRS回避!素材が暗喩するマジョタイプを言い当てる!マジョメルヘン知識!「キエーッ!」「イヤーッ!」
だが振るわれるジツを見た時、ついに現実逃避することはできなくなった。「アイエエエエ!?ニンジャ!ニンジャナンデ!?」マリーリアはチャイルド・イナ・バッグ中でしめやかに失禁し、気絶。「イヤーッ!」「イヤーッ!」ストロードールはヌンチャク・ディフェンスワークし反転攻勢!
「イヤーッ!」ニンジャスレイヤー少女はブリッジ回避!「キエーッ!」ああっ!ヌンチャク先端部位から再びジツが!コリ・ジツは水のエレメントとオヒガン接続し、ヌンチャクを通して放つ。繊細な逆さ三角錐氷柱!「イヤーッ!」
ニンジャスレイヤー少女は直上から垂直落下してくる逆さ三角錐氷柱を、ネコめいた柔軟性でブリッジ姿勢からシームレスにワーム・ムーブメント移行し回避!その先には先のシャドウ・ジツ生成された影のニンジャ戦士が!「ニャーッ!」変則系ネコホイール・ピボットパンチ!
「グワーッ!」影のニンジャ戦士消滅!「キエーッ!」KA-TOOON!今度は燃え広がるカトンが!?「イヤーッ!」ニンジャスレイヤー少女はバック転回避!ヌンチャクワーク軌跡によりオヒガン接続先をスイッチめいて切り替え多彩なジツ!これが真のマジョのイクサなのか!?
ひゅんひゅんひゅん。ストロードールはヌンチャクワークを繰り返す。大気中のエテルを少しでも掻き集めるように。「アンタ、この娘のヨージンボーかい?」「人攫いめ。悪いニンジャはみんな殺してやる」「ひえっへっへ。コワイなミームだ。逃げられそうに無いね」「死ね!イヤーッ!」
ニンジャスレイヤー少女の右腕が鞭めいてしなり、目にも止まらぬ速度で2枚のスリケンを射出!「イヤーッ!」ストロードールはヌンチャクで弾く!カラテ防衛術!「やれやれ、こんなのに絡まれたんじゃ、スカウトにならないよ。諦めるか……」ヒュウンヒュウンヒュウン!
ヌンチャクワーク軌跡が明らかに変わった!何か、来る!「ミ・ジ・ン・ジ・バ・ク・ジ・ツ!」危ない!「イヤーッ!」KA-TOOOOOO!ヌンチャク先端部位から放たれたカトンボールが逆さ三角錐氷柱とぶつかり、水蒸気ばくはつを起こしたのだ。
ニンジャスレイヤー少女は連続バック転を繰り返して回避。ストロードールは自らが生み出した爆発に呑まれ、燃えていた。そのボディーは藁人形。ニンジャ端末存在に相違あるまい。マスコットのように。
「アッヌンチャク!」そのとき、フシギなことが起こった。ヌンチャクがひとりでに宙に浮いたかと思うと、クルクルと回転しどこかへ飛び去ってしまったではないか。「待てーっ!」「ウーン」踏み出しかけた少女の足を止めたのは、チャイルド・イナ・バッグ内の声。
(((バカ!何故追わぬ!放っておけ!インガオホー!)))(ナラクは黙ってて!)少女はニンジャスレイヤー存在。だが少女なのだ。(おばあさまは言ってたわ。困っている人を助けないのは腰抜けだって!)救助優先!
ニンジャ遠隔操作を駆使するニンジャ。帰宅は遅くなるが、見過ごせぬ。その痕跡を追跡し、スレイするべし!少女はチャイルド・イナ・バッグ内のフシギな守りでぐうぜんにも無事だったマリーリアを介抱しつつも、決断的に行動方針を切り替えるのだった。
【ウィッチ・ドール・キッドゥナッピング】終わり
◆忍殺◆ニンジャ名鑑#084【ストロードール】◆少女◆
藁人形に三角帽子、黒ニンジャローブを纏ったニンジャ端末。攻守のカラテバランス、ジツ発動媒体としては悪くないが、火に致命的に弱い弱点を持つ。しかし使い捨てても構わないコストパフォーマンス性が良い。