ニンジャスレイヤーIF少女   作:BANZAINAMUSAN

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ワッツ・イズ・ハドー?#2

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

(「今日は良い天気だしさァ。お勉強はしなくて良いと思うんだよね」「ほーらお嬢ちゃん、今日のドリルだぞー」そうか、そうか、つまりきみはそんなやつなんだな?「ハドーってなあに?」ザーン。ザザァーン。ニンジャ第六感に感あり。(これも、ハドー?))

 

 

【ワッツ・イズ・ハドー?】#2

 

 

何故かカラテの高まりを感じる。ナンデ?《イヤーッ!》《イヤーッ!》どこかでイクサしているのか?カラテシャウトが聞こえる……聞こえる?若干、フィーリングが違う。

 

 

ザリザリザリ。ノイズ不快感。少なくとも、身近な場所ではない。(カラテも、ハドー?)ニンジャスレイヤー少女はこじつけようとした。本能的なこじつけであった。

 

 

《ドーモ、バッドアップル=サン。シュレイベールです》《ドーモ、シュレイベール=サン。バッドアップルです》(バッドアップル=サン!?)少女はベッドから身を起こす。少女とバッドアップルの間には、貸しと、借りがあった。それらは既に相互に返済しているが……色々あったのだ。

 

 

《我々は現在、絶賛ニンジャを歓迎中だ。より早く軍門に下ればアドバンテージで有利!》《ゴチャゴチャウルッセーゾ!ナシつけろっつってンだろ!イヤーッ!》目視外のどこかでカラテ反応が激突!ニンジャスレイヤー少女はしめやかに木窓を開けて飛び出した。

 

 

屋根上ショートカット。感情的にイクサバへと目指す。そこには名状しがたいユウジョウのようなものが……色々あったのだ。《イヤーッ!》《イヤーッ!》《イヤーッ!》《イヤーッ!》遠いどこかからのカラテシャウト。

 

 

(カラテシャウトも、ハドー?)ニンジャスレイヤー少女はこじつけようとした。本能的なこじつけであった。生成される赤黒のニンジャ装束は拘束衣めいて、少女の両腕を平坦の前で腕組み姿勢固定。謎めいたニンジャ装束ヘンゲ。

 

 

これではカラテパンチをはじめとして、あらゆる手技が封じられるではないか。ニンジャ新陳代謝を高め腕部の治療を阻害せぬため?(これも、ハドー?)無意識に行っていたニンジャ装束改変を、少女はハドーにこじつけようとした。本能的なこじつけであった。

 

 

やや強引じみたこじつけの正しい正しくないは二の次。疑問のタネを生成することこそ目的であった。ニューロンに何かしら引っかかりを作らねば、ジッカイに漂白され忘れてしまう。少女はこそこそしながら進む。イクサとなれば実際不利。

 

 

(((コムスメ!なにをグズグズしておる!速やかに急行し、両者スレイすべし!)))(ナラクは黙ってて!)少女はこそこそしつつも、やや急いだ。エントリーするにしても、イザという場面でアンブッシュする形にするべし。足手まといになるつもりはない。

 

 

……「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」ガス灯の光差さぬ、巡回マッポの目も届かぬ闇の路地裏で、ニンジャが二人争っていた。縦横無尽に飛び回るドスダガーの軌跡。光無き場に閃く、光らぬ筈の閃光。(あれもハドー?)真偽に不定。

 

 

ニンジャ暗視力は闇を見通す。(これもハドー?)真偽に不定。「林檎」と書かれた紺色着流しニンジャ装束のニンジャはバッドアップル。対面する黒灰色ニンジャ装束の見知らぬニンジャがシュレイベールであろう。「イヤーッ!」「イヤーッ!」

 

 

少女が良い位置に陣取った頃、ちょうどカラテ応酬が一区切りし、タタミ4枚距離で対峙。「無駄だ!無駄無駄!すべての攻撃が無効!」シュレイベールは舌戦を仕掛けている。ニンジャスレイヤー少女はもっとこそこそした。

 

 

「どれほど仕掛けようと無駄なのだ!キサマには俺のムテキ・アティチュードを破ることはできん!ワカッタカ!」「まどろっこしいネェ」チン。バッドアップルはドスダガーを納刀し、シームレスにヒサツ・イアイドの構えに移った。

 

 

鞘を持つ右手を標準的な胸の前で斜めに。上向きの柄に左手の平を添え、親指、薬指、中指だけで柔らかく包む。人差し指と中指はカタナめいた左目を挟むように伸ばす。あのヒサツ・ワザを繰り出さざるを得ないほどの、油断ならぬ強敵であるのか。

 

 

「無駄だ。無駄無駄。抵抗は無駄だ。諦めて組織の一員となると誓うのだ。繰り返すが我々は現在、絶賛ニンジャを歓迎中だ。より早く軍門に下ればアドバンテージで有利!」「だから言ってンだろ。段階踏んでナシつけろ!義理と人情!ナメンナヨ!」ゴクドーチャント!

 

 

勝負は一瞬で決まろう。「イヤーッ!」ここで少女はカラテシャウト!「ナニヤツ!」シュレイベールの気を引いた、次の瞬間!「イヤーッ!」「グワーッ!」ブシューッ!シュレイベールの右手首から鮮血噴出!「馬鹿なーッ!ムテキ・アティチュードしていたはずなのに!」フシギ!

 

 

「ペッ。帰ンな」ヒサツ・ワザを繰り出したバッドアップルは痰を吐き、腕を伸ばしてのドスダガースピン後、しめやかに納刀した。美技!「チクショーメ!勝ったと思うなよ!」シュレイベールは左手で右手首を押さえながら、アンダードッグハウリングを残してカラテ警戒しつつ離脱した。

 

 

少女は何をしたのか?何もしなかった。こそこそしながら、ただカラテシャウトしたのみ。ロウバイによるコンマ数秒単位のムテキ不備を誘発できればそれで良かったのだ。バッドアップルのヒサツ・ワザの強力さを知っていたからだ。

 

 

(全身ムテキは意識配分で濃淡ができる。今のはムテキの淡いところを斬ったんだ。イアイドがじょうず)少女はバッドアップルの繰り出す美しいイアイド軌跡を感覚的に見切っていた。

 

 

もしもあのヒサツ・ワザが真の力を発揮していたら、シュレイベールの五体は裂かれ八分割となっていたであろう。そうしなかったのは、パラニンとの致命的な関係の拗れを嫌ってか。

 

 

バッドアップルはハーブキセルを取り出し、一息。紫煙めいた健康成分。「スーッ……フゥー……」そして少女がこそこそしている方向へ、カタナめいた目を向けた。「ドーモ、エヌエス=サン。あんがとよ」ラフな感謝。

 

 

「ドーモ、バッドアップル=サン。ニンジャスレイヤーです」姿を現した少女は両手が拘束されているのでオジギだけした。カタナめいた目は、目敏く拘束衣めいたニンジャ装束に注目した。「その腕、なんかあったか?」やさしみ。

 

 

「色々あって……」少女はシュツルム・ニンジャとのイクサを端的に語る。「ウヘェ。ヤバいヤマじゃないか。そんなモンに招集されるんじゃ、やっぱ考えモンだな。っと、医者要るかい?ちとヘンタイだが腕は確かだ」「ンーン。ダイジョブです」少女は首を振った。

 

 

バッドアップルはドスダガーを腰に提げ直し、片腕を着流しニンジャ装束内に潜り込ませると、キンチャク・バッグを取り出し、キセルを口の端で咥えながら両手でマンマル・キャンディーを引っ張り出す。「ほら、アメチャンだよ」「ワーイ!」「アーン」「アーン」

 

 

少女が雛めいて口をパクパクしたところへ、バッドアップルはマンマル・キャンディーを親指で弾く。放物線状にどんぴしゃり。美技。「フゥー……ま、無事なら良いさ。またボッタクリに遊びに来いよ。アータを気に入ってるやつらも、今どうしてるか気にしてる」紫煙めいた健康成分。

 

 

「ウン、アリガト」比較的友好的な応対。色々あったのだ。色々あったが故に、忍殺衝動を何とかしたかった……ふと少女は、物は試しにと聞いてみた。「ネーネー、バッドアップル=サンはハドーって知ってる?」「いや、知らん」少女の問いは、ナシの礫であった。

 

 

そんな中、ニンジャ第六感が黒灰色ニンジャ装束の名も知らぬニンジャの退路を少女に示す。(ニンジャソウルも、ハドー?)少女はこじつけようとした。本能的なこじつけであった。ハドーis何?

 

 

それは神秘的な謎。フーリンカザン、ハドー、そしてフーリンカザン。それはチャドーとはまた別の、神秘的な謎。

 

 

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ハドー。

 

 

それは、実際神秘的な、謎である。重点に重点を重ねて三度繰り返したことにより、ハドーの神秘性は完全に保障された。

 

 

例えるならそれは、ニンジャとは何かと問うようなものだ。ニンジャとは古代ローマをカラテによって支配した、半神的存在である。古代ローマを平安時代と置き換えることも、古代エジプトと置き換えることも、他のニンジャ支配地域に置き換えることも可能なように。

 

 

あなたはこの世全ての物理学を網羅しているであろうか?この世全てのカラテを網羅することができぬように、それは不可能なはずだ。ミームが断たれたり、あるいは失われたり、間違っていると否定されたりした理論を含めた全ての全てを網羅することは誰にも不可能なはずだ。

 

 

ハドー。

それは神秘的な謎(四回も重点!)

無限の可能性。

IFの一側面。

そのニンジャ真実を記した物理マキモノは失われた。

 

 

読者諸君の中にヘッズの方はおられるだろうか?あなたがもしも原作ニンジャスレイヤーにおいて、ハドーなる単語を見かけたならば、ハ、とは漢字で「波」と書き、ドー、とは漢字で「道」であろう、とイマジナリーほんやくするはずだ。

 

 

モータルが科学によって解き明かせし波動は、学問の体裁をもちながらもオカルトは絶えず、解明されていきながらも未知なる面も尽きず、アブストラストであり不定形。一定のリズムを刻むものもあれば、さりとて時に乱れ、狂う。そして地水火風に連なる影響力を持つ。神秘的な謎。

 

 

ハドー。

そのニンジャ真実を記したマキモノは失われた。

残すは少女のニューロンにただひとつ。

少女はラスト・ハドーであった。

 

 

フーリンカザン、ハドー。そしてフーリンカザン。

 

 

今はまだ、その全てを明かす時ではない。しかしその時が来たならば、あなたは知るだろう。ハドー。その神秘的な一側面を。

 

 

【ワッツ・イズ・ハドー?】終わり

 

 

 

 

【ここまでのあとがき】

 

 

◆ハドーはニンジャスレイヤー少女の根幹設定の一つで、この概念を思い付かなければ、作品タイトルは「ニンジャスレイヤー少女」となっていた。◆

 

 

◆ネタばらしのタイミングは第一部の最終回「ハーゴンベルグ・イン・フレイム」を予定している。既に先行して少女が何回か活用してるので、今回の話のほか、それらもヒントに予想してみるのも楽しみかたの一つとなろう◆

 

 

◆かなりテキストカラテを込めた「コール・ミー・マイ・ネーム」が過ぎて数日。まあまあキテます。活動限界な。よってお休み◆

 

 

◆ニンジャスレイヤーIF少女のおはなしは5/1~5/7で更新しません。次は5/8から。【ゼロ・トレラント・トレース】を予定する。皆様におかれてはゴールデンウイークをたのしんでいただきたい。私もそうする。ゴユルリー◆

 

 

アッこっちでの告知忘れてた。ニンジャスレイヤーフジキドがサイバー競馬に出てニンジャを殺す短編【サイオー・ホース・インパクト】を投稿済みだ。別途楽しんでもらえれば幸いだ。

 

 




◆忍殺◆ニンジャ名鑑#086【シュレイベール】◆少女◆
ムエタイ基本の構えから発動するムテキ・アティチュードの使い手。スカウトクエストによってイサオシをあげようとネオプロイセン中を巡っており、ランダムエンカウントすれば粘着質に勧誘されることになる。
 
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