ニンジャスレイヤーIF少女   作:BANZAINAMUSAN

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マスト・バイ・リムーブ・ナイトメア#1

少年ジョバンニ家の玄関ホールには漆塗りじみて真っ黒の、大きなホールクロックがあった。それは祖父の代からある伝統の古時計で、そんなホールクロックが我が家にあるジョバンニは、自分がとくべつなそんざいだと感じていた。

 

 

少年期特有の自己特別視。実際彼はきたのほうのくにの貴族の家系に生まれ、裕福であった。領主となるか、100人戦士長となるか、いずれにせよ生まれたときから一生農作業することを定められた農民よりはとくべつなそんざいであることは間違いあるまい。

 

 

チックタックチックタック。ホールクロックが刻む時を、ジョバンニは飽きもせず一日中見続ける日さえあった。ほかのどんな玩具や勉強、キシ・ドーのトレーニングや子守唄めいた騎士物語よりも、この柱時計がイチバンであった。ギアとギアとの噛み合い……振り子係数……芸術的な……

 

 

「ン?」ある日ジョバンニは、ホールクロック正面側にある、中に振り子が揺れている扉の鍵がかかっていないことに気付いた。好奇心旺盛なジョバンニは、自分のからだがホールクロックの中に入りそうだと思い、一体感めいた何らかの何かを得ようと、なんとなく中に入った。カチャ。「え?」

 

 

彼が中に入り、扉を閉めると、謎めいた空間のユガミがウニョウニョしている。国境めいて目に見えず、だが確かに存在する境界……あるいは鏡の向こう側。海抜ゼロの上下。世界のさかいめは謎めいて、何故かホールクロックの中にもあったのだ。

 

 

ジョバンニはユガミがこわくなって、ホールクロックから出ようとした。ガチャガチャ!「あ、開かない!?ナンデ!?」ナムサン。トラップか?ユガミポータルは音も無く広がり、やがてジョバンニを呑み込み、すべては何事も無かったかのように消えた。

 

 

……その日、ヴェンダー家からひとりの子どもが消えた。誘拐されたか、森に入ってまいごになったのか……懸命に捜索が続けられたが……一日、二日、三日……時の流れとともに、生存は絶望的となり、家族は悲しみを飲み込んで忘れていった。

 

 

チックタックチックタック。ホールクロックは時を刻むばかりで、何も語らない……ここで終われば、ゾッとするニンジャ神隠しホラーで終わるが、そうはトンヤがおろさない。アワレにもユガミポータルに呑み込まれたジョバンニは、どっこい生きていた。

 

 

彼は当初、謎めいた超自然的な事象にパニックこそしていたが、やがて泣いてばかりいてもどうにもならないと分かると、とてつもない冒険心で、この困難に挑戦しようと考えたのだ。イザというときに勇敢!遺伝子に刻まれたセンシとしての素質に覚醒な!?

 

 

ユガミポータルの中は謎めいて、言語化しがたい有り様だ。それでもあえて例えるならば、巨大ホールクロック内部じみたカラクリワールド。オルゴールめいた突起物つき巨大柱が乱立してグルグルしている。

 

 

あるいは固く柔らかな矛盾ギアが絡み合ってグルグルしていたり、いくつもの振り子が原理不明に揺れ、未来のアメリカンクラッカーめいてカチカチしている。吹き抜け構造。階段は無い。

 

 

上下に果ては見えず、四方に道はない……ホールクロックの影でできた足場だけが、彼の安全圏であった。進むべき順路はワカラナイ……「上に行こう」ジョバンニはそう決めた。下のほうからオバケめいた恐怖を煽る嘆きが……コワイ!

 

 

ジョバンニは程近い位置にある水平にグルグルまわるギアへ飛び乗り、それから、体感経過時間を失うほど過酷な……センスオブワンダー……フシギ……危険に次ぐ危険……挟まれ注意……危機!そして間一髪!映画化すればたぶんぜんべいとかも泣く、スゴイフシギな冒険。

 

 

やがて別のホールクロック扉を見つけ、とにかくどうにかその足場まで登りつめたジョバンニは、緊張とともにその扉を……ガチャ。開いた。ホールクロック扉を抜けると、そこは雪国であった。

 

 

分厚い丸太で構成される一室。ガラス窓の向こう側に、たくさんの白い粉が舞っているのだ。ジョバンニの地元もそうとうに寒いところなのだが、それよりも寒そうに見える。雪かき道具の並ぶ棚……物置部屋な?「だれかいるのかい?」その時である。ガチャ!

 

 

大きなノッポサイズの扉が開いたかと思うと、そのサイズに見合うほど巨大な赤白ナイトキャップもこもこ装束の老人が入室し、ジョバンニを物珍しげに見たのだ。「アイエッ!あの、おれ、僕、エト……ソノ……ゴテンナサイ!ドロボウじゃないです!」ジョバンニは混乱した。

 

 

「ホー、ホー、ホー。そんなことは分かっているよ、少年。ワシの名前はシンタクラースです。きみは?」「エト……ジョバンニです。ジョバンニ・ヴェンダー」「ホオ!」シンタクラースは感慨深い、大きなため息をついた。顔面をくしゃくしゃにして、笑う。「良かった」

 

 

「え?」シンタクラースはジョバンニを優しく抱きとめた。「生きていて良かった。よくぞ無事で」「えっえっえっえっ?」少年は混乱した。意味がわからなかった。このしろひげがモジャモジャの老人は、少年の事情をなにか知っているのだろうか?

 

 

だが、温かい……端的に言えば、老人は知っていた。老人は待っていた。自身の語り継ぐべきミームを受け継がせるに足る、才能を……「ここは寒いだろう。暖炉の温かい部屋に来なさい。ホットミルクもある」シンタクラースはそう言って、少年を導いた。

 

 

……暖炉のある温かい部屋は広く、暖炉上スペースにはトテモデカイシカの首から上の剥製が飾られていた。床には全長5メートルか6メートルはあろうスゴイツヨイシロクマの毛皮が敷かれ、もこもこしている。

 

 

「ホー」温かなミルクが、ジョバンニの張り詰めた緊張をほぐし、弛緩させる。ところでなんの関係も無いが、催眠洗脳の原始的手法には緊張と弛緩の繰り返して深めるタイプのものがある。シンタクラースはねっとりとした眼差しでなにかのミルクを飲むジョバンニを見ていた。

 

 

家に帰りたい。ジョバンニはそう思ったが、その前に、一杯のミルクの恩義を返さねばならない。礼節の問題だ。「ジイさんは猟師なの?」名乗った相手にジイさん呼ばわりとは、あまり奥ゆかしいとは言えない。学習内容に偏り。

 

 

シンタクラースは首を振った。「ワシはシンタクラース。シンタクラースをしている」名前と職業の一致。珍しいことではないが、ジョバンニはシンタクラースという職業を聞いたことがなかった。「シンタクラースって、なんだ?」

 

 

「クリスマス・イブの夜から、クリスマスの朝までの間に、良い子達にプレゼントを配る仕事さ」一年に一度の労働な?貴族でももうすこしはたらくとおもう。「同時に、悪い子ども達にナイトメア体験をしてもらう。道徳はこう育つ。大切なことだ」「へー。そんな仕事もあるんだ」

 

 

ジョバンニの地元では聞かない仕事であった。「でも最近は、どっこらしょ」シンタクラースは足先が半円を描く安楽椅子に座り、ゆるやかに前後した。「悪い子ども達が多くて、どうもね。すこし、疲れた……」ジョバンニはドキッとした。

 

 

たくさんお勉強しなさいと言われてもキアイがでなくて、サボったりしたことがあるのだ。あまり良い子とは言えない。「ワシはな?いつか世界中の子どもたちにプレゼントを配りたいと思っちょる。じゃが、このままじゃ世界中の子どもたちにナイトメア体験させちまうよ」

 

 

それは、シンタクラースの望むところではなかった。そう言外に、語る。「フーン、そっか」ジョバンニは頭の後ろで手を組んだ。「ジイさんがカワイソだから、俺も手伝ってやるよ」困っている領民には優しくしなさいと教わった。だからそう言った。

 

 

悪い子にナイトメア体験というのはよくわからないが、良い子にプレゼントを配るくらいならできそうだ。そういう企画を体感して、領地でやってみるのも良いかもしれない。パパやママに褒められるカモ。そういう思惑もあった。今回のブルシットをサイオー・ホースにしようと?

 

 

それはシンタクラースの望むところであった。「シンタクラースのしごと、手伝ってくれるかね?後継者をさがしているのだ」「一年に一日だけだろ?ヨフカシはつらいとおもうけど、マ!一日だけなら俺もできるかな」「そうかそうか」シンタクラースは笑った。とても良い笑顔で笑った。

 

 

ジョバンニの考えは、あまりにも甘い見通しであった。「助かるよ。それじゃ、はじめようか」シンタクラースはとても良い笑顔で立ち上がった。「なにを?」「そりゃ、シンタクラースの修行じゃよ」ジョバンニにとってジゴクめいた日々は、こうして幕をあけた。

 

 

……そして十数年後!「バッキャロー!もうやってられるか!」バン!ジョバンニはオーク材テーブルを激しく叩く!「コリャ!半人前の分際でなにをいっとるか!」「ジイさんのやりかた、間違ってるよ!」「そんなことはない!必要なことだ!」「考えが古い!」意見に対立!

 

 

テーブル上にはブック・オブ・シンタクラース。戸籍名簿めいて世界中の子どもの名前が並び、善悪カルマが自動的に書き込まれていく、たいへんシンピテキな図鑑なのだ。悪い子ばっかりだ!「ジャッジメントは出た!みんな悪い子だ!反省を促すナイトメア!」「ヤメロー!」

 

 

ジョバンニはなんかまがまがしい配色のベルを鳴らそうとするシンタクラースを止める!「何故止める!?」「そいつ壊れてるよ!そんなのに頼ったらダメだ!ちゃんとひとりひとりを見て……」「んなもんやっとったら一生書類仕事!」「そもそも良い子ってなんだよ!」

 

 

そもそも論!「良い子というのは仁・義・礼・智・信を学び親・孝・行を尊ぶブッダロードを往く」「いまどきそんな子どもいるわけねーだろ!もっとハードル下げろ!」「アナヤ!なんと嘆かわしい!マッポー!」シンタクラースは手で顔を覆う。

 

 

「だから!先にプレゼント配ってアドバンテージ!悪い子は良い子のほうが結果的に良いと分かって反省!更生!社会復帰!コレだろ!」近代的!「バカ!やすやすとプレゼントが手に入ればソウルが堕落!巡り巡って道徳とかに良くない!その発想、悪魔的じゃ!」「違う!」方向性の違い!

 

 

「悪い!」「良い!」「悪い!」「良い!」「悪い!」「良い!」バチバチと意見がぶつかる。これはアドバンスショーギのサウザンド・ウォーを想起させる理論と理論の打ち込み合い、カイスイヨク!「だいたいオヌシ、ロクにトレース・ジツもできん癖に!半人前の分際で生意気!」

 

 

ここでシンタクラースが議論の矛先変更!未熟の指摘!「出来る!見てろよ!イヤーッ!」ジョバンニが顔を真っ赤にしてテーブル上にニンジャサインを示すと、そこにはあたかも無からピラミッドウサギが!フシギ!ムシアナ・ジツではない!似て異なる亜種だ!触っても安全!

 

 

「形が悪い!ディティール重点!」「ウルッセーナ!こういうのはだいたいで良いんだよ!」どうして分かってくれないのだ!その一点において、相互の意見はシンクロしていた。「師のミームを敬わんか!敬わぬなら出て行け!」そして、かなり厳しい言葉が……ジョバンニは傷ついた顔をした。

 

 

「……ッ!ああ、出ていくよ!出てくさ!俺には俺のやりかたがある!オタッシャデー!」バン!ジョバンニは衝動的に扉をあけて暖炉の部屋から出ていった。そのままシンタクラース隠れ家の外へ。

 

 

周囲は白一色。スゴイサムイガハラ。ほとんど毎日吹雪が猛威を振るう。この白につつまれて、何度死にかけただろう?何もかもが懐かしい……遠い日の思い出……「俺には俺のやりかたがある」ジョバンニは繰り返した。

 

 

そして、その無垢なる白い絨毯じみた深雪に足跡を残していくのだった……「ゼンブラウニー=サン。世界を見てこい。そして知るが良い。世界にはニンジャ道徳が必要なのだ……モータルは……あまりにも醜い……もしもワシの意見が正しかったと分かったなら、帰ってくるが良い……」

 

 

シンタクラースは若きレッサーニンジャを人知れず激励した。期待しているのだ。自身のミームと、弟子のミーム。寄り添い交わらぬ平行線。しかし、何かが起きるかもしれない。どんな化学反応がおこるのか?何らかの何かが起こることを信じて……

 

 

◆信じて送り出した弟子が◆

 

 

◆ダブルニンジャサインな?◆

 

 

「新食感ピザ・スシ」「ホーリー・ブラウニー」「アカを許さないです」ランニングしつづけた少女の目に、暗雲立ちこめるベルリン上空を彩るアドバルーンが見えてきた。ニンジャ暗視力の賜物だ。シュッポ!シュッポ!とおくから響くスチーム機関車の躍動音。

 

 

姿を見せぬ太陽は、雲の濃淡薄い箇所を彩る配色カラー的に傾いていよう。夕暮れ時。少女は四度目となる忍殺メルヘン紀行からベルリンに戻り、乗り物に頼らずランニング速度でパンカラス地区「ミニミ」202号室に帰還した……のだが。「え?」

 

 

玄関の扉には【入院しています。急ぎの御用の方はボッタクリ商店街のペンスかバッドアップルまで】と書かれている張り紙が。「え?」ガチャ。隣室からサムエー作業着姿のボーザン。夜勤であろう。

 

 

「アッドーモー」「ドーモー、あの、お兄さんは?」少女は202号室玄関の貼り紙を指して尋ねる。ボーザンはナチュラル・トサカヘアを掻きながら答えた。「俺もシラネェ。ある日突然だ。なにかあったのかな?」

 

 

情報に不足。「アタシ、行かなくっちゃ!」「おおい!もう夜だ!良い子インザハウス!」ボーザンの声はランニングして去っていく少女の背に虚しく響いた。「足ハヤイ」

 

 

夜勤を突発休暇して追いかけるか、そのまま夜勤に向かうか……少し悩んだボーザンであったが、結局仕事に行くことに決めた。家賃を払えねば「ミニミ」から追い出されてしまうからだ。

 

 

今の月収でヘドロのぶんの家賃まで払い続けることはかなり厳しいのだ。「帰ってきたら絶対取り立ててやる」メタ視点においては実現不可能と分かりきっている事を、ボーザンは固く決意した……

 

 

……「アネサン=サン!お兄さんは!?」「ドーモー、吾俺の仲だろ。サンはいらねぇ」「アネ!」「アネサンで良い。ホラ、落ちつきな。アメちゃんだよ」「アーン」「アーン」

 

 

ボッタクリ商店街を巡回するヨージンボー、通称アネサンことバッドアップルは、大慌てでやってきた少女をマンマル・キャンディーで宥めた。アネサンは懇意とする闇医者への道すがら、先週の出来事を端的に語った。「そーなんだ」

 

 

「アタイの未熟だ。悪いね」「そんなことない!アネサンは強い!絶対強い!」「アタイじゃない。サムライがツヨイスギルのさ」アネサンは鼻の頭を掻き、カタナめいた眼差しをふにゃふにゃに緩ませて笑った。

 

 

「さ、ここだ」一見、何の変哲も無い一軒家。病院には見えまい。ノックノック。「見舞いだ。邪魔するよ」「邪魔するなら帰って」「おう。したらな」ガチャ。アネサンは軽口の応酬を緩めず扉を開いた。鍵はかかっていない。

 

 

リビング方向から現れ出迎えるのは白衣のナース存在。「アラー。カワイイコ。診察かな?服をめくってごらん?」だが男だ。それも、かなり筋肉質な。ナース男は少女を見るなり上着を脱ぐよう言った。ヘンタイだ。

 

 

「ドーモ、エヌエスです。お兄さんが入院してるって聞いてきました」「アイサツできてエライ!ゥワタシの名前はドクトールです。ビョーキになったらすぐ言ってね?チキビからチューチュー吸い出しちゃう!」ヘ、ヘンタイだ!

 

 

初対面の少女に、チキビ発言!だが少女はそんなことより重点なことがあった。「お兄さんは何処?」「アラー。イケズ。カワイイ!二階で寝てるから行ってあげて」アネサンに先導され、少女は二階に向かった。ガチャ!「お兄さん!」

 

 

「や、おかえり。といっても、ここはアッシの家じゃないけど」ドブネズミはパイプベッド上に両手両足を伸ばした姿勢で、両膝両肘が固定具と包帯でグルグル巻きにされていた。「スゴイ怪我!」「アー、まあ、多少はね?」

 

 

ドブネズミはシーツからはみ出る裸足の指を動かして見せた。「動くよ。五体不満足じゃない」少女の胸中に言語化しがたい無数のコトダマが渦巻く。だがそれらすべてを差し置いて、胴体に抱きついた。「グワーッ!」腹筋負傷箇所に過負荷ダメージ!

 

 

「アッゴメンナサイ!」少女はすぐに飛びのいた。腹筋にもダメージがある事に気付かなかったのだ。「両膝と腹筋にスリケン貫通ダメージ。両肘をテッポウで撃たれたンだとさ」アネサンが伝えていなかった負傷情報をいまさらながら伝えた。ちょっとしたイシュ・カウンターだ。

 

 

「ナンデ?」「アイヤッ、ちょっとニンジャ情報収集に手間取ってたからね。無茶した」「無茶しないで」ドブネズミは死んだマグロめいた目で少女の瞳を覗きこんだ。「まあ、多少はね?」「ダメ!」少女はワガママを言った。

 

 

「まあまあ。そのへんは今後の課題にするとして、ビズの話をしようじゃないか。バッドアップル=サンと、あとドクトールも出てってくれるかな?」「ハグしたのか……ゥワタシ以外のヤツと……」ヘンタイがこそこそしている!

 

 

「……ドクトールがここまでヘンタイだと知っていたら、僕はドクトールに治療を頼む事はなかったよ」ドクトールはバッドアップルに襟首を掴まれて病室から出て行った。少女はまだ、精神的衝撃から立ち直れていない。

 

 

「それで、ビズの話だけど、ちょっと困ったことになった。僕の頭の横に、花瓶の置かれた小棚があるだろ?」ドブネズミは顎で小棚存在を示す。彼の頭部の横には引き出しが2つある、パイプ棚があった。「ウン」

 

 

「その引き出しを開けてごらん」少女がその通りにすると、中には血まみれの封筒。中央にスリケン穴が開いている。「そいつはグリム童話初版の原稿。貴重なニンジャ情報が記されている筈なんだけど、守れなかった」ナムサン。「骨を折ってカロウシ」というコトワザが思い出される。

 

 

「こんなもののために、お兄さん怪我したの?」「その話はまた今度にしてくれ。大事なのはここからだ。見ての通り、そのままじゃ中身は読めたモンじゃない。お嬢ちゃんには、そいつをヨロズ修復屋『ホーリー・ブラウニー』のところに持っていってもらいたい」

 

 

その店名はさいきんの広告アドバルーンでたまに見かける名前であり、ニンジャネーム「ゼンブラウニー」ことジョバンニがモータルに悟られずトレース・ジツを活かして営む闇のヨロズ修復屋であった。

 

 

(「マスト・バイ・リムーブ・ナイトメア」#1終わり。#2につづく」)

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