「聖なるマサカリを/ナポレオンに振り下ろし/叩き潰せ!/叩き潰せ!/潰せ!/潰せ!/ぶっ潰せ!」「「「「ウオオーッ!ぶっ潰せーッ!」」」」大小さまざまな理由で潰れたカテドラルの薄暗い地下納骨堂空間に、サバトめいた暗黒歌唱集団あり。
口に出すのもおぞましいアンタイナポレオン歌詞をジゴクめいたデスボイスで叫ぶ者の名はディモールトデス。ニンジャ吟遊詩人シンガーソングライターだ。かつて謳った聖なる調べを奏でる声帯は既に無く、希望から絶望に相転移したことで近未来的なアンタイゴスペル化。邪悪なる調べを奏でている。
「奴は再び/俺を裏切る/ゴルゴダの丘へ/針串刺しの刑!ジ・ゴ・ク・レ・ク・イ・エ・ム!報いを受けろ!報いを受けろ!ジゴクで俺に詫び続けろ!」「「「「ウオオーッ!」」」」な、なんたる曲解か!あの男が裏切られたのではなく、あの男が裏切ったなどと!
このダークスーツニンジャ装束上半身をカラテで破り捨てた様相の男の精神状態は絶対におかしい!それは歌い手であるディモールトデスだけではない。頭部から筆舌尽くしがたいダークコロイド光を発する聴衆もそうだ。
彼ら彼女らはなんかそれぞれいろいろあって、聖なる教えに絶望したアンタイブティスト……いや、宗派を問わぬアンタイゴッド&ゴッデス集団なのだ!コワイ!ボーや包丁とかを手に手に振るい、吊るされたブタやヤギといったイケニエに捧げられたものを叩いたり刺したりしている!
どうか読者諸君がこの文章の先に目を向けるなら心していただきたい!「ブッダは死んだ/俺が殺した!/寝ているところを/頭カチ割ってやった!/寝てろ!/寝てろ!/二度と俺の心を惑わせるな!」「「「「ウオオーッ!」」」」「おれもブッダを殺すぞ!」ナ、ナムアミダブツ!
殺戮的歌唱にアドレナリン過剰分泌した聴衆の一人がフランベルジュを振りかざし隣人を切り付けたではないか!?おおナムアミダブツ!殺戮的興奮伝播!もはやイケニエではなく隣人同士で!?インスタント・コロッセウム!ウワーッ!【見せられないが】!ゴア規制!
アビ・インフェルノ・ジゴク!……やがてアンタイゴスペルが終わり、立つものはディモールトデス一人。「フゥーッ……ジゴクでビギン。怨嗟めいた賞賛を送れ、非ニンジャの屑ども」ダークコロイド光がなまぬるい熱気を撒き散らす、不浄の地下納骨堂。
デスマウンテンブラッディリバーのただなか、死者を死後も争わせんと、彼はノロイめいたゼツメツチャントを唱えた。ゼツメツ・ニンジャクランのニンジャソウルがもたらす破滅願望に激しく支配された彼は、自分自身をも含め、この世全ての存在の滅びを願っているのだ。
ジゴクも?ジゴクもだ。破滅願望一体感……?ディモールトデスはその全身に、死者の怨念じみた邪悪オーラを帯びている。邪悪オーラはムンクの叫びめいてぐにゃあ、ぐにゃあ、と揺らめき、ゼツメツの脈動を感じる。
なんというアトモスフィアだ。生きとし生ける者の天敵!ニンジャソウル憑依者でありながら……ディモールトデスは既にニンジャモンスターの領域に達しようとしているとでも……言うのか!コワイ!
彼は早足でツカツカと地上階段を歩く。次の公演はネオプロイセン……その北勢沿岸部、ブレーメン。ディモールトデスはこれまで、大きな都市部での公演は避けてきた。危険だからだ。だが、ふっきれた。死ぬなら、派手に暴れて誰彼構わず滅ぼし、最後には自らもゼツメツ!「イヤーッ!」
地上階段踏破直後!「イヤーッ!」何者かのアンブッシュをフランベルジュ防御で退けたディモールトデスは、ニンジャ暗視力で闇を見通し、空中をくるくる回って着地する影を見た。破滅の美学を体言したかのような赤黒のゼツメツ系ダテンシが、しめやかに着地する。
美しい。ディモールトデスはサツバツの中でサツバツを忘れた。だがすぐさま我に返り「死にたいらしいな?」と凄んだ。「オマエが一人で死ね。ドーモ、ニンジャスレイヤーです」アイサツする姿も美しい。殺したい。殺されたい。「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。ディモールトデスです」
相互にアイサツを交わした、そのコンマ3秒後!「イヤーッ!」「イヤーッ!」相互に突進激突!ニンジャスレイヤーの手には「タチキリ」と「バサミ」のダブルサクス!キンキンキンキンキンキンキンキン!音を置き去りにする壮絶な打ち込みあい!ハヤイ!「ゼツメツ!」
CRAAAAAASH!ディモールトデスがパワフルに振り抜いたゼツメツオーラ纏うフランベルジュ無残!ニンジャギアとの打ち込みあいには一般数打ち品は耐久力に不足!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤー少女に振り抜かれし「バサミ」!「イヤーッ!」SLASH!
ナ、ナムサン!ディモールトデスはフランベルジュ柄を放り捨て、生きながらにしてネクロカラテじみたカラテパンチ!「ンアーッ!」右腕関節から切断されながらも肉片剥き出しの右腕残りがニンジャスレイヤー少女の顔面に直撃!「イヤーッ!」今度は、左ネクロポン・パンチだ!
「イヤーッ!」SLASH!ナ、ナムサン!ディモールトデスは生きながらにしてネクロカラテめいてダメージ無視カラテパンチ!なんたるゴアだ!コワイ!「ンアーッ!」左腕関節から切断されながらも肉片剥き出しの左腕残りがニンジャスレイヤー少女の顔面に直撃!「イヤーッ!」
再び右腕残りネクロカラテストレート!苦悶の声一つあげぬとは、ディモールトデスはズンビー・ニンジャなのか!?否!生身!生身でネクロカラテの領域に達した実質フレッシュズンビー!もはやニンジャモンスターだ!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは堪らずバック転回避!
まともに打ち合えばニンジャ耐久力に不足!このままスーサイドワザアリ交換を繰り返せば先にカラテ尽きるのは自身だと悟ったのだ!「イヤーッ!」ディモールトデスは……なんだアレは!?左腕残り部位から謎めいたダークコロイド光を発する暗銀めいたチェーンが伸び、切断された左腕切断部位に接続!
それを以てしてのチェーンネクロパンチだ!「イヤーッ!」キーン!ニンジャスレイヤー少女はバックフリップしつつチェーン切断、できない!?だがチェーンへのカラテ衝撃による軌道変化で空振り誘発!
「イヤーッ!」ディモールトデスは右腕残り部位からダークコロイド光を発する暗銀めいたチェーンを伸ばし、右腕切断部位に接続!「Arras……カラテやるか?殺されたいのか?」グッチャア!謎めいたチェーン巻き取り機構が機能し、両腕ともに本体部位に接続!
想像を絶するイタミはゼツメツオーラで実質無効なのか!?否!イタミに苦しみもだえぬ理由は、そのニンジャソウルにある!(((コヤツはゼツメツ・ニンジャクランとイタミ・ニンジャクランのミームを兼ね備えしバスタードニンジャ!全身焼き尽くすか、心臓を潰せ!)))(ナラクは黙ってて!)
ニンジャスレイヤー少女は「タチキリ」「バサミ」を結合させ、ケープ下背中に固定した鞘へと納刀した。切断攻撃は効果がいまひとつだと見たのだ。「悪いニンジャはみんな殺してやる」「アァン?悪いニンジャだけ?モッタイナイ!ゼツメツ!」ア、アナヤ!
ディモールトデスはその場でカマめいたフィッチを繰り出したかと思えば、その膝部位がおのずと切断され、ダークコロイド光を発する暗銀めいたチェーン経由でタタミ4枚距離を置くニンジャスレイヤー少女の元まで届くではないか!チェーンネクロケリ・フィッチ!「ニャーッ!」
ニンジャスレイヤーは地を這うネコアシ・ノバシ・アシ!「イヤーッ!」謎めいたチェーン巻き取り機構!そして不安定姿勢からのネクロダブルポン・パンチ!ヘビめいてのたうつチェーンがニンジャスレイヤー少女のネコアシ・ノバシ・アシ軌道阻害!「イヤーッ!」
FLAAAAME!腕に纏ったナラクの炎でチェーン溶接切断!だが正面からネクロダブルポン・パンチが!アブナイ!「何だと?」空振り!ニンジャスレイヤー少女にネクロダブルポン・パンチが届かない!(なんだその動きは?前傾突撃姿勢のままムーンウォークだと!?)
あ、あれは!伝説のカラテステップ、ガマク!「イヤーッ!」コンマ1秒後、障子戸一枚距離でネクロダブルポン・パンチ突出限界部位を見切った直後にムーンウォーク反転突撃したニンジャスレイヤーのヤリめいたアラベスク・キック!「グワーッ!」
踵部位がディモールトデスの腹筋を抉る!SLASH!「グワーッ仕込み刃グワーッ!」レッドシューズのニンジャギア機構で追加ダメージ!だが!「イヤーッ!」ナ、ナムサン!理解不能!どうなっているのだ!?ディモールトデスの上半身と下半身がおのずと別たれたではないか!
これでは腹筋へのダメージが実質無効なのでは!?謎めいたダークコロイド光を発する暗銀めいたチェーン接続しつつ上下ダブルアタック!「カワイイぞニンジャスレイヤー=サン!俺と一緒に死んでくれ!イヤーッ!」おまえはなにを言っているのだ!?
ディモールトデスのサツバツ告白しつつ殺しにくる!精神異常者!「気持ち悪い!イヤーッ!」答えはウシロアシ!ニンジャスレイヤー少女のジュテ・アントルラセじみた上下ダブルアタック拒否ムーブメントは全く新しいニューエイジ暗黒カラテ、ボン・オドリ!
彼女はバレエと暗黒カラテを組み合わせ、新たな領域に到達させていたのか!?ニンジャスレイヤーは上半身で対空腕ガードし、下半身でキック足ガードしつつニンジャコロの原理で回転しつつ受け流し、ニンジャ滑車の原理じみた小回りの良さで回転速度を増している!
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」チョーチョーハッシ!
ニンジャスレイヤー少女はバレエめいてくるくる回りながらディモールトデスの上下ダブルアタックを徹底拒否!「カワイイぞニンジャスレイヤー=サン!まさに殺伐の夜に舞い降りしダテンシ!ゼツメツを前提に付き合ってくれ!イヤーッ!」再度サツバツ告白!「気持ち悪い!イヤーッ!」ウシロアシ!
ニンジャスレイヤー少女のジュテ・アントルラセじみた上下ダブルアタック拒否!ニューエイジ暗黒カラテ、ボン・オドリ継続!ニンジャスレイヤー少女のケイデンスがカラテ攻防の最中にも関わらずどんどんあがる!ボン・オドリのガードシーケンスでスピンスピンスピン!
ディモールトデスは攻めきれぬ!グッチャア!上下半身接合!「俺とジゴクでランデブー!ゼツメツ!」三度サツバツ告白しつつ、全身を投げ出すかのようなハグ・アタック!グラップリングはガード不可能!ガード巧者を崩す典型的カラテ対処法!
一度つかまってしまえばネクロカラテのニンジャ腕力100%中の100%のパワで脱出不可能!サバオリされて死ぬ!ああ、だがしつこい男が嫌われるのは21世紀でも19世紀でも変わらぬ真理!「シツコイ!」
ついに危険な領域に達した回転ケイデンスから繰り出されるは、シュツルム・ウント・イシウスに閃きインスピレーション着想を得、年月をかけて少女なりに導き出したキュドー奥義!シュツルム・ウント・ブリッツ!地水火風領域を越えし、空のカラテ!その改善!
「イヤーッ!」ナラクの炎付与KICK!「グワーッ!」「イヤーッ!」ナラクの炎付与KICK!「グワーッ!」「イヤーッ!」ナラクの炎付与ケリ!「グワーッ!」「イヤーッ!」ナラクの炎付与ケリ・アゲ!「グワーッ!」「イヤーッ!」少女が跳んだ!「イイイヤアアーッ!」
(ディ、ディモールト美しい……)イナズマのアラシめいた怒涛のカラテ奔流のただなか、ディモールトデスはサツバツの中でサツバツを忘れた。5HIT!「ヤ!」6HIT!「ラ!」7HIT!「レ!」8HIT!「タ!」9HIT!「アーッ!」KRAAAAAAAAAAAAAASH!
ピンボールめいて中空から弾き出されたディモールトデスは地下納骨堂アビ・インフェルノ・ジゴク行き!「サヨナラ!」ディモールトデスはしめやかに爆発四散した。着地した少女は回転余波を減速させながら停止し、オペラじみた見得を切る。「ジゴクには/オマエひとりで/逝っちゃえばあ?」
ミエ・キリ。死に行く者の代わりにハイクを読むことで、コトダマがその死後までをも呪縛するオペラの典型的アンタイ・ニンジャ・チャントだ。少女はまだ死ねぬ。オーカミ・ニンジャを殺すまでは……今のミエ・キリ台詞はややエッチだった。少女は咳払いし、言い直す。
「オマエのジゴクは/アタシのナラク/より浅い……なんちゃって」(((犬の糞ほどにも役に立たず、くだらぬ。3点)))ナラクはボロクソに批評した。「フゥーッ。ハァーッ」プシューッ。カラテ廃熱。放熱とともに冗談を水に流した少女は、やや乱れたヘイキンテキを整える。
「塩を撒かないと」(((ズンビーなど捨て置け!)))(ヤダ!)少女のニンジャ第六感は、地下空間にノロイめいたおぞましい闇のエテルが澱み、滞留していることを分からせる。放っておけば、ファンタジーじみてズンビーが起き上がり、なんらかのインシデントに繋がりかねない。
まずは生存者一人いない寒村をめぐり、料理塩がないかと少女はドロボウ・ムーブメントをはじめるのだった。
【コロス・ディモールト】終わり
◆忍殺◆ニンジャ名鑑#107【ディモールトデス】◆少女◆
イタリア人少年合唱団の一員であったが、カストラート(去勢による高音声帯維持)を知らず、施術の日に神や仲間に裏切られたと感じ脱走。暗黒社会生活の傍ら、アンタイゴスペルを磨いていたがスチームが爆発し、ニンジャソウルが目覚めた。