ニンジャスレイヤーIF少女   作:BANZAINAMUSAN

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スリー・リベンジャー・ニンジャボンド#1

深い森の中、スケープゴートはニンジャソウルが彼のニューロン残した「約束の地」を求めてさまよう。事前知識なくば奥地へ向かえぬ謎多き森。ヴァイツ・オナ・ツーツガネヒト。ルリビタキの囀る自然空間。彼の目指す先に小さな庵が、おぼつかないシルエットを現した。

 

 

(またゲン・ジツめいた何らかの何かか?)白毛のニンジャ装束の懐からメモを取り出し、おぼろげな記憶を書き記した地図とニンジャ第六感が示す位置関係を比べ、やがて目指すべき場所であると確信した、次の瞬間。ヒュン、と風が鳴った。

 

 

スケープゴートは左手の人差し指と中指を垂直にかざし、飛来したスリケンを受け止めた。直後、頭上からカタナをかざして飛び降りてくる影。スケープゴートは振り向きながらの回し蹴りで、カタナを振り下ろす相手の腕を受け止めた。

 

 

襲撃者はくるくると回りながら、スケープゴートの目の前に着地した。シャウト無きカラテに力は篭らぬ。つまり、腕試しの類だ。「狼は村の雑貨屋でチョークを買った」スケープゴートはアイサツの前に意味深な言葉を発した。ニューロンに残された合言葉だ。

 

 

「ドアの隙間から足を見せて欲しい」頭部に捻れた二本角の生えた襲撃者――無論、ニンジャだ――は合言葉を返したので、スケープゴートはカラテ警戒を解いた。襲撃者はカタナを仕舞い、鼻から下を覆うクリーム色マフラーをほどく。

 

 

目元に幼さの影を残した、美女である。「ドーモ、ベリーシザーズです」「ドーモ、ベリーシザーズ=サン。スケープゴートです」相互にアイサツ。そこにイクサを思わせるアトモスフィアは無く、友好的。「スゴイ名前ね」「ソウルの導きだ」

 

 

二人は並んで歩き、小さな庵……シロヤギニンジャ・クランの残した「約束の地」を目指した……シロヤギニンジャ・クランは遥か昔、オーカミ・ニンジャに滅ぼされた。民間伝承メルヘン伝説には生き残りの存在や復讐の顛末までが語られているが、彼らにとってそれは未来の出来事だ。

 

 

すなわち、オヒガンより蘇りしシロヤギニンジャ・クランに連なるものが、忌まわしきオーカミ・ニンジャの腹を裂き、代わりに石を詰め、ライン川に蹴落とし、溺死させるべし!「他に誰かいるのか?」スケープゴートは問う。「私と、アナタだけ」ベリーシザーズは寂しげに答えた。

 

 

ターン!ベリーシザーズが庵の戸を開けば、タタミ敷きの四角い小部屋であった。それはシュギ・ジキと呼ばれるパターンで、十二枚のタタミから構成されている。四方は壁であり、それぞれにはシープ、ジャガイモ、竹林、柱時計の見事な墨絵が描かれていた。

 

 

ベリーシザーズはタタミ一枚の縁を力強く踏みしめる。BANG!タタミ返し!「幸い、クランメンバーのゴート・ニンジャ=サンのインストラクションが残ってる」タタミ下には歴史を感じさせる古びたマキモノやニンジャギア。「カラテは私が鍛えてあげる。一緒にオーカミ・ニンジャを殺しましょ」

 

 

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「見つけた」ニンジャスレイヤー少女の目付きが鋭くなった。自室の木窓は開け放たれ、朝日が射し込んでいる。手にはグリム童話初版原稿用紙。ダイイングメッセージめいて残された赤インク添削に紛れ、簡易スケッチに描かれた毛皮ニンジャ装束。

 

 

ラフスケッチであるからカラーこそ分からぬが、少女は豊かな空想で茶灰毛皮ニンジャ装束をありありと想像できた。「見るな」ゲルマンフォントの下に書かれた名前はオーカミ・ニンジャ。「オマエの名前はオーカミ・ニンジャ。覚えたぞ!」ゴウッ!憎悪の炉に力強い脈動!

 

 

徐々に少女の体温が高くなっていく。「オーカミ・ニンジャ=サン……いまは何処にいるのだ……?」少女は血走った目で原稿用紙をチェック。ちゅうもくすべきは本文ではなく、赤インク添削。「ニンジャ」「ありえない」「曲解」改変され、修正された添削多数!

 

 

だが読者諸君にはちょっと待って頂きたい。この原稿用紙はグリム兄弟が収拾し、編纂した童話群である。そこにラフスケッチがあるならば、彼らは一度、オーカミ・ニンジャと接触したと考えることが自然……オーカミ・ニンジャもラフスケッチされることを受け入れた……?

 

 

なんらかの因縁を感じずにはいられない。だが悲しいかな、憎悪で頭がサツバツとした少女はその発想に至らぬ。ただただ前後編総じ156編の童話集に記された添削を読み続けるばかりである。ペラリ、ペラリ。原稿用紙を捲る。「赤ずきん、ちゃん……?」少女は訝しんだ。

 

 

そこに描かれた添削内容が、何故かニューロンをざわつかせて堪らないのだ。童話【赤ずきん】にはニンジャスレイヤー少女と似て異なる顛末を迎えた、アワレな少女の童話的冒険譚があった。少女のニューロンに電気ビリビリが走る。

 

 

メルヘンとは、恐るべきニンジャ真実を改変し、修正し、概念的に置き換えた、子供が聞いてもあんしんな配慮が施された童話改善なのでは?それは幼子に教訓や社会常識を伝えると同時に、心胆を寒からしめるニンジャ存在の恐怖を失伝させぬためのモータルの知恵。

 

 

つまり、童話に隠された真意を読み解けば、その裏に潜む闇のニンジャ伝説を暴くことができるのでは……?物語には普遍性がある。予言のたぐいかもしれない。童話【赤ずきん】は少女にいずれ訪れる悲劇的未来を暗示している……?ブキミ!メルヘンホラー!

 

 

少女は原稿用紙を取りこぼし、頭を抱えた。(((ダイジョブですか?)))(ゼクスは黙ってて)「この童話から得られる教訓は、惑わされない事……目的を貫くこと……」保留癖のある少女は自己に戒めた。そこには殺すと決めたら殺すアトモスフィアがある。

 

 

悪いニンジャはみんな殺す。当然オーカミ・ニンジャも殺す。悪いニンジャを全て殺す!なんたる狂人の戯言。果たして彼女のミームが戯言で終わるかどうかは読者諸君の目で確かめていただきたい。「フゥーッ!ハァーッ!」少女は二度、息を吐いた。

 

 

プシューッ!頭頂部から熱気。頭がフットーしそうなので放熱だ。「お兄さんに……ドブネズミ=サンならなにか情報知ってるかも」手から零れ落ちた原稿用紙をかき集めつつ、独白。(((二度手間!ただちに隣室に溜め込まれた情報をハックし強奪するべし!)))(ナラクは黙ってて!)

 

 

◆腱鞘炎対策◆

 

 

◆リフレッシュ◆

 

 

50日が過ぎた。

 

 

スケープゴートは井戸水を汲み、小規模砦じみたゴート・ドージョーの廊下に雑巾をかけた。質素なライ麦パンを食し、食器を洗い、サバットのシークエンスを三種類こなし、木人ワンインチ・カラテ訓練を60分繰り返した。

 

 

はじめの20日の間はほとんど付きっきりで面倒を見てもらえたサバット・トレーニングであったが、ベリーシザーズはニンジャ第六感によりなんらかのチャンスを感知するや否や、クエストを優先したのだ。「イヤーッ!」強烈なローリングソバットで木人無残!

 

 

【サバット!それは蹴り技を主体としたカラテである。ステッキとか使う流派も。キックはパンチの3倍威力で理論上スチールさえも破壊可能。安全シューズを履けば危険度3倍!倍々計算式を重ねれば実質100倍威力!絶対に強い!確実に強い!――ミンメイ書房・カラテ大技林から抜粋な】

 

 

サバット奥義、ローリングソバット。カポエイラのメイアルーアジコンパッソが地に属するカラテキックとするなら、ローリングソバットは風に属するカラテキック。地を這う下段攻撃を無効にする回転小ジャンプと同時に繰り出す旋回脚をフィニッシュに、スケープゴートは足を止めた。

 

 

その後冷水を浴び、シュギ・ジキ部屋の中央でザゼン……やがて時刻は正午を過ぎる。事前に作っておいたザワークラウトとソーセージを食べ、いくつかを重箱に詰めると、森林の中を駆け、オーカミ・ニンジャが眠ると言われるダンジョンへ向かった。

 

 

ゴート・ドージョーは対オーカミ・ニンジャを意識した実質前線基地。邪悪なる欺瞞行為により砦の守りは内側から破られ、アンタイ・オーカミ・ニンジャギアの多くは強奪され、オーカミ・ダンジョンに隠されたのだとか。

 

 

ダンジョンの入り口では、ベリーシザーズが焚き木の前でザゼンしていた。「首尾はどうだ」「……あまり、よくない」「そうか」スケープゴートはベリーシザーズに重箱を渡し、焚き火を挟んだ対面に座った。ベリーシザーズは重箱を開け、ソーセージに被りついた。

 

 

空には暗雲が立ち込め、今にも酸性雨が降りそうであった。「今だから言えるが、実際オレはただのトレジャーハントのつもりだった」パチパチと弾ける火種を見ながら、スケープゴートは言った。「アンタからインストラクションを受けるまで、使命に興味なんかなかった」果たしてそれは懺悔なのか。

 

 

ベリーシザーズはザワークラフトを咀嚼しつつ、無言でつづきを促した。「ソウルの導きなぞ知ったことか。俺の人生だ。オタカラをゲットしてカネモチ。一生遊んで暮らすつもりだった」それはスケープゴートの紛れもない本音であった。

 

 

「だがアンタがいた。ベリーシザーズ=サン」スケープゴートは焚き火から顔をあげ、ベリーシザーズを見た。若く美しいベリーシザーズを。「エッチしたい。ダメか?」「ダメです。私には使命がある。シロヤギ・ニンジャクランに残されたクエストが」「クエストが終わったら、ダメか?」

 

 

ベリーシザーズは奥ゆかしく、何も語らない。「決まりだ。オーカミ・ニンジャをぶっ殺して、オレ達は幸せに暮らすんだ。末永く」未来の展望を見据え、スケープゴートは両拳を打ち合わせキアイを入れた。今日の午後からダンジョン・アタックについて行くことが許されているのだ。

 

 

その時である。「ウールが……」ベリーシザーズはゴート・ドージョー重点に森林地帯各所に巡らせたウール・ジツを経由し、何者かの接近を感知したのである。「誰か来たようです。一度戻りましょう」「チッ。分かった」舌打ち。二人だけの空間に異物が混じることを嫌ったのだ。

 

 

----------------

 

 

スローターをはじめとした道中邪悪ニンジャをスレイしつつ、ニンジャスレイヤー少女はヴァイツ・オナ・ツーツガネヒトを彷徨っていた。ドブネズミの情報網の中に、オーカミ・ニンジャという存在こそ無かったが、幾つかの可能性ピックアップ情報、そして予想はあった。

 

 

(((主だった人里に情報が無い以上、人里はなれた秘境にひみつがあると考えるべきだ。ネオプロイセンを跨ぐ大森林地帯……)))複数のピックアップ情報のうち、少女は直感でヴァイツ・オナ・ツーツガネヒトを選んだ。

 

 

言語化しがたいニューロンへの刺激。人はそれを天啓、インセクツ・オーメン、センスオブワンダー、女の勘、ジプシー占い感覚、運命等、さまざまに解釈した言葉を残している。「オーカミ・ダンジョン……何処にあるのだ……」原生林土地の魔力が、ニンジャ方向感覚を狂わせる。

 

 

ルリビタキの囀る自然空間。少女の進行方向に小さな庵が、おぼつかないシルエットを現した。ケープ内側ポケットからメモを取り出し、「狼と七匹の子ヤギ」の添削情報を書き記した情報から、中継ポイントであると確信した、次の瞬間。ヒュン、と風が鳴った。「イヤーッ!」

 

 

ブリッジ回避!スリケン・アンブッシュ!直後、頭上からカタナをかざして飛び降りてくる影を目視。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤー少女はネコめいた柔軟性をフルに活かし、カタナを振り下ろす相手の腕を蹴り払った。「ヌウーッ!」

 

 

唸りをあげて白毛のニンジャ装束のニンジャはタタミ4枚距離でくるくると回転着地した。「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」「……!敵だなテメー!ドーモ、スケープゴートです!」両者がアイサツを交わした、そのコンマ5秒後!「ソコマデ!」

 

 

いまにもカラテ激突する両者の間にクリーム色ニンジャローブを身に纏うニンジャの静止インタラプトあり!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは止まらぬ!「キエーッ!」直後、四方から伸びる糸がニンジャスレイヤーのチョップ突き手をがんじがらめにした。

 

 

ウール・ジツだ。「ベリーシザーズ=サン!そいつは敵だぜ!きっとオーカミ・ニンジャの野郎が寄越した斥候ニンジャとかだ!俺はずのう指数が高いからワカル!」「ダマラッシェーッ!」ニンジャスラング!「アイエッ」スケープゴートは黙った。

 

 

「……」少女はチョップ突き手を引いた。引けばウールに絡まず自由を得ることが出来た。ひょろひょろとしてみたかんじぜんぜんつよくなさそうなこの目視可能糸は、いわば撒き餌。その本命は目視困難な重金属系ストリングにあると見切ったのだ。

 

 

頭部に捻れた二本角の生えた美女ニンジャはまず、ニンジャスレイヤー少女と向き合い、両手を合わせてオジギした。「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。お噂はかねがね。ベリーシザーズです」「噂?」「赤黒の女王の伝説はニンジャ間では有名です」

 

 

ニンジャスレイヤー少女はカラテ警戒を緩めぬ。一方、ベリーシザーズは矛を収めた。ウール・ジツを解き、ワザマエによって重金属系ストリングを回収したのだ。「ほら、コワくない」マフラーをズラして両手を広げ、無抵抗めいた様子で微笑みを見せる美女。「……」

 

 

少女は野生のヤマネコめいて、ベリーシザーズをとても警戒した。スケープゴートと名乗ったニンジャはカタナを手放していない。ベリーシザーズは流し目で彼に訴えると、しめやかに納刀して手放した。ドサッ。柔らかな土と草が刀と鞘を抱きとめた。

 

 

(((殺せコムスメ!)))(ナラクは黙ってて!)「何故?」少女は問うた。「あなたがニンジャスレイヤー=サンだからです」ベリーシザーズはニンジャスレイヤー少女の何を知っているのだろう?それとも、ニンジャスレイヤー存在を知っている……?

 

 

「オニを味方につけたとなればキバ・ニンジャクラン大隊を味方につけるより頼もしい。どうか我等が悲願、オーカミ・ニンジャをスレイするため、力を貸してくださいませんか?」ベリーシザーズは美しい所作で膝を付き、ザレイ。しめやかにドゲザした。「オネガイシマス」

 

 

「お、おい」スケープゴートはロウバイした。そしてドゲザするベリーシザーズの豊満なヒップとニンジャスレイヤー少女を何度も見比べ、やがて「チクショーメ」と呟くと、彼自身もドゲザした。「オネガイシマス!」

 

 

少女のカラテ警戒は薄れ、徐々に困惑が入り混じりはじめる。その姿勢にザレイカラテのワザマエなど感じぬ。ヒキョウな不意打ち攻撃を目的としたドゲザではない。彼女が決断的にカイシャクすれば、容易にスレイできよう。「何故?」少女は二度問い直した。

 

 

「オーカミ・ニンジャはかつて、シロヤギ・ニンジャクランを滅ぼしました。我が身に宿りしニンジャソウルはゴート・ニンジャ。シロヤギのミームを継ぐ者。ヤギ・ニンジャの考案せし都市国家間弾道イシユミ『アルバレスト計画』の守り手として分派独立した者」

 

 

(((その通り!こやつのニンジャソウルはイシユミ抑止力などという下らぬ共同幻想に縋った愚か者どもの二大筆頭!このような連中、一片のカラテの足しにもならぬわ!即座にスレイするべし!)))外と内、ダブルにもたらされたニンジャ真実に少女は眩暈がしそうになった。

 

 

「三人寄ればほとんどブッダ。なにとぞ、我らの復讐にお力添えを!なにとぞ!なにとぞ!」ベリーシザーズは繰り返し懇願した。「ヒラニー!ヒラニーッ!」スケープゴートも便乗した。ベリーシザーズからの好感度稼ぎのためだ。その目線はチラチラと豊満なヒップに向いている。

 

 

「1つ、問題」少女は邪悪ニンジャか否か見極めるため、ニンジャクイズを出題した。「悪いニンジャはみんな殺してやるというミームを口にするニンジャがいます。あなたは悪いニンジャです。どうやってこのニンジャから逃れますか?」「贖罪します」ベリーシザーズは即答した。

 

 

「悪いとは、罪とは、贖罪することで清められます。すなわち、悪くなくなります。よって、殺される理由がなくなるので、助かります」「その贖罪に、セプクを求められたとしても?」「ソウルの安寧は守られる。死後のジゴクほど恐ろしいものはない」

 

 

「悪いことしたら、ゴメンナサイだ。子どもでも知ってるぜ」スケープゴートも便乗した。やや少女に対する敵対心じみた何かが見え隠れするが、それこそ子どもじみた反抗心であった。「フーッ」少女は息を吐き、悪いニンジャ定義をより一層煮詰める必要性を感じた。

 

 

少女自身の直感は、両者ともになんらかの悪事をなしているエゴイストであると告げている。きっと悪いニンジャに違いない。だが、やや曖昧なところがおおい「悪いニンジャ定義」が、イマジナリーのサイバンチョ少女が「情状酌量の余地ありで見逃すべき」と判決を下していた。

 

 

また、彼女自身の利己的な一側面が「3対1の人数差アドバンテージで有利」とも告げている。実際、複数回の多対一を経験しているニンジャスレイヤー少女は、感覚的にサンシタであろうと、うまく連携すれば油断ならぬ強敵と化すことを知っている。

 

 

鍛え上げられたリアルニンジャの脅威を肌身で感じたことも手伝い、未だカラテに不足と感じている少女は、エゴイストめいて「良いよ」と言った。なんたるダブルスタンダードか。だが目的を同じくする、言わば同志存在が露にする憎悪感情に共鳴したことも確か。

 

 

思えば、スガン・カブレラという人物は、ニンジャソウル憑依者となったということそれ自体を罪と感じ、贖罪のカラテを振るっていた。不殺のカラテというミームには共感できなかったが、一理ある者であった。「ありがとう存じます!ありがとう存じます!」

 

 

ベリーシザーズは繰り返しぺこぺこした。スケープゴートはあまり納得していなかったが、豊満なヒップを合法的にかなり間近で凝視できたから良いか、とやや邪悪なことを考えていた。結局、少女はスレイせず保留した。自らに向けて確認した戒めを無視したのだ。

 

 

ビシリビシリ、少女の胸中に刺さる「ウソついたらタタミ針千本飲ます」のジッカイが罅割れ、軋みをあげている。嘘ではない、と誤魔化しつづける内心欺瞞にも限界はある。いずれ砕け散り、失われることは想像に難くない。

 

 

(((法の勝利!)))(((なんたる悪法!ただちに上訴!最高裁!)))少女のイマジナリー内で青黒と赤黒のヒトダマイメージがぐるぐるしている。この決断は正しかったか否かは、そう時を待たず巡り巡って、インガオホーとして返ってくるだろう。

 

 

【スリー・リベンジャー・ニンジャボンド】#1終わり。#2につづく。

 

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