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(あらすじ:ニンジャ耐久力、ニンジャ器用さ、そして瞬間的爆発力。相互に不足するものを補い合えば、あるいはオーカミ・ニンジャとてスレイできるやもしれぬ。(((その通り!ニンジャが力を合わせてできぬことなどあんまりない!)))ゼクスマイレンが自慢げに語った。)
(「ドーモ、俺のねぐらを漁る不届き者ども。オーカミ・ニンジャです」「アイエッ!?」突如として、時の重みとでも言うべきプレッシャーがスケープゴートを襲った。イザ実際に対面すればこの始末。果たしてインスタントスリーマンセルはオーカミ・ニンジャに勝てるのか!?)
【スリー・リベンジャー・ニンジャボンド】#3
「キエーッ!」もっとも素早くシャウトしたのはベリーシザーズであった。ニンジャギア『ヌイバリ』先端孔を通して一直線にウール・ジツが伸び、オーカミ・ニンジャの右手首を拘束。「ホー。中々のワザマエとスピード」「キエーッ!」
レイピアカタナソードがフィッシング・ロッドめいてしなる!イポン・ツリ!「イヤーッ!」SLASH!オーカミ・ニンジャの左手爪が10フィート伸びウール切断!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤー少女が駆ける!
カブーム!その背から爆発的加速!フレンドリーファイアなし!「イヤーッ!」「イヤーッ!」オーカミ・ニンジャはダッシュ・キリをサイドロール回避!「ウオオーッ!俺もだァー!」時の重み重圧を撥ね退けるべく、キアイ!「イヤーッ!」
1秒遅れてスケープゴートがダッシュ・マエゲリ!「イヤーッ!」「グワーッ!」サイドロール回避後四足獣めいて四つ這いとなっていたオーカミ・ニンジャはマエゲリを容易くいなし、鋭利ビーストカラテチョップでマエゲリ足をズタズタに裂いた!鮮血!
ヒュンヒュンヒュンヒュン!「キエーッ!」ベリーシザーズはオーカミ・ダンジョン前タタミ十枚範囲小規模広場に『ヌイバリ』経由でウール・ジツを巡らせる!「クモノス・ジツの真似事か?そういうくだらぬ小細工を、ただの児戯というのだ!イヤーッ!」SLASH!鋭利爪で次々切断!
「イヤーッ!」背後に回りこんだニンジャスレイヤー少女はバックアタック位置で背面攻撃!「イヤーッ!」「ンアーッ砂かけンアーッ!」オーカミ・ニンジャはウシロアシ!カラテ篭る大地引き裂き砂かけがドトンめいてニンジャスレイヤー少女を怯ませる!「イヤーッ!」
スケープゴートのカマめいたフィッチ!先ほど引き裂かれた足は既に完治!サクリファイス・ジツだ!「イヤーッ!」「グワーッ!」オーカミ・ニンジャはフィッチを容易くいなし、鋭利ビーストカラテチョップによってカマめいたフィッチ足をズタズタに裂いた!鮮血!
ヒュンヒュンヒュンヒュン!「キエーッ!」ベリーシザーズは更なるウール・ジツを巡らせつつオーカミ・ニンジャへステップ接近!カンヌ・ド・コンバット!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」イヤーッ!」キンキンキンキン!鋭利爪と『ヌイバリ』が相殺!
……アンタイ・オーカミウェポンが、特攻を発揮していない?何故?アンタイル(斬撃)では『ヌイバリ』の真価を発揮しないのだ!突きでなければ真のアンタイ機能は発揮しない!「イヤーッ!」「イヤーッ!」逆に『タチキリ』『バサミ』はパーサー(刺突)では真価を発揮しない!
フシギ!オーカミ・ニンジャは謎めいたイクサ運びによりそれぞれのアンタイウェポンが真価を発揮できずにいるではないか!「ここで俺だ!」スケープゴートは激しく前後からの武器攻撃をカラテ対応しているオーカミ・ニンジャに向かって、サイドからレスリングめいた低空タックル!
あ、あれは!サバットの投げ技のひとつ、パリジャン・レスリング!またしても足の負傷が完治している!サクリファイス・ジツ!一体彼はなにを代償にエスケープ・ジツを発動しダメージを代替しているのだろう?スシだ。フロシキに背負った重箱内のスシひとつをイケニエに完治!
スシはニンジャの完全栄養食!サクリファイスのイケニエとして捧げるに十分な効果を持つ!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ほとんど四つ這い姿勢で両手拘束!「イヤーッ!」目潰しから立ち直ったニンジャスレイヤー少女がオーカミ・ニンジャの背後からダブル・キリ!「オット」
オーカミ・ニンジャは謎めいた体さばきで自己とスケープゴートの立ち位置を瞬時に交換!SLASH!「グワーッ!」「アッ!そんなつもりは!」フレンドリーファイア!「構わねぇ!ヤッチマエーッ!」「イヤーッ!」ベリーシザーズは自身に背後を向けたオーカミ・ニンジャへスゴイハヤイ・ツキ連突!
「オット」オーカミ・ニンジャは謎めいた体さばきで自己とスケープゴートの立ち位置を瞬時に交換!PiercePiercePiercePierce!「グワーッ!」「アッ!そんなつもりは!」フレンドリーファイア!なんたるオーカミ・ニンジャの巧みなイクサ運びか!
ニンジャ3人を相手に、実質遊んでいる!?「クッククククク。ホラホラ、どうした?とにかくどうにかしてみよ」「ヌウーッ!」ああ、オーカミ・ニンジャが二足歩行で立った!相互に両手拘束しているはずのスケープゴートが高々と持ち上げられているではないか!
まるでキンタロ伝説だ!「「イヤーッ!」」前後から少女と美女のダブルアタック!「オット」オーカミ・ニンジャは謎めいた体さばきで自己とスケープゴートの位置関係を瞬時に交換!「アバーッ!」フレンドリーファイア!「ウワッ!」「そんな!」ダメージ重篤!
直後、スケープゴートの全身が神秘的なコロイド光を発し、その負傷を完治!「イヤーッ!」「グワーッ!」オーカミ・ニンジャは天地さかしま姿勢から発光するスケープゴートの顔面をキック跳躍!3人からタタミ4枚距離まで離れて着地!巡らされたウールは切断!SLASH!
秘めやかに潜ませていた重金属ストリングまでもが切断!「カラテが違いすぎる」絶望!未だノーダメージ!10秒に満たぬイクサで「勝てるわけがない」と分からされる、圧倒的なカラテ差を見せつけられ、ベリーシザーズは片膝をついた。物理負傷はない。だが心が折れそうだ。
「イヤーッ!」ニンジャスレイヤー少女は果敢に突撃!ブン!「タチキリ」キリ!オーカミ・ニンジャはスウェー回避!「イヤーッ!」ブン!「バサミ」キリ!オーカミ・ニンジャはダッキング回避!「イヤーッ!」ブン!「タチキリ」キリ!オーカミ・ニンジャはバックステップ回避!
「イヤーッ!」ブン!「イヤーッ!」ブン!「イヤーッ!」ブン!「イヤーッ!」ブン!「イヤーッ!」ブン!「イヤーッ!」ブン!「イヤーッ!」ブン!「イヤーッ!」ブン!「イヤーッ!」ブン!「イヤーッ!」ブン!オーカミ・ニンジャは 完 全 回 避 !
「おお、誰かと思えば、いつぞやのガキか。だがヒヨッコのほうではな」シャウトひとつせず語りかける余裕すらある始末!「ドーモ、オーカミ・ニンジャ=サン。ゴブサタしています。ニンジャスレイヤーです」ガッシーン!ニンジャスレイヤー少女はアイサツしつつ異形のクロスカタナ合体!
「死ね!オーカミ・ニンジャ=サン!死ね!」そのまま刃先を広げてオーカミ・ニンジャの首めがけて交差切断!「オソイ!」ドオォーン!彼女の必殺の一撃は、カラテ満ちるマエ・バライに退けられた。ダッキングで交差切断完了前に踏み込まれ、その腕を払われたのだ!「ンアーッ!」
少女の全身にカラテ乱反射!シリモチをつき、体が痺れて動かない!「クッ!ニンジャスレイヤー=サン!アブナイ!イヤーッ!」折れかけた心を奮い立たせたベリーシザーズのアンジェルブラ!「イヤーッ!」オーカミ・ニンジャは側転回避!
「イヤーッ!」側転直後にオーカミ・ニンジャは爪を10フィート伸ばし鋭利チョップ!「イヤーッ!」ベリーシザーズは左手に持った『ヌイバリ』で受け流し、カマめいたフィッチを繰り出す!「イヤーッ!」オーカミ・ニンジャはこれをブリッジ回避!
「イヤーッ!」ベリーシザーズの蹴り足は軌道を変え、その踵がブリッジ先端部、爪先破壊に向かう!「イヤーッ!」オーカミ・ニンジャはストンピングをバック転回避!着地時に全身のスプリング・パワを溜め込むように低姿勢に屈み、跳ねるように鋭利引き裂きチョップ!「イヤーッ!」
「イヤーッ!」ベリーシザーズは攻防兼ね備えたサバット奥義、ローリングソバット!中世、魔女たちがひめやかに行っていたサバト儀式の実態はマジョ・ニンジャのカラテ・ドージョーであったと知るモータルはもはやいまい。立ち枯れの時代、すべての秘密は魔女狩りによって葬られたからだ。
鋭利引き裂きチョップを障子戸一枚距離で回避し、ローリング・ソバット踵部がオーカミ・ニンジャに迫る!ワザマエ!否。このチョップがローリングソバットを引き出すためのイクサの駆け引きだとしたら?「オソイ!」フェイント!オーカミ・ニンジャがハヤイだ!パリィング!
「ンアーッ!」ベリーシザーズはシリモチを着いた。体が痺れて動かない!「クッククククク。そろそろ喰うか」オーカミ・ニンジャはアイサツめいて両手を合わせ、首を90°傾け、メンポを開き、体勢の崩れたベリーシザーズに「ウオオーッ!」タックル・インターラプト!
誰が!?「俺だ!オクリ・オーカミ!ザッケンナコラー!この女をファックするのはこの俺だ!」「カスが。お前がこのチームの中でイチバンなまっちょろいぞ!」咀嚼!「アバーッ!」サクリファイス・ジツ!完治!「スルメ味!」咀嚼!「アババババーッ!」サクリファイス・ジツ!
ああ、だが、イケニエの代償に捧げられるスシがどんどん少なくなっていく!咀嚼!「アバババババーッ!」ああっ!重箱の詰まったフロシキがその大きな口から零れ落ちて!咀嚼音無慈悲!「アバーッ!サヨナラ!」スケープゴート爆発四散!
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……0110……少女がマエ・バライを受ける、その一秒前!懺悔ボックスめいた間仕切りのある拡張ローカルコトダマ空間内で、ナラク・ニンジャとゼクスマイレンのプラズマめいたヒトダマイメージが顔を会わせず対面していた。
ゼンモンドーせぬ、というタテマエのリモート中立地帯。カコン!ローカルコトダマシシオドシの音が響く。『断る!』酷くノイズの走るゼクスマイレンは、力強く否定の言葉を口にした!『バカ!小娘が死んでも良いのか!?』ニューロン速度で交わされる会話。
現状をこのまま見過ごせば死ぬ。この状況を打破するカラテの持ち主からの提案を退けるとは!?『死にません!』ゼクスマイレンの言葉は力強い!『バカ!何を根拠に!今にも死にそうではないか!急げ!間に合わなくなっても知らんぞ!』ナラクは焦る。
ナラクの見立てでは、実際危険水準だ。『ですが死にません!』ゼクスマイレンの言葉には信念がある!何らかの確信を持っているのか!?『ニンジャチームに出来ないことはほとんどない!チーム一体感!彼らは必ずや目的を達成するはずです!』
『ヌウーッ!』ナラクの心境をアドバンスショーギにたとえるならば、ゼクスマイレンが打っているのは既に次の一手でオーテ・ツミが確定してしまうにも関わらず、相手が正しく受ければ形勢が不利になる手法で攻めつづけようとする無理筋!
実際まどろっこしい!『なんたるウツケ!一片のカラテの足しにもならぬノミかダニめいた連中に期待し最善手を打たぬとは!』『では理解できるまで祈りなさい!』『バカ!』ゼクスマイレンには最早頼れぬ!否、そもそも頼ろうという発想が間違いであった!惰弱!
ナラク・ニンジャはその全霊を込め、憎悪の念を燃やす!(ニンジャ殺すべし!全ニンジャ殺すべし!コムスメ!オヌシの憎しみはこんなものか!目当てのカタキを目前にしながらなんたるブザマ!下手の連携休むに似たり!合わせるな!狂気を活かせ!)……11011101001010……
……1110……「ハッ!」少女はブラックアウトめいて意識混濁する頭を振り、意識を取り戻した。しとしとと霧雨めいた酸性雨が振っていた。ほのかな爆発四散の風が頬をなでる。「え?」少女はシリモチ姿勢で顔をあげた。とてつもなく大きな口が、なにかをボリボリと貪っている。
「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!」少女はそれを知っている。よく、知っている。スケープゴートは?ベリーシザーズは何処へ?「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!」少女はよろめきながら立ち上がった。「殺したな」
やがてとてつもなく大きくなっていた獣の口が、瞬時に人間サイズに戻し、そのメンポを閉じた。「殺したな!スケープゴート=サンもベリーシザーズ=サンも!」ピシャッ!ゴロゴロゴロ!雷鳴!タタミ6枚距離先で、オーカミ・ニンジャは肩を竦めた。その足元にはへし折れた『ヌイバリ』。
「おお、気付いたかガキ。オニを……ナラク・ニンジャ=サンを出せ。このままではオレが楽しめぬではないか」(((ニンジャ殺すべし!さあ、儂に体を貸せ!仇を討ってやる!)))(ヤダヤダヤダ!アタシだ!アタシがやるんだ!)(((なんたるワガママ!)))
「ウワアーッ!」少女は「タチキリ」「バサミ」を投擲!内包するシンピテキによりダイシュリケンじみて殺戮飛翔!だが!CACTH!「クッククククク。こんな取っ手がついているなど、掴んでくてといっているようなもの」オーカミ・ニンジャは大きなハンドガードを掴んで無力化!タツジン!
その手から異形のダイシュリケンが足元に捨てられる!もはやアンタイ・オーカミニンジャギア無し!もうダメか!屈してしまうのか!否!(((オモチャに頼るな!カラテあるのみ!)))ゴウッ!憎悪の炉に力強い熱量!少女の目は死んだマグロではない!
ニンジャスレイヤーの右腕が鞭めいてしなり、目にも止まらぬ速度で2枚のスリケンを射出!「イヤーッ!」「イヤーッ!」オーカミ・ニンジャは左手の人差し指と中指、薬指で2枚のスリケンを挟み、手首を捻ってベクトル反転させることでニンジャスレイヤーにスリケン反射!「イヤーッ!」
ニンジャスレイヤーは右斜め前にステップ回避し、再び目にも止まらぬ速度で2枚のスリケンを射出!「イヤーッ!」「イヤーッ!」オーカミ・ニンジャは右手の人差し指と中指、薬指で2枚のスリケンを挟み、手首を捻ってベクトル反転させることでニンジャスレイヤーにスリケン反射!「イヤーッ!」
ニンジャスレイヤーは左斜め前にステップ回避し、再び目にも止まらぬ速度で2枚のスリケンを射出!「イヤーッ!」「イヤーッ!」スリケン反射!「イヤーッ!」ステップ回避!「イヤーッ!」「イヤーッ!」スリケン射出!反射!「イヤーッ!」ステップ回避!
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」両者譲らず、ステップ距離だけ間合いが近づく!
タタミ5枚距離、4枚距離、3枚、2枚、1枚!ワン・インチ距離!「ニャーッ!」ミニマルな右ネコパンチ!「イヤーッ!」左ビースト掌底が右ネコパンチを払う!「ニャーッ!」コンパクトな左ネコフック!「イヤーッ!」右ビースト掌底が左ネコフックを払う!「ニャーッ!」
ニンジャスレイヤーは踏み込みながらの右ネコ肘打ち!「イヤーッ!」オーカミ・ニンジャは裏拳じみたガード腕で右ネコ肘打ちを払う!何故彼はマエ・バライをしないのだろう?ミニマルでコンパクトなネコカラテに対し、あまり有効な技術ではないからだ。
「ニャーッ!」「イヤーッ!」「ニャーッ!」「イヤーッ!」「ニャーッ!」「イヤーッ!」「ニャーッ!」「イヤーッ!」「ニャーッ!」「イヤーッ!」「ニャーッ!」「イヤーッ!」「ニャーッ!」「イヤーッ!」「ニャーッ!」「イヤーッ!」
ミニマル木人拳めいた一方的カラテ連打はまさにカラテの乱気流!「ウウウニャニャニャニャニャニャ!」無呼吸連打で更に速度が増す!「単調な!イヤーッ!」ここでオーカミ・ニンジャが仕掛けた!ビーストカラテ足払い!「イヤーッ!」
ニンジャスレイヤーはここでサバット奥義!ローリングソバット!ビーストカラテ足払い回避しつつ空中回し蹴りが胴を打つ!「グワーッ!」初の有効打!だが!「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!」追い討ちの追加攻撃ができない!息切れ!?この短時間で!?
あまりのカラテ差にオーバーヒート強要され、消耗が激しくなっているのだ!「ホォー。シロウト丸出しにカタナを振るっていたかと思えば、カラテはまずまずの成長ぶりではないか。まだまだ未成熟な果実。ここで一口に喰らうのは惜しい」オーカミ・ニンジャは少女のカラテを批評した。
「バカにするな!死ね!イヤーッ!」ゴウッ!赤黒の炎!ニンジャスレイヤーは伝説のカラテ技、渾身のポン・パンチでオーカミ・ニンジャに「オソイ!」既にビーストカラテを構えていたオーカミ・ニンジャはカラテ満ちる右腕でポン・パンチを払いのけた!パリィ!バカ!何故!?
何故引き続きコンパクトでミニマルなカラテ応酬に適したネコカラテを繰り出さぬのだニンジャスレイヤー少女!?復讐成就への焦りが、手数とスピードではなく一発の威力に頼ってしまったとでもいうのか!?カラテを流されニンジャスレイヤーの姿勢が泳ぐ!シリモチ!実際隙だらけだ!
「イヤーッ!」半身となったオーカミ・ニンジャは流れるような動作でヤリめいたサイドキックを繰り出す!「ンアーッ!」ニンジャスレイヤーはこれを防げぬ!カラテに不足だ!「ガキが。舐めてると潰すぞ」ザンシンするオーカミ・ニンジャは冷酷に告げた。
KRAAAAAAAASH!「ンアーッ!」巨大樹に磔めいて突き刺さるニンジャスレイヤー少女。ウケミで逃せたカラテ衝撃は僅かだ。いまの少女のカラテでは、このリアルニンジャに到底及ばぬ。「実際お前は運が良い。俺はグルメなんだ。ワカルか?未だ熟さぬ果実を喰らう趣味はないのだ」「ヌゥーッ」
(((モハヤコレマデ!どうにもできぬであろう!儂に身体を寄越すのだ!このままでは実際死ぬ!)))(とにかくイヤだ!)(((なんたるワガママ!)))ニンジャスレイヤーがローカルコトダマ空間でナラクと応酬している間に、オーカミ・ニンジャはツカツカと歩み寄った。
「さあ、オードブルはここまでだ。ナラク・ニンジャ=サンを出せ」「イヤだ。アタシがオマエを殺すから、おばあさまが報われるんだ」「やれやれ。これだからガキは面倒。オレは面倒が嫌いなんだ」ジャキン!オーカミ・ニンジャ右手の爪が10フィート伸びた!
「しかたあるまい。少しイタズラさせてもらうぞ」オーカミ・ニンジャの右腕長さと関節がおかしい。それらを折りたたみ、彼は鋭く尖った爪先を舐めた。直後、爪から飢狼めいたビジョンを揺らめかせるオーラが立ち昇る!非常に危険なアトモスフィアだ。
もはやワガママを言っている場合ではないぞニンジャスレイヤー少女!何でも使えとミヤモト・マサシも言っている!敬愛する祖母の敵討ちをするのではないのか!(アタシがやるんだ!)(((バカ!バカ!ワガママ!)))オーカミ・ニンジャの邪悪な爪先がニンジャスレイヤー少女の下腹部に迫る!
次の瞬間、少女の主観時間が泥めいて鈍化した。ソーマト・リコール現象。少女の目は死んだマグロではない。生存可能性を求めて意志が記憶を遡る。過去回想で少女は、敬愛する祖母の教えに耳を傾けた。『フーリンカザン……ハドー……そしてフーリンカザン……』
ニンジャ梃子の原理とは、ニンジャ溜めの原理とは、ニンジャ滑車の原理とは、ニンジャはね返り係数、ニンジャ作用反作用、圧力引力重力磁力。張力応力抵抗力弾性力。向心力に遠心力。カラテ計算式に作用するニンジャ力学の数々がポップアップめいて浮かび、消える。
ハドーとは?「ネーネーおばあさま。ハドーってなあに?」少女は敬愛する祖母に尋ねた。『ハドーって言うのはね……』……カッ!ニンジャスレイヤーの双眸が赤く光った!「イヤーッ!」KA-TOOOOOOON!カジバ・フォースめいた爆発的赤黒の炎バースト7フィート!「ヌウーッ!」
オーカミ・ニンジャの邪悪オーラ立ち昇る爪を爆破!だが本人は10フィート離れていたので無事!「オットット。危ない危ない。やはり何らかのキリフダを隠し持っていたか。でなければああも粋がれぬ。納得だ」増上慢のように見えて、彼はどこまでもクレバーであった。
爆破衝撃ノックバックに合わせ4連続バックフリップし距離を取ると、なんとオーカミ・ニンジャは逃げ出したのだ!「ナラク・ニンジャ=サンを出さぬとあらば、これ以上の用は無し!オタッシャデー!」それがラスト・ボスのすることか!何たる邪悪!
「ま、マテーッ!」「待てと言われて待つバカはおらん!」ニンジャスレイヤー少女は追跡しようとした。だが足がもつれて倒れる。ダメージは重篤。「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!」呼吸も荒い。実際限界であった。
……冷たい酸性雨が、追い討ちをかけるように降り注ぎ続けていた。不意に、少女の脳裏に敬愛する祖母の顔が浮かんだ。ニンジャスレイヤー少女の体を酸性雨がしとどに濡らす。おお。おお、おばあさま。しかしこの雨は天の計らいだ。ニンジャに涙は許されぬのだから。
許さぬ。そして、安らかに。ニンジャスレイヤー少女は顔を上げた。彼女が生存したのはオーカミ・ニンジャのグルメ性癖によるものに過ぎぬ。その判断の誤りを、死をもって後悔させてやろう。憎悪の炉に新たな燃料を込め、ニンジャスレイヤーは……匍匐前進をはじめた!
【スリー・リベンジャー・ニンジャボンド】終わり。【ゼロ・トレラント・トレース】につづく
◆ここまでのあとがき◆
◆読了オツカレサマドスエ。約束された敗北描写。今回は挑戦的な試みで、20日くらいまえに先んじて戦闘後シーンを描写して勝敗を明らかにし、本編を書いた。事前に覚悟の準備をしておいてもらってから、実際イクサしたわけだが……覚悟が絶望を吹き飛ばしただろうか?◆
◆疑似ヘブン状態!パロディーネタはさておき、個人的な意見、ラスト・ボスが物語序盤末期か中盤くらいに顔見せして圧倒的な力量差を見せる話は好きだ。「こんなヤツにどうやって勝てばいいんだ」と思わせる絶望感から、時を経て、実際勝つ!カタルシス多幸感!◆
◆ニンジャスレイヤーはニンジャをスレイする。最終的にはオーカミ・ニンジャをスレイする。これはもう、決まっていることだ。だが、そこに至るまでにどのような過程を積み上げるか?たくさんのニンジャたちの爆発四散を通して、読んでもらえると嬉しい。◆