ニンジャスレイヤーIF少女   作:BANZAINAMUSAN

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インフィニティ・コンティニュー・ザ・チャレンジャー

 

『ホッホッホ。ホホホノホ』ゴルゴダの丘めいた拡張ローカルコトダマ空間内に不気味な笑い声が響く。逆さX字に磔されたナラクの左手、右肘、両膝を貫くゴスンクギ。ゴスンクギと肉体の間に縫い止められた聖なるオフダには様々な制約的文言が書き込まれている。

 

 

「アイドル活動禁止」「人を殺してはいけません」「エッチなのはいけないと思う」「ウソついたらタタミ針千本飲ます」ネイル・オブ・ザ・テン・コマンドメンツのうち、半数以上の戒めは砕け散っている。

 

 

シスターニンジャ、ゼクスマイレンはしかし、イビツなコトダマビジョンを伴いナラクの前に現れた。『グググ……またオヌシか』呆れた声色でナラクは呟いた。何度 完 全 論 破 しても死を認めず、また諦めぬゼクスマイレンとのバトル・オブ・ゼンモンドーにうんざりしていたのだ。

 

 

『実際私が諦めない限り無限コンテニュー可能!奇跡は起こる!邪悪なおじいたやんを封殺するまで!』『だれがおじいたやんだ!』ナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。『オホホノホ。私、分かってしまいました。kickコマンドはダイジョブなのです』

 

 

別のゼクスマイレンが姿を現し、ナラクのkickコマンドの刃がバラバラに引き裂いた。ダイジョブではないのでは?否、IP特定されてないからダイジョブダッテ!実際、実体無きブンシン・ジツめいている。『オーッホッホッホッホ!』口元に手を当て高笑いをあげるゼクスマイレン。

 

 

様子がおかしい。度重なる不可逆のニューロン損傷により、ずのうしすうが低下しているのだ。『そしてェ!おじいたやんの忍殺理論を 完 全 論 破 する理論も構築したのです!』ナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。

 

 

『グググ……ありえぬ。この理論に破綻なし。いかなるセッキョーも通じぬわ!』しかしナラクは再登場した敵を油断なく見据える。『整理しましょう。全てはニンジャが悪く、だから全ニンジャを殺す。そうですね?』ナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。

 

 

再登場!『その通り!ニンジャは全て殺す!無論、オヌシも殺す!死ぬまでスレイすれば死ぬ!』『何度でも蘇るわ!』ゼクスマイレン一閃!幾度ものコトダマ擬死体験を繰り返したゼクスマイレンは、不可逆なニューロン損傷と引き換えに精神的タフさを獲得していたのだ!

 

 

『この理論には致命的な欠陥があるのです!』な、なんだってーっ!?一体どこに!ナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。再登場!ナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。『瑕疵はない!』ゼクスマイレン再登場!『ある!』

 

 

力強いゼクスマイレンのコトダマがナラクのコトダマと拮抗した!だがナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。ゼクスマイレン再登場!再登場のたびに体格、体型が異なる。安定していない。自己の再定義に不備があるのだ。

 

 

『そも、全てのニンジャが本当に悪なのでしょうか?本当に全てのニンジャを調べたのですか?かなり控えめで邪悪ではないニンジャもいる!』『おらぬ!ニンジャは全て悪!絶対悪!故に殺す!慈悲はない!』『比較的善良で社会的な害はないニンジャもいる!』『おらぬ!』『いる!』

 

 

キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!

 

 

こ、これは!アドバンスショーギのサウザンド・ウォーを想起させる理論と理論の打ち込み合い、カイスイヨク!確かにこの盤面に持ち込めば一時的とは言えゼンモンドーは拮抗しよう……しかしここからゼクスマイレンはどうするつもりだ?これでは 完 全 論 破 とは言えないぞ!

 

 

ナラクのkickコマンドの刃がゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。『おらぬ!』ゼクスマイレン再登場!『いるわ!ここに一人!』ゼクスマイレンは自慢げにニンジャスレイヤー少女を指差した。(完璧だ!イッツパーフェクト! 完 全 論 破 オホホーッ!)

 

 

何故少女がこのバックグラウンド進行しているイクサバに!?ゼクスマイレンが謎めいたセッポーによりユメミルラインで導いたのだ。『バカ!何を考えている!?このバカ!』ナラクのkickコマンドがゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。再登場!『ナンデェ!?』その背には「わたしはバカです」!

 

 

『オヌシの目はフシアナか!説得力皆無!故にオヌシは殺す!』ナラクのコトダマの刃がソトバ・エクスキューショナー・カタナブレードツルギとなりゼクスマイレンをバラバラに引き裂いた。『ナンデェー!?』ナムサン。今日も決着か。

 

 

その時である。「……ナンデ?ケンカはやめてにして仲良くしようよって言ってるのに……」 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ! 少女の感情が株価乱高下めいて激しく上下し、それにともなってゴルゴダの丘めいた拡張ローカルコトダマ空間内に不穏な地響きが……

 

 

「仲良くしようよって言ったのに!」カンニンブクロ急速沸騰!「モーッ!ケンカはヤーメーテーヨーッ!」ああ!カンシャクバクチクが!カブーム!カブーム!カブーーーーーーム!あたかも20世紀未来の絨毯爆撃めいてカンシャクバクチクがたくさんさくれつする!

 

 

なんというかんじょうのばくはつりょくだ!『ベェー』ゼクスマイレンが少女の背後に再登場し、ナラクへ隠密正のあるニンジャバトウサインであるアカ・ベェを!そして姿を消した!『性格が悪い!』「ヤーメーテーヨーッ!」カブーム!カブーム!カブーーーーーーム!

 

 

アーッ!いけません少女!アーッ!アーッ!ゴルゴダの丘めいた空間がばくはつしてしまう!アーッ!アーッ!「私、分かってしまいました。やっぱり少女しか勝たん!」再登場!その背中には「私はバカです」!「オマエーッ!」カブーム!『ンアーッ!』

 

 

ゼクスマイレンにもカンシャクバクチク!「どーせゼクスがナラクにケンカ売ったンでしょ!信用ならない!アタシをバカにするな!」『シ、シマッターッ!ウカツ!』『やはりバカであったか』ゼクスマイレンの明日はどっちだ!?

 

 

【インフィニティ・コンティニュー・ザ・チャレンジャー】おわり

 

 

 

 

 

……010111100101……「フッ。あなたとのゼンモンドーは楽しかった」ゼクスマイレンはぐうぜん残っていた断片的な記憶を思い出し、懐かしく回想した。「くだらぬ。儂は心底呆れておったわ」ゴルゴダの丘めいた焼け野原。実際たくさんのことがあった。

 

 

色々あったのだ。そしてニンジャスレイヤー少女は、ニンジャ真の姿を現したウィリアムに追い詰められている。優越性を選抜したゲルマンカラテのカラテスタイル多様性を破るには、今の少女はカラテに不足。今一歩足りぬ。

 

 

それだけならば、まだどうとでもなろう。真に恐るべきはイクサとバトル・オブ・ゼンモンドーを並行展開させる、卓越した舌戦能力にある。長年老獪なる政争の場で鍛えられたであろうそれは、メンタルに不安要素のある少女のもろい部分を貫かんとしていた。

 

 

であるならば。「そういうことならそういうことで良いのです。私が楽しかったと回想できた、その感覚が大事」「愚かなり。その気なれば、はようせよ。でなければ帰れ」ゼクスマイレンの胸中に無数のガラス破片めいた記憶断片。

 

 

その記憶はもうボロボロ。継ぎ合わせ、溶接し、無理に咬み合わせ、もはや矛盾の固まり。だが、その根源である、根本にある、ゼクスマイレン自身が成さねばならぬと気高く掲げたミームは変わらぬ。全モータルのために理想の世界を。ダイヤモンドめいた輝き。誰にも砕けない。砕かせない。

 

 

ガシッ。ゼクスマイレンは未だナラクに刺さるネイル・オブ・ザ・テンコマンドメンツを掴んだ。分からせなくてはならない。「……もう二度と会うことは無いでしょう」「左様。二度と儂の前に現れるな。とっとと失せろ!」本当の強さを。カラテに寄らぬ心の強さを。

 

 

ラブ、リスペクト、そしてラブ。それは愛。受け継がれるべきものがある。忘れてはならないものがある。絶やしてはならないものがある。インガオホー。それは罰ではない。巡り巡って、回転する。ぐるぐるしている。リインカーネーション。ミームなのだ。

 

 

覚悟の準備はとうの昔にすませている。真の覚悟はこれからだ。「サヨウシカラバ、コレニテ、ゴーメン!」ゼクスマイレンは最上位の礼を口にし、聖なるゴスンクギを全て引き抜いた!ジッカイ・ジツ全機能停止!馬鹿な!そんなマネをすれば、お前は消えてしまうんだぞー!

 

 

……0110……「たとえそれが、ネオプロイセンを1000年王国に導く偉業であったとしても。全モータルに塗炭の苦しみを背負わせての平和なのだとしたら、私はそれを認めるわけにはいかない……ッ!」少女の口から、少女の意識外の言葉が漏れる。

 

 

「メルヘン!苦痛なき幸福などあるものか!」「あるっ!」「ならば今すぐただちに全モータルを幸福にしてみせよ!出来るわけがない!」「出来る!」「なんたる戯言!どうせそれは実現可能性の無いユートピア理論であろう!現実を見ろ!」「大人なら!子どもに夢を見させてみよ!」

 

 

「ヌゥーッ!コシャクな!」ウィリアム(ニンジャ真の姿)はロウバイこそしなかったが、その断定的な発言とアトモスフィアに瞬間、気圧された。過去のデータに無いニンジャスレイヤー少女の力強い断定口調。これは一体?ゼンモンドーが通じぬ!まだ何らかの力を隠していたというのか!?

 

 

「そのための第一歩!コラテラル・ダメージ処理!歴史を影から操る邪悪ニンジャ殺すべし!」アナヤ!少女の目と口から青黒いコロイド発光!「「ニンジャ殺すべし!」」少女の口からステレオめいた二重音声!「「「ニンジャ殺すべし!」」」三重音声!直後!

 

 

『神と子と/精霊の名に/おいて告ぐ!/我が一撃で/滅せよニンジャ!』少女の口から青黒のエクトプラズマが!?あれは異端審問ニンジャ間にコトダマ才能あるものへだけ継承される秘儀!己のソウルを剥き出しにしてニンジャビースト化し敵に突撃する禁断の荒業!ゴッドバードアタック!

 

 

使えば実際死ぬ!まさかゼクスマイレンはそこまで考えて!?『異端審問ニンジャ、ゼクスマイレンの名において告げる。少女に咎なし。自己を律するのは自分自身。ただ強くあれ』「ゼ、ゼクスマイレンーッ!」『エイメンッ!』ブルー・ブラック・バード飛翔突撃!

 

 

IF。ありえたかもしれない少女の欺瞞幸せイメージの一側面が飛び去っていく。その飛翔突撃進路の先にはウィリアム(ニンジャ真の姿)!『ケーン!』「イヤーッ!」KRASH!カラテ衝突!『キュイーッ!』「とんだコケオドシ!カスが!ビックマウス!論外!」だ、ダメだ!

 

 

ゼクスマイレンの消えかけのソウル残滓では飛翔突撃しても意味が無い!犬死にか!?グッシャア!ウィリアム(ニンジャ真の姿)は地に叩きつけたブルー・ブラック・バードを冷酷に踏みにじる。「ウ、ウワアーーーーーーッ!」ニンジャスレイヤー少女の悲痛な叫びが木霊した。

 

 

かくして、ゼクスマイレンは少女のローカルコトダマ空間から消えた。永遠に。

 

 

その時である。少女の様子が……あ、あれは……あれはなんだ!?データに不足!

 

 

【サヨナラ!ブルー・ブラック・バード】終わり【ハーゴンベルグ・イン・フレイム】のどっかの話数につづくが、それは次ではない。

 

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