ズドム!!「ぐああぁぁっ!づぅっ!!」粉砕された足元の岩が、飛礫になって腕を撃った。
『おいおい、逃げるなよぉ』と、背後の声は、楽しそうに言う。
そりゃそうだろう。一方的に嬲れる状況で、獲物はだんだんと疲弊して行っているのだから
「くそが!」と、礫石「ぐああぁぁっ!づぅっ!!」粉砕された足元の岩が、飛礫になって腕を撃った。
『おいおい、逃げるなよぉ』と、背後の声は、楽しそうに言う。
そりゃそうだろう。一方的に嬲れる状況で、獲物はだんだんと疲弊して行っているのだから
「くそが!」と、礫の一つを握って投げ返しながら、スマホの誘導に従って足を動かす
投げ返したときに確認したが、追いかけてきているのは、イビルモンだった。
相手の性格は嫌というほどこの数分で思い知らされていて、観察する気も起きない
唯一の可能性のスマホだけは、絶対に手放さずに《再起動》の文字と誘導を信じて駆けずり回る。
「最悪だ」と、走りつつ言葉が漏れる。矢印の向きが変わっている。つまり、目的地から通り過ぎた。あるいは
「目的のもんも動いてるのか」と、考えてから、周囲に目をやった。
自分以外に動くものが見えた気がして
「アレか!」祈るようにしながら、背後からの攻撃(というより、周囲の岩を狙った意地の悪い飛礫攻撃)から逃れるように、足を動かす。
そうして十数秒もすれば「アグモン!!」「さっきの人間!!」真正面から駆けてくるオオトカゲに呼び掛けて、運よく合流できた、と思った。
『もう逃げられないな?』と、アグモンの背後のイビルモン達を見て、苦く思いながら
直ぐにイビルモンがアグモンと自分を挟み撃ちの状態にして、アグモンを追っていたイビルモンたちがじわじわと包囲を広め始めた
「ほんとに最悪だな」と、アグモンに背を預けつつ吐き捨てれば
「こっちのセリフ!!」とアグモンから言い返された。
まぁそうだろう、お互い敵を引き込んだのだし、
言い訳せずに思考を回す。どうすれば勝てる?どうすればこいつらと戦える?
じりじりと包囲が完成しつつある中、冷や汗が滴る
「おい人間」と、アグモンが密かに声をかけてきた
「オレが一瞬包囲網に穴をあける。そのうちに逃げろ」と言われて、少し驚いた。
「お前・・・他人が嫌いなんじゃないんだな」あの拒絶から、他者嫌いかと思っていたが違うらしい。
直ぐに理解した。こいつはストイックなのだ。自分自身を高みへ押し上げるのに、他者の力を借りない事を課して、独力で道を究めんとする者なのだ
《再起動》
ヴー、とスマホが震える
「いや、俺も戦う」そう、自分に言い聞かせるように言ってから、そこらの石を拾いつつ、構える
「な、なに言ってるんだよ」と、アグモンが戸惑った声で言う
「分かってるだろ」その言葉の意味に、頷く
そうだ、確実に勝てない。アグモン自身も理解しているんだろう
でも、それでも「戦わなきゃ、強くなれない」スマホをポケットにしまい込みつつ、言う。
もう縋る時間は終わりだ。イビルモン達も、包囲を終えて、にやにやと笑みを浮かべてカウントダウンまでしそうな気配だ
「俺は、強くなりたい」ぎゅぅ、と、武器にしようと思っている石を握りしめる
「俺は、もっと力が欲しい」俺の言葉に、アグモンが頷いた
「オレも、また進化する。まだまだ、進化して、強くなる」そう応えるアグモンに、
「なら、覚悟は良いな」と、声をかけて、
『ナイトメアショック!!!!』全方位からの超音波が襲い掛かってきた