FATE/IN THE DARK FOREST 作:shellfish
針の筵という表現がある。
一時も心休まらない辛い心境を表す言葉だ。
しかし、今の俺にはそんな言葉は生温い。
例えるならば、鉄の処女にでもかけられている気持ち。
だって、三人の魔術師から殺気をこめた視線で睨まれているのだ。
なんでさ?
episode23 魔女達の宴
「一体どこに行ってたんですか、先輩♪」
遠坂邸の門をくぐって、一番最初にかけられた言葉がこれだ。
玄関にて仁王立ちする桜。
声こそにこやかに響いたが、がっちり組まれた腕と、『へ』の字に曲げられた唇、硬質な瞳の輝きは、見紛うことなくこう言っている。
『私、怒ってます』、と。
「いや、その、実は家に帰ってたんだ。着替えとか持ってこなきゃいけなかったし」
「そんなの、アーチャーさんにでも任せればいいでしょ!」
その一言で、この家の中にヒエラルキーのどの辺にアーチャがいるのかがよくわかる。哀れ、とは言うまい。
「大体、先輩は今体調が……って、あれ?ずいぶん顔色がよくなってますね。どれどれ」
桜は片手を俺の額に当てて、もう片方の手を自分の額に当てた。
ひんやりとした感触が、代羽の額を思い出させる。なんとなく気恥ずかしい。
「ふむ、ずいぶん熱が下がってますね。何かお薬でも飲みましたか?」
さも不思議、というふうに首をかしげる彼女。少しコミカルな仕草がひどく愛らしい。
「ああ、実は……」
『代羽に薬をもらったんだ』、そう言おうとして、緊急ブレーキ。
桜はとんでもなく勘がいい。ここで代羽の話をしたら、きっと一から十まで話さなければならなくなる。と、いうことは、代羽から受けた精神的陵辱のことまで話さなければならなくなる可能性が濃厚だ。
それはまずい。なんだかきっと、とんでもなくまずい気がする。
「……実は、家にとってもよく効く風邪薬があってね、それを飲んだんだ」
嘘は言っていない。あの薬は、代羽が俺の家に持ってきてた物なんだから、『家にあった』、そう言っても語弊はないはずだ。
こういう時に上手に嘘を吐くコツは、真実を嘘の中に混ぜ込むことだ。それによって罪悪感が減るし、なにより下手なボロが出にくくなる。
藤ねえなんかからは『嘘を言っても、自分からばらしちゃう』とか言われる俺だが、それなりの処世術は身に着けている。
あまり嘘はつきたくないが、これは仕方が無い。ただでさえ桜には強烈な弱みを握られているのだ。これ以上立場を弱くすれば、冗談抜きで頭が上がらなくなってしまう。
「むー、そうですか。なんか騙されてる気がしますけど。とりあえず、こんなことは今回だけにして下さいね。姉さんも、セイバーさんも心配してたんですから」
「ああ、ごめんな、桜。みんなにも謝っとくよ」
ぱたぱたと、遠ざかる桜の背中を見ながら、ほんの少しだけ罪悪感。
すると、桜が笑顔を浮かべて振り返った。
「おかえりなさい、先輩」
『おかえりなさい』。
『いらっしゃい』、じゃなくて『おかえりなさい』。
なら、返す言葉も決まっている。
精一杯の感謝を込めよう。
「ああ、ただいま、桜」
◇
とりあえず、自分に割り当てられた部屋に荷物を置いてから、映画のセットみたいな家具の揃った例の居間に向かった。
そこにあったのは、薫り高く淹れられた紅茶の香りと、黄金色に輝く西日に照らされた色とりどりの頭髪、そして、射抜くように俺を睨みつける二組の視線。
「あら、衛宮君、ずいぶんと遅いお帰りね。桜には午前中に学校を出た、そう聞いてたんだけど」
既に治療が終わっているのか、頬の湿布以外はいつも通りの格好に戻った凛が、百点満点の笑顔で言う。
「リン、そういうことは言うものではありません。きっと賢明なる我がマスターのこと、これからの戦いに備えた深慮遠謀あってのことに違いありませんから」
黄金色の斜陽の光の中、なお一層輝く金砂の髪を持った剣の英霊が、これまた百点満点の笑顔を浮かべて言う。
うふふ、あはは、と笑みを浮かべる二人だが、こめかみの辺りがひくついてるのと、背後に猛獣が如きオーラを背負っているのはご愛嬌だろうか。
ちなみに凛が背負った猛獣は豹で、セイバーのそれは鬣も雄雄しい獅子だ。
「う、あ」
思考よりも先に身体が反応した。
まずい。くわれる。
逃亡ではなく転進。
退却ではなく戦略的撤退。
逃げよう、全ては時が解決してくれる――!
くるりと身体を翻し、一目散に玄関へ!
「うふふ、どこに行くんですか、先輩」
しかし、まわりこまれた!
だいまおうからはにげられない!
「うふふ、どこに行く気かしら、衛宮君?」
「くす、シロウ、敵前逃亡は死罪だ、それくらいは知っているでしょう?」
背後からは寒気のする声が響く。
まさしく前門の虎、後門の狼――!
逃げ場は無い、ならば――!
「すみませんでした、もうしません」
フローリングの床に額を擦り付けて許しを請う。
これぞ敗北のベストオブベスト、土下座!
もっとも、その上には『土下寝』というものがあるが、わかってくれる人以外には火に油を注ぐ羽目になるので素人にはお勧めできない。
俺の命の手綱を握った二人の女傑は、ソファーに鎮座して、俺を見下ろしながら、心底嬉しそうにこう言った。
「私から一本とるまでエンドレス組み手」
「強化連続成功百回」
つまりワタクシメに死ねとおっしゃいますか。
どうやら、らぶりーさーヴぁんとさまとあかいあくまさまは、にこやかに死刑を言い渡されたようです。
「あの、姉さんもセイバーさんも、それくらいにしてあげたら……先輩も反省してますし……」
桜が、あの桜が冷や汗を流しながら仲裁してくれている。
どうやら、俺が現在置かれている状況は非常に不味いものらしい。
津波のように危機感が押し寄せてくる。
ああ、俺の聖杯戦争はここで終わりか……。親父、今からそっちに行くよ……代羽に限らず、やっぱり女の子は怒らすととても危険だった……。
「はぁ、今回限りよ、士郎」
「なっ、リン、この程度で許すのですか?夕食までは散々甚振る、そう言っていたあなたはどこに!」
凛、お前そんな不吉なことを言ってたのか。
「仕方ないでしょ、セイバー。私達にはするべきことが山ほどあるんだから、ここで士郎をからかって遊んでる暇はないわ」
私、一応は死も覚悟したんですけど、遊びですか、さいですか。
「士郎、でもこういうことは本当に今回限りにしてよ。
予定外の行動を取るなら、せめて電話の一本でも入れること。念話ができないのはあなただけなんだから、私達から安全の確認のしようがないの。心配させないで」
「う、ごめん、本当に悪かった。もうしない、約束するよ」
真剣な、それでいて困ったような表情で諭されると、下手な怒声よりも堪える。
「うん、じゃあこの話はこれでお終い。さ、それじゃ始めよっか」
軽く身体を伸ばしながら、凛が言う。
「始める?何を?」
「決まってるでしょ、あなたの魔術の修行。学校から帰ってきたら始める、そう言ってなかった?」
あ。
そういえば、そんなことを言ってたような言ってなかったような……。
「衛宮君?」
「も、もちろん覚えてたよ!いやぁ、楽しみだなぁ!」
冷や汗を掻きながら、強引に会話を打ち切る。
ため息を吐いた凛の背中を追って、彼女の部屋に。
しっかりとした魔術の講義を受けるのはこれが初めて。
見放されないように、なんとか頑張らないと。
◇
「はあ……」
これで何回目だろうか、桜の可憐な口からため息が漏れるのは。
視線は彼女の姉の部屋の方向に。
指は絶えずテーブルを叩いている。
「そんなにあの二人のことが気になるの?」
「な、何言ってるのかしら、キャスターさん!」
弾かれたように顔をこちらに向ける桜。あまりにも微笑ましくて、つい苛めたくなってしまう。
「そんなに気になるなら、一緒に指導したらいいのに」
思わず漏れたクスクスという私の笑い声に、桜は顔を真っ赤にした。
「そんなんじゃあ……ないから……」
消え入りそうな彼女の声。
私が無くしてしまった、きっと大切なもの。
「だって、私、もう汚れてるから……きっと先輩に相応しくない……」
俯いて、一押しで崩れてしまいそうな程儚い笑みを浮かべる彼女。
「そうね、きっと相応しくないわ。
あなたが処女じゃないから、それを汚れていると考える。
あの坊やがそんなにつまらない男なら、そんな男、桜に相応しくない。
ねえ、桜。あなたが惚れたのは、そんなにつまらない男なの?」
「それとこれとは…話が違うわ……」
「いいえ、違わない。
要はあなたの意識の問題よ。
あなたが自分を汚れてるって思うのは勝手だけど、この場合、きっとそれを判断するのはあなたじゃなくてあの坊や。そして、彼はそんなこと思わないと思うけど」
「……」
桜は黙ってしまった。
きっと私が言ったことくらい、彼女だってわかっている。
それでも、人の理性というものは数学や魔術ほど割り切れるものではない。
きっとお節介に違いないだろう、それでも口を開きかけた私の耳に、とんでもない轟音が飛び込んできた。
「ふざけんな、このへっぽこが――!」
――。
えっと、この声はあのお嬢ちゃんの声よね。
あの子、こんなキャラだったかしら?
そんな私の疑問を他所に、ズンズン、と明らかに不機嫌な足音が近づいてくる。
バン、と力任せに開けられたドア。
そこにいたのは、今まさに縄張り争いの真っ最中だ文句あるかこんにゃろめ、てな顔をした桜の姉。
「ど、どうかしましたか、リン」
ふーっ、ふーっ、と、盛りのついた猫みたいに息を荒げて彼女はこう言った。
「ごめん、セイバー、私、あいつの指導、降りるわ」
「な、なぜ、でしょうか?」
音に聞こえた剣の英霊も、心なしか腰が引けている。
「なぜ、ですって?」
あ、きれた。
「あいつ!自分が使えるのは強化の魔術だけだとか言っといて!その初歩の初歩!、私なら四歳の時に出来たガラスの強化も出来ないのよ!そんなの!要するに何にも出来ないってことと一緒じゃない!あいつにまともな魔術覚えさせるくらいなら!年明け三年生偏差値30台の奴に東大合格させる方がなんぼか可能性があるわよ!ていうか!セイバー!あなた、私の召喚に応じないであんなへっぽこ大王に呼ばれるなんて!一体全体どんな了見よ!返答しだいでは即殴ッ血KILLわよ!」
セイバーの服の襟を握り締めながら、前後に激しく揺さぶるお嬢ちゃん。声が心なしか涙声になっているのは気のせいだろうか。
「はあ、仕方ないわね、桜」
「え、は、はい!」
自らの姉の、あまりの狂態に茫然自失していた桜は、私の呼びかけに意識を取り戻した。
「あのお嬢ちゃんが匙を投げたんだもの、私たちが教えるのは仕方の無いことよね、あの坊やのためにも」
軽くウインクしてやると、桜は弾かれたように立ち上がった。
「は、はい!」
聖杯戦争という、血塗られた儀式の最中とは思えないほど日常に塗れた一幕。本来なら忌むべきそれを、私は甘受している。それが、思ったほど嫌ではない。
さて、お嬢ちゃんが匙を投げるほどのだめっぷり。一体どれほどなのかしら。魔術回路が無いとかなら手に負えないけど、そうじゃなければかえって燃える。ちぐはぐなパーツから一つの作品を完成させる、それは困難であればあるほど面白い。
見せてもらいましょうか、坊やのへっぽこっぷりを。
◇
わかっている、今私はとっても不機嫌だ。
だって、アーチャーが淹れてくれた極上の紅茶がそれほど美味しくないんだもの。
「凛、いい加減機嫌を直したまえ。あの男が使い物にならないことくらい、再三私が忠告していたことだろうが」
すっかり冷えてしまった紅茶を新しいものに淹れなおしながら、私の忠実な給仕が話しかけてくる。
「わかってるわよ、そんなこと。今私が怒ってるのは全く別のこと」
テーブルに肘を突いて、顎を手首に乗せる。
「なるほど、差し詰め、奴の無能っぷりを予想しながらもあまりの酷さに我慢の限界を超えてしまった自分の短気さに嫌気が差した、そんなところかな?」
背中から響く余裕たっぷりの声が、ただでさえささくれ立った私の神経を逆撫でする。
文句の一つでも言ってやろう、そう言って振り返った私の目に映ったのは、満面の笑みを浮かべたアーチャー。こいつ、何がそんなに嬉しいのか。私の毒気はすっかり抜かれてしまった。
「……なにわらってんのよ」
「おっと、これは失礼した。決して先ほどの君の狂態を思い出して笑っているわけではないぞ」
……我慢我慢。
こんな言葉にいちいち目くじら立ててたら、こいつと付き合っていくなんて不可能に近い。無視を決め込むのが何よりだ。
「率直な自己批判は即ち成長に繋がる。
失敗を糧にする、ありきたりな言葉ではあるが、それを実行するのは困難を極める。私のマスターが、それが可能な人間だとわかって素直に嬉しいのだよ」
……はぁ、こいつと付き合うとホント疲れるわ。散々落としてから持ち上げるなっての。どんな顔で答えたらいいかわからないじゃない。
「アーチャ……」
「ふざけてんの、このへっぽこが――!」
――。
……とりあえずカップを落っことさなかったことだけでも、今の私は賞賛に値するはずだ。
「……ねえ、アーチャー。私の勘違いかもしれないけど、今のってキャスターの声よね」
「……ああ、凛。私もひょっとしたら勘違いかもしれないが、今の声はおそらく神代の大魔術師のものに聞こえような気がしたな」
そんな私達の葛藤を他所に、ズンズン、と明らかに不機嫌な足音が近づいてくる。
バン、と力任せに開けられたドア。
そこにいたのは、今まさに縄張り争いの真っ最中だ文句あるかこの駄犬が、てな顔をした桜とキャスター。
「ど、どうかしましたか、サクラ、キャスター」
神代の大魔術師は、肩をわなわなと震わせてこう言った。
「ごめんなさい、セイバー、私、あの坊やの指導、降りさせてもらうわ」
「ええ、私も。これ以上、先輩には、ついていけない」
「な、なぜ、でしょうか?」
音に聞こえた剣の英霊も、心なしか腰が引けている。
「なぜ、ですって?」
あ、きれた。
っていうか、このやりとり、どっかで見たわね。
「これを見なさい、セイバー!あの坊や!これを投影だって言ったのよ!投影よ、投影!しかも!あの子の家の土蔵には!何年間も実在し続けてる投影品がごろごろしてるって言うし!しかも!これが強化の片手間だっていうし!そんな投影、聞いたことも無い!ああ、衝動的にあの子をホルマリン漬けにしなかっただけでも!今の私は賞賛に値するわ!」
彼女の手から無造作に零れ落ちたのは一本のナイフ。
からりと床に転がったそれは、顕在化してから既に数分は経過しているだろうに、今だ何の綻びも見せないまま存在し続けている。
通常の投影ならばもって数十秒、下手をすれば顕在化した瞬間に、世界の修正力に負けて霧散するはずなのに。
要するに、これは異常だ。投影が異常なのか、それとも彼の魔術そのものが異常なのかは定かでないが、あまりに異質すぎる。
投影であって投影でない魔術。
戦慄に似た寒気が私の背骨を走りぬけた。
「あの、なんていうか、その、ごめんなさい……」
さも申し訳なさそうに現れたへっぽこ、いや、へっぽこ大王。私の目を見ると、何かにぶん殴られたみたいに後ろに倒れた。
「と……おさ……か……」
ぱくぱくと、金魚みたいに口を動かす士郎。その様はいたって滑稽だが、今の私にはそれを笑う余裕は無い。
「ああ、御免なさい、衛宮君。今、本気で貴方に殺意を覚えたわ」
うふふ、この馬鹿、どうしてやろうかしら。
投影であって投影で無い魔術。
世界の侵食を受けない模造品、いや、世界すら騙しとおす模造品。
それは、とりもなおさず真作だ。
真作を、無限に生み出すことが出来る、ならばそれは魔法の域にあるのではないか。
いいじゃないか、へっぽこの分際で、なーんとなくこの私を凌駕するか。
この怒り、どうしてくれよう。これはこの世に存在する全ての魔術師の怒りだ。
脳髄はホルマリン漬けに。
脊髄は引きずり出して、投影専用の魔杖に。
神経と一体化した魔術回路、これも研究の余地がある。
肉は魔術の触媒だろうか。
なんだ、この男、思ったより利用価値が高いじゃあないか。
くすくすくすくす……。
「ね、姉さん、限りなく邪悪な笑みが……」
桜の声が聞こえた気がしたが、多分気のせいだ。
「……脳はホルマリン……脊髄は杖に……」
キャスターがぶつぶつ何か言ってる。
どうやら大体同じことを考えているらしい。駄目よ、キャスター、こいつは私のものなんだから。
「冗談はそれくらいにしておけ、凛。そこの男、下手すればストレスで死ぬぞ」
背後から呆れたような声が聞こえた。
「それとも、まさか本気か?
別に構わないが、結界の解呪もままならぬのに、そこの騎士と戦うのは聊か私も気が重い」
ちらりと横を見ると、さすがに不機嫌そうにこちらを見るセイバーがいた。
そういえば、この子の存在を忘れていたわね。
ちぇっ、と心の中で舌打ち一つ。
「ふん、冗談よ、冗談。
でも、これで分かったわ、士郎。あなたの魔術の本質は投影よ。少なくとも、強化や変化なんかよりはそちらの方が近い場所にあるわ。今からは投影の修行を中心に行いなさい」
実は結構残念に思いながらも、話を建設的な方向に持っていく。
私は見た事が無いから知らないのだが、桜によると、彼は弓が達者らしい。
弓矢は、古来より破魔の呪具としての性格が強い。もちろん、サーヴァント相手にそれが通用するとは思えないが、対マスターに限定するならかなり有効な武具になる。
そして、矢を投影で用意することが出来れば、弾切れの心配が無い。もちろん、魔力切れの心配が出てくるが、全ての魔術回路が覚醒して以来、彼の魔力精製量は中々のもの、そう簡単にガス欠は起こさないだろう。
「あ、ああ、わかった、ありがとう、凛」
蒼白な顔色で、それでも立ち上がった士郎。
ふん、情けないわね、あれくらいのプレッシャーで参るなんて、やっぱりまだまだへっぽこだ。
「さ、とりあえずあなたの魔術の特性はわかったわ。あとは属性ね。計測用の魔具もこの家なら事欠かないし、今から始めましょう」
士郎を伴って地下へ降りる。
彼の隣には、少し剣呑な空気を漂わせる剣の英霊。
失礼な、私が彼を襲うとでも思っているんだろうか。
ああ、でも、さっきのアイデア、惜しいなあ。