魔法少女まどか☆マギカ ~全てを開きし者は英雄となる~ 作:ぼけなす
所謂、始まりの物語。
彼は何かを学び、苦しみ、そして救おうと躍起になった未熟で青い少年だった頃のお話だよ。
もし、彼の未来のお話を知りたいなら憂鬱な日々を見てね」byまどか
ではどうぞ!
「プロローグってこんな感じだっけ?」byまどか
知らんがな。
プロローグ 始まり始まり~
鹿目まどかは夢を見ていた。中世ヨーロッパをモデルとした町並みだった見滝原市がある怪物によって廃墟に変えられていた。
逆さまの女性がドレスを着たその怪物に立ち向かう少女がいた。黒髪でクールビューティという言葉が似合うロングストレートの少女だ。
華奢な身体にも関わらず彼女は大人顔負けの力持ちなのか、重火器をなんの苦もなく撃っていた。
彼女は強い。それは見るからでもわかることだ。
しかし怪物はそんな彼女より強い。理不尽の権化なのだ。
非常識とも言える理由に黒髪の少女に怪物が飛ばしてきたビルが激突した。普通の人間ならプチんと肉塊と変える一撃だが彼女は瀕死になっただけで生きていた。
鹿目まどかは考える。
どうすれば彼女を助けられるのか?
どうすれば彼女を救えるのか?
こんな状況で見ず知らずの少女を助けようとすることは本来考えることではないが、優しい彼女は救済を考える。
すると猫とウサギを合わせた生き物が彼女に話しかける。どうやらまどかにはある素質があり、それを使えば黒髪の少女を救えるのだと。
「お願い■■■■ぇ! 私と契約し――」
「みきゃァァァァァ!?」
彼女の決意を遮るように誰かが空から降ってきた。その正体は一人の少年だ。
黒髪の短い髪で自分よりやや年下。何より気になったのは青空のような綺麗な瞳だ。
鹿目まどかがその少年に話しかけようと思ったが最初に口に出したのは少年だった。
「白雪姫のヤツ……別れの挨拶がシャイニングウィザードとはどういうことだァァァァァ!!」
「ふぇェェェェェ!?」
白雪姫がシャイニングウィザードとは何そのシュール光景である。
まさか一人の可憐で美しいお姫様と童話で描かれてる白雪姫がこの少年に別れの挨拶にシャイニングウィザードという変わったお別れしたらしい。
鹿目まどかの白雪姫のイメージが今ので瓦解しアグレッシブなお姫様が誕生した。
「ん? ここはどこだ。てか、最ッ初からクライマックス!? まさかのラスボス戦かよぉ……」
マジやってらんねーわと呟いて顔に手を当てるこの少年に鹿目まどかは我慢できずに聞いた。
「あ、あなたは誰ッ? どこから来たの!」
「え、空から」
「答えちゃった! 当たってほしくなかったことを答えちゃった!」
「うるさいなピンク女。お前どうせ淫乱なんだろー。黙って腰振ってろ」
「い、いい淫乱じゃないもん! 失礼だね君!」
「え、そうなの? ピンクの女の子って淫乱だからよく腰振ってるって師匠が言ってたけど。あとなんで腰を振るのかがわからない? オレの推測はエクササイズ」
「騙されてるから! あと腰も振らないから! エクササイズじゃないから!」
「なんだと!? つまりピンクの髪は桃からエネルギーを蓄えるってのも師匠の嘘か!」
「どんなソーラービーム!? わけがわからないよ!」
「それ、僕のセリフだけど……」
哀れ。ナマモノのセリフがまどかによってとられてしまった。
別に気にしないけど。
「ところでお前は何をやってるの?」
「えっと、これから■■■べ■と契約して■■■■になるところだけど」
「やめとけって上手いお話には裏があるって隣の関口くんが言ってたぞ」
「誰その人! もういいよッ。キ■■■■、早く契約して!」
願いを口に出し、そして光が広がる。
少年は「おー、スゲー」と感心していた。
――――そしてそこで鹿目まどかの夢は終わった。
☆☆☆
さて鹿目まどかに絡んだ来訪者である少年は彼女のなれの果てとなった黒い物体を見ていた。
彼には理解不能な存在だが本能的にもヤバいモノだとわかった。
「なあ、ナマモノ。あれなんだ?」
「僕は■■ウ■■だよ。君の名前は?」
「あー、――――って言うんだ。まあ名前は放っておいて。なんか、あのピンクから出てきた怪物はなんだ? しかもピンクが動かないんだけど」
「あれは鹿目まどかだったモノ――――魔女さ。僕達の目的は魔女から発生する感情エネルギーの収集。なんのためと言われたら宇宙の延命のためさ」
「ふーん。で、あれはどうするの?」
「それはここに住むモノ達の問題さ。僕達の管轄外だから何もしないよ」
「原発でできた廃棄物は責任もって処分しろよ」
迷惑な話だ。彼らの目的のためにまどかは犠牲になり、世界を滅ぼす魔女が生まれた。
少年にとって胸くそ悪いことだが今は気にすることではない。彼にとって重要なことはこれからすることだ。
「戦うつもりかい? やめといた方がいいよ。あの魔女は最強にして最凶の存在。ただの人間の君には勝てない代物だよ」
「ただの人間なら、な!」
少年が使ったのは召喚術という魔法だ。別次元から何かを喚び出すモノだがこの召喚術で喚べるモノは他にもある。
少年の魂と呼べる武器――――神器である。
「来い、『全てを開く者』!」
出てきた神器はカギがそのまま黒い剣となった武器だ。刃があり、鍔には紅い宝玉のある変わった剣である。
「ところでそこの黒髪はどうするつもりだ?」
少年の後ろには先程怪物と戦っていた少女が顔を俯かせていた。
少女の目的はまどかを魔女にさせないことだった。しかしその願いは皮肉にも自分を助けるためになってしまった。
とは言え彼女はまだ次がある。なぜならここから時間を遡る力がこの少女にはあるのだから。
「ここは私の戦場じゃない」
「んじゃ、オレがあいつを倒していいのか?」
「構わないわ。私は鹿目まどかを魔女しないために戦ってきたのだから」
何を言ってるのだコイツと少年は思っていると少女のいる空間が歪み、彼女が消えた。
転移でもないその力が気になったが少年は気にせず神器を魔女に向ける。
「覚悟しろよ! オレが絶対倒してやる」
少年は駆け出した。少年と魔女の戦いが始まる――――
――――わけなかった。少年は何かに引っ張られて動けないでいた。
「な、なんだぁ!?」
少女がいた空間は未だに歪んでいた。その歪みは少年を吸い込もうとしていたのだ。
「ぬぎぎぎぎ! これからってときィィィィィ!!」
結局少年も少女と同じように遡ってしまった。残されたナマモノは、
「わけがわからないよ」
お馴染みのセリフを吐くのだった。
――――これが彼の始まり
――――英雄になる前の彼のお話
――――神威ソラが『一ノ瀬ソラ』だったときのお話の始まりである
前作の主人公が純粋すぎてどうしてこうなった感になった件……。いやホントヒロインもそうだし、なんでこんな純粋無垢な少年があんな鬼畜で容赦のない人に……。
ちなみにソラは腰を振るという意味を理解してません。知識がないのでわかりません。
まあどうでもいいことですが。
次回、第一話『出会いは折檻から(笑)』
――――ってさっそく原作崩壊からだよ……