魔法少女まどか☆マギカ ~全てを開きし者は英雄となる~ 作:ぼけなす
ソラの無血の死神になるお話です。……ホントなんでこの子に悲劇は訪れるのだろうか。
ではどうぞ!
「それは私が夢見る悪夢。彼の堕ちていく悪夢……」
by暁美ほむら
第二十六話 師を失い彼は理想を捨てる
(ほむらサイド)
私、暁美ほむらは魔法少女である。
魔獣という呪いを撒き散らす化け物を討伐し、ソウルジェムを濁らせ円環の理に導かれる。
そんな決められた運命が定められている。
私の親友である彼女が――――まどかの願いで創られた理だ。魔法少女は本来魔女になる結末を良しとせず、彼女はそう願った。
ここに『抑止の存在』という面倒な輩がいたが、思えば全ては私と彼のために願ったのだろう。
彼は――――ソラは元気だろうか?
私の相棒。私と共に戦ってくれた心優しい少年。
いつか彼に聞いたことがあったことを思い出す。
『ソラ、あなたはもしもう一度常世のような悪と対峙したとき、迷わず引き金をひける?』
『……わからないよ。でもオレは、できれば……』
『できれば、ないのよ。もし常世のような人がいたら迷いなく斬りなさい。でないと……』
『わかってるよ……! でも、オレは怖いんだ。あのときの感触を今でも思い出して……それで……。それにオレはまだヒーロになることを諦めきれない……』
あのとき彼は震えていた。罪悪感と後悔。そして人殺しの感触に対する恐怖。
普通の感覚(?)な彼が犯した罪は嫌でも自覚していた。意地悪な質問を彼にしてしまったわね。
「ふぁ……今日は寝ましょう」
私は夢を見るために目を閉じた。
――――求める夢は彼女がいた時を……
――――みんながいるあの頃の夢を……
☆☆☆
……目を開けるとそこは見慣れぬキャンプ場だった。
え? どこなのここ?
私はベッドで寝ていたはずなのに。
私は看板に触れようとしたが、スゥッと手からすり抜けた。どうやらここは夢の中のようだ。
「ディランさん! 早く、早く!」
「わかってますよ!」
知ってる声に振り向くと青い瞳と黒髪の
――――彼だ。ソラだ!
私は友人の安否を確認できた安心と再び見ることができた少年の笑顔に顔が緩んだ。
うれしいわ。元気な姿を見せてくれて。
ソラが向かっていたところは師の待つテントだ。テントから金髪と金色の瞳を持つ世間で言うカッコいい男性が出てきた。
その青年はフゥと息を吐いて、やって来たソラに拳骨を落とした。
「いでェェェェェ!?」
「お前、俺を餓え殺すつもりか!? どんだけ遠いところに向かってたんだよ!」
「だって師匠のリクエストしていたソーセージなかったから隣国まで行ってきた!」
「ここからどんだけ遠いと思ってるんだよ!?」
「ドコでもドアって超便利! ……知らないところだったからわかんなかったけど」
「駄目じゃん! なら、ソーセージは種類はなんでもいいから、買えばいいじゃん!」
「オレの拘りと信念に反することができない!」
「無駄な信念だなオイ!」
相変わらずボケていくこの少年に師であるこの青年に同情した。どうやら師にも手を焼いてるようだ。
昼食が終わった後で、青年は険しい顔になる。
「ソラ、お前また誰も殺さなかったらしいな」
「…………」
「人殺しを強要するつもりはないが、わかってるのか? いつかそれが返ってくるぞ」
「わかってる……わかってるけど……」
ソラはまだ自分の理想を諦めきれないようね。
そんなソラに青年は呆れて嘆息を吐いた。
「まあお前が決めたことだ。責任はお前にあることを覚えておけよ」
「師匠……」
「じゃあ行くぞ。今日は帝国軍が相手だ」
青年にソラはトコトコとついて行った。話を聞く限り、彼が参加している戦争は神器使い達の戦争だった。
力で支配し、魔族と傭兵ばかりの魔王軍。
民を集めて煽動する王国。
勇者を祭り上げて聖戦と評する教国。
まさしく三つ巴の国の戦いだった。
そしてそれに参加しているのは神器使いだけでなく、一般的な人もいるらしい。
神器使い達は一般的な人から見れば生物兵器。化け物として見られることが多いらしい。
「師匠……またです」
「いい加減に慣れろ。お前がいた世界が単に特別なだけだ。えっと、アケビコブラだっけ?」
「暁美ほむらです」
「そう、ソイツらとその仲間が普通の見解じゃないだけだっての。一般的なヤツらが俺達を化け物と見るのは当たり前だっての」
普通じゃないとはなんて失礼な。とりあえず、私はその青年にベーっと舌を出して馬鹿にしておく。
ふと、振り返り剣呑な目で見られた。え……見えてるの!?
「どうしたのですか師匠?」
「いや……なんか口下手な小娘に馬鹿にされた気が」
口下手って私のことよね!? というかピンポイントで当ててる!?
私は彼の師に戦慄するのだった。
閑話休題
彼とその師、ディランと名乗る男が向かう場所は戦場だった。相手は魔王軍。
傭兵だらけのならず者ばかりと魔族が集まった軍。その中には首輪をつけられた女、子どもがいた。
「師匠……あれって」
「奴隷だな」
「……あれって近くの村人達ですよね?」
ソラは嫌な顔をしていた。どうやら彼が知る者がいるようだ。しかし彼の師は「ああそうだな」と淡白に答えるだけだった。
ソラにとってこの戦いは苦痛でしかない。早く終わってほしいのが、私の願いだ。
そして戦場の火蓋が切って落とされた。怒号と呪詛が周りが支配した。
そんな中で彼は次々と来る敵を斬る――――が殺していない。
ここではそんな甘さが通用しないと私は思う。しかしそれでも彼は
ソラは最後まで殺しはしなかった。生かして返すような形で敵を追い返したのだ。
ソラは息を荒げながら荒野で膝についていた。
「ハァハァ……」
「御苦労です」
「ディラン、さん……敵は?」
「追い返しましたよ。ええ、ホントに」
――――御苦労ですよ
ディランがそう呟いたとき、ソラは吹き飛んだ。彼がソラに向けて魔法を放ったのだ。
「ディランさん? いきなり何を……!」
「ククク、いやぁ……馬鹿なガキですよ。あなたは普段は師といるというのに、今日に限ってたった一人でここにいるなんてね」
ディランが指を鳴らすと召喚陣からならず者達が出てきた。
「こいつらは!」
「あなたに戦線復帰できなくされた傭兵達ですよ。まあ要するにあなたに怨みを持つ者です」
「どういうことだ!」
「まだわかりませんか? このディランが裏切り者だからですよ!」
……いや知らないわよ。てか、あなた裏切り者だったの。
いきなり話が進んで私は呆れていた。まあソラにとって衝撃的なことだったのか、呆然としていたが。
「よぉ、テメーのせいで仕事できなくなったんだぜー?」
「ゲゲゲ、覚悟しやがれ」
まずいわね。今のソラはスタミナ切れを起こしている。間違いなく殺られるわ。
ソラに飛びかかる傭兵達。それを私の隣に雷が起き、傭兵達が吹き飛ばされることでソラは守られた。
「たくっ、何やってんだ」
「師匠!」
「チッ、『閃光のライト』か!」
アンデスは忌々しそうに舌打ちした。師匠の名前はライトと言うのね。にしても『閃光』とは言い得て妙だ。
私の視界では追えないスピードで彼の前に現れたのだから。
「オイ、
「ッ……」
「よく噛み締めておけよ、全く……」
彼は呆れながら傭兵達を蹂躙し始めた。ソラの師匠はすごい。拳で的確に急所を打ち抜き、特殊ナイフで首を切り裂き、そして神器の力と思われる電撃で感電させる。
まさしくあっという間。傭兵達は瞬く間に排除された。
「は……はは、まさかこうもあっさりと」
「さあ後はお前だけだアンデス。いや魔王軍の裏切り者」
「いやはや……さすが閃光――――だが、これならどうです!」
ディランが今度召喚したのは子どもだ。十四歳のソラより四つも離れた少女が現れたのだ。
「チッ、奴隷か。まさか隣の村を奴隷にしたのか?」
「そうですね。まあ便利ですよ。肉奴隷や
ディランは子どもに命じて、ソラに向かってナイフを斬りつけさせた。
「くっ……」
「チッ、それが狙いか!」
どうやらディランの狙いはソラだ。ソラの神器は将来的に言えばかなり脅威だ。だから早いうちに消そうと考えたのだろう。
そのソラが人殺しを忌避してるところを狙って戦わせている。
効率のよい戦略だ。ライトはディランと戦うことになり、彼はソラを気にしながら戦わなければならないし。
何よりソラは人殺しをすることができるはずがないので手加減するしかない。
……卑劣すぎて手に血が出そうだ。
ライトはディランと剣とナイフで数合打ち合い、そしてディランを切り裂いた。
ソラは女の子に恐れを懐いて動きが単調になっていた。
……まさか、ソラ。あなた……!
ソラは重ねているのだ。
生田ミカ。かつてソラが殺人を犯すきっかけを作った少女。
その少女と重ねているのか彼の顔は真っ青だ。
「あァァァァァ!」
「くっ、ぅ……」
ソラの神器が弾かれ、ナイフが迫る。そのナイフは師匠の手で押さえられ、子どもは蹴り飛ばされ、そしてその子どもにライトが投げたナイフが刺さり絶命した。
「はぁ……あ、あぁ……」
「大丈夫かよ?」
「だ、大丈夫です……」
トラウマがフラッシュバックしたせいで足取りが悪い。
ソラはライトの手を握っていた。
「く……やはり簡単にはいきませんか」
ディランは忌々しそうに血を吐きながら呟く。もはや瀕死なのは明らかだった。
「お前の敗けだゲス野郎」
「ええ……そうですね」
素直に敗けを認めていた。ライトとソラはそれで安心していた――――
――――刹那
――――ソラの肩に矢がかすった
「私の敗けですが、第二ラウンドはありますよ? クフフフフフ……」
ディランはそう言って魔法陣の中へと消えていった。
残されたのは負傷したソラとため息をついてるライト、そして二人を囲む傭兵達だった。
「なんかお前が見逃したヤツもいるんだけど」
「…………」
「返事ができないほどに、か。腹を決めろよ?」
ソラとライトは背中から別れるように駆け出した。それは表裏一体だった。
ライトは『殺す』ことを行い。
ソラは『倒す』ことを行う。
まさしく殺人と不殺。そんな裏表な戦い方をしていた。
私が思うにソラの方が危ない気がした。心理面では不安定だし、何よりフラッシュバックで動きと判断が鈍っていた。
だからこそ、後ろから迫る攻撃に気づかず斬られた。
そして正面から迫る斬撃があった。
すぐさま飛び下がろうとしたが、ソラが倒したと思われる傭兵達が彼の足を掴んで彼の動きを止めていた。
「死ねェェェェェ!!」
ソラは思わず目を閉じた。
そして彼の顔にナニカがかかる。このとき私はまたライトが彼を守って返り血をソラ共々浴びると思っていた。
――――しかし違った
――――ライトはソラが受けるはずだった斬撃を、代わりに受けた
私は目を開いて唖然とした。それは周りも同じだ。ライトはその隙をついて、周りを弾き飛ばす電撃と魔法の結界を作り出した。
「ぐふ……」
「し、師匠……?」
ソラは信じられない顔をしていた。師匠が自分を守って致命傷を受けた。身体からドクドクと流れる血が痛々しい。
ソラはすぐに回復の魔法をかけようとしていたが、ライトはそれを制した。
「なんで……どうして!」
「猛毒の概念がある神器なんだよあの剣は。だからどんなに回復をかけようが、解毒しようが俺の中に入った毒はあの神器使いが死なない限り消えない」
「な、ならオレが……!」
「殺すのか? できるのか?」
「ッ……」
それは覚悟が必要がある。
もう一度彼に人殺しをしろというのは酷だ。もし彼がそれを行えば確実に心が壊れる。
「もういいんだ……これで」
「師匠、何を言って……」
「俺はな……幼馴染みを化け物にしてしまった罪悪感からあの変態と一緒にいるんだ……。知らないだろ? アイツってホントは明るく天真爛漫な女の子だったんだぞ……?」
「だから、何を言ってるのですか!」
ライトが漏らしたのは恐らく……。私はこの身が見ていることしかできない自分が怨めしかった。
そしてライトは言う。
「ソラ、俺はもう……駄目だ。だからお前に俺の神器を託す」
「なんでそうなるのですか! あんたが死ぬなんておかしいだろ!? オレのせいで、オレのせいであんたが死ぬのはおかしいだろ!」
「ソラ……」
「大丈夫! オレは……人をもう一度殺せる。きっと、きっとだから! だから……だから!」
「もう、いいんだソラ……」
ライトが語ったのはかつての過去。
幼馴染みを化け物にしてしまったこと。
彼女を守るために殺人を犯したこと。
振り回されてばかりの人生だったが悪くなかった。しかし、彼は病に犯されていた。
幼馴染みは『抑止の存在』に目をつけていた。そして反抗し、好き勝手行う彼女を苦しませるために考えたのか今度はライトに目をつけて病に犯したのだ。
「……俺はもう最初から死が決まっていたんだ。だから今回の戦いでお前に全てを教えるつもりだった。まあ結局お前は俺の技術を受け入れなかったけどな。ガハッ、ゴホゴホ!」
「師匠!」
「ああ……エール。ごめんな……俺が何もしなかったばかりに……俺はお前を……――――」
それを最後に師匠は息を引き取った。ソラはそんな師匠に呼び掛けるが、彼はもう動かない。
ソラは泣いていた。自分が師匠を死なせてしまった。自分がしてきたことが返ってきた。
悪いとは言えない。しかし良いとは言えない中途半端な偽善によって彼は失った。
「こいつはラッキーだ! あの閃光を討ち取れた!」
「しかもガキを守って死ぬなんてバカにもほどがあるぜ!」
彼が救おうとしていた者達はゲラゲラと笑う。
これが報いなのか?
これが彼が行ってきたことの答えなのか?
私は否定された彼を見てそう思った。そして――――見てしまった。
その嘲笑を聞いた彼の顔を……憎悪に染まり、怒りで顔を歪ませた修羅の顔を。
福神常世が生田ミカを殺したときに見せた顔を。
「……殺してやる! みんなみんな殺してやるゥゥゥゥゥ!!」
「はん、殺れるモノならやって――――」
言い返そうとした男がソラに斬られて殺された。返り血はなく、魂を切り離された人形へと成り変わった。
「間違っていたんだ……! お前らを生きることを許したらいけなかったんだ……!」
自分がしてきたことを否定する。
自分がしてきたことに間違いだと断言した。
そして彼は間違いを犯したことを取り戻すかのように言った。
「敵は、皆殺しだァァァァァァ!!」
そこから始まったのは蹂躙だった。ライトに教えられた技術――――殺人に特化した技術が使われた。
拳で内臓を破壊し、神器で魂を切り離す。
まさしく修羅如くの強さ。
今まで見たことなかったソラがそこにいた。
「ひ、ひぃ……どうかおたす」
「黙れ黙れ黙れ黙れェェェェェ! あァァァァァ!!」
毒の神器使いが頭から一閃された。命乞いや逃げ出す者がいたのにも関わらず彼は殺すことをやめなかった。
私はそれを見ていられず目をつぶった。
悲鳴や断末魔が止んだとき、そこにいたのは――――
――――血を一滴も流さず、残されたのは――――魂を失った人形と師を失って泣く一人の子どものみだった
☆☆☆
「は……! はっハァハァ……」
目が覚めた私は気分が良くなかった。私が見ていた夢は――――思い出せない。
いったい何を見ていたのだろうか?
私はソウルジェムが反応したので、魔獣退治に足を運ぶ。
「暁美さん大丈夫?」
「オイオイ、具合悪そうだぞ?」
「……大丈夫よ。平気だから」
先着していた巴マミと佐倉杏子は心配そうにしていたが、私は無理な笑顔をつくって魔獣の元へ足を運ぶ。
見ていた夢がなんだったのか覚えていない。けど、嫌な夢だと思う。誰かが変わってしまったそんな予感が……。
「巴さん……」
「何かしら?」
「ソラは変わらないよね? あの子は変わらないままだよね?」
ふと私は巴マミに聞いた。なぜ自分がこんなことを聞いたのかわからない。けれど、私は巴マミに聞きたかった。
あの子が変わるはずなんてないって思いたかった。
「変わらないわよあの子は」
断言した。その理由を聞くと彼女はクスリと笑った。
「だってあの子はあの子だもの。たとえ変わったとしてもソラくんはソラくんだもの。私達が受け入れてあげないとあの子は孤独なままよ」
「ま、アイツがそう簡単に変わるはずがねーもんな」
それは愚問だった。彼がそう簡単に変わるはずがない。
そう彼は大馬鹿者だ。知らない誰かを助けようと躍起になるヒーローだ。
「ソラ……無事でいて」
私は戦場にいる彼の無事を祈る。
(??サイド)
一人の少年が倒れた屍の群れの中を歩いていた。その屍には切り傷や噴き出した血はなく、無傷のままの物言わぬ魂無き人形だ。
それを実行したのは歩いている彼の仕業だ。彼は虚ろな目をしたまま、最後に残った敵を抹殺しようとカギのような剣――――神器を向ける。
敵は彼より四つも歳上の少女だった。彼女の首には奴隷の証である首輪がはめられており、主人はこの少年に殺された。
自由だ。今なら逃げられる――――そんな希望を否定するかのように少年は彼女を逃がすつもりがないと言わんばかりに神器を向けていた。
「み、見逃してください! 私には弟が、弟が待っているんです」
なんとしても生き残りたい。故郷に残った弟が待っている。この身は奴隷だけど弟を残しては死ねない。
頭を下げていた少女が頭を上げた。そして見た。
少年の目には自分など映っていない。いや映ってはいるが、彼が見る目はゴミを排除したいという冷たい眼差し。
強者が弱者を蹂躙したいという目ではなく、『敵』だからという理由で誰だろうと平等に人を殺せるそんな目だった。
少女はそこで生きることを諦めた。そして少年の剣が彼女を魂無き人形へと変えた。
「…………くだらない」
「くだらないって……お前またかよ!」
少年の仲間である三十路に近い男が言った。ラフな格好で身体が整っており、中年に近づいているにも関わらず肉体は青年と変わらない。
そんな彼がこの少年を非難した。
「お前命乞いをしているヤツを捕虜ぐらいにしようと思わないのか?」
「しない。敵は皆殺しだ。故郷がどうとか言われたのはこれで百を越えている。いい加減にうんざりだ」
それに、と少年は続ける。
「どのみちこの女の故郷も滅ぼすだろ。敵の本拠地あるし。違うか?」
「お前……」
「いくぞアルス。帰還したら休むぞ」
少年はそう言って自軍の陣地へ足を運ばせた。残された少女の遺体をアルスは燃やして呟く。
「ソラ……お前は何を目指して敵を殺すんだ?」
変わり果てた純粋だった少年を見て、アルスはそう呟いた。天気は降り始めた雨。晴れやかではない空がソラを濡らしていくのだった。
――――少年は何もかも遅すぎた。だから取り戻そうとするかのように、師のように情けを捨てる
――――これが後の無血の死神
――――彼が変わってから一ヶ月が経過した出来事だ
ソラがァァァァァ純粋なソラがレイプ目にィィィィィ!?
はい、というわけで連続投稿させてもらいました。
ほむらの夢見視点からのソラの理想を捨てるお話。
彼は何もかもが遅すぎたのですよね。もし、毒の神器使いを殺す決意をしていたら師匠は助かっていたかもしれない。彼は何もかも間違っていたとやっと気づいて絶望しました。
ちなみに本文にはありませんが、これが第四の悲劇になりますね。
後にこれが恐れられる『無血の死神』の誕生です。
次回はソラの容赦の無さが書かれてます。なんというかお前ホントに血も涙もないことをします。
次回、『だから、何?』
――――大切な者を亡くした少年にとって大事なのは敵か味方。ゆえにどんな理由で裏切ろうが、牙を向けるならば関係ない……ただ皆殺しにするだけ