魔法少女まどか☆マギカ ~全てを開きし者は英雄となる~ 作:ぼけなす
ではどうぞ!
「どんな理由があろうとオレを邪魔するなら裏切り者は死ね」
byソラ
(ソラサイド)
師匠を失い、オレに写る視界はモノクロだった。
何も色がない……。何も感じられない……。
葬儀のときに師匠の知り合いがオレに食ってかかった。
熱血漢溢れる男で師匠の死を本気で悲しみ、オレに対して非難していた。
そんな彼をオレは――――
――――半殺しにした
どうしてだって? 邪魔だから。
今度はその奥さんが何か言ってきた。師匠の仲間だった人で酒場で働くズボラだが親しみやすい女性だ。
そんな人をオレは――――
――――「黙れ」と言って蹴り飛ばした
どうしてだって? ギャーギャーうるさいから。
今度は師匠の自称ライバルがオレに掴みかかろうとしてきた。何度も師匠と挑み、そして負けてばかりなキザな男だ。そんな彼をオレは――――
――――完膚無きまでにして殺した
どうしてだって? 知り合いでもなんでもないから。
はっきり言って師匠の人間関係=オレの人間関係ではない。師匠には師匠の繋がりがあり、オレにはオレの繋がりがある。
だから食ってかかるヤツや批難してくるヤツらは邪魔者だ。
知り合いでもなんでもないヤツなんてただの敵でしかない。
オレの凶行に周りは恐れ、近づくことも躊躇った。そして衛兵達が現れ、オレを連れていく。
まあ当然のことだ。騒ぎを起こした犯人だ。だから師匠の知り合い共に最後に言ってやった。
「二度とオレに関わるな」
それからオレが起こした事件の罰として、一人で籠城された敵の陣地を攻略することとなった。大方、どこかのお偉いさんがオレに戦死してもらいたいようだ。
その理由として攻略された城を攻撃された。オレを生き埋めするつもりだったのだろう。まあ、ドコでもドアで脱出できたことだし問題なかったが。
それから生き残ったことに面白くなかったお偉いさんは次の戦場でどこかの将軍様を使ってオレごと抹殺しようしてきた。
「ゲハハハ! さっさと死ぬが良い!」
「………………」
まあ……一言で言うとあれだ。
皆殺しにした。将軍共々兵士達を殺した。将軍は命乞いしてきたし、兵士達も逃亡をはかった者がいたが、問答無用で殺った。
ちなみにお偉いさんもオレの手で殺ってる。その事で咎められることはなかったのはオレが王国軍の大総統にコネがあるからだな。
以上がこの一ヶ月の出来事だ。
☆☆☆
オレは教会にいた。理由としては周りが怯えているし、何よりやいやいうるさいヤツらが多いから、比較的に静かでゆっくりできる場所――――そこがここ。セイントシア教会だ。
教国が崇める勇者を神の使者とした宗教とは違い、普通に神を崇める教会だ。
とは言え、ここには一人うるさい女がいた。
「ソラさん! あなたまた喧嘩したのでしょう!」
シスター・ルキヤ。この教会のシスターであり、孤児院の院長である。この教会は戦災孤児を保護しているらしく、彼女の後ろにはいつも小さな子どもがついている。
「あいつらがギャーギャーうるさいからだ。だから黙らせた」
「だからって半殺しにすることはないでしょうに!」
「黙れ。徹底的に潰さないと付け上がる。殺さないだけマシだと思え」
「あなたって人は……!」
このようにオレを正そうとイチイチ突っかかってくる。ぶっちゃけ良い迷惑だ。オレを正そうなんてご苦労なことだホント。
「……そういえばあいつもシスターだったな」
ふと、思い出したのは紅い髪の悪友だ。世間の物差しで言えば、このシスターより断然利己的で悪い。だけど自分に正直で偽善だろうがなんだろうが、面倒を見ようとしてくれたネコのような少女。
彼女はまだ魔法少女として戦っているのだろうか?
「む、何やら別の女の人のこと考えてますね?」
「お前より断然マシな女をな」
「ムカッ! どうしてそんなこと言いますか!」
「周りに手を差しのばす偽善的な行動より、利己的だって断言している女の方がマシなんだよ」
ルキヤはギャーギャーうるさいのでオレはここから出ることにした。
なお、なぜか孤児院の子ども達がオレにベタベタと引っ付いてうるさかった。
なんでオレはこいつらに好かれる?
閑話休題
今回戦う相手は魔王軍の拠点だ。まあ、ぶっちゃけ前線でヒャッハーしてくれた神器使いのおかげで楽に進めた。オレとアルスの役目は拠点を占領することだ。
文句はないが面倒だホント。
「んで、アルス。セイントシア教会の連中がいなくなったのはホントか?」
「まあな。昨晩何者かに襲撃されて子ども達全員、シスター達が誘拐された。おそらく魔王軍の仕業だろ」
「ふーん。敵の拠点を襲撃するとはやるじゃん」
「感心してる場合かよ! ルキヤちゃんが拐われたんだぞ!」
いや別にルキヤとはなんの関係もないし。子ども達とは少し関わりがある程度だし。
にしてもアルスは勘違いしてね? オレはルキヤのことをなんでもないと思っているのに、こいつと来たらオレとルキヤができてると勘違いしてる。
まあどうでもいいが。
「にしてもなんでガキやシスター達を誘拐したんだ? わけがわかんねぇな……」
「予想はできてる。ま、一つ目は撤退するときに使われる人質。んで、もう一つは――――」
とオレが言いかけたとき魔法が飛んできた。風魔法の空気砲だ。オレはそれを神器でキャンセルした。
「……一応、聞くがもう一つとは?」
「オレ達を苦しませるため、とか?」
人質を使ってシスター達をオレ達に襲撃させる。まあ予想していたことだ。こんなゲスいことするヤツなんて一人しかいない。
『クフフフ、久しぶりですねソラ――――』
出てきたモニターを足でぶち壊す。言い終える前に黙らせることができたがまた新たなモニターが出てきた。
『いきなり破壊しないでいただきたい!』
「黙れ。無駄にモニターとか使いやがって。いくらした? こんなに資金をかけたお前の悪趣味の分だけぶん殴る」
『あなたはホントにソラですか!? 目が濁ってるし、言動が閃光ですよ!?』
失礼な。目が濁ってるなんて心外な。この間、アルスに連れてこられたキャバクラで「深海みたいな瞳ですねー」と言われるほど美しいと言われたんだぞ?
「いやそれ深海みたいに暗いって言ってたんだぞきっと」
「よし、次にあの女に出会ったらノーパンの刑かもしくは子宮を抉り出す」
「後者のやることがえげつねぇ!」
まあ冗談はさておき目の前のシスター達の中にルキヤがいた。目頭が赤くなってるし、修道服がズタボロ。ディランに乱暴されたかもな。
「ソラさん……すみません」
「何を謝る必要がある? お前が悪いわけじゃないだろ」
「そうですが……私はあなたを倒さないと子ども達が……!」
「ふーん……やっぱり」
納得した。やはり人質にとられて戦わされているようだな。
ルキヤは申し訳そうな顔をしていた。まあそれはさておきオレは彼女を安心させるように言った。
「別に気にするな。お前が最善だと思ったんだろ? なら、お前がしたことは間違いじゃねぇよ」
「ソラ……さん」
『やってしまいなさい』
ディランの号令と共にシスター達がこん棒を振り上げて襲いかかる。ルキヤが必死に制止しようと叫ぶが無駄だ。
こいつらだって子どもや自分達の命のために戦わなければならない。なので、オレがやること簡単。
「あ……え……?」
「なん、で……?」
オレは襲いかかってきた二人のシスターを神器で斬って殺した。なんでって顔をモニター越しでディランにもされた。
え、だって……。
「今は敵ってことじゃん」
だから殺す。皆殺し。誰一人生かさないし、許さない。
オレが敵になっちゃったヤツやその人質を救おうと思った?
残念。オレはあの子ども達とは顔見知りだが、助けように気にならないし、どうしようもないじゃん。
「なんてことを……!」
「いやなんてことって言われてもお前らはオレを殺さなきゃ自分や子ども達が助からない。なら、オレはそれに対抗して殺す。そういうことだろ?」
「だからって、だからと言って!」
「殺さず無力化しろと? ふざけんな。お前らがどうなろうと子ども達がどうなろうと知ったことか。昔のオレなら助けようって馬鹿なことをほざいていただろうが今のオレはそうならない。というか、子ども達が死ぬのは残念と思う程度だし」
ルキヤはオレのことを最低な人を見る目をしていた。
けど、だからどうした?
人質されたヤツらとオレとは接点はほとんどないし、助けたところでなんのメリットもないだろ?
だから裏切ったこのシスター達を殺す。人質を何人でも殺せばいい。どのみち敵は皆殺しだからな。
「だから安心してとっと死ね偽善者共。人質が生きていようが死んでいようが関係ない」
「いや……やめて! やめてェェェェェ!!」
どんなに拒んでも戦いは開始した。そしてルキヤだけ残してシスター達を全員殺した。
(??サイド)
ディランは逃げ出したくなった。子ども達を人質にしてソラを窮地に立たせようとしたが、あろうことか彼は止まらない。
むしろ一般市民であるシスター達を虐殺し始めた。
罪があろうがなかろうが関係ない。
相手はただ敵を殺すことに特化した化け物だったのだ。
ディランは勘違いしていたのだ。ソラが以前のような甘ちゃんだと偏見していた。故に彼は焦っていた。
子どもを人質にしてもシスターを動かせるだけ。故にこれ以上、ここにいても無意味だ。
かつては裏切るつもりなどなかったが、帝国軍に提示された魅力的な案に飛び付いてしまい、『閃光』を失う結果を王国軍に与えることができた。しかし、次に待っていたのは『閃光』の意思を継ぎし『死神』という存在。
その者を殺すことで自分は確かな地位を得ることできる。ディランはその命令を受けて『死神』がソラだと知った。
そのうえで彼は卑劣な作戦で彼の動きを制限しようとしたが、無意味ようだ。
撤退、と口に出そうとした刹那――――彼の口に誰かが手で塞いだ。
「よぉ……久しぶりだなホント」
(そ、ソラ!? なんで貴様がここに!?)
なぜという疑問にソラは視線を向ける。そこにはディランの部下数人の遺体とドコでもドアがあった。
「偵察機でここの場所を知っていた。オレが一度見た場所であればドコでもドアは正確に機能する」
「むぅー! む、む、むっ!?」
彼は命乞いをするが、『死神』は神器を突き刺した。ソラはディランの全て――――筋肉、魔力、神経系全てを封印したのだ。
「……お前みたいなゴミクズのせいでオレは無意味な労働した」
ソラは彼の首を掴んでどこかに繋いだドコでもドアを展開した。そこには多くの獣達がはびこる畜生道の世界。
ソラはそんな世界へディランを乱暴に投げ捨てた。
弱肉強食の中でディランという存在はまさしく食品という名前がふさわしかった。助けを求める呻きが聞こえるが、ソラはただ彼が襲われていくところを見ているだけだった。
「畜生らしくていいだろ? クソ野郎」
「むぅあぎゃあァァァァァ!!」
グチャリグチャリとディランは蹂躙され、苦しみながら彼は餌さとして生涯を終えた。なんとも残酷な殺し方を見ていたアルスは絶句していた。
「ソラ……お前」
「………………」
彼はアルスの隣を通りすぎた。しかしアルスは見ていた。ソラの顔を、彼の顔を…………。
「なんて清々しい顔をしてるんだよ……」
汚れを落としたような充実感あるソラの顔にアルスは戦慄を隠せなかった。
(ソラサイド)
オレはまた教会にいた。しかし以前のようにうるさいヤツは一人もいない。
あの後、助かった子どもはたったの五人てルキヤ以外のシスターはオレが殺したことにより結果、生存者が六人となった。
ルキヤはショックのあまり引きこもった。鬱になったとかアルスは言っていたが、まあそのうち出てくるだろう。
どうでもいいし。
「やっと静かになった……」
こうやって静かに過ごせる日はなかったなぁ。
馬鹿な理想は思い出したくないが、でも……まああの魔法少女達と過ごした思い出がオレの中では一番だった。
「また会おうかな……この戦いが終われば」
まどかを連れ出す方法もだいたい形になってきたし、いつかまた会える日を想い浸りながら、オレは笑うのだった――――
「なら、会っちゃいましょう!!」
「は?」
ふと概念化しちゃった少女の声が聞こえた刹那、上から誰かが降ってオレを下敷きにした。
「う、うぅ……」
「お、おも……」
「ご、ごめんね。実体化が失敗しちゃって……」
「………………え?」
その女の子はオレがよく知る少女。救えなかった少女――――鹿目まどかが見滝原中の制服姿でオレの上にいた。
「やあやあ、おっひさー♪」
「え? まどか、え? へ?」
とりあえず言わせてくれ。
「どういうことだオイ……」
教会の薄暗い講堂にてオレはぼやくのだった。
ソラマジでヒデェ……。というか敵対したなら問答無用でやっちゃうのがソラです。
大切な人じゃなければ彼は簡単に切り捨てます。まあ最低と言えば彼は簡単に認めます。
自分がしてることは許されないことですから彼は甘んじてその罪を受け入れて断罪を受けるでしょう。
次回、兆候はここからあったんだ
――――円環の理マジパネェ……。まどかさんマジパネェ……