魔法少女まどか☆マギカ ~全てを開きし者は英雄となる~   作:ぼけなす

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「どこの忍び!?」

by暁美ほむら


第二話 とりあえず何か食べたい

 ほむらの最後の銃弾で使い魔の掃除が終わった。それから今度はほむらが警戒するのはマミだった。

 マミもまたほむらを警戒していた。なぜなら友達であるキュウべぇを傷つけた人だからだ。

 

「退いてくれないかしら? 魔女は逃げたようだし」

「残念だけど私の目的はその白いのよ」

「見逃してあげるって言ってるのがわからないかしら?」

 

 二人の険悪な雰囲気に助けられた二人の少女に緊張がはしる。そう、二人(・・)だけは。

 

「はいはーい、ストップねー」

 

 ソラがほむらとマミの間に立ってグロックとマスケットを掴んで標準を逸らした。

 ムッと反応したほむらだがどれだけ力を上げてもビクともしなかった。

 

(そんな……魔法少女の筋力がビクともしない!?)

 

 魔法少女の筋肉と耐久力は人間の常識を遥かに越えている。にも関わらずソラは二人の銃を押さえつけていた。

 

「スッゲー力だな。なに、お前とお姉さんはゴリラなの?」

「「誰がゴリラよ!」」

「じゃあ険悪な雰囲気はやめれーい。オレもちょっと本気になるよ?」

 

 小さな体格とも思えない力と威圧感がそこにあった。彼は強い。おそらく一対一(タイマン)なら勝てない。

 

(ベテランの戦士……。一ノ瀬ソラは侮れないイレギュラーね)

 

 病院のときは踏み心地のよいモノで乱心した彼女がソラに乱射する事件は起きたが、そのときソラがここまでできる少年と思っていなかった。

 しかし今ならわかる。この少年を味方にすれば鹿目まどかは助かる道が見えてくるのではないかと。同時に敵になったときのリスクも高いと。

 とにかく銃を下ろした彼女達を見てソラはホッと息を吐いた。

 

「ふう、とにかく落ち着いたか。あ、お姉さん」

「マミよ。巴マミ」

「マミさん、一つお願いあるんだけどいい?」

「なにかしら?」

 

 マミの問いに答えるかのようにソラのお腹の虫が鳴いた。

 

「……何か食べ物ください」

 

 このとき四人の少女達は恥ずかしがるこの少年を見て萌えた。

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

「へー、ソラくんってその歳でいろんなところを旅してるの?」

「もきゅもきゅ、まあね。いろんな人と会ったよ。白雪姫と名乗るお姫様に出会ったけど、出会い頭に飛び蹴りされた」

「私の知る白雪姫が一撃で消え失せたのだけど……」

 

 ソラはマミの手料理を食べながら自分が何をしていた者なのか説明していた。

 なお、彼が異世界から来た住人と言ったとき誰もが嘘だと思っていたがそれはキュウべぇのおかげで破られた。

 彼の持つ神器はこの世界にはない力だとキュウべぇが証明したからだ。

 

「まさか童話と似た世界があるなんてねー」

「まあ平行世界もあると思うよ。例えばまどかが世紀末英雄伝説風なゴリゴリマッチョとか」

「絶対ヤダよ!」

 

 そんな世界があってたまるかとほむらも思った。

 だが、もしかすとそれはいつか当たっていたかもしれないと思うとゾッとするループ少女だった。

 

「ふぅ……ご馳走さま。美味しかったですよ♪」

「ふふ、お粗末様♪」

「すごい……あんなにあったスパゲッティがたった一時間で」

「驚くものじゃないぞまどか。オレよりももっと食うヤツがいるからな」

「ソラくんより食べる人がいるんだ……」

 

 とは言ってもソラはたくさん食べる少年であることは変わりない。

 理由としては彼の神器からである

 

「まあ、人より食べる理由は神器のせいだな。神器を召喚し、使うには魔力精製しなくちゃいけないんだ。その魔力は精神と身体のエネルギーを混ぜた力だから疲れや空腹など出やすい。つまりオレが空腹だったのは神器の燃費の悪さからかな?」

「燃費の悪さ?」

 

ソラは神器を召喚し、見せるようにしながら答えた。

 

「うん。どうもこの神器は普通よりも魔力を使うんだ。でもその代わり師匠が言うには強力な神器らしい。まあオレが未熟だから効率が悪いかもしれないけど」

 

 召喚した神器を戻した。まどか達は納得したようだが、ほむらだけは違う。

 ソラの魔力精製法は魔法少女が使う魔力とは違うように思えたからだ。

 

「ソラくんの魔力って私達の違うの?」

 

 それはマミと同じだったようだ。マミの問いにソラは微妙な顔で答えた。

 

「その魔法少女ってのはわからないけど、たぶん違うと思う。オレが使う魔力は例えで言えば仙術や妖術などと呼ばれる人の域を超えた人間が使ってたモノだと思う。あ、オレは人外じゃないからよろしく」

「いやあんなに使い魔を蹴散らしている時点で普通じゃないから……」

 

 うんうんと少女達にも納得され、ソラはガーンとショックを受けた。そんな悲しい表情を見ていたまどかはつい頭を撫でてしまった。

 

「あ、ごめん。たっくんみたいだったから……つい」

「いいよ別に。撫でられるのは嫌いじゃないよ!」

 

 満面の笑顔で答えられると照れるモノだった。まどかは顔を紅くしながら「えへへへ」とまた頭を撫でる。

 天真爛漫なこの少年に邪な心はないが、ほむらとしては少し面白くない。

 なのでソラの頬っぺたを両方から引っ張る。

 

「にゃにしゅんだよー」

「ッ!? このモチモチ感はッ。たまらないわ!」

 

 思わず病み付きになりそうなくらいモチモチした感触を楽しむほむら。さやかもソラ頬っぺたを引っ張り出し、マミもまどかと同じように撫でる。

 

「あら、暖かいサラサラした髪ね」

「スゴーイ。天使の柔らかさだよ、これ!」

「うにゃーーーー!?」

 

 それからしばらくは歳上の女の子達に弄ばれるのだった。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 ソラはマミさんの家を出てからほむらの自宅に泊まることとなった。そもそもなんでそうなったかと言う理由はソラが公園で一晩を過ごそうとしていたからだ。

 サバイバル精神全開にまどかとさやかは苦笑せざる得なく仕方なく彼を泊めることに名乗りあげたのがほむらである。

 マミも名乗りあげていたが、断じて彼女が彼の頬っぺたを狙っていたのを恐れていたわけではない。そういうことにしておいてくれ。

 まあなんにせよ。ソラがほむらの自宅を訪れて最初の一言は、

 

「スゲー! 近未来じゃん!」

 

 時計がたくさん有り、なおかつまどかやさやか、赤髪の少女にマミの写真があったのだがそこにはツッコまず、彼が訪れたとき最初に見た変な魔女が写されたウィンドに興奮していた。

 

(ツッコむところそこなんだ……)

「おぉ!? これはあの変な魔女じゃん!」

「ワルプルギスの夜よ。魔女の集合体で生まれた魔女よ」

「へぇー、んじゃ。魔法少女から魔女になったわけじゃないんだ!」

 

 ほむらはそれを聞いてソラの肩を掴んで無理矢理こちらに向けた。その表情は鬼気迫るモノだった。

 

「あなた、魔法少女の真実を知ってるの!?」

「魔法少女の真実? え、魔法少女が魔女になること?」

「それ以外に何があるのよ! 教えて。なんで知ってるの?」

「んー、とりあえず落ち着いて。クールダウンしようぜガール」

 

 糸目で落ち着くようにお願いすると「ごめんなさい」と言って肩を離した。

 

「なんで知ってるかって言っても推測からだよ。まどか……だっけ? あの人が魔法少女になってから苦しみ出してそれから彼女から魔女が誕生したかに見えた。よって魔法少女はなんらかの原因で魔女になる厄介な人間だと考えてる」

 

 見た情報とその推測で生み出された答えを聞いてほむらは頭の回転が早い少年だと思った。

 

「じゃあ、あなたは推測で魔法少女の真実を?」

「まあね。まさかそれが答えとは知らなかったけど。それよりも魔法少女のことを詳しく教えてくれない?」

 

 ソラは魔法少女がなんなのかよくわかっていなかった。だからほむらが持つ情報がほしかった。

 ゆえにほむらは打算的に考える。

 

「……なら私が出した条件――――」

「いいよ」

「早ッ!」

「え、だってほむらは悪い人じゃないじゃん。だから信用できる――――ってどうしたの?」

 

 ほむらは頭に手を当てて呆れた。この少年は打算的に考えることなく、初対面の自分をあっさり信用するお人好しだ。

 これから先は損するかもしれないわ、とほむらは苦笑した。

 

「んで条件ってのは?」

「それを言ってから返事をしなさい。でないと後からなって後悔するわよ」

「うにゃ……気を付ける」

 

 ショボーンと落ち込む彼の頭を撫でたくなったところをグッと堪えて彼女は条件を言った。

 

 

――――自分とコンビを組まないか、と。

 

 

 こうしてソラとほむら。後に白馬(ソラ)王子様(ほむら)という最強のコンビが誕生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寝る場所はどうするか決めてる?」

「大丈夫! 天井にぶら下がってでも寝れるから!」

「どこの忍よあなた!?」




どこかおかしい少年ソラ。
ぶっちゃけ色んな意味で危ないです。

しかしそんな彼に待ち受けるのは少年では――――


次回、魔法少女体験ツアーに参加してみた


――――やっぱこの子、侮れないわ
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