魔法少女まどか☆マギカ ~全てを開きし者は英雄となる~ 作:ぼけなす
byノエル
エピローグ的なことを話せば、魔王軍は王国軍に敗北し、教国は滅んだ。
聖勇教会がノエルの変態汚染というイロモノ化により変態集団――――いわゆる
漢女に継ぐ第二の脅威がここに誕生したらしい。まあソラにとってどうでもいいが。
勇者が自分達に牙を向けたことと魔王デウスが逃げ出したことをキアラに報告した。
彼女は訝しげ顔でソラを見ていたが彼は元より真実を告げるつもりなんてなかった。
報告を終えたことにより魔王軍は王国軍に隷属という形で吸収された。これによりキアラの名声と地位は上がり、弟の名声も上がったことになる。最悪の場合革命を起こせるくらいだ。
当然ソラも出世するのだったが彼が報告の次に出したのは退役に関する書類だ。キアラはこれまた怪訝な顔で彼を見る。
「……なぜだね?」
「自分がこれまで戦ってきたのはオレと『
「見捨てるという考えとかないのかね?」
「ふざけんなキアラ。オレが今まで戦ってきたのはその女の子のためだ。生き残って帰る。それがオレが戦ってきた理由でもある」
ソラは踵を返して執務室から出ようとした。
「待ちたまえ。君はこれからどうするつもりだ? 仮に彼女を助けた後に君はどうするつもりと考えているのだい?」
もし行く場所がなければ、とキアラは彼の居場所を提供しようと考えていた。軍の戦力としても一人の男としてもソラは魅力的だ。退役した後でも彼を神器使い専門の教官に仕立てあげたいくらいだ。
しかしそうする気を失わせるかのように彼は笑って言った。
「また旅に出るよ。今まで通り。オレが師匠に命じられたあの頃と同じく根なし草として」
「君は……」
「ここで戦ってきてオレはやっと気づいたんだ。オレにとって彼女達はオレの居場所だったんだ……。大切な友達として、仲間として……な。だから旅に出てそこに帰るように冒険をする――――それが今のオレがしたいことなんだ」
その笑顔は少年のように爽やかで無邪気だった。かつてのソラ――――チビソラがしていた笑顔と同じだった。
キアラは何も言えずに彼が扉から消えていくのを見つめるしかなかった。
「そうか……ホントに。ホントに悔しいなぁ…………」
執務室にて涙を見せない少女が涙を見せたことを誰も知らない。その涙は一人の恋する少女の初恋の終わりを示していた。
☆☆☆
ソラは荷物をまとめて部屋から出た。中庭に出た彼はドコでもドアを展開して、扉を開けようにした。
すると千香が彼の手を掴んできた。
「ボクを放ってどこに行こうとしてるの?」
「…………」
「君はいつもボクの前に行く。勝手に前に行って勝手に終わらしてくる……どうして誰にも背中を預けようとしないんだい!?」
千香は悔しかった。結局、ソラ一人でこの戦争は終わった。英雄が一人で終らしたモノだ。誰にも頼らず、誰にも背中を預けようとせず、たった一人――――そんな人がいない孤独は寂しいことだと千香はわかっている。
「これから行くところは君の死に場所なんだろ? なら、ボク――――」
千香は最後まで言えずに腹部に衝撃を受ける。ソラのボディーブローで意識を刈り取られ、彼女はベンチに寝かされた。
「ノエル、いるだろ?」
「にゅふふふ……さっすがー♪ にしても千香ちゃんにも愛されてるねソラっち♪」
「妹になつかれてるみたいなもんだ。そのうち離れていくさ」
「いやいや千香ちゃんのはソラっちに恋する乙女な目で見ているからさ。――――でも受け入れられない。そうでしょ?」
ノエルはわかっていた。ソラの心象がどんなモノなのか。
こんな無垢で純粋な女の子をオレという男が受け入れのは駄目だ。いやそれだけでない。あの五人の魔法少女だって千香と同じでも受け入れてはいけない。
こんな汚れた手で彼女達を抱き締めることは許されない。復讐に堕ち、憎悪を生み出してきた自分はいずれ報復に来る者達がいるに違いない。報復をなくすために一族郎党抹殺してきたが、生き残りがいないとも限らない。極めつけに自分の名声や神器を狙ってくる輩もいないことない。
だから受け入れること許されない。
「そう簡単に諦めないと思うよーん?」
「そうだとしてもオレは変わらないさ。死なない限り……」
「……死ぬつもりかい? 占い婆にはその場所に行けば『死』を宣告されたのでしょ」
「そうだとしてもオレは行く。なあ、ノエル」
ソラは振り返る。そのとき彼は優しい目をしていた。いつしか失ったソラの師匠――――ライトと同じ目をしていた。
『ソラをよろしく』
「千香をよろしく」
言葉が重なる。ライトとソラの言葉が同じように聞こえた。
「……ライト」
「ノエル?」
「あ……うんうん! わかったわかった。このノエルお姉さまに任せてちょうだいな! さあさあ行った行った!」
ソラにドアを潜るように背中を押して催促し、扉を閉める。消えていく扉を見つめながらノエルは呟く。
「ズルいよ……。君も同じように言うなんて……それだと聞いてあげたくなっちゃうじゃん――――
――――でも、ライトじゃないから途中で約束破るよ。面白くなりそうだから」
彼女は『混沌』を求める神器使い。自分の弟子のため、自分の愉悦のためにいずれソラの願いを台無しにするつもりである。
――――こうしてソラの戦いは終わった
――――悲しく理不尽な物語を知り、少年は青年となり、終局の幕は上がる
――――では語ろうか。最期の彼のお話を……ね
☆☆☆
黒髪の青い瞳の青少年ことソラはドコでもドアから飛び出た。
戦争を終えたソラは再び見滝原にいる彼女達に会うために、ドコでもドアを使った。
久しぶりの帰還に心が踊っていたりした。そう見滝原にいるはず――――なのだが
「えっ? ここどこ?」
砂漠だった。辺りはビルの瓦礫やら廃墟の瓦礫がひょっこり浮かんでいる程度である。
「なんだってこんなところに――――って、あれって……」
無数の目に囲まれた一人の少女が寝ていた。その人物は黒のロングストレートであり、時間遡行者である少女――――
「ほむら?」
相棒である少女は眠っていた。しかしただの眠りではない。まるで夢を見ている眠り姫のように。
まどかと役職をシフトチェンジしたのかとふと彼は思う。王子様がまどかになり、お姫様がほむらになったとかどうでもいいことを考えていると白い生物がトコトコ近づいてきた。
「久しぶりだねソラ」
「出たなナマモノ」
やっぱりこいつが原因であるインキュベーター。ある意味全ての元凶。
魔法少女を量産し、魔女に変えるために暗躍していたはずだったがまどかによって、魔女はいなくなり、魔法少女は消えるという運命になった。
そして、こいつは魔獣から生み出されるグリーフシードーを宇宙の延命エネルギーとして集める使命になったはずだが、
「今回なにしやがった」
「なに、ただの実験さ」
「実験? 相変わらず好奇心だけは正直だな」
「そういう君は口が悪くなってないかい?」
当たり前だと彼は言った。彼は戦争で成長した子どもである。
キュゥべぇの実験内容を聞いてみると円環の理である鹿目まどかを把握すること。そして把握できれば干渉し、支配できるのではないかと思っている。
「お前、それほむらの逆鱗にモロに触れてるぞ。殺されるどころじゃ済まないぞ……」
「しかし不可能ではない。だからこその実験なのだから」
くだらない……とソラは告げて神器を召喚する。
「僕を始末するつもりかい? 無駄だね。僕の身体は」
「あいにくお前の実態を知ってるからやる気はねぇよ。でも、まあ……殺せないことはないぞお前を」
「どういうことだい。ぜひとも説明してもら」
グシャ
ソラはキュウべぇが言い終える前に蹴り殺す。本気の蹴りでヤツの頭は豆腐のように飛び散った。
「オレとお前はそういう仲じゃねぇだろ。だから教えてやるもんか。……今度、お前がもしオレの友人がこんな実験に巻き込むから覚悟しろ。
そう言ってソラは解錠し、ほむらの夢の中にダイブした。厳密に言えば、ほむらの結界だが。
――――最期のお話の幕は上がる
――――叛逆の幕は上がり、英雄の最期が始まる
遂に叛逆の物語……。これでソラがどうなるかは前作の知っている通りです。
まあ叛逆の物語は一応原作通りに進みます。
なお、皆さんにお聞きしたいことがあります。
叛逆の物語の続きはオリジナルでいいですか?
いや、なんか夢の中でそんなお話が浮かんでしまいまして書くこともできるようになりました。正直、自分はこの作品は叛逆の物語の続きは虚淵先生が発表するまでって考えてなかったので、どうしようか迷ってます。
なので感想から意見を聞きたいと思います。
まあでもこの小説を読んでくれてる人は少ないっぽいし(自虐)
さて次回は第三十八話 ショックを受けたのでとりあえずさやかに嫌がらせ、と(byソラ)
――――なんやかんやで扱いがひどい