魔法少女まどか☆マギカ ~全てを開きし者は英雄となる~   作:ぼけなす

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連続投稿。ではどうぞ!

「さあさあ、どうするのかな? 英雄くんは」

byノエル


叛逆者は嘆き、英雄は意思を伝える
第三十八話 ショックを受けたのでとりあえずさやかに嫌がらせ、と(byソラ)


 真夜中の満天の星空。ビルがやや光るインスピレーションは綺麗な夜だ。

 

 

そんな夜空を――――

 

 

「なんでさァァァァァ!?」

 

 現在進行形で落下中!!

 

 いやなんで!?と彼は内心ツッコむ。過去に人の心や夢の中にダイブすることがあったが、スカイダイブすることが基本なのだった。

 

 毎回なんでスカイダイブなのかはそれが『ルール』だから仕方ない。『抑止さん』の様式美だから仕方ないのだ。

 

 ソラは成すすべなくそのままとあるビルの前に落下した。凄まじい勢いだったのにも関わらず、被害はビルのコンクリートにクレータを造った程度なのだから。

 

 骨折はしてないのは奇跡じゃね?と彼は思う。伊達に戦争生き残ってるだけある肉体である。

 

「いってェェェマジで効くわこれ……」

 

どうやら落ちたのはビルの屋上だ。そう言って立ち上がるとき、煙幕が上がる。

 

「「「「「ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット!」」」」」

 

 ソラの目の前に五人の魔法少女が揃ってカッコつけていた。相変わらずと言うべきだが一部違うのはほむらが眼鏡をかけて気弱な少女になっていたところだ。

 

 ソラにはツッコミたいところはいろいろできた。

 

 ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテットってなに?

 新しい戦隊ヒーロー?

 

 つーか、まどかとさやか。お前らって消えたよな? なんで実態化してるんだよ。

 

なによりほむら。お前、そんな気弱そうな少女だっけ?

 

 ソラは「うん」と呟いて総合的に言うべきことを呟く。

 

 

「ないわー…………」

 

 痛々しいことこの上ない。これが友人だと思いたくないくらい痛々しい。見知らぬ男に恥態を見られて精神的にダメージ受けるまどか、ほむら、マミ、さやか。

 

 杏子? 彼女はダメージを受けずに踏み込み拳を握り締めていた。

 

「誰だてめぇ!」

「ひでぶ!?」

 

 なぜか杏子さんに殴られてビルまでぶっ飛ばされる。

 

(あれ? オレってもう友人じゃないの?)

 

 少し泣きたくなったソラだ。なお、この後仕切り直した五人はこの世界の魔女的な存在を倒したそうな。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 夜は明けて朝である。綺麗な朝日を浴びてソラは公園の木から降りる。昨日殴られた頬がズキズキ痛い。

 

 精神的にもくる一撃だった。腕をあげたなアヤツと悪態をつきながら彼は苦笑する。

 

 それからソラはストリートに向かう。通行人が行き交う並木通りだが……。

 

「メチャクチャキモいよこの通行人達!」

 

 なんで顔無し!?

 のっぺらぼうが最近の流行なの!?

 妖怪達に支配されたのか見滝原よ!

 

 彼の内心絶賛大混乱である。妖怪横丁に来たのでは誤解してしまいそうなくらいホラーである。

 

「なんだよこのホラー……。もうこの通行人達皆殺しにしてやろうかホント……」

 

 物騒なことを言っているがマジである。化け物退治は小学生のときに体験済みで怖くない。すると見たことある三人の少女達が目に入る。

 

 まどか、さやか、マミである

 

 とにかくソラは声に出して呼んでみた。しかし、怪訝な表情をされた。気になったので、オレは近づくことにした。

 

「どうしたんだよ。こんなに呼んでいるのに」

「あの…………すみません」

「どちらさまですか?」

 

 …………はい?とソラはポカーンとした顔になる。

 

「えっ、マジで覚えてない?」

「あなたのような好青年見たことないし」

「なんで名前を知っているのかちょっと気味悪いです…………」

「新手のナンパくん。さっさとここを立ち去ることが身のためだよ」

 

 さやかがそう言ったときソラは駆け出した。戦争で生き残り再会したのにこの仕打ちにあんまりである。

 

 そもそもソラはメンタル的に強いというわけではない。彼の居場所はこの五人の魔法少女である。その五人に知らない人と言われれば泣きたくなりますとも。

 

(泣きたい…………。友人に忘れ去られるなんてかなり泣きたいです!)

 

 そしてその日はインターネットカフェに引きこもりツイッターで呟きまくる。リアルな引きこもりになった彼はインターネットで嫌がらせしまくった。

 

 

おそら『大切な友達に誰とか言われたでやんすぅ!』

 

切り裂き魔『ザマァwww』

 

幻想卿の賢者『プップスーwww 』

 

外史の英雄『カーカッカッカ(笑)』

 

 

 ここにも味方無しだった。……てか、どっかで見たことあるメンツだったりする。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 ソラはブラブラ町を歩いていた。まあ気ままに探索するつもりで公園に来てみるとやはりのっぺらぼうばかりである。

 

 しかし中にはそうでない親子がいた。それはソラが知る女性と子どもだった。

 

(あいつは……)

 

 『一ノ瀬』の親子だ。どうやら二人も結界に取り込まれたらしい。ソラとしてはさっさと去りたいところだが、娘が転がしたボールが足元にきた。

 

 「やれやれ」と呟いて彼はボールをその娘に渡す。

 

「ありがとうございます――――え……」

 

 ソラを見て一ノ瀬の母は唖然としていた。彼女がかつて愛した人の雰囲気とそっくりだったからだ。

 

「海人……さん?」

「違いますよ。いったい誰と勘違いしてるのですか?」

 

 ソラの声に母は正気に戻る。そうだ。この人はかつての夫ではない。そして息子は自分が拒絶してしまい、もういなくなったのだ。

 

「ごめんなさい。前夫にそっくりだったから……」

「……そうですか」

 

 彼と彼女の沈黙は続く。すると母は意を決して提案した。

 

「あの……よかったらここの喫茶店に」

「お断りします」

 

 しかしソラは拒絶する。

 

「あなたにはもう今の家庭がある。前の夫だかなんだか知りませんが、その人はもう過去の男です。だからあなたがするべきことは今の家庭を大切にすることです。似てるだからってオレと仲良くなりたいのならお断りです」

 

 自意識過剰な言い方だが、的を射ていた。母は自分と海人という男性を重ねていた。自分は父親似らしいことが判明したが、それは今はどうでもいいことだ。

 

 母はきっぱり言われて黙る。すると娘がプンスカ怒り出す。

 

「おかーさんをいじめるなー!」

 

 小さな子に言われてソラは少しだけ反省する。やはり自分はこの人を許していないからこうも厳しくなっているのだろう。

 

「ごめんな……この人とオレの母がそっくりだったから」

「おかーさんと?」

「ああ……やっと会えたのに、ホントにうれしかったのに……その人をオレを拒絶してひどいこと言ったんだ。おまけにそこに居場所なんてなくなってたんだ」

 

 悲しそうにソラが言うと娘はニパーと笑って言った。

 

「だったらおにーちゃんのいばしょがわたしがなってあげる!」

 

 こんな小さな子が同情してくれるとは、とソラは苦笑する。

 

「別に結構さ。お前にはお前の居場所がある。それを大切にしておけばいいのさ」

 

 ソラはそう言って公園を後にしようとした。すると娘が声をあげて言った。

 

「おにーちゃんのなまえはー?」

 

 さて、ソラはどう答えようかと考えてしまったがあの子の無邪気な笑顔に打算は必要ないと感じた。

 

「ソラ。オレの名前はソラ。父親に『空のような大きく包み込める優しい人になりなさい』って名付けられた」

「わたしはシイ。うみのえいごがしーだからシイって名付けられたよー!」

 

 最後までシイは無邪気な笑顔をしていた。その後ろに母は信じられない顔をしていた。

 

「もしかして……ソラ、なの……?」

 

 それは彼女がもうわからない事実である。

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

「そんなこんなで状況は変わらないので探索である」

 

 とナレーションする我らの主人公。真夜中の世界でソラは廃墟のような場所に来ていた。いくらほむらの中の世界とは言え、ソラを覚えてないのはおかしい。

 

 改変された世界でもマミと杏子はソラの知り合いだったのに。

 

 とにかくそれが知りたいために探索である。すると、銃声が鳴り響いている。

 

(あらまあ。物騒なこと……………………って誰か撃ち合ってね? というか世界ってこんなにモノクロだっけ?)

 

 呑気にそんなことを考えてると見知った金髪と黒髪の少女が視界に入る。二人はオブジェのように硬直し、銃を構えたままだったがソラは気にせず呟く。

 

「あ、マミさんとほむら見っけ」

 

 とにかく会話しようと近づくとカチッと音がなり、止まっていた銃弾と魔弾が動き出す。

 

「「あ…………」」

 

 二人の少女は声をかけようとしていた青年を視界に入れたのはそのときだ。時すでに遅し、銃弾魔弾が縦横無尽に動き出す。

 

「ちょっ、マジかァァァァァ!? シヌシヌシヌシヌゥゥゥゥゥ!?」

 

 ソラは神器を召喚して、迫ってきた全ての弾を弾き返す。全ての弾幕を目で追い、そして弾いた先にも銃弾を弾く合わせるように相殺する。

 

 全ての弾幕を無力化するためにソラは神器を振るい続け、そして乗りきった。

 

 それを見たほむらとマミはまるで化け物を見るかのように目を開いてソラを見ていた。

 

「ぜぇぜぇ…………死ぬと思ったー」

 

 割りとしんどそうに呟くソラにマミは冷たく言う。

 

「また会ったわね」

「巴マミ。彼は?」

「先日、私と鹿目さん、それに美樹さんにナンパしてきた人よ」

「まどかにナンパした…………ですって?」

 

 そう言ってグロック17を向けてきた。

 

 無表情だからシャレにならんし、マジで怖いよそれ。

 

 ソラは疲れた顔でほむらを見つめているとほむらは言う。

 

「あなたは何者なの? どうしてあれだけの銃弾と魔弾を防げたの? というかもう人外ね」

 

 それにはソラも心外なという顔になる。だがほむらの毒舌はまだ止まらない。

 

「まどかにナンパする愚か者がいるとは思わなかったけど、巴マミの反応を見たところ失敗してストーカーに成り下がったようね。さっさ失せなさい変態。二度と私達に関わらないで」

「そうね。あまり関わらないでくださるとこちらとしても喜ばしいことです」

 

 まさかマミにも言われてソラは自棄になる。

 

(…………はぁー、まさかここまで忘れ去られるわ、貶されるわ、変態扱いされるわでもうオレのライフポイントはゼロだわー……はっはっはっ)

 

 

 自嘲するかのように薄ら笑いを浮かべる。それを二人に気持ち悪そうに見られていることをソラは知っている。

 

 だからこそ二人は気づかない。この男はぶちギレていることを。

 

「ふざけんなよお前らァァァァァ!」

「「っ!?」」

 

 ぶちギレたソラの怒鳴り声で二人は萎縮する。

 

「誰がストーカーで変態だ! んなもん千香かとその師匠がポジショニングしとるわボケ! あと誰がまどかやさやかみたいなガキスタイルにナンパするか! するんだったらせめて巴マミくらいより上の大人のお姉さまを口説くわ!! 自意識過剰なんだよお前らは!」

「誰が自意識過剰よストーカー!」

「うっせーボッチ! お前はスッ混んでろ! もしくわ黙れ、てか今すぐ死ね!」

「逆ギレ!? そしてかなりの辛口!?」

 

 ほむらがツッコむがソラの怒りは止まらない。

 

「もういい! だいたいほむらの中だかなんだか知らないけど、通行人がのっぺらぼうの妖怪ワールドに我慢できん! お前ら含めて血祭りじゃァァァァァ!!」

 

 ソラはあるだけの魔力で魔法を発動しようとした。というか見境無しの皆殺しタイムだ。その圧倒的かつ恐怖の魔王に二人は肩を抱き寄せ合い震える。

 

「あ、暁美さん。あの人、怒っちゃったわよ!?」

「怒らせるつもりはなかったけど、まさか逆ぎ――――」

 

 

 ズドンッとほむらの横を雷が通る。それを見たほむらはふぅと息を吐いて涙を流す。

 

「どうしようマミさん。私達朝日を拝めないかも……」

「弱気ならないで! お姉ちゃんもがんばるから泣かないで希望をもって!」

 

 ほむらのジェムが濁り始めていたのでマミは彼女を叱咤して肩を揺らす。

 

 するとソラに飛びかかる二人の少女がいた。一人は二人が知る青い髪の少女でもう一人は見知らぬ銀髪の少女だ。

 

「ちょっ、あんた落ち着いて!」

「静まるのですぅ!」

 

 さやかと銀髪少女に止められる。しかしそれで止まるソラではない。さやかに羽交い締めされても、銀髪少女に足を抱きつかれても暴れる。

 

「離せェェェまだ怒りが収まらないんだよォォォ!!」

 

「ていうか、ほんとに誰!? あんたみたいなイケメン知らないよ、あたし!」

 

 なんだとコラ。だったらまた名乗ってやる!

 

 ソラは改めて声に出す。

 

「オレの名前はソラ! 『全てを開く者』の神器使いにして戦場では『無血の死神』って呼ばれてる!」

「…………は!」

「えっ…………」

「…………マジ?」

「し、死神さんなのですか?」

 

 上からほむら、マミさん、さやか、銀髪少女である。ポカーンと周りは静まる。

 

 成長した少年は面影が残ってないくらい整った顔になっており、性格も違っていたからだ。

 

「オイ、オレの特徴幼い頃から変わってないんだけど?」

「「「ああ、確かにソラ(くん)だ(わ)…………」」」

 

 しかし納得できた。黒髪で腕に黒子がある特徴を告げると知り合いの三人の少女は納得した。

 

「みんななんて嫌いだい…………」

 

 もういじけてやる…………。

 

 ソラはそう思って『の』の字を地面に書いていた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 ソラがマミさんに慰められている間に、ほむらとさやかは逃げ出した。

 

 なんかバツが悪そう見えたがもういいや。もう知らないや。

 

 完全にソラはいじけていて拗ねていた。

 

「まさかここまで成長してたなんてお姉ちゃんも驚きだわ」

「お姉ちゃんって自称するなら最初に気づくべきだと思うんだけど?」

「うっ、痛いとこ付かれたわね」

「あと人外ってなんだよ。さりげなく言われたけど、あんたらも人外染みた動きしてるだろ。マミさん達にだけには言われたくない」

「どうしようべべ……。ソラくん本気で拗ねちゃった」

 

 セメント率をあげたソラに狼狽するマミさん。すると、逃げ出したさやかが戻ってきた。

 

「なぎさーただいま。無事にほむらを――――」

 

 

チャキとソラは容赦なく神器を首に向ける。さりげなく帰ってきたさやかを脅すことを始める。

 

「さりげなくなに戻ろうしてるんだお前? よし、今すぐに今、お前らがどんな状況を答えろ。ハイかイエスのどちらかだ」

「いや、気づけなかったのは謝るけどさ、ソラもソラで全然違う別人になってない!?」

「はっはっはっ、戦争で成長すればこうなるのは当たり前さ。ちなみにまどかを殴ればみんなが元の世界に戻るなら殴るし、ほむらを倒せば元の世界に戻るなら、オレは容赦なくシバき回して泣かす」

「容赦なさすぎるわ! あんたこの短い期間で何があったのよ!? 昔は純粋で天真爛漫な少年だったでしょ!?」

「お前らからしたら短い時間の流れかもしれないけど、こちらは十年間の月日が流れてるんだよ。オレってもう二十歳なんだよねー」

「それにしたら見た目も心も変わりすぎよ……。昔のソラが恋しいよ……」

「そうね、バイオレンスになっちゃったわね……」

 

 若干黄昏るさやかとマミさんは嘆息を漏らす。

 

 バイオレンスなのだろうか? これが今のソラのスタンダードであるため自身に疑問はない。

 

 その後、さやか、銀髪少女がどんな存在なのか知った。

さやかは円環の理で消えた後に、まどかと同じ円環の理の一部となっていたそうだ。

 

「銀髪少女とさやかはまどかの荷物持ちって役割とバックアップみたいなもんか」

「銀髪少女じゃなくてなぎさなのです!」

「黙れ元お菓子の魔女。また口の中に突っ込んで中からぶち抜いてやろうか?」

「ひぅっ。さやか、この人怖いなのですぅ…………」

 

 トラウマ再びである。少年の頃にマジでしたこの男になぎさはビクビク震える。ギロリと睨まれていたのでさらに恐怖をさせる。

 

「コラ、怖がらせるようなことしないの。この子は敵じゃなくて味方なんだよ?」

 

 なぎさはさやかの後ろに隠れて、ソラはさやかに注意された。

 

 そうは言っても初対面のヤツを警戒する癖は治らないものである。しかも元お菓子の魔女だ。ゆえに彼がまだ警戒するのは無理もない。

 

「これからどうするんだ?」

「あたしとしてはここも悪くないって思ってるんだけど」

「だが、あいつは真実を、現実を求めている。そうだろ?」

 

 さやかは頷く。ほむらもまた元の世界に戻りたいのだろう。

 

「あいつのソウルジェムはもう限界だったのよ。そこをキュゥべぇにつかれて捕まってこんな仮想世界に捕まっちゃった」

「………………」

「ねぇ、ソラ。お願い、あいつを解放してやって。まどかもそれを願ってここに来て記憶を失ったんだ。だから、あいつを救ってやって」

「……最期まであいつと一緒にいるつもりさ」

 

 なんせあいつはオレの相棒なのだから。

 

 最後にそうつけ加えてソラはほむらを捜しに向かう。

 

 

――――たとえ、それで別れることになっても彼は止まらないだろう

 

 

 

 




ネタにはしっているなぁ。まあソラの変わりようには魔法少女達も驚きです。

さて次回。決戦――――そして改変?

――――さて、どうしたモノか……
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