魔法少女まどか☆マギカ ~全てを開きし者は英雄となる~ 作:ぼけなす
byノエル
ソラは別れて花の丘に来ていた。そこにはほむらとまどかが百合百合しい展開をしていた。
(あれ? なんかいい雰囲気じゃね?)
ちょっと話しかけることを躊躇わせる空間がそこにはあった。するとほむらは何かを確かめるために、と言ってまどかと離れて別れた。
ソラが遠目から見た情報だから正確じゃないかもしれない。
さてと仕事仕事……と彼は呟いてまどかの足元にいるキュウべぇに向かって『キュピーン!!』目を光らせる。
「みィィィつけたァァァァァ!!」
スッッッパァァァァァン!
「きゅぷいィィィィィ!?」
修羅の如く、まどかと一緒にいたキュゥべぇを満面の笑顔でハリセンでぶっ飛ばして駆除した。
「ふぅ、いい仕事した♪」
「ちょっ、あなた人のペット何してるの!?」
予想外な出来事にまどかはプンスカ怒ってソラに声をあげる。
「えっ? これこのキモい生物がペットなの? だとしたらないわー…………。これをペットにするなんてないわー…………」
「なんで私、知らない人にここまで言われなくちゃならないの!?」
「プッ、ハハハハハ」
真剣に怒った彼女にソラはその常識的なツッコミにおかしくなっちゃった笑う。彼女は急に笑いだしたソラにプンスカと説教し始める。
そう、これが鹿目まどかだ。
他人にいつも優しくて、自己を蔑ろにしてしまい、彼が救えなかった少女。だけどここでは概念の存在ではなく、一人の少女に戻っている。
だからこそ、ソラは彼女にある質問をした。
「鹿目まどか、お前は人生は尊いと思う? 友人や家族は大切だと思う?」
「えっ? それは大切だし、人生に関してはまだわかんないけど……ってなに話を――――」
「オレは人生は尊いものだと思う。人って簡単に死ぬし、大切なものも簡単に失う。現にオレは家族を失ったし、大切な人も失った」
ソラがそう答えるとまどかの口は塞がった。それは軽々しいモノではない重みがあったからだ。
一方、ソラが思い出すのは戦争を初めに駆け抜けた頃。
未熟で天狗になっていた青二才は、完全無欠のヒーローと勘違いして大切な人を失ったという悲しい結末だ。
「だからこそ、尊いからこそ、今このときを生きて、そして最期には笑える終わり方を目指すんだ。それがこの質問に対してのオレの答えだ」
ソラはそう言って彼女にカギの形をした首飾りを手に渡して背中を向ける。
「答えはのんびり探せばいいさ。この質問は個々によって違うからさ」
「あなたはいったい…………」
そう聞かれたソラはタズラが成功したかのような笑顔で答えた。
「オレは神器使いのソラ。ソラって呼んでくれ」
「ソラくん…………ってえぇ!? あのソラくんなの!?」
ブルータスお前もか。彼がソラだと思ってなかったみたいだ。
ていうか、そんなに変わってるの?
ソラがふと思った疑問である。すると世界に変化がきた。隕石やら使い魔がワラワラ出現してきたのだ。
「こ、これは!?」
「はぁ……なーんか厄介なことになってるなぁ」
苦笑しながら彼はドコでもドアを展開する。そして彼はまどかの手を引いて向かう。
「んじゃ、行くか!」
「ふぇ!? ど、どこにぃ~!?」
あの頃のソラは弟のような子どもだったが今の異姓を感じさせる男となっている。意識したまどかは頬を染めながら彼の手に引かれて戦いの地に向かう。
「うぉ!? まどかに……ってお前はいつかの!」
「出たな魔法少女杏子たん! 今日こそ貴様の年貢の納め時だ! キョウコだけに!」
「上手くねぇよ!」
「うまい棒だけに?」
「やかましい!」
戦いの地に着いたとき始まったのは杏子とソラの漫才だったりする。
閑話休題
時間は進んでほむらの結界が決壊していた。
隕石ってマジで落ちるんだな。
ソラは見滝原に直撃した無数の燃えた岩を見てそう思った。
「というかあれがほむらの魔女化?」
「厳密には魔女になりかけだけどね」
「なあ、コイツ誰だ? マミとさやかにやけに親しそうだけど」
「ティヒヒヒ、ソラくんだよ」
「はいィィィ!? どんだけ成長してイケメンになってるの!?」
「そんなに変わってるのオレ?」
意識してないがカッコいいいと言われればさすがの彼も疑問に感じ、みんなに聞いた。
「なんというかかわいい外見がワイルドでカッコいい姿だし」
「目元が大人の男の人らしくていいよね」
「……性格が結構変わってたのはショックだけど」
「それでも外見の総合的にみればバッチリイケメンよ。お姉ちゃんとしては光源氏の気持ちが今ならわかるわー♪」
以上が上からまどか、杏子、さやか、マミの感想である。マミだけでなくまどかにも獲物を見る目で見ていた気がしたとソラは感じた。
(女子って何気に貪欲だよねー。まあ…………なんにせよ)
ソラは神器を構えて言った。
「とっと終わらせて帰りましょうか、ね!!」
ソラ達は出てきた魔女の使い魔達に向かっていった。
――――さやかが自分の魔女を出し、魔女と使い魔を相手し、杏子となぎさがそれをサポートする
――――まどかとマミさんがオレをインキュベーターの封印まで連れて行く
それぞれの役割分担をして戦いに挑んだ。こうやって一緒に戦うのはワルプルギス以来のことだ。
「そしてオレはその封印を解くという役目なんだが」
現在進行形で状況を言うと…………かなり多くの使い魔に追われている。
ソラはテレパシーでまどかに向かて八つ当たりのようにツッコむ。
『いやなんでオレに集中してるの!? 私怨か? 今までの怨みか!?』
『そういえば出会った頃からソラくんってほむらちゃんを振り回していたなぁ』
テレパシーでまどかがそう言った。なお、このテレパシーは味方や敵の攻撃に巻き込まれないように遠くから指示してもらっていたりする。
(たぶん魔女になったもほむらはオレの神器の恐ろしさを本能的に感じてると思う…………そうだと思いたい)
若干現実逃避するソラにまどかから新たなテレパシーが届く。
『あ、ソラくん今からそこにマミさんがティロるから離れてね♪』
「それを先に言えェェェェェ!!」
マミの砲撃は発射されたときに指示されいたので、危なくも回避できた。
あと少しで使い魔と同じ黒焦げな末路だったようだ。
『オイこら! それを早く言え! あと少しでマミるところだったぞ!!』
『ごめんごめん。でも涙目なソラくんのギャップに私のハートにキュンときた!! だからワンモアプリーズ!!』
『もう一回死にかけろってかお前!? てか、今のお前ってそんなキャラだったか!?』
まどかの将来にツッコまずにはいられない。
するとマミもまたもう一度撃とうしてるではないか。
『てか、マミさんお願いだからもう一度撃とうとしないで。え? なんか失礼なことを言われた気がしたから?』
スゲー、直感スキルが半端ねー。
ソラは感心しながら襲いかかる使い魔を切り裂く。
「ソラ、そっちに使い魔行ったよ!!」
さやかがそう言った通り、使い魔がどんどん襲いかかる。
ソラは
それから杏子となぎさが援軍にきたところをなぎさの襟首を掴み、
「くらえ、なぎちゃんボール!!」
「なんでですかぁ!?」
使い魔達に向けてぶん投げた。直撃して怯んだところをなぎさを回収して、使い魔達を切り裂いて前へ進む。
「味方を投げるなんてどういう神経しているのですか!」
「使える手っ取り早い武器があったらお約束だろ」
「なぎさは武器じゃありませんよ!?」
「んじゃ、使えるペットで。マミさんに飼われていたらこれぐらい当然だろ?」
「マミはそんなことしませんよ!!」
「あ。まず、というわけでマミさんによろしく!!」
「またですかぁーーーー!?」
そんな会話をしていたら今度は集団でこちらに向かってくるメガネ兵士の使い魔。
なので、文字通りお荷物ななぎさを、次はマミに向けて投げた。
キャッチしてくれてひと安心なところで使い魔が襲い掛かる。そこを杏子が槍で振り払い、さやかも援軍に来てくれた。
「んじゃ、いくよソラ!」
「合わせろよさやか、ソラ!!」
そっちもな、と答えて次々と来る使い魔を切り裂いた。しばらくしていると、今度は無数の弓矢が襲い掛かってきたが。
「ごめーん。ソラくんを助けようとして加減間違えちゃった♪」
「「「やりすぎだバカヤロー!!」」」
シャウトしながらその魔力の弓矢を弾ソラ達であった。
こんな風にして、時には危機を救い、時には危機から救われ、時には危機に陥れられる。
最後のは確実にまどかやマミさんのせいである。まどかはなんかワザとっぽいし。遠距離の人はたまに怖い。
そして遂に封印が見えてくる。しかし魔女がこちらを邪魔しようと手をオレに向けた。
――――やめて、私はこの世界で死ななきゃならないの
ソラにはそんな言葉が聞こえた気がした。
「死なせるか…………」
それに対して自然と言葉が出た。
「死なせてたまるかよ。まださよならも言わずに、ここで終わるとか言うなよ!!」
ここで魔女になっておしまいという結末は絶対認めない。
ソラは自分とお前でまどかを迎えに行くってと宣言した。だから――――――――
「まずはその
ソラは封印に向けて
それから開いた封印に向けてまどかは外にいるインキュベーターを駆除するために弓矢を放った。
――――そこには一緒にほむらがまどかと一緒に弦を引いていた気がした。
☆☆☆
戦いは終わり、ソラとマミ、杏子は砂漠にいた。
マミはほむらのジェムを胸の辺りに置き、安堵の息を吐いた。
「これで安心ね」
「てか、なぜに胸? ほむらに丘なきことを意味してるのですか?」
「ソラくん、貧乳はステータスよ?」
「マミが言っても説得力ねーな……」
たわわに実った果実の持ち主がステータスと言っても説得力皆無は当然であることを杏子が言っていると、月からパレードのような乗り物に乗ったさやかとなぎさが現れる。その前には『円環の理』となったまどかがほむらを連れていこうと手を伸ばす。
「これでハッピーエンド……なのか?」
「うーん、オレとしてはバッドエンドかな。ほむらがいなくなることも変わりないし」
「それじゃあ、今度はお姉ちゃんが連れて行かれるときに助け出してね♪」
「いやまどかを助けるつもりだったんだが、まあいいや。マミさんの言う通りオレはほむらやさやか。それからみんなを迎えに行けるように考えておくよ」
今はまどかを元に戻すしか手立てはない。いつかほむらやさやかもまどかのように元に戻す。
そう決意するソラだ。
まあ結果、暁美ほむらは救われてこの世界のルール通りに円環の理に導かれることとなる。そんな結末を迎える――――
――――そうなるはずだった。
――――そうなると思っていた。
「今度は……離さない」
それはほむらから口に出された言葉だった。ガッと手を捕まれたまどかに黒いナニカが奔流する
「こ、これは!?」
「なんなんだ!?」
マミと杏子は予想外の出来事に混乱する。ソラはほむらのジェムを見ていた。
ジェムは黒には染まっていない。けれど歪で言葉に出せない色になっていた。
(呪い!? いやこれは……理解できないナニカ! そして邪悪な力だ!)
ソラ達は暁美ほむらと言う少女を理解していなかった。
ずっと一人で戦い続けて、誰にも頼ることがなかった彼女。
そんな彼女を支えていたのはたった一人の大切な少女、鹿目まどかだった。
しかしその少女は概念となって世界から消えた。
ほむらはそれに果たして納得していただろうか。まさしくその答えが今、目の前にあった。
魔女化した力よりおぞましい呪いと邪気が彼女から放たれており、円環の理を鹿目まどかという少女の記憶から切り離された。
マズイ、と世界がガラスのヒビが入った直後、ソラは思わず口に出して叫んだ。
「全員逃げろォォォォォ!」
ドコでもドアを展開していた。しかし世界がナニカに呑み込まれる方が早かった。
ソラは二度目の世界改変に巻き込まれた。
☆☆☆
――――そして世界はまた改変された。『抑止の存在』は運ともすんとも言わず静観していた。
――――おそらく、それすらも無効にし、
キュゥべぇはそう名付けていた。
ソラはほむらがジェムを食い砕き、そしてソウルジェムではないナニカを生み出したのを見た。ダークオーブという産物がここに誕生したのだ。
ほむらの服装も魔法少女服ではなく、まどかとは逆の黒いドレスとなった。
神々しさではなく妖艶でおぞましい黒。美しいよりも妖しいという印象を与えるドレスだ。背中には黒いカラスのような翼が生えていた。
ほむらが何かを言っているようだが、ソラは眠気に襲われ、その瞼を閉じる。
そして目を開けたときにはそこは桜並木の通りのいつもの見滝原だった。
閑話休題
結果、杏子となぎさ、そしてマミは魔法少女であることを忘れ、唯一覚えていたさやかも、その力で忘れさせられた。
そして肝心の鹿目まどかもまた一人の少女に堕された。暁美ほむらという悪魔によって。
神は悪魔によって、堕されたのだ。
これがこの物語の結末。ハッピーエンドかバットエンドかどっちなのかわからない結末。
ソラとしてはほむらの想いを受け入れたい――――…………。
「だけど納得できない」
そんな想いが彼を支配していた。彼女のエゴと歪んだ想いが納得できない。
ソラは行動を起こしていた。
保険としてまどかに渡した『継承の証』があることを確認し、そして自分が死んだ後の遺言も書いた。
彼は死ぬつもりはない。しかし生き残れると考えられない。相手は神を陥れた悪魔。
巨悪な存在だ。人の身で敵う相手ではない。
それでもソラは彼女に伝えなければならないことがある。悪魔の力を持ち続ければ、いつか……と思ったからこそ、彼女を想ってからこそ、彼は彼女がいる空間に訪れた。
そこは真っ暗な夜空の世界。
星が光る夜空に、雪が降る静かな世界。
深淵の闇という言葉がふさわしいくらいの闇の空だ。
「あら、何しにきたの?」
「お前を戻しにきた。ほむら、悪魔の力なんか捨てて普通の女の子になってくれ」
そう言うと彼女は笑い始めた。
嘲笑。どうやら馬鹿にされているようだとソラは思った。
「無理よ。この力はまどかのためにある。まどかと繋ぐ愛の力よ。それを捨てるなんて馬鹿にもほどがあるわ」
その言葉を聞いてソラは理解した。
――――ああ、そうか……もうお前は狂っているんだな……。
もう知ってるお前じゃないんだ。なら、やることは簡単だ。
ソラは目を閉じて宣言した。
「…………なら喧嘩だ。決闘だ。お前が負ければその力を自分の意思で捨てろ」
「ソラ、何度も言わせないでほしいわ。これは――――」
「捨てろ。じゃないと切り離すぞ――――魂を」
歯軋りしたほむらは手で顔を覆い隠して、言った。それはまるで怨敵が現れたような剣呑な目をしていた。
「ならあなたを殺す。殺してやるわ……! 私とまどかの阻むあなたなんて……大嫌いよっ!!」
ソラはそれを聞いてちょっと傷ついたが、やる気なったことにニヤリと笑う。
ほむらは手を上げると、黒い沼から彼女の魔女とその使い魔が現れた。
「これは……」
「円環の理の一部の力よ。私と私の魔女がお相手してもらうわ」
ほむらの姿もまた変化した。いつもの魔法少女服ではなく、背中に黒い翼を生やし、黒いドレスを着た姿だった。
まどかの逆バージョンみたいだなとソラは思った。
「やれやれ……この軍勢で神器でなんとかなるかねー」
ソラは神器を召喚して、そうぼやいた。
勝てるとは思えないし、何より今回は神器の力を使うつもりはない。
使えばいつでもほむらを普通の女の子に戻すことは造作ではない。
だけどそれでは意味がない。
それはほむらがしたように誰かの意思を奪ったことと同じになる。だから彼は剣技と魔法だけで挑む。
「……なあ、今まで一緒に戦ってきてくれてありがとな。お前がいたからオレはいろいろひどい目にあったけど、友達や師匠に会えることができた。この戦いはたぶん最後…………いやオレの最期の戦いになるかもしれない。だからお礼を言いたかったんだ。お疲れさま、そしてオレの力を与えてくれてありがとな……」
ソラは神器に向かってそう言った。
もしこれに意思があれば答えていたかもしれないが、答えは返ってこない。
所詮神器は魂の武器で道具だ。
だけど、ソラにとってこれはもう一人の大切な相棒だ。別れのあいさつをしたかった。
「精一杯生きただろ? 満足して生きただろ? なら、安心して――――とっと死ね」
それはほむらに対してではなく、自分に対しての言葉。さよならの言葉。
そして最後の戦いが始まった。
――――彼の終幕の幕が上がったのだ
徐々に近づく彼の死。
そんな彼は笑ってました。
そんな彼は満たされていました。
後はあいつに任せる……そう言って。
次回第四十話 英雄は『死』を受け入れ、継承者は神器を手にいれる
――――暁美ほむらは間違いを犯した。彼は『殺す』べきではなかった
あ、ちなみにデート・ア・ライブの二次の宣伝しておきます。
その男――――『変人』
その男――――『切り裂き魔』
まあ要するに迷惑な男のお話をしようというわけだ。
『切り裂き魔さんと精霊ちゃん達』
ゆっくり更新で不定期更新です。