魔法少女まどか☆マギカ ~全てを開きし者は英雄となる~   作:ぼけなす

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変態警報発令! キュウべぇファンの皆様はこのお話を読まないことをオススメします!

では、どうぞ!

「あれ? キュウべぇにもファンがいたっけ?」

by神威ソラ


第五十五話 神威ソラと『ソラの肉体』

 

 

 神威ソラは混乱していた。スカさんことジェイル・スカリエッティのお願いを果たした後にいきなり召喚陣に呑み込まれた。そして次に目をしたのは魔女と戦うまどか達三人と知らない短髪アホ毛とスポコン、そして文学少女っぽいヤツらがコスプレをしていたという光景だ。

 

 そんな彼は一つの答えにたどり着く。

 

「ここは……ビッグサイトか!?」

 

 ソラの答えに海香とカオルは漫画のようにズザーとズッコける。それもそうだ。ビッグサイトではあれば自分達はコスプレイヤーか何かになる。

 

 唯一わかってないかずみはアホ面で首を傾げていた。なぜ癒しがあったのは気のせいではない。

 

「違う。ここはレイトウコよ。私達プレイアデス聖団の秘密の場所よ」

「なんだと、セイント聖矢だと? ペカザス流星拳を極めようとするコスプレイヤーなのか?」

「なんでそこにセイント聖が出てくんだよ! てか、コスプレイヤーから離れろよ!」

「お前、ナメんなよコスプレイヤーを。あの人達が着る衣装は情熱と汗と涙で出来た最高の作品なんだぞ――――と、まどかが言ってた」

「今はそれどうでもいいだろ! つか、またヤツか!? ヤツがソース(元凶)かァァァァァ!!」

 

 カオルさん乱心でオロオロするかずみ。海香はなんか遠い目で現実逃避していた。天を見ていた海香に、良い笑顔でサキと里美が「ガンバ☆」とサムアップする幻想が見えた。ムカつく顔だったのでシバきたい衝動に駆られた。

 

「ま、オレのことはさて置いて……あいつをなんとかしなきゃなぁ」

 

 ソラが指さすのは両腕をソード化させた『ソラ』だ。彼は剣呑な顔でソラを見ていた。

 

「貴様……なぜ、転生している? 女神の契約でお前は『抑止の存在』になるはず……」

「うーん、これには込み入った理由で転生しちゃった感じだからなぁ。でもお前にはどうでもいいだろ?」

 

 Need not know(知る必要はない)。ソラは不敵に笑う。『ソラ』は今にも襲いかかりそうだったが、ソラの後ろにいる海香とカオルは苦しそうに呻く。

 

「海香、カオル!?」

「ジェムが限界のようだな……」

「どうしよう零さん!」

「いや零って誰? つか、こいつら魔法少女だったの。またあのナマモノの仕業か?」

 

 肩を揺するかずみに目をくれず彼はうーんと考え込む。そんな中でかずみはジュウべぇの存在を思い出す。

 

「ジュウべぇお願い!」

「合点承知!」

 

 キュウべぇに似た黒と白が合わさった生物が前回転し始める。ソウルジェムがそれにより浄化し始める。しかし突如、ジュウべぇがそれを止める。

 

「どうしたのジュウべぇ?」

「オイラ、ニモ、ワカンネェ……」

 

 ボロボロと崩れ始めるジュウべぇにかずみは口を押さえて驚嘆する。ジュウべぇはいたずらっ子な笑みを浮かべる。

 

チャオ(さよなら)……かずみ」

 

 それを最後にジュウべぇは破裂した。ソラは冷静に観察し考える。

 

「……キュウべぇに浄化機能を与えたのか。でも、あいつらにはそんな機能はないからなぁ。無理矢理というか強引に取り付けたことによる拒絶反応だろう」

「なんで……なんでそんなに冷静なの!? ジュウべぇが死んじゃったんだよ!?」

「いやオレジュウべぇ知らないし、どうでもいい。なんせキュウべぇの類似品だし」

「さすがだねソラ」

 

 白い生物が彼に近づく。ソラはその生物がなんなのかを覚えている。

 

 魔法少女システムを造り、エネルギーを回収する合理的な思考回路しかない生物――――キュウべぇだ。

 

「彼は僕を従属させた個体さ。そしてソウルジェムの浄化という必要のない機能が付いてたよ」

「だが、その浄化も欠陥だった。無理矢理かどうかわからないが、そんな機能を与えれば脆いお前はボロボロに崩れる。穢れを呑み込み切れずな」

「その通りさ。まあ、でも表面だけの浄化は成功していたよ。ソウルジェムをほとんど浄化してなかったけど、彼は実に興味深い個体だったよ」

「浄化しきれてない……か。なるほど、これもあの金髪の策略なんだな」

 

 インキュベータは『希望が絶望に相転移する際に発生するエネルギーを回収する』ために存在していた。よってソウルジェムの浄化はインキュベータの本能が許さず、結果表面処理だけにとどまった。

 

 これまでに海香達が魔女化や導かれなかったのはジュウべぇが食べたグリーフシードによる浄化と魔力をセーブしてきたからだ。しかしそれも限界である。

 

 ほとんど浄化してなかったということはこの二人の少女はいずれ『円環の理』に導かれる結末を迎えることがほぼ確定している。

 

「この調子だとこの二人は魔女化するね」

「『円環の理』は機能してないのか?」

「してるさ。でも不完全な形なんだよ。ときたま魔女化する魔法少女はいる。けど、最終的には導かれていくよ。まあ僕としては魔女化は君達が言うレアカードを手にいれたってことになるね」

「わかりやすい例えありがとさん。てか、お前。なんか疲れてない? 目元に隈あるし」

「……ちょっと母星が色々あってね」

「呑気に雑談してないで二人を助けてよ!」

 

 かずみは懇願するようにソラを揺さぶる。彼は「そうは言ってもなぁ」と内心嘆息を吐いた。

 

 知り合いでもなんでもないヤツを助けるのは彼の信条ではない。しかし今回はかずみが知ってるという関係だ。

 

 つまりソラの頭では「あれ? こいつ知り合いだっけ?」と迷ってるのだ。知り合いならば彼は助けようと思えるのだが、お人好しではないのでそこまでする義理はない。

 

 そんな中でかずみの涙に反応したのは彼女のイヤリングだった。その中からグリーフシードが出てきた。ミチルのグリーフシードだ。

 

「ミチルが二人を助けようとしている……」

「グリーフシードに意思はないよ」

「でもわたしにはわかる。一緒に戦ってきたからわかるんだ」

 

 かずみに迷いはない。彼女はミチルのグリーフシードを使い二人のジェムを浄化した。ソウルジェムは浄化されてる最中にかずみはミチルの幻想を見た。

 

『二人をお願いね?』

「うん!」

 

 ミチルのグリーフシードはピンクの光に呑み込まれ消失した。海香とカオルは涙ぐみながら立ち上がる。

 

 ミチルはこれでもうここにはいない。『円環の理』に導かれたのだ。

 

「うおォォォォォ!」

 

 ソラの後ろには雄叫びを上げていた。どうしたのかと観察していると、どうやら光の鎖に繋がられていたようだ。

 

 何度もかずみ達を殺ろうと身体を動かしたが、ソラがそれを妨害していたのだ。

 

「なんだこれは!? こんな魔法見たことないぞ!」

「そりゃそうだろ。オレが来世で学んだ魔法だ。そう簡単に解けないって思ってたけど……まさか力付くとはな」

「貴様……なぜ邪魔をする! 貴様とその小娘達は関係ないだろう!」

 

 そういえばそうだ。なぜ彼女達のために動いたのだろうか。ソラは首を傾げていると海香が言った。

 

「零さんが……召喚を行った人があなたにお願いしました――――『みんなを守れ』と」

「あ、そっか。それが原因っぽいからなぁ。儀式召喚は契約した内容通りに動かなきゃならないし……まあいいや」

 

 ソラは神器を『ソラ』――――いや鍵の魔女に向けた。

 

「さーて、お前にはとっと退場してもらわなきゃな。まどか達も魔女をあらかた終わらしたし」

 

 かずみ達はカンナがレイトウコに閉じ込めたソウルジェムを持って外に出るところを見た。それを追いかけていくまどか達とかずみ達を放ってソラは目の前に集中した。

 

「殺す殺す殺すゥゥゥゥゥ!」

「懺悔は済んだ? 後悔した? なら、安心してとっと死ね――――亡霊」

 

 来世と前世。

 魂と肉体。

 

 そして未来と過去の戦いが切って落とされた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 アスナロタワー。そこでカンナはまどかから受けた傷を押さえながら術式を展開する。 

 

「|Every fox has to pay his own skin to the flayer 《狐はみな 自分の皮を剥ぎ 人に与えなければならない》……か。まったく、どこまでいっても人間ってヤツはムカつく存在だ」

 

 カンナはソウルジェムへイービルナッツを植え付け、魔女を繋ぎ合わせる。

 

「早く芽を出せ魔女の種! 出さぬハサミでちょん切るぞ!」

 

 カンナは魔女を複合することにより新たな魔女を誕生させた。それはワルプルギスの夜という複合魔女と同じ存在だ。

 

 かずみ達とまどか達が着いたときには時既に遅く、魔女は笑い声をあげていた。

 

「ワルプルギスの夜? いえ、新たな複合魔女ってところね」

「僕は敬意を示して『ヒュアデスの暁』と命名するよ」

「黙っときなさい淫獣」

「……………………」

 

 キュウべぇは黙ってしまった。いやそれだけでない頭を抱えている。『淫獣』という言葉がこの生物に何を意味しているのか、海香は聞いてみた。すると彼は答える。

 

「……約二年前。僕達の母性に新たなエネルギー生産方法が確立したんだ。それは魔法少女システムとは大して変わらないんだ……けど。けど……!」

 

 まとも(・・・)なキュウべぇは叫ぶ。

 

「魔法少女が変身することの『萌え』で僕達が興奮することでエネルギー生産なんて嫌すぎる!」

「「何そのシステム!?」」

「通称『秋葉原萌え萌えシステム』――――とあるクマさんパンツを頭に被った変態が僕達の母性に訪れて僕の仲間を変態化させ、完成したシステムさ……! おかげでまともな個体は精神疾患者ばかりだよ!」

「あ、それボクの師匠だ」

「「師匠!?」」

 

 驚くべき事実である。まさかのノエルハザードでキュウべぇの星は『変態補完計画』され、生き残ったまともなキュウべぇは思い悩み苦しみの果てに精神疾患者を生み出してしまった。そのため今の彼には合理的だが『感情』がある。

 

 苦労人な立場である彼ら(まともな個体)は感情がなければツッコミ切れないために進化したのだ。

 

「おかげで僕達は『淫獣』って呼ばれるようになった……。それもこれもあの『淫究ベータ』のせいだよ!」

「ふっ、君もまだ理解してないようだね!」

 

 するとキュウべぇがもう一匹現れる。しかしそのキュウべぇは何かが違う。

 

 

――――そう、頭にウサギさんパンツを被っているのだ!

 

 

「『萌え』から発生する熱エネルギーは宇宙を救うんだ! 変態が宇宙の救世主なんだよ!」

「「なにこの変態!?」」

 

 海香とカオルは知らなかった。彼女達が関わっていたのはまともな個体だったのだ。

 

 理由はまともな個体ことキュウべぇが『淫究ベータ』を干渉させなかったのだ。彼と干渉すればこれまで築き上げた外道というイメージが180度逆走した変態になる。

 

「僕らは合理的で最低最悪な外道なんだよ。白いGと呼ばれるこそ僕達の本懐だろ!?」

「違うね旧世代。今こそマスコットとは変態という淫獣さ! 『萌え』を探究し、そして今日も魔法少女達の入浴着替えを覗く!」

「堂々と発言するなよ! もうヤダぁ……誰かこいつら止めてよぉ……」

 

 キュウべぇらしくない弱々しい声である。彼は静かに泣く姿に海香とカオルは同情した。

 

「……なんかアイツかわいそうだな」

「今度キャットフードを渡そうかしら……」

「ふっ、この程度でめげるとはなさけ――――きゅぷい!」

 

 『淫究ベータ』は『ヒュアデスの暁』の使い魔に潰された。悪は去ったのだ。

 

 と、そんなことを考えていた少女達にカンナは額に青筋を立てていた。

 

「真面目にしろやァァァァァ!!」

「きゃあーカンナ様が乱心よー(棒読み)」

「者共であえであえー(棒読み)」

「余裕だなオイ!」

 

 棒読みなまどかとほむらにカオルはツッコむ。依然として使い魔は追いかけてくるが、海香とカオルはそれを撃退しにかかる。

 

「わたしも!」

「待てかずみ。これ以上お前が魔法を使えば魔女化する!」

「ここは私達に任せて!」

「ううん……大丈夫。わたしが魔女になるのは今じゃない」

 

 かずみにはある決意があった。彼女は海香とカオルに自分が『魔法少女』になることを話した。

 

 かずみは『合成魔法少女』であるが、『魔法少女』ではない。つまり魔法が使える合成人間だ。

 

 ソウルジェムはその名の通り魂を表す器だ。そして魂――――ココロがあれば契約できる。人間でなくてもココロがあれば契約できるのだ。

 

「良いところに気がついたねかずみ。それで君は魔女や『円環の理』に導かれる未来(ぜつぼう)が待っているというのにそれでも魔法少女になるのかい?」

「わたしは絶望なんかしない! 魔女にもならない!」

「かずみ――――君はどんな祈りでソウルジェムを輝かせるんだい?」

 

 かずみは一呼吸する。そして彼女は願う。

 

「わたしを本物の人間にして」

「人間になってもその直後に君は魔法少女としてその肉体から切り離されるだけだよ? あまりにも無意味な願いだ」

「無意味なんかじゃない。みんなの魔法や魔女の力を借りずに……自分の足で明日に踏み出すために……わたしはわたしだけの身体が必要なの!」

「かずみ……」

 

 カオルはどこか納得した顔をしていた。かずみの身体が光始める。契約が開始されるのだ。

 

「させるかァァァァァ!」

 

 それを邪魔しようと『ヒュアデスの暁』が手を伸ばす。しかしそれは剣と槍と魔弾で逸らされる。

 

「やっほー!」

「よぉ、ここがパーティ会場か?」

「おもてなしするわ」

 

 さやか、杏子、マミがここにきて参戦。舌打ちするカンナだが、かずみの契約はもう止められない。

 

「さあ、叶えてよインキュベータ!」

 

 キュウべぇの瞳にかずみが写され、そして彼女は魔法少女となる。かわいらしい衣装で胸に藍色のソウルジェムが飾られている。髪も長髪になり、武器もまた黒から白になっていた。

 

「私と同じっぽい!?」

「いやちげーだろ。あんなダボダボしてねーだろまどかは」

 

 ガーンと受けるまどかに杏子は糸目でツッコむ。海香とカオルも変身すると衣装が変わっていた。

 

「あれっ?」

「これは……」

「かずみの魔法力に影響されて君達もバージョンアップしたんだ」

 

 キュウべぇは背中を見せている。理由はワラワラと出てくる『淫究ベータ(変態)達』に彼女達に接触させないための監視である。

 

「僕は守ってみせる……! 自分のキャラを!」

「なんかこのキュウべぇカッコイイな……」

 

 杏子は冷や汗を流していると、「『スカーラ・ア・パラディーゾ』!」とかずみが道を造り出す。

 

「行こう!」

 

 それに全員が頷き、戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえばなんでここに来るのが遅れたの? さやかちゃん達は」

「迷った」

「買い食いしてた」

「ティータイム」

「フリーダム過ぎない? あなた達……」

 

 ソラに染まる三人――――これはもはや決定事項である。

 




なんかすみません。キュウべぇのところにもしノエルが訪れたら……と妄想してしまいできた設定です!

やったねキュウべぇ! これで宇宙は延命するよ!
萌えの力で!

――――まあキュウべぇにとっては悪夢ですが。自分の在り方が変態になるってどんな悪夢……。

なお、淫究ベータの声優さんは違います。別の人と考えているのですが、ヤバい。変態キャラの声優さんっているのかな……。

まあどうでもいいや。

次回、前世よ、消え去れ

――――そろそろ終わりにしようか

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