今回ギャグ少なめですぞ。
真体ゼウスとオルパルドンの決戦は幾度かの移動を繰り返して空想樹の前にたどり着いた。
具体的には特撮ワープで。
「クッ、若干ORTマンが優勢か!?頑張れ、あと少しだぞORTマン!」
「魔力の消費もORTマンの方が少ない。これは俺の所感だが、ゼウスの魔力消費の方が大きいのは、真体の扱いになれていないのが原因だろうな」
「お二人が当然のように味方のようなテンションなのはなぜなのでしょうか・・・」
戦況はややORTマンに有利といったところで、ゼウスは焦っていた。
(おのれ、忌々しいORTマンめッ!!何か策は無いのか!?)
ゼウスはオルパルドンと戦いながら周囲を探る。
(む?あれは空想樹なる異聞の楔・・・?確かあれは異星の神を降ろすためのものであったか)
その時、ゼウスに電流走る。
(そうだ、あれを取り込めば良いのだ!あれに蓄えられた力を使えばORTマンなぞ敵ではない!)
そう思い付いたゼウスはオルパルドンに殴られた勢いで空想樹に近づく。
「フハハハ!忌々しいORTマンよ!この空想樹に蓄えられた力がどれほどのものか、その身を持って思い知るが良い!」
だが、キリシュタリアがニヤリと笑う。
「残念ながら、空想樹の中には
キリシュタリアのその言葉に応えるかのように空想樹は光を、
代わりに中から巨人が現れる。
「なるほど、すでに退去させられていたか」
キリシュタリアがそう呟く。
「ハッハッハ・・・ハーハッハッハ!」
「誰だ貴様!?いや、まさか!?」
その巨人はオルパルドンに酷似したロボットであった。
その上に立つ影が高笑いしている。
ゼウスは宿敵を視界に収め、歯を食いしばりながら睨みつける。
「地獄からの使者、スパイダーマッ!」デーデデーデデデ!
「「本人かよ!!!」」
「おや、カドックじゃないか」
「そこに隠れていらしたのですね・・・」
赤いスーツに白い蜘蛛の巣のようなラインが走っている。その男こそORTが見た者。
ネットミームのアヴェンジャー、東映版スパイダーマンである。
「すり替えておいたのさ!」
「貴様!!!」
「トゥッ!スパイダーストリングス!」
そこからは二人のサーヴァントに攻撃されるゼウスが一方的にダメージを蓄積させていった。
「ORTストリングス!」
「グオ!?は、離せ!」
「ッ!今だ!」
そして、ORTマンによって捕らえられたゼウスに対面するスパイダーマンは魔力の出力を上昇させる。
「この時を待っていたぞ!今こそ父とガリアの復讐を果たす時!来い、レオパルドン!
『
その剣は因果すらも書き換え、攻撃した相手を必ず討ち滅ぼす。コズミックパワーなる力によって強化されたその剣はゼウスの体の中心へと吸い込まれていく。
「ぬおおお!?この、このワシが!2度も負けるとはッ!覚悟しろスパイダーマン!必ずや後悔させてくれるわぁっ!」
それが断末魔となって響き渡る。
こうしてゼウスは爆散し、オリュンポスの戦いは落ち着きを見せることとなった。
「敵性反応・・・消滅を確認。戦闘終了、お疲れ様ですマスター」
「マシュもお疲れ様!」
緊張していた精神が一気に弛緩する。とはいえ、ゼウスとの戦いでは何もしてはいないが。
と、デイビットが声をかけてくる。
「藤丸立香、ゼウスという脅威は去ったが、まだ何も終わっていないぞ」
「は?デイビット、お前は何言っているんだ?むかつくが完璧に人理とカルデアの勝ちだろ。異聞帯の王は負けたし、空想樹も良くわからないロボットに内側から破壊された。肝心のキリシュタリアも今じゃミノムシかなんかだ。「ミノムシ!?」ここから何が起きるって言うんだよ?」
「空を見ろ」
カドックがデイビットに事実を並べ立てる中、何か致命的な事象が発生し、真っ先に動いたのはスパイダーマンだった。
そこにいた誰もが思わず上空を見上げた。
「んな!?」
そこにあったのは巨大な目のような何か。
それは
「おいおい、ちょっと遊びに行ってたらとんでもないのが出てきてるじゃねえか」
「む、テスカトリポカか」
「テスカトリポカ!?アステカ神話の中でもトップクラスの神霊です!」
フラッと現れたテスカトリポカと呼ばれた英霊。
彼は上空の目を見て嗤う。
「
その目の正体はカオス。ゼウスに負け、最高神の座を奪われたゼウスの父親であった。
「というかスパイダーマン、大丈夫!?」
「すまない、どうやら俺はここまでらしい。霊核を砕かれた」
「そんな・・・!」
キリシュタリアも焦った様子で立香に警告する。
「藤丸君、このままだとカルデアはこの異聞帯諸共カオスに呑まれるぞ!奴は無そのものだ!攻撃なんて届かない!」
「それ不味くない!?キリシュタリアは何か対応策とかない!?」
「すまないが何も無い!足止め程度ならなんとかだ!」
あまりにも絶望的な敵の出現に立香は戦慄した。
(何か、何か無いのか!?)
立香は考えを巡らせるが、解決策は思いつかない。
その時だった。
『こちらストームボーダー。作戦通り立香達を回収しに来たのだけど、それどころでは無さそうだね』
「キャプテン!」
『立香!私もいるよ!』
「武蔵ちゃん!?オリュンポスに来てたの!?」
セイバー宮本武蔵。彼女は亜種特異点もとい亜種並行世界の下総にて共に戦い、死したあとカルデアに召喚されていたサーヴァントであった。彼女の体質及び願いによって一人並行世界を渡り歩いていたが、今このときはマスターである立香と同じ世界にいたのだ。
『カオスだったっけ?あれは私がなんとかします!武蔵ちゃんに任せなさい!』
「そんなの駄目だよ!武蔵ちゃんだって無事じゃすまない!」
確かに無へと至った彼女の剣であればカオスのいる空間とオリュンポスを分断させられるであろう。
しかし、それをすれば武蔵が無事でいられる可能性は限りなくゼロ。
そして、彼女はサーヴァントとはいえすでに自分自身の本来いるべき世界を剪定され失った身。
故に彼女がサーヴァントとして退去したとき、二度と召喚されることはなくなる。
『私がストームボーダーの上に出て、やつを斬る!だから、ギリギリまでボーダーを近づけられる?』
『・・・可能だ』
『キャプテン!?それしか無いのかね!?』
『残念だけどあれをなんとかできるのなんて武蔵かORTくらいで・・・ORT?』
ふと、全員がカオスの方を見上げる。
「虚無すら粉砕する男、ORTマッ!!!」
デーデデーデデデ!デデッデデー!
「「「『『『ORTマン!?』』』」」」
そこにいたのはオルパルドン、その肩に立つORTマン。
そして、スパイダーマン。
さて、ここでORTがどういった存在なのか思い出してみよう。
進化する化け物。
それがORTである。正史ではカルデア式召喚を学習し、自らをグランドクラスに設定すると、死後自らを召喚したり、とある世界では真祖を喰らい、その立場に成り代わったこともあったくらいには多様な進化が可能である。
故に、カオスを止めるための進化をするのも、また必然であった。
「俺を食え、ORTマン!」
スパイダーマンがそう言うと、ORTマンは液体金属のようになり、スパイダーマンの体を覆っていく。そのさまはまるでヴェノムのごとく。
完全に覆われると、立香は理解する。
「出力98%から100%を維持。霊基『スパイダーマン』解析終了。目標設定完了。オルパルドン、魔力炉心一番から五番まで接続完了。
宝具疑似展開『
斬撃は放たれた。