ぼっち・ざ・ろっく・おぶ・ざ・ひーろー! 作:あいむ
ぼざろにハマり、ついつい書いちゃいました。
ぼちぼちと頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。
「ああ〜、今日も駄目だった〜」
本日、数学の授業にて問題の回答を先生に指名されたがてんで答えられなかった1人の青少年は学校の人気のない場所のベンチにて天を仰ぐようにもたれながら座っていた。
それがこの俺、 星乃湊音。
数ヶ月前、この高校に無事入学した男子高生です。
はい、自己紹介終わり。
短いかもしれないけどその他何も言うことが無いのが現状です。趣味とか好きな音楽とか聞かれても特に言うことが無いし。まあ辛うじて言うのならアニメとか好きかな〜って感じ。音楽だって基本アニソン、偶にメタルやロックを聴く感じ。それ以外は普通の………ごくごく普通の何も語ることの無い人間です。
そんでもって生まれてこの方、友達と呼べる存在はあんまりいなかったし……うん、この話止めよう。
まあ、なんやかんやあって今は教室から離れて人気のない場所に来ている。こういう短い休み時間だと殆どの人は教室で仲のいい者同士で話に花を咲かせる事が多いから寧ろこっちの方が俺にとっては居心地がいい。
「あ、そろそろ戻らなきゃ」
次の授業が控えている為、重い腰を上げてベンチから立ち上がる。そのまま廊下を歩き、自身の教室に向かっていた。
その時だった。
「いてっ」
曲がり角で誰かとぶつかった。前方を確認するとピンクの長い髪やピンク色のジャージに学校規定のスカートを履いた少女がいた。……いや、ピンクの主張強いな。
「あ、すみません。前見てなくて……。大丈夫ですか?」
少女に近づき、手を伸ばした。
怪我とかしてないかな……と思い、相手の表情が分からないかと顔を覗き込むように聞いてみた。彼女は前髪もそれなりにあって、パッと見だとわかりにくいからそうするしかない。
「あっ………。えっと………。その…………」
「すみませんでした!」と目をそらすかのように彼女は反対方向に走って行ってしまった。そして僅か数秒で姿は見えなくなっていた。
「……行っ……ちゃった」
突然の出来事にポカーンとせざるを得なかった。
「(それにしても……目、綺麗だったな。また会えるかな?)」
ピンクの前髪の隙間から見えた綺麗なスカイブルーの瞳が何故か脳裏に焼き付いていた。
ふと足元を見ると、そこに1冊の生徒手帳が転がっていた。
拾い上げて、ページをめくると後藤ひとりという名前と先程の少女と思われる写真があった。
「えっと……これ届けた方が良いよね……」
それを拾い上げ、どうやって届けようかと考えていたところ、授業の予鈴が鳴った。
一先ず、彼女の生徒手帳は持ったまま休み時間にでも彼女のクラスに行って渡しに行こうと考えていた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
午前中の授業が終わり、お昼ご飯の時間になった。
と、言っても対した出来事もなくただ教室にて自分の机で弁当食べて終わりです。
他の人とお喋りしながら食べるでもなく、見通しのいい所で食べるでも無い。ただ1人、孤独の弁当をしてそれで終わり。うん、見どころゼロ。
因みに、ぶつかって生徒手帳を落とした子に届けようともしたのだが、その子は教室にはおらず、誰かに渡してもらおうにも別クラスの女子に声をかけるなんてクソ高ハードルを越えられる訳もなく、そのままの状態になっているという。
そのまま自分の教室に帰ってもいいのだが、今日はなんかどこかに行きたい気分だった。という訳で教室から出て心が赴くままに学内を彷徨いた。
今日はどこに行こうかと考えながら歩いているとある場所が目に入った。
「こんな場所あったっけ?」
階段を1階まで降りたところに机や椅子等が積み重ねられた場所があった。物置にも思えるが使用されてる様子も無い。
何も考えず隙間を通り、空いていたスペースに座り込む。
「(………うん、ちょっと薄暗いけど悪くない居心地)」
ほー、良いじゃないか。こういうので良いんだよこういうので。なんて思いつつひと息ついた。人気も無いし、落ち着きたい時にはここに来よう。
………にしても、何か変な感じだ。
ここには俺しかいない筈なのに、人の気配がする。
周囲を見回し、その違和感を探す。
「あっ……」
「え?」
しかし、その正体はすぐにわかった。
先程のピンクの少女が対角線上に座り込んでいた。
互いを認識しあい、暫しの沈黙が流れる。
そして……
「あっ………あっ……」
冷静になったせいなのか突然口をパクパクさせながら声を絞り出すように何かを言う少女を前に、俺も冷静さを取り戻した。
「えっと……後藤ひとり……さんですよね?」
「ウェ!? ……あ、その……は、はい……」
まるで「何で名前知ってるんだろう」と言わんばかりの視線を向けられる。まあ、同学年とはいえクラスメイトでもなく、話したこともない異性に突然名前を呼ばれたらそう感じるのは無理も無いだろう。
「あ、良かったです。貴方に用があったんですけど……、え?」
「すすすすみません、今これしか手持ちが無いのでどうか許してくださいぃぃぃ」
「いやいや違いますよ! と、とにかくそれしまってください!」
早速、生徒手帳を返そうと思ったら彼女は財布や小物を取り出し、こちらに差し出すかのようなポーズをしていた。
「あの……大丈夫ですか?」
「えっと……はい……。飴、ありがとうございます……」
とにかく自分は彼女に害を成さないという証明と落ち着きを取り戻して貰うため、常備していたいちごミルクキャンディーを差し出した。その効果はあったようで、後藤さんは今口の中で飴をコロコロと舐めながら、こちらの話を聞いてくれるようになった。
「それで用事なんですけど……、これ落としましたよね?」
「えっ……? あ、ありがとうございます」
後藤さんは生徒手帳を受け取ると、中を確認してポケットへとしまった。
「……………………………」
「……………………………」
き、気まずい……。
お互いに黙り込んだまま、動くことも出来ない現状。生徒手帳を渡すという要件が終わってしまい、話題が何も無くなってしまった。後藤さんもさっきまで慌てふためいていたのにこの空気になった故か、1周回って冷静になってしまった。
仕方ない……、ここは何とか話題を切り出すしか……
「えっと……後藤さん?」
「ひゃ、ひゃい!!」
「うぉ……、あの……後藤さんって普段何してるんですか?」
「え……?」
「あ、ご趣味は何ですか〜的な?」
流石に攻めた質問だったかな?と思いつつ彼女の様子を伺ってみた。
「えっと……ギターを少々……あ、いえなんでもないです」
「え? ギターやってるんですか?」
「あっ……は、はい……」
「マジですか!? 凄いじゃん!!」
ギターが弾けるという言葉に反応してしまい、思わず素が出てしまった。案の定、後藤さんもビックリしてるし……
「あ、すみません……。つい……」
「い、いえ……」
「でもギター弾けるなんてカッコいいと思いますよ」
「そ……そうですか……?」
「はい! すっごく!」
その後、後藤さんは「カッコイイ……カッコイイ……ウヘヘヘ」と呟き始めた。もしかしてこの子……ギター関連であんまり褒められる事無かったのかな?
「ギターって昔、気になってはいたんですけど……やっぱり難しいんですかね?」
「えっと……」
それからというもの、ギターという切口を見つけた事で話題に困ることは無かった。後藤さんからギターについて色々と教えて貰うことが出来た。そして何より彼女がギターを始めた切っ掛けが『世界平和』である事に驚いた。
「(なんだろう……、後藤さんって……)」
色々と話を聞いている内に、次の授業の予鈴が鳴る。いつの間にか時間が過ぎていた事に驚いたが、授業に遅れる訳にもいかないと次の行動を始めようとした。
「さて、そろそろ休憩時間も終わるし教室戻りましょうか」
「あ、はい……」
後藤さんが立ち上がった事を確認し、クラスへと戻り始めた。その間は特に会話と無く、気がつけば教室の前に着いていた。因みに後藤さんのクラスは5組、俺は4組なので教室は近かった。
「あ、後藤さん」
「は、はい……」
「また今度」
そう言って、教室に戻った。
また、会えるだろうか。友達になれるだろうか。
そんな不確かな思いに期待を寄せるように気持ちは傾いていた。
続きは気分が乗りしだい書いていきます。
p.s.祝え!後藤ひとりの誕生日を!