ぼっち・ざ・ろっく・おぶ・ざ・ひーろー!   作:あいむ

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前回の


作者のあらすじ
ぼざろとドンキのコラボグッズ争奪戦、見事に敗北しました。
タペストリー欲しかったです。


「いや本編のあらすじしてよ!!」




ロックなアー写、撮ろうぜ?

 

 

「ゆゆゆ許してください!」

 

 結束バンドの初ミーティングから数日経ったある日、あたしはメンバー全員を呼び下北沢駅前に来ていた。

 そして、現状最後に到着したぼっちちゃんから土下座と共に謝罪をされている。

 

 

 

 

 何で?

 

 

 

 

 しかも首から『約束通り私は歌詞を書き上げられませんでした』って書いたプラカード付けてるし。

 

「え? 全然歌詞を書き上げられない私を吊るしあげる会じゃないんですか……?」

「そんな外道な事しないよ!?」

 

 ぼっちちゃんにはあたしたちがどう見えてるの!?

 

「じゃあ今日呼び出したのは……」

「そうそう。この前は思いつかなかったんだけどまだあったんだよ! バンドらしいこと!」

「何ですか?」

「アー写撮ろう!」

 

 アー写。正式に言うとアーティスト写真。

 バンドだけでなくアイドルやミュージシャンなんかも撮っている物。ある意味これがそのアーティストがどんな人達かっていうのを示しているものだと思う。

 

「今あるアー写ってぼっちちゃん写ってないでしょ? それに……」

 

 あたしはスマホのデータを遡り、その写真をみんなに見せた。

 それはぼっちちゃんが加入する前……あたしとリョウ、喜多ちゃんの3人で活動してた時の物なんだけど……

 

「………これは」

 

 その写真はあたしとリョウが写真に写ってて喜多ちゃんは端っこの方に合成したものだった。……こんなこと言っちゃあれだけど、クラスの集合写真で1人だけ欠席したような感じになってる。

 

「ほら、喜多ちゃんライブ前に逃げちゃったから……」

「あの時は本当にごめんなさい!!」

 

 あたしの言葉に喜多ちゃんは即謝り。

 まだ気にしてるんだね……逃げちゃったこと……。

 

「まあ、そんなわけで今日は天気も良いし、みんなの予定も空いてるって事でアー写撮っちゃおう!」

「そ、外でですか!?」

「スタジオで撮るのはお金かかるから難しいんだよね〜。STARRYの前出撮るのも手だけどアー写ってバンドの方向性とかメンバーの特徴を伝える大事なものだし」

「じゃあ気合い入れて撮らないとですね!」

「その通り! ライブハウスの広告やフライヤーに雑誌、どれに使われても印象を残せるものにするのが大切なんだ!」

「わ……分かりました。覚悟、決めます!」

 

 ぼっちちゃんもやる気になってくれたところでアー写撮影に向けてあたし達は動き出す……

 

 

 

 

 

 と、行きたいところだがそんな盛り上がりの中であたしは1つ違和感を感じていた。

 

「それにしても……星乃くん遅いね」

「そういえば」

「遅刻ですかね?」

 

 待ち合わせ時間はとっくに過ぎているのに星乃くんが来ていない。

 星乃くんは真面目なタイプだし、バイトだって遅刻をしたことは無い。そんな彼が遅刻をして連絡が無いって事は想像出来なかった。

 

「ぼっちちゃんは何か聞きてる?」

「い、いえ。何も……」

 

 ぼっちちゃんにも連絡してないか……。

 不安になったから彼に連絡を取るべく、ロインで電話をしてみた。

 

『はいもしもし』

 

 あたしの心配とは真逆に星乃くんは早々に通話に出た。

 

「星乃くん、今何処にいるの?」

『今家ですけど……』

「待ち合わせ時間覚えてる?」

『待ち合わせ……って何の話ですか?』

「いやいやいや! 今日下北沢駅前に集合って連絡いれたよね?」

『え……? 初耳ですけど……』

「え?」

 

 星乃くんの言葉に耳を疑い、あたしはロインの結束バンドのトーク画面を開いた。そこには確かに上記のメッセージが記されていた。

 

「でも結束バンドのグループにはメッセージ送ってるよ?」

『結束バンドのグループ……? なんですかそれ』

「え?」

 

 耳を疑った。

 星乃くんはそもそも結束バンドのグループを知らないって感じになってる。

 いやいや、そんなことは無い筈。これは星乃くんの冗談でしょ〜と思いつつ頭の中に浮かんだ可能性を確かめるべくグループトークの画面を再確認する。

 

 

 

 

 そして、その理由は分かった。

 あたしが送ったメッセージの既読数は『3』。そして、メンバーは4人。

 

 

 つまり……

 

「(星乃くん、このグループに入って無かったーー!!!)」

 

 結束バンドのグループに星乃くんがいなかった。そりゃ今日のこと知らない筈だ。

 

「星乃くんごめん! あたしの連絡ミスだった!!」

『え? あ、はい?』

「とりあえず今日予定無かったら今から下北沢に来れない?!」

『え? まあ大丈夫ですけど……』

「急な話でほんっとにごめん!」

『い、いえ。じゃあ今から行きます。ちょっと時間かかるので先に行っててください。後から合流点します』

 

 そのまま通話は切れ、ぼっちちゃん達はずっーとあたしを見ていた。

 

「ごめん、星乃くんに連絡行ってなかった……」

「どうしましょうか……。来るの待ちますか?」

「後から合流するって言ってたし先に撮影スポット探しとこっか」

 

 あたし達はそのまま駅から離れ、星乃くんが来るのを待ちつつスポットを探しに向かった。

 

 とりあえず星乃くんには……今度お詫び費何か奢ってあげよう。うん。

 

 

 

     〇 〇 〇 〇 〇

 

 

 

 虹夏ちゃんの提案で私たちは下北沢でアー写を撮ることになった。

 

 ただ星乃くんは遅れてくる……らしい。

 待ってる間、私たちはアー写スポット探しに出る。

 

「うーん……後、アー写スポットになりそうな所っていったら……良さげな壁とかかな〜?」

 

 商店街、自転車の駐輪場、怪談やフェンス……など色んな場所で写真を撮っては吟味し、いまいち違う……という結論に至っていた。

 

 そんな中……

 

「あれ……? 皆はどこに……」

 

 私は思いっきりはぐれていた。

 良さげな壁が無いか……と思いこの公園に立ち寄ったらこうなった。

 で……でもまだそんなに離れてないはずだから早く戻れば……

 

 そんな時、ある物が目に入った。

 

 

 

 

 

 

 それは、木の上を見ていた小さな男の子と何故か木登りをしている星乃くんだった。

 

 何で木登りしてるのか謎だったけど、その疑問は直ぐに晴れた。

 

 星乃くんは、登りきったところで枝に着いている風船を取っていた。

 枝のギリギリまで近づいて、もうすぐ風船に手が届きそうなところまで来ていた。

 

 

 そんな時、彼が乗っていた木の枝が折れてしまった。

 

「あっ……」

 

 星乃くんは勢いよく地面に落ちてしまった。

 私がどうしようか迷ってる間に、彼は立ち上がりお尻をさすりながら手に持っていた風船を子供に渡していた。

 子供は星乃くんにお辞儀をすると風船を持って何処かに行った。

 

「あれ? 後藤さん?」

 

 その後、星乃くんは私に気付き声をかけてきた。

 

「すすすすみません! 今のことは誰にも言いませんのでどうかいいい命だけは!!!」

「いや突然どうした!?」

 

 もしや、さっきの光景を偶然とはいえ見ていた事に気付かれて何か言われるのでは……と思っていたけどそんな事は無く、星乃くんはビックリしていた。

 

「それで、後藤さんはここで何を? 伊地知さん達は?」

「あっえと……今アー写のスポット探してて……それでいい感じの壁をですね……」

「……あんな感じ?」

 

 星乃くんが指さした先にはスプーレーアート?みたいな感じで木を描いた……なんていうか、ちょうどいい感じの模様の壁があった。それを見た私は反射的に頷いた。

 

「じゃあ皆の所行きましょうか」

「あっはい」

 

 その後、私たちは虹夏ちゃんの元に向かった。

 

 

 

     〇 〇 〇 〇 〇

 

 

 

「後藤さん? 伊地知さん達いるけど……声掛けないんですか?」

「あっ……えっとその……星乃くん、お願いします……」

 

 後藤さんと遭遇し彼女の案内の元、伊地知さんたちの元までやってきた。そこには山田さんと喜多さんもいた。

 何故か俺の後ろに隠れていた後藤さん。声をかけに行かないのかと聞いたがただ首を横に振り目を逸らしていた。

 

「あの〜……」

「ん……? あ、星乃くん。それにぼっちちゃんも」

「遅刻してすみません」

「いやいや、あたしこそ連絡行き届いてなくてごめんね!」

「あ、それで……後藤さんからも話があるんですよ。ね?」

「えっ……」

 

 とりあえず後藤さんにも話を振る。壁の件に関しては後藤さんが見つけたようなもんだし彼女から申告した方がいいだろう。

 と言う訳で後藤さん、あとは頑張れ。

 

「あっ……あの……あっちに多分なんですけど良さげな壁が……」

「おお! ぼっちちゃんでかした!」

 

 後藤さんも何とか要件を伝えること出来た。

 その後、後藤さんが発見した壁まで移動しアー写撮影を決行した。

 

「じゃあ星乃くん、写真撮ってもらってもいいかな?」

「分かりました」

 

 伊地知さんに頼まれて自分のスマホのカメラアプリを起動し、4人に照準を定めた。

 

「良いですか? 撮りますよ〜、3、2、1、ハイ!」

 

 4人のタイミングに合わせてカメラのシャッターボタンを押す。

 そうして撮れた写真は……

 

「なんて言うか……うん」

 

 山田さんの肩を組む伊地知さんに自然な笑みの喜多さん、そして……俯きすぎて顔が見えなくなってる後藤さんという……なんとも言えないものになった。

 

「……どうです?」

「うーん、メンバーのキャラは出てるけどいまいちバンド感がねぇ……」

「あ、ありっちゃありなんですか」

「ならばバンドマンのお手本たる私の真似をしてみて」

「相変わらず自信凄いですね」

「でも先輩の言う通りにしては間違いないですよ! ねっ、後藤さん!」

「あっハイ」

「イエスマンが2人か……」

 

 まあ、物は試しという事で今度は山田さんを見本に表情をつくり写真を撮った。

 

「なんか……お通夜みたい」

「見てはいけないものを見てしまったみたいな雰囲気してますね……」

 

 皆、生気を失ったみたいな目してる。うん、普段こんな視線向けられたら明日から引きこもりになる自信ある。

 

「それにしても喜多ちゃんはどの写真でも可愛く写るね」

「あ、それはイソスタとかに良く写真あげるからかもですね」

 

 そのまま喜多さんが見せたイソスタには友達とお出かけした際に自撮りしたものや有名コーヒー店のホイップシロップフルーツマシマシみたいな奴もあった。確かこれ姉ちゃんから聞いて調べた時あったけど中々なお値段しなかったっけ?

 

 こんな感じで喜多さんのイソスタに目を取られてる傍らで後藤さんが謎の発作を起こしていた。

 

「ヴゥァァァァ!!」

「うわっ! ぼっちちゃんが瀕死状態に!?」

「というか……バグってません?」

「後藤さんどうしたの!? 死なないで!!」

「わ……私が下北沢のツチノコです……」

「後藤さんが変なこと言ってます!!」

「あー、いっつもこんな感じだよー」

 

 流石伊地知さん、慣れるのが早い。

 

「にしてもどうします? このままにしとく訳にもいかないでしょう」

「そだねー。……あ、じゃあぼっちちゃんもイソスタ始めてみたら?」

「いいと思います! 後藤さん! 友達になりましょ!」

「その言い方だと今まで友達じゃ無かったみたいな誤解産みませんかね?」

 

 次の瞬間、後藤さんの動きが一瞬止まったと思ったらさらにバグが酷くなった。もはやいつ人間の形を崩してもおかしくない状態になっている。

 

「(う……産まれてしまう……、承認欲求モンスター!)」

「ヴァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァアアアアアアアァァァァァァァァァァァァアアアアァァァァァァアアアアアア!!!!!!!!!」

 

 ヤバい、これもう精神崩壊レベルに達してる!! このままだともう元に戻れなくなりそうで怖いんだが!?

 

「い……いいねくれ〜〜」

 

 しかもなんかメッチャ小声で言ってるし。

 

「………おもしれー女」

「星乃くんも変なこと言ってないで元に戻すの手伝って!!!」

 

 率直な感想を言ってると伊地知さんに怒られた。まあ、このままにしておくのもやばそうだし何とかするか……。

 

「私に案がある」

「え!? 何!?」

 

 突如として声を出した山田さんに伊地知さんは食いついていた。

 

「ぼっちもこうなった事だし……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日でこの作品は最終回だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぼっち・ざ・ろっく・おぶ・ざ・ひーろー!

 

 

 

 

作者の次回作にご期待ください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや勝手に終わらせないで!!!」

 

 

 

 




結論
承認欲求モンスターは可愛い

それと気付いたら評価バーが赤色になってました。
高評価を下さった皆様、本当にありがとうございます!


前回評価をしてくれた方々
☆9
完全無欠のボトル野郎さん、姉妹の兄で弟2さん、einsatz fsさん、ドリアスピスさん
☆8
Rukinaさん、ハイパー扇風機さん

本当にありがとうございます!
ちょっと感覚空いたけどこれからもご愛好していただければ幸いです。


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