ちょっと短いです
今日も今日とて、シャドウガーデンの面々と修行だ修行!
苦手な剣を練習して、シドくんに追いつけるようになるぞ!
ということで、今日もスライムスーツを起動しようとしたのだが……。
「……あれ?」
「どうしたの、サイファ」
アルファが私の様子を見かねて近づいてきた。
「いやなんか、魔力がうまく練れなくて……」
「……そ、それってまさか!ちょっと体を見せて!」
「ひあっ、ちょっと?!」
アルファが服をめくって私の体を見てくる。
何をやってるんだこの子は……。
「やっぱり……悪魔憑き」
「え、まじ?」
「やはりサイファも英雄の子孫だったのね……いえ、まああなたの能力を見ればわかることだけど……」
どうやら私は英雄の子孫だったらしい。いや、シドくんが勝手に作った設定で、実際の魔力暴走はただの病気みたいなものなんだと思うけどね?
「シャドウなら治療できるから、あとで見てもらいましょう」
「……いや、自分で治療できるか試してみたい」
「自分の体の悪魔憑きを治すなんて、いくらなんでも無茶よ」
「魔力制御の練習にもなるし、シャドウができることが私にできないのはなんか嫌だから」
「……はぁ、シャドウに対抗心を燃やせるのなんて、あなただけよ」
まあ、友達だしね。
というわけで、私はシャドウには内緒で悪魔憑きを自分の手で治療しようと練習を始めた。
そして。
「……よし、アルファ、確認してくれる?」
「……えぇ、しっかり完治してる。悪魔憑きを制御できたみたいね」
「よしよし、これで私の魔力制御技術もだいぶ上がったんじゃないかな」
魔力暴走を自らの力で押さえ込むことに成功したのだった。
これでシドくんに魔力制御では追いつけるか?
イプシロンに教えている傍らで、私も成長しているし。
でも、銃を使えばまだしも、剣の腕はまだまだ足りない。
私ももっと頑張らないと!
そうしていつものように暮らしていたある日、デルタがとんでもない爆弾をぶっ込んできた。
「結局、ボスとサイファ、どっちが強いのです?」
「……確かに気になります」
乗ったのはベータだった。彼女はシャドウ様戦記を書く上で、サイファとの関係をどのようにするか悩んでいた。そしてそのネタとして使えると思ったのだ。
「私は師匠だと思います!魔力制御でシャドウ様に追随する彼女なら、銃を用いればシャドウ様でさえも倒せるのでは?」
「いえ、あの剣技に銃が敵うのでしょうか?正々堂々の勝負ならシャドウ様が勝つのではないでしょうか」
ベータとイプシロンの意見が対立し、二人の視線がばちばちとぶつかる。
「そもそも仲間内で強さを比べる必要があるのかしら……適材適所なんじゃないの?」
「でも私も気になるわ、ガンマ。今度それとなく聞いてみましょう」
そして、アルファはシャドウとサイファにそのことを聞いてみた。
すると。
「……どうなんだろう。よくわかんないな」
「剣技だと負けるけど、銃使えばワンチャンあるかな……いやわからんな……」
「じゃあ実際に戦えば良いのです!」
「それもそうか」
「一回やってみる?」
ということで、シャドウと戦うことになりました、どうもサイファです。
実際今の実力も試してみたかったし、ちょうど良い機会だと思う。
今の私の力がシャドウにどれだけ通用するのか、胸を借りるつもりでやってみよう。
「じゃあ始めるわよ。準備はいいかしら」
「いつでもいいよ」
「こっちも大丈夫!」
「では……始め!」
シャドウがこちらに近づいてくる。
走るわけではない、ゆっくりと、少しずつ歩みを進めてくる。
誘われている?なら正面から叩くまでだ。
私はスライムソードを生成してシャドウに斬りかかる。
「せあっ!」
ガキン!とスライムソードがぶつかる音。
そのまま何度も何度も剣を打ちつけあう。
「す、すごい!」
「あれが、シャドウガーデンのトップの実力……!」
クレアさんとの、そしてシャドウガーデンでの特訓で、私の剣の腕はかなり向上したと思う。
しかし、それでもシャドウには届かない。
打ち合ううちに、だんだんと攻め込まれる。
「ほらほら、そんなものか!」
「く、そっ!」
後ろに飛び退く。剣技で勝てないなら私も私にしかできないことをすればいい!
スライムソードを銃に変え、シャドウに向かって撃つ。
スライムを用いた銃はリロードの必要がない。いやカッコつけてすることはできるのだが、基本的には自動でリロードされる。
今回撃った銃弾は6発。即座に銃弾は銃の中に補充される。
「そんな弾が当たるとでも!」
シャドウの体から現れたスライムにより銃弾が切り裂かれる。
しかし、それも折り込み済みだ。
「戻ってこいっ!」
「っ、そういうことか!」
今さっきシャドウが防いだ弾丸は4発。
なら、残りの2発は?
簡単だ。
弾丸の方向を曲げて、シャドウの後ろ側に飛ばしたのだ。
「なんて魔力操作……!さすが師匠!」
これは私が魔力操作の練習の中で発見した技術だ。
飛ばしたスライムに魔力を乗せ操作することは難しい。
しかし、元から魔力でパスを繋いでおけば?
ある程度の距離なら、そのパスで操作することができるのではないか。
これが、魔力のあるこの世界でしかできない私の技術。
銃弾の方向を変えて、背後からシャドウに攻撃する!
「……ひやっとしたよ」
「まあ防がれるよね……!」
後ろからの銃弾は、シャドウのスライムによって防がれていた。
そもそも何をしたかったのかバレた時点で、対処されるのは当たり前だろう。
しかし、スライムが体の後ろに集まっている今なら、近接戦に持ち込める!
私は銃を捨て、一気にインファイトに持ち込む。
体術なら、私とシャドウの実力は互角だ。これなら私と彼の純粋な力くらべだ。
「シッ!」
「セェアッ!」
お互いに拳を打ち付け合い、蹴りを防ぎ、攻撃を交わしていく。
空手、ボクシング、柔道、合気道、テコンドー。
あらゆる武術が融合した私たちの武術は、この世界でもっとも完成された戦い方のはずだ。
あぁ、本当に。
「シドくん、楽しいね!」
「楽しいな、サイカ!」
戦いは対話だ。
剣の一撃に、拳の一撃に想いが乗る。
もう、周りの音は聞こえない!
蹴り技同士がぶつかり、どちらともなく距離を取る。
次の一瞬で勝負が決まる、そんな確信があった。
私は銃を、彼は剣を即座に取り出し、近づいて最後の攻撃を決めようとする。
そして。
「……ひ、引き分け?」
「いえ、ほんのわずかな差だけど……シャドウの勝ちよ」
シャドウの剣が私の首に添えられ、私の銃が彼の首に当てられている。
しかし、首に添えられた剣は、ほんの少しの差だったが私より早く首に到達し、私が首を飛ばされる幻覚を見る程だった。
実戦なら、私はギリギリ死んでいただろう。
「あ〜〜〜〜負けた〜〜〜!」
思わずその場に座り込む。かなりの疲労だ。もうしばらく動けない。
「いい戦いだった、楽しかったよ」
「……なんかイヤミみたい。まあ私も楽しかったけどさ」
そして、そんなふうに、平和で楽しい生活を過ごし。
アルファを拾ってから3年が経った。
まだアニメ本編の一話終わってないってまじ?
別にシドとサイカは恋仲ではないです なんかいちゃついてるけど
シドに恋愛感情なさそうだし、サイカはなんだかんだ言って男だし……