光に向かって、その手を伸ばす ― 響けユーフォ短編集 作:ろっくLWK
長距離の旅は手慣れたものだ。何故ならこれまでの人生で何度も経験してきたことだから。小さい頃には悲しみと寂しさ、それと退屈とが織り交ざった苦痛の時間であった事は否定しない。けれど、そのひとつずつがちょっとずつ、自分を強くしてくれた。
或いはそのせいなのか? 今はあの頃ほどの悲しみも寂しさも抱かない代わりに、退屈な時間を上手にやり過ごす要領というものを身に付けている。それは必ずしも良い事とは言えないだろう。時には悲しみや寂しさに浸って存分に泣き濡れるのもいいのかも知れない。でも、そうする事が自分に似合っているかと問われれば、私は笑って首を振る。
そんな風に心の中でひとりごちて、
彼女を運ぶ新幹線の車窓は今はもう京都の風雅な街並みを離れ、宵闇の中にぽつぽつと灯る夜光を映すのみだった。
早春。それは別れの季節。多くの学校で卒業式や送別会が行われ、巣立つ者達が残る者達に見送られ学び舎を去ってゆく。真由もそうだった。去年の春に福岡からこっちへ転校してきて、それからちょうど一年を待たずしてもう卒業。来月からは新しい環境での新しい生活が始まる。そのサイクル自体はしかし、彼女にとって別段珍しいものではなかった。
真由の家庭は全国単位での転勤を頻繁に繰り返してきた。その節目は特にいつと決まっている訳でもないのだが、親の異動が絡む関係上やはり三月末である事が多く、同じ学校に一年しか通えなかったというのも今回に限った話ではない。ただし今までと明確に違うのは、今回は進学の為の転居である事。即ち真由が親元を離れ大学生として一人暮らしを始める、という点である。
「とうとうこの日が、来ちゃったんだな」
そんな呟きの声も、轟音を上げて疾駆する新幹線の車内では誰に聞かれる心配も無い。あえて出発を月の末日でなく一週間ほど前倒しにし、その時刻についても最終の少し手前となる夜の便を選んだのも、乗客の少ない快適なひとり旅を楽しむ為というのが理由の一つだった。こうした真由の読みはおおむね的中したようで、車中は仕事の用があったらしいスーツ姿の大人たちや観光帰りと思しき荷物を積み込んだ人々など、老若様々の乗客らがところどころに座席全体のおよそ二、三割を占めている程度に過ぎなかった。隣の座席もその前後も、真由の周囲はぽっかりと空いた独占状態。お陰で行きの道中は気兼ねせずに一人の時間を満喫できるというものだ。
『でも少し寂しくはありませんか? 他の先輩方はご友人といっしょに上京される計画を立てていらっしゃったり、親御さんに手伝って貰って引っ越し作業をなさると伺いましたけれど』
旅立ちに際して駅まで見送りに来てくれた面々のうちの一人、二年の後輩の子はいつもと変わらぬ慇懃な口調でそんな事を言ってきた。けれど彼女の問いに、真由はゆっくりと首を振ってみせた。
『もう慣れちゃってるから。それにこうして皆に見送って貰えるだけで、私は十分だよ』
それは半分以上が本音だった。度重なる転校歴のお陰でこういう時にはいつも、真由は必要最小限のものだけを持ち運びする事が癖付いていた。
この旅路を共にする手荷物にしたってそう。さっき受け取った餞別の品々を収めた大きな紙袋は別として、小さめの肩掛けバッグ一つ分の中身は携帯にフィルム式カメラ、ワイヤレスイヤホンに車中のおやつにお財布と、後は文庫本サイズの写真帳が一冊。それだけ。他の私物は衣服や学習用具を含む小物類や愛用の楽器と一緒に段ボール箱へ詰め込んで、一足先に引っ越し業者がトラックで運んでくれている。重いものは持ち歩かない。無用な人手を頼ることもしない。それは特にそうと意識した訳でもないのだが、いつの間にか確立された真由のスタイルのようなものかも知れなかった。
さてと。座席の背もたれを少し倒し、真由は寛ぎの体勢を取る。目的地へ到着するまでには今しばしの猶予がある。退屈を紛らす方法は幾らでもあるが、折角ならまだ記憶に新しい事を振り返っておきたい。この記憶が風化して流れ去ってしまわぬうちに。
『――今まで本当にお世話になりました。これは私たちから先輩方への、感謝を込めた演奏です』
卒業式の前日に音楽室で開かれた、卒業生の為の卒部式。真由がこの一年間通った北宇治高校の吹奏楽部では伝統的に、その年のコンクール終了とほぼ同時に三年生は部を「仮引退」し、この卒部式をもって正式に送り出されるという形式を取っているらしかった。皆でお菓子やジュースを持ち寄り、卒業生と後輩たちがそれぞれ出し物や演奏を贈り合って別れを告げる、一種の儀式。それには真由も当然参加した。皆で笑い、楽しかった日々のことを語らい、感傷に浸り、泣き、また笑い。そういうひと時を彼ら彼女らと共に過ごせたこともまた、真由にとって大事な宝物の一つだ。
「あの時の顔、傑作だったなあ」
バッグから写真帳を取り出した真由は、透明な保護シートの内側に収められた一枚一枚を指でなぞりながらくすくすと笑む。真由の趣味が写真撮影である事は今更触れるまでもない。とりわけ彼女が好んでいるのは、楽しそうにしている友人達をカメラに収める事。こうやって思い出を記録に換えて手元に残しておけば、後になってもその時間を傍らにずっと置き続ける事が出来る。そう、彼女達と真由が離れ離れになってしまっても、ずうっと。
『あ、ちょっと真由ちゃん。へんなとこ映さないでよ。今のはだめだってば!』
『残念、もう撮っちゃった。それにこれフィルムだから削除も出来ないし。でも安心して、他の人には絶対見せたりしないから』
『そういう問題じゃなくてぇ。ああもう、あんなとこ撮られるなんて。今の秀一のせいだからね』
そんな風に毒づく友人の声がぶわりと脳内から鼓膜に沁みて、真由は小さく失笑する。平素は澄まして見せているこの子も、ごく親しい人物にはこういう表情と声色を向ける事もあるのか。それはこの段になってようやく知る事の出来た友人の一側面であり、それと同時に、自分の至らなさをまた一つ発見した瞬間でもあった。やっぱ私ってだめなやつ。そんな自虐の一言が、何故か友人の声色で反芻される。
真由とその友人。二人は本当に似た者同士だった。きっと初めて会った時にはもう既に、そうである事を真由は確信していた。
表面的には優しくて朗らかで、周囲との和を重んじていて、だけど譲れないものもきちんと持っていて、音楽をやっていて、それも同じ楽器をやっていて、その楽器の事が好きで、演奏もとても上手で。この子と仲良くしたい、仲良くなりたい、率直にそう思った。でも不幸なことに、会ってしばらくの間はその願いが叶う事は無かった。表面的には当たり障りなく協調的に交わっていると見えただろう。だが当人同士は、少なくとも彼女の方からは、互いの間に壁を作っている。真由にはそれが判っていた。
『真由ちゃん。お願いだからそういう事は二度と言わないで』
真由の脳裏に展開される、夏合宿での一幕。あの日行われたオーディションで自由曲のソリストに選ばれたのは、北宇治吹部生え抜きの友人ではなく転校生の真由だった。この結果を気に病んだ真由は彼女にソリの交代を打診し、直後に深く後悔した。この子はそんな事を望んでなんかいない。少し考えればすぐ分かる筈の事を、けれどあの時の真由は分からずにいた。分からなかったからこそ、その後悔の念もまた己の誤りを反省すると言うよりは、うっかり放った失言を咎められた時の心境に近いものがあった。根底から間違っている事を言ったのではなく、あの時の彼女の機嫌に沿う上手い言い方が出来なかったという、ただそれだけの事で。
――そう、間違ってはいなかった筈だ。自分の読みは。彼女自身の本音は。
一瞬よぎった考えを、すぐさまかぶりを振って打ち払う。あの子の考えはあの日ちゃんと聞かされたし、そこへ至るまでの背景についても今はもう分かっている。今更こんな事を言ったって言い訳がましいだけだ。ふう、と溜め息を一つ落として真由は写真帳のページを一枚めくる。未来ではなく過去方向に。
整然と並べられた写真の数々は卒部式直前に催された吹部の定期演奏会の光景、受験会場に出入りする学友達の緊張した表情、コンクールの全国大会で部員達が咲かせた満開の笑顔……と続いている。その先には真由を含めて四人で写るポートレートみたいな写真があった。同じパートの皆で撮った、数枚の写真。自分の姿が写ったものを見るのは毎度落ち着かない気分にさせられるのだが、今の真由にとってこれらはとびきりの宝物と評して良い。半年以上をかけても尚ギクシャクとしていたあの面々に、あの子達の輪の中に、ようやく自分が一人の仲間となって溶け込めた。それがきっと、あの瞬間だったから。
「もっとも、
ほろ苦い感情を抱きつつ指を当てた写真上の人物は、今しがた見送ってくれた二年生の後輩だ。ぎこちない笑みを浮かべる友人にしがみつくようにして、己が存在をアピールしている奏。彼女が他の下級生達を引き連れてあの場に来てくれたのも、実のところは立場上致し方なく、という側面が強いのだろう。来年からのあの子はもう私情で動くことを許されない。だからこそ、彼女が真由の旅立ちを見送ったのは過去の彼女自身と決別する為でもあったに違いない。そんな風に真由は推察する。
それでも良かった。理由が何であれ、個々人がどのような思いを抱いているのであれ、彼女達の人生の一ページに自分という存在が刻まれたのならば、それだけで。
『真由ちゃん、いつかまた同窓会で会いましょうね! その日が来るのを
『私も私も! もう
続けて真由は級友達の屈託なき笑顔を思い浮かべる。そう、駅まで見送りに来てくれたのは吹部の後輩達だけではなかった。親元を離れる子と違って地元進学組は何かと余裕があったのだろう。卒業式の後、一応のつもりで出立の日時を報告した真由の携帯には、即座に彼女達からの返信がわっと押し寄せた。その多くは見送り行くね、きちんとお別れの挨拶させて、という内容。勿論嬉しい事ではあったし感謝の念に尽きないのだが、その一方で真由としては少々心苦しいところもあったのも確かだ。自分なんかの為に、わざわざ手間暇を割いて貰うだなんて。こういう時に遠慮しがちな性格というものは、いつまで経ってもそうそう矯正されるものではない。
『にしてもなぁ、タイミング悪いっちゃ悪かったよね。真由の出発が今日この時間じゃなかったら
これは級友であり吹部の仲間の一人、
『向こうもたまたま出発の時間がかぶっちゃったって言うし。それに関空とこっちじゃ方角が丸っきり逆だもん。あっちまで見送りに行ったんじゃ、トンボ返りしたってこっちには間に合わないよ』
吹部の同僚でもあった級友達は複数名。その中で一人だけ、真由と同じ楽器を担当していた子は本日、駅のホームに姿を現さなかった。その仔細については先にも述べた通り。だから互いに同意は取れている。それに卒業式の数日後には彼女の家に泊まらせて貰って、互いの昔話を語らい合ったりもした。だから、さみしさは無い。
「楽しかったな、お泊まり会。次の日も二人して盛り上がって、結局夕方までお世話になっちゃったっけ」
あの愉快さを反芻するようにぼそりと呟き、写真帳を閉じた真由は次に携帯を取り出す。画面を操作して開いたのはトーキングアプリ。何人もの名前が連なる連絡先の中から目的の人物を見つけ、真由はワンタップでその子とのトーク画面に遷移する。
『真由ちゃんの出発もその日なんだ? じゃあ行ければ見送りに行くよ』
これはつい数日前のやり取り、その一番初めに向こうから送られてきたトークの文面。だが生憎、久美子にとっての大親友である子の出立は真由のそれと時間帯が重複してしまっていた。ならば日中にでも会っておくのは、という話にもなったが真由にも引っ越しの準備があり、従って旅立ちのときまでには会えそうにない。そう告げた真由の発言には『そっか、残念』とやけにさっぱりした一文が返され、続いて二人の間にはこのような会話が展開された。
『それだったら当日、こっちから真由ちゃんに一つファイル送るから』
『ファイル? 何の?』
『それはヒミツ』
『えー、気になる』
『実はまだ完成してないんだけど、当日まで必ず仕上げるから楽しみにしといて。それで、送ったら京都発つ前にダウンロードしてね。いい? 最悪でも新幹線乗る前までに絶対、だよ』
妙に念を押されたそのファイルは今日の昼過ぎになって、トーク画面の一番最後に添付する形で真由の元に届けられた。『私からのメッセージ』と表題された、それなりの容量を有する音声データ。言われた通り家を発つ前にダウンロードは済ませておいたが、久美子のあの言いぶりから察するに「これは新幹線に乗ってから開け」という事なのだろう。そのように解釈した真由は今の今まで、このファイルを開くタイミングを大事に取っておいたのだった。
さて、これの中身は何なのか。取り出したワイヤレスイヤホンを両耳に掛け、真由は件の音声ファイルをタップする。自動的に立ち上がるプレイヤー。しばらく耳を澄ますもイヤホンは微かなノイズを鳴らすばかりで、他に何の音も聞こえやしない。メッセージと呼ぶには随分とがらんどうな内容だ。ひょっとして向こうが変換形式を誤ったか何かで、ファイルが壊れてしまっているのだろうか? 訝しむ真由が再生を止めようと指を伸ばしかけた、その時。
『――あー、それでは黒江真由ちゃん。私から、ううん、私達から真由ちゃんへこれを贈ります。よく聴いて下さい』
それは間違いなく久美子の声だった。直後にカチャカチャと、金属がかたつく時の音。この音を勿論真由は知っている。これは、楽器を構える時の音だ。それも真由がこよなく愛する、真由が吹いているのと同じ、ユーフォニアムを構える時の。
『一、二、三、四、』
カウントの後に息を吸い込む音がして、次に楽器の音色が飛び出る。それは一種類では無かった。ユーフォ。チューバ。コントラバス。トランペット。培われた真由の耳は瞬時にその四種の音色を聴き分ける。そして僅か数小節分にも満たぬうちに、この曲目が何であるかをも、真由の脳内データベースが明確な回答を弾き出す。
「……いい演奏」
清聴のさなか、真由の口からこぼれたのはそんな感嘆の一言のみだった。久美子のユーフォを主旋律とし、ベースの部分をチューバとコントラバスが固めている。この二つの音色は間違いない、葉月と緑輝のものだ。そして副旋律や二番サビ後の情熱的なソロパートを彩るのは、美しく優雅なトランペット。さすがは北宇治という環境で三年間鍛えられただけあって、いずれの演奏も並ならぬ力量である事は瞭然だった。
『言葉にできない』。シンガーソングライター・
引き続きユーフォの音色が奏でる三番のメロディ。そこに真由は頭の中で、原曲の詩を乗せてゆく。情感を掻き立てるトランペットのオブリガード。寂寥を漂わせつつも温かみを湛えるチューバの重低音。そこに豊かさを付与するコントラバスの残響。全てが一体となって生み出される美しいハーモニー。ピリオドに向け少しずつフェードアウトしてゆく音律の只中に、真由はしばし陶酔する。
『――以上、私から真由ちゃんへのメッセージでした』
久美子の明るい声が、真由の鼓膜を揺らす。気付けば彼女達の演奏は終わっていた。
『この意味、真由ちゃんならきっと受け取ってくれるって信じてる。題名とか歌詞とか、この曲にまつわるいきさつとか、今日この曲を贈った理由とか。そういうものに色々な想いを目いっぱい込めて演奏しました。感想は……まあ真由ちゃんの気が向いたらでいいから。じゃあね真由ちゃん。こないだ約束した通り、またいつかみんなで一緒にね』
うん。ごく自然に返事をして、それから真由はこの音声が通話では無かった事実を思い出す。我ながらなんとも間の抜けた事だ。何はともあれ、贈り物を受け取ったら返礼をするのが筋である。感想を返さないと。再びトークアプリを開いた真由が文字を打ち込み始めたそのタイミングで、ごう、と新幹線の車体がトンネルに突入した。一瞬にして真っ黒に染まる窓辺の景色。ここでも携帯の電波は通じる筈だが、まあ焦らなくてもいいか、と真由は一旦トークの画面を閉じた。軽々しい感想を送ってもきっと久美子達は喜んでくれない。一度立ち止まって考えてみる事も時には必要だろう。そう思って何気なく携帯の画面に視線を落とした時、あれ、と真由は気付く。いや、再確認した、と言うべきである。
三月二十四日。
ホーム画面に示されたその日付は今日という旅立ちの日であり、それと同時に、黒江真由の十八回目の誕生日。決して忘れていた訳では無かった。そもそも出立を「今日この日」と定めた最大の理由がそれだったからだ。日中送った荷物にも今朝家族から渡されたプレゼントを詰めていたし、それに駅での見送りの際、つばめを含む何人かは別れの餞に乗せてバースデーの贈り物を授けてくれた。けれど葉月や緑輝はこの件に一言も触れなかったし、久美子からも特段祝いのメッセージ等が送られてくる事はなくて、だから真由も有りていに言って期待などしていなかった。
それでもいい。仕方ない。相手に気を遣わせたり負担を掛けてしまうぐらいだったら、いっそ覚えられてすらいない方が気兼ねしなくていい、と。
でも、久美子は、彼女達は。
「……覚えててくれたんだ」
その時の心境たるや、嬉しさや気恥ずかしさというよりはやっぱり申し訳なさに近いものがあって、どこまで行っても自分はこういう性分なのだろうな、と真由は改めて思い知る。でも久美子が、彼女が、自分の為にここまでしてくれた。きっと他の友達にもお願いをして、彼女達の力を借りて。その篤い心配りには溢れんばかりの感謝を抱かざるを得なかった。新幹線の車体は未だトンネルを抜ける気配が無い。でもその代わり、黒に染まった窓の向こう側には、未だかつて見た事も無いほど嬉しそうな笑顔を浮かべる真由の姿がありありと映し出されていた。
バックグラウンドで待機していた携帯のプレイヤー機能を再び呼び出す。リピートボタンを押下して今一度彼女達の演奏をじっくりと堪能し、そうしてから真由はネット検索でこの曲にまつわる諸々を一つずつ調べていった。このとびきりの誕生日プレゼントに秘められたもの。久美子が伝えようとしたもの。その一切を、余さずしっかり受け取る為に。感想を書くのはそれからでいい。何日掛かっても構わない。きっとそうした方が、久美子の望みにかなうものとなる。そうである事が真由自身の求める結果にも符合する。だから。
言葉にできない久美子の想い。あえて言葉にしない、自分の想い。
宝物となった日々と、宝物を自らに与えてくれた大事な人達。
それら全てを真由は持っていく。
形にならない胸いっぱいの思い出ごと、記録という名のかたちに換えて。
(2023月3月24日発表作)