だんだんぼっちちゃんがモヤってきたね!
なんでかな?(すっとぼけ)
夏の日差し…日本特有のこの熱気…
例外なく全ての人々に平等に降り注ぐ…
日陰者代表の私にでさえ…やめていただきたい…
こんな目にあってでも私が外に出てる理由は…
「あっぼっちちゃ~ん、こっちこっち!」
「こんにちは後藤さん、今日も暑いわねー」
虹夏ちゃん、喜多さんと下北沢駅前で待ち合わせ
今日はサーヤちゃんの家でライブで着る
Tシャツのデザインを考える日
私の家がサーヤちゃんの家に変わったのは
私がまだバンドメンバーじゃないから仕方ない…
でも私までお呼ばれしていいのかな?
「1度皆の家に行ってみたかったんだよね~」
「サーヤちゃんの家ってどんな感じなんでしょうね」
初めて友達が家に遊びに来るという出来事は体験できたが
今回は代わりに、初めて友達の家に遊びに行くイベントが
発生…正直興奮と不安が止まりません…
しかし呼んでもらったからには思わずまた呼びたくなる
くらいに楽しんでもらいたい…!その準備もバッチリだ…!
サーヤちゃんの家に着く前に装備を整えて
「ぼっちちゃん?楽しみなのはわかるけどそのご機嫌なサングラスと素っ頓狂なタスキは外そうか」
「えっあっはい…そっそうですよね、こっこういうのは招く側がするものですよね?」
「いやどっち側でも不正解だよ」
そんなやり取りをしつつ歩いていると「富田」の表札
の付いた一軒家の前にたどり着いた…よ、よーし
ここでサーヤちゃんをビックリさせ
「ぼっちちゃん?そのクラッカーは仕舞おうか」
「後藤さん本当に楽しみなのね!」
私の渾身のサプライズ演出を却下し、虹夏ちゃんは
普通にチャイムを鳴らす…扉の奥から「はーい」
という元気な声が聞こえてすぐに扉が開く…
「サーヤちゃん来たよ~」
「いらっしゃいませ!ようこそ!」
満面の笑みを浮かべたサーヤちゃんが出迎えてくれた
眩しい…あとかわいい…
「3人とも来てくれてありがとうございます!リョウさんは用事で来られなくて残念です…」
「あーそれねーおばあちゃんが今夜が峠なんだって…」
「ええ!?大変じゃないですか!?」
大変じゃないんです…
「大丈夫、おばあちゃんの峠今年で10回目だから…」
リョウさん…4周目にもなってまだそんなことを…
「私おすすめの映画持ってきましたよ~!」
「ちょっと喜多ちゃん、今日はライブのTシャツのデザイン考えに来たんでしょ!遊びに来たんじゃないんだからね!」
「あっすいません、わ、私もやるかもしれないからツイスター持ってきちゃいました…」
前やったとき楽しかったし…できればもう一回やりたい…
「ごっごめんなさい私もいろんなボードゲームとか用意しちゃいました!」
サーヤちゃんもか…
「もう~!しょうがないな!ちょっとくらいなら遊ぶか!」
虹夏ちゃん…ちょろいけど優しいな…ちょっと心配…
サーヤちゃんの家に来て数時間…私達はボードゲームや映画観賞
ツイスターと大いに遊び尽くした…
こんなに友達と遊ぶのは初めてだ…
「楽しかったですね~!」
「あっはいとても…」
本当に楽しかった…これが陽キャグループ!
つまり今の私は紛うことなき陽キャ…!
「そうだね、楽しかった…楽しかったよ?けど…」
「ですね!」
あっそうだ…デザイン考えないと…
前回は採用されなかったけど今回は自信がある…!
「じゃ、今度こそデザイン考えよう!皆これに自由に描いて」
虹夏ちゃんが私達に自由帳を渡してくれた
皆すでに案ができてるのか思い思いのデザインを描き出す…
よし、私も…とっておきの案がある…
「できました~!」
喜多さん早い…でも多分あのデザインだよね?
今回は耐えきれるだろうか…
「コンセプトは友情努力勝利で~す!」
「いや体育祭で見るやつ!」
「大丈夫ですか?ぼっちちゃんさん顔色悪いですよ?」
「…一致団結…ぐふぅ…」
体育祭…うぐっだっ大丈夫…あれから15年…
耐性は付いてる…陰キャのトラウマ学校イベント
第1位だけど…なんとか致命傷で済んでるぞ…
「ぼっちちゃんさん聞こえてないみたいです…」
「私なんかしちゃいましたか…?」
「喜多ちゃんは罪な女だね~」
ピコン
「おっリョウからもデザイン案たくさん届いたね!」
「リョウ先輩から?見たいです!」
「っんは!?」
「あっぼっちちゃんさん気がつきました?」
リョウさん今回はまともなの送ってきてるかな?
前回は晩御飯の候補の写真だったらしいけど…
「なっなにこれ…?」
「スパゲッティ?」
ですよね…リョウさんだもんね…
「今度はハンバーグですね!」
「意味わかんないんだけど…」
『晩飯どっちがいいかな?』
「自分で考えろ!!」
「スパゲッティがいいです…っと」
「私はハンバーグを推しますよ!」
「2人とも律儀に返さなくていいから!」
リョウさんブレなさすぎです…
まあそれはそうと…
「あっ私のデザインも見てください…」
私的リベンジ戦…刮目せよ!
「っ…!!これは…」
「おー…」
「うわー…」
フフフ…今回は製作費が抑えられるように
ファスナーや鎖は排除…
その代わり生地一面にオシャレなフォントの
英文を散りばめました!これは力作…!!
「どっどうですかね?オッオシャレすぎてお客さんライブに集中できなかったりしてウヘヘ…」
(だ…だっせ~~~…)
(中二全開だわ…)
(ぼっちちゃんさん…残念です…)
スゴすぎて言葉も出ない様子…
しかし今回はこれだけではないんです…
「じっ実は後ろのデザインも考えてあってですね…」
意気揚々と自由帳をめくり…背中の部分のデザインを公開する
「けっ結束バンドなのでごっ5色の輪っかを絡ませながら並べたんですけど…」
「おっ」
「えっ」
「あっ」
「わっ私も(いずれは)一員ということなので、5色にしてみたんですけど…かっ画期的過ぎて逆に背中部分のデザインじゃもったいないですかね…」
(オリンピックだ…)
(オリンピックだわ)
(完全にオリンピックです…)
「なるほど~…サッサーヤちゃんはどう?なにか描けた?」
アレ?露骨にスルーされた…?
「あっすいません、いくつか描いたんですけどなかなか良いのがなくて…あっでもぼっちちゃんさんのこのデザイン…こうしたらいい感じにならないですか?」
サーヤちゃんは私のデザインの5つの輪っかを並び替えた
「こんな感じで1番外側を線で結んだら正五角形になるような並び方にすれば結束してる感出ませんか?」
「おお…」
「これは…素敵ね!」
「かっカッコいいと思います」…いい!すごくいい…!!
「いいねぇ~候補に入れとこう!」
「ありがとうございます!ぼっちちゃんさんの案のおかげですね!」
形は変わってしまったけど私の案が評価された…!
うれしいうれしい…!!
「エヘヘェそんなわっ私のおかげなんてウヘヘヘ…」
「後藤さん、顔、溶けてる溶けてる」
数日後
「そんなわけでTシャツ完成しました!」
「じゃじゃ~ん」
リョウさんが代表で先に着てポーズをとる
「はぁー!リョウ先輩素敵!!」
「虹夏さんが作ったんですか?」
「私デザインとか得意なのだ!」
結局デザインは前と同じ虹夏ちゃんのになった…前側は
「はい、リョウ後ろ向いて」
「じゃん」
「「「おー!」」」
私が考えてサーヤちゃんが修正してくれた5つの輪…
もう少しで私もこの輪の1つに…
「あっなんか今台風来てるみたいですよ」
「えっうそーー!?」
「だっ大丈夫かな?」
「あっでも関東には当たらないみたいです」
いえ当たります…来ちゃいます…
「なんだよかった~!」
来ちゃうけど…でも
「あっあの…てってるてる坊主…作りませんか?」
「…ぼっち?」
無駄なのはわかってます…でもそういうことじゃなくて…
「いいねぇ~!作ろ作ろ!」
「1人ノルマ10個ずつですね!」
「かわいいのたくさん作りましょう!」
先に3人が材料を取りに出ていき
リョウさんと2人きりになった…
「…ライブ…なんとかなりそう?」
「あっはい…おっ教えられることは全部教えました…あとはサーヤちゃん次第…ですかね」
「そう」
「あっ…でもあと1つ…やっておかないといけないことは…あります…そっそれはライブ前日に仕込むので」
「わかった…頑張ろう」
「あっはい」
「2人とも~何してんの?行くよー!」
「うん」
「あっはい」
ついに明後日…結束バンドにとっての大一番…
私のいない4人でのライブ…絶対に成功してほしい…!
次回“完成”
↓おまけ
もし他のキャラが“あの”場所へ行ったら その1
(このおまけは本編との関わりはありません)
後藤ふたりの場合
「おじさんここどこー?」
「それではですね、こちらにお名前と生年月日のご記入をお願いします」
「うー…届かないー、おじさんだっこー」
「…はいどうぞ」
「わーい…うーん、はい書けましたー」
「では少々お待ちください」
「はい!」
「はい、では後藤ふたり様5年間お疲れ様でした」
「えー?あたし全然疲れてないよ?おじさんは疲れてる?」
「私は疲れてません大丈夫です。それでは次の生命へとご案内しますね」
「ごあんない?おねーちゃんのいるところ?」
「いえ違います。来世へのご案内します。後藤ふたり様から見て左の扉入られますと次の命が始まりますので」
「ひだり!お茶碗持つほう!」
「はいそうです」
「あっち行ったらおねーちゃんいるの?」
「いえお姉さんはいませんね」
「えー、あたしおねーちゃんとおとーさんとおかーさんとジミヘンと一緒がいい!」
「それでしたら後藤ふたり様の人生をやり直すこともできますがどうされますか?」
「やりなおしたらおねーちゃんたちに会える?」
「会えますね」
「じゃあやりなおす!」
「それでは後藤ふたり様から見て右の扉入っていただきますともう一度人生が始まりますので」
「みぎ!箸持つほう!」
「はいそうです」
「じゃいってきます!」
「いってらっしゃいませ」
「おじさんバイバーイ!」
「…ばいばーい……子供欲しくなったな…」