ブラッシュ・アップ・ぼっち!   作:氷英

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まだだ…まだ終わらんよ!
抗うぼっちちゃんって素敵やん?


後藤ひとり3周目

「…どこ…どこに…?…あった…!」

私がすぐにあの案内所を探したら

前回よりも早く目の前に現れた…

男が事務仕事中なのも同じだ…

「あっ…あの!」

今回は恥ずかしがらずに声をかけられた…成長したな私

 

「それではですね、ここにお名前と生年月日の記入をお願いします」

 

静かに目線を合わせてきた男は定型文のようにそう言って

紙とペンを渡してきた…

 

「あっはい…」

 

書かないと進まなそうだから素直に従うしかない…

 

「では少々お待ち下さい」

 

ここも前回と同じで、書き終えて紙を渡すと男は

後ろのファイルを漁り1つを持ってこちらに向き直る…

 

「はい、では後藤ひとり様、15年と半年お疲れ様でした」

 

同じだ…やっぱり私は死んだのか…

でもあの事故の日よりも少し早いのが気になる…

 

「あっあの」

 

「はい?」

 

「こっ今回その、ぜっ前回より少しはっ早くないですか…?」

 

「そのようですね」

 

「ほっ本当ならもう少し後に…その…なっ…くなるはず…なんですけど…」

自分で自分が亡くなるなんて言うもんじゃないな…

精神へのダメージが…ヤバイ

 

「まあこればっかりは確率の問題なので」

 

「えっ確率?」

初めて聞くんですけど…?

 

「はい、全ての生命にはそれぞれ死にやすい時期というものがありまして、まあ合計値は一緒なんですけど生まれる時にランダムに振り分けられるんですね。それで後藤ひとり様の場合は…このようになっております」

 

と言って見せてくれたページには『後藤ひとり死亡率』

というなんとも不吉な見出しと、地理の教科書とかで

見たことあるような棒グラフが書かれていた…

何本かある棒のうち1つだけ異常に長いものがある…

その棒の下には10~19歳と書かれている…

 

「このようにですね、後藤ひとり様は全体のうちの10~19歳の間が確率的に最も死にやすい時期となっておりますね…まあランダムなんでね、たまにこのように極端に偏ってしまう方がいらっしゃるんですけど」

 

「えっ…?94.6%…?」

え…偏りすぎじゃない?

 

「そしてですね…後藤ひとり様の場合は特に偏りが大きいという事でもう1枚ございまして」

 

そう言ってめくって見せてくれた次のページには

10歳から1年ずつのさらに細かいデータが記されていて

その中の15~16歳の数値が一際高くなっていた…

 

「91.2%…」

 

「ここまで偏るのはごく稀なんですけどね」

 

つまり私はあの日に事故で亡くなるとかじゃなくて

この時期死にやすくなってただけってこと…?

そんなの…どうしようもないじゃないか…

 

 

「よろしいですか?」

 

「えっあっはい」

いやよくない全然よくない…でも反射的に返事しちゃった…

 

「それでは後藤ひとり様から見て左の扉入られますと次の命が始まりますので」

 

来世への案内…もういっそそれでもいいのかもしれない…

でもさすがに気になるから確認はしとこう…

 

「あっあのちなみに次って何なんでしょうか…」

 

「えー、後藤ひとり様の来世は…静岡県のわさび田に生息するボルボックスですね」

 

「ん?ボル?…なっなんと?」

聞いたことない…どんな生き物なんだろう…

 

「こちらになります」

 

今回もイメージしやすいように写真を見せてくれた…

マリモみたいなものがたくさん入った円形のものが写ってる(気になる人は検索してみてね☆)

 

「簡単に言うと藻ですね」

 

「もっ藻!?」

 

私の来世…藻…?確かに大した徳は積んでないけど…藻…?

下手すればネコゼミジンコよりヒドイ…

 

「あっあのもう1度私をやり直したりは…?」

 

「できますよ」

 

即答…そういえばリョウさんも4周してたし…

 

「もっもしかして何回でもやっやり直せたりするんですか?」

 

「いえ、そういうわけではないですよ個人差はありますが回数に制限はあります。中には1回もやり直せない人もいます」

 

制限あるんだ…

 

「あっわっ私はあとなっ何回できますか?」

 

「それはちょっと教えられないです」

 

「あっそうなんですねすいません…」

つまり生存率8.8%に賭けるか藻か…2つに1つ…

いやでも…藻…

 

「藻は…藻はキツい…」

 

「どうされますか?」

 

悩むまでもなくやり直したい…でもどうしたら生き残れる…?考えろ考えろ……あ

 

「やっやり直します…」

 

「わかりましたそれでは、後藤ひとり様から見て右の扉入っていただきますともう一度人生が始まりますので」

 

「あっはい」

 

「いってらっしゃいませ」

 

うまくいくかわからないけど…やれるだけやってみよう

 

 

こうして私後藤ひとりはまさかの3周目に突入することになった…

 

 

 

 

「あっおっ…ひああ…あーあー…」

またここからのスタート…産声?をあげて

後藤ひとり爆誕(3回目)

 

 

「うわ、かわいい!ようこそ後藤家へ!」

 

「ふふふ、これからよろしくね…?」

 

若いお父さんとお母さんとも再会…

この場合再会で合ってるのか?

 

3周目ともなれば赤ん坊生活も板に付いてきた…

何の自慢にもならないが…

 

「あっおーうーうー」

 

「お?何だオムツかー?自分から言えて偉いぞー!」

 

 

「あっおーはーんー」

 

「お腹空いたのね?教えてくれてありがとう」

 

ある程度ならしゃべっても問題ないのがわかったので

2周目よりは意志疎通が容易になった…

私の親ちょっと楽観的過ぎない?

 

さて、退屈な時間が多いおかげで色々考えることができた…

やり直すからにはあの異常に高い死亡率を乗り越えたい…

1つ案はあるけど結束バンドからは離れてしまう

何とかならないものか…待てよ、2周目に行った

あの場所へ行けば打開できるかも…?

ぼんやりとだが、目標は立てられた…

 

そこから大体は2周目と同じ日々を過ごして

あっという間に小学校入学…3度目の小学生…

ここで私はある行動に出る…

 

「お父さん…ギターが…弾きたいです…!!」

 

「ええ…そんなバスケがしたいですみたいなテンションで!?」

 

「できればお父さんのギターがいい…です」

 

そう、2周目と同じタイミングでギターとguitarheroを

始めること…もちろん考えなしにやってるいるわけではない…説得自体もギター歴12年以上の私にかかれば…

 

「天才だ!お前はギターの申し子だったのかぁー!」

 

無論楽勝である…

 

 

 

7歳になった時、私は貯めていたおこづかいを使って

下北沢まで来ていた…言うまでもなくこの時点では

結束バンドもSTARRYも存在しない…それでもここに来た

理由は目の前の豪邸に住んでいる人に会うためだ…

おそるおそるチャイムを鳴らす…「はーい」という声の

すぐ後に玄関が開く…出てきたのはおそらくその人の母親…

 

「あっあの、わっ私山田リョウさんの友達のごっ後藤ひとりという者なんですけど、リッリョウさんいますか?」

嘘は言ってない…8年くらい後の話だけど…

 

「あら~リョウちゃんのお友達!?珍しいわぁ!今日はお友達記念日ね!盛大にお祝いしなきゃ!!リョウちゃ~んお友達のひとりちゃんがいらしてるわよ~♪」

 

「あっえっあ、あのおかまいなく…」

私の家も大概だったけどリョウさんの親御さんも相当だな…

 

予想以上に歓迎され、すんなりリョウさんの部屋へ通してもらった…

 

「おっお邪魔します…あっ」

 

部屋に入ると見覚えのある少女の姿が目に入った…

幼いが面影がある…間違いなくリョウさんだ…

 

「リッリョウさん…」

 

リョウさんは無言で私を見つめている…

今のリョウさんが“どう”なのか確かめないと…

するべき質問は決まっている

 

「なっ何周目ですか?」

 

 

 

 

 

 

「5周目、ぼっちは?」

 

「あっ私はさっ3周目です…」

 

 

 

 

 

 

 

「「はぁー…」」

お互いに安堵のため息

 

「あっあの、リョウさん!すっすいませんでした!」

すかさず土下座、7歳児の土下座…シュールだ…

 

「いや、謝らなくてもいいよ…ただ私から言えることは1つ」

 

「あっはい」

 

「横断歩道は左右の確認してから渡ろう」

 

「あっはい」

全くその通りです返す言葉もございません…

 

「まぁまた会えてよかったよ…」

 

「あっはい…あっあの、リョウさん…」

 

「なに?」

 

「あっ“あの後”…どうなりました?」

 

 

「……聞きたいの?」

 

「あっいえもう大丈夫でーす…」今の間で大体察しました…

 

「…簡潔にまとめると」

 

「あっ」結局言うんですね…

 

「サーヤが再起不能になった」

 

「うっ」

 

「その後は前と一緒…虹夏達も頑張ったけど」

 

「すっすいません…」

 

「だから謝らなくていいよ…私も油断してたし、てっきりあのライブの日までは死なないって思ってたから…」

 

「あっそれなんですけど…」

 

私は案内所での後藤ひとり死亡率の話をした…

このことはリョウさんも知らなかったみたいで

 

「なるほど、死にやすい時期か…私はどの周も死んだ年齢がバラバラだったから気にならなかったよ…にしても偏りすぎじゃない?」

 

「そっそうなんですよね…15~16歳が91.2%…これを回避しないといけなくて…」

 

「策はあるの?」

 

「あっはい、いっ一応考えてることはあります…」

私はリョウさんに自分なりに考えた作戦を伝えた…

 

「…ぼっち、それ本気?」

 

「あっはい」

本気も本気だうまくいくかわからないけどやるしかない…

 

「しかも同時に結束バンドにも関わっていく気なんだよね?」

 

「はい…リッリョウさんにはその辺をきっ協力していただけたらなと…」

そこも譲れないので…

 

「協力するのは吝かではないよ…ぼっちは本当にそれでいいんだね?」

 

「はい」

もちろんだ…2周目みたいなモヤモヤしたままじゃない…

純粋に結束バンドを有名にしたい…その気持ちはもう揺るがない…!

 

「わかった、その方向でいこう。これ私の連絡先、必要になったらまた連絡して」

 

「あっはいありがとうございます」

頼れる協力者もできた…たった8.8%の生存率だけど

絶対生き残ってやる…!私後藤ひとりは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全力で引きこもります…!!




次回 暗躍ヒーロー

↓おまけ

山田リョウ4周目終了時

「それでは山田リョウ様、69年間お疲れさまでした」

「来世どうなってます?」

「えー山田リョウ様の来世は…神奈川県藤沢市に生息するトンビですね」

「トンビ…ちなみにもう1周できたりは…」

「できますよ」

「じゃあそれで」

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