ブラッシュ・アップ・ぼっち!   作:氷英

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たくさんの方に読んでいただいて幸せです。


原作と違う話が続きますがもうしばしお付き合い下さい。
今回はヨヨコ先輩の視点ですが本編として話が進みます。


大槻ヨヨコ4周目(後藤ひとり3周目Ⅵ)

最初はぼんやりスマホ弄ってただけだった…

偶々目に入ったネット記事【今一番注目の若手バンド

“結束バンド”幻の5人目のメンバーお披露目!】

の文字に思わずタップしてしまった。私達を差し置いて

一番注目なんていい度胸じゃない、まあぽっと出のバンド

が記事になってたところで全然興味ないし?どんなに

期待が集まろうが私の眼中にはないから?よそはよそ

うちはうちだから?でもうっかりタップしちゃったし?

出てきた文字が視界に入ってしまうのは不可抗力な訳で

…てなにこれ?何でステージど真ん中ににノーパソが?

え、嘘でしょ?画面の子が弾くってこと?身体的な理由

って何?さすがに来てくれたお客さんに失礼でしょ!

あっ動画のリンクがある…あーまたうっかりタップ

しちゃったわ!しょっしょうがないわね!出てきた以上

観ないと失礼よね!…って…何コイツめちゃくちゃ

上手いじゃない!益々失礼だわ!何でライブハウスで

直接やらないのよ!もったいない!

 

それから私は何度も何度もその動画を観た…

聴けば聴くほど後藤ひとりの上手さが

わかる…私よりも上手っ…いやいやいや!

そんなわけないあってたまるか!私がどれだけの時間を

費やしてきたと思ってるんだふざけるな!

…まさかこの子も…?いや、そうよそうに違いない!

 

「あれ?またその動画観てるんすか?」

 

「…」

 

「このライブちょっと話題になってるんすよねリモート

でソロ始まりとか」

 

「…」

 

「この動画貼ってるぽいずん♡やみって人も激推ししてるみたいっすね」

 

「…」

 

「それにしても上手すぎっすよねイントロ前のソロしかやってないのに上手すぎて逆に印象に残るっていうか…て聞いてるっすか?ヨヨコ先輩」

 

「…こいつ…何周してるのよ」

 

「え?なんすか?」

 

「なんでもない」

 

前から違和感はあった…毎回廣井姐さんから聞く

後藤ひとりの名前が前の周では何故か富田サーヤ

という子に変わってた…それでも結束バンド解散の

時期はほぼ一緒だったけど…そうかと思えば今回は

結束バンド全員で路上ライブしたらしい。これはもう

確実にバンドメンバーか関係者最低1人は私と同じく

2周以上してる。そしてそれは後藤ひとりの可能性が

1番高い!4周目の私よりも上手っ…コホンッ私と同等の

技術がたかだか10数年で身に付くはずがない!

 

「ここは直接確かめに行くか…?いやでもそんなの私が気にしてるみたいじゃない…いやでも…」

 

(ヨヨコ先輩絶対結束バンドのこと気になってるっすね)

 

「うおおおおい大槻ちゃーん!今度のSICK HACKの

ワンマンライブのことで話があるんだけどー!」

 

「あっ廣井姐さん…何ですか?」

 

「いや~それがね~…」

 

 

 

 

「はあ?SIDEROSと結束バンドがゲスト出演!?」

 

「実は元々前座で出る予定だったバンドが出られなくなってさ~」

 

こんな展開今までなかった…結束バンドが解散してないと

こうなるの?というかあのリモートライブを新宿FOLTで

やるってこと?冗談でしょ!

 

「あんな無名なバンド出してもメリットなんてないです!SIDEROSだけで十分ですよ!」

 

「いや~大槻ちゃんメンバー以外友達いないし友達作る

いい機会かな~って思って…」

 

「うっ…とっ友達はいます!ライブに来てくれる皆…あと

トゥイッターのフォロワー!あと楽器屋さんの店員とかも…入りますよね?」

「入らないよ」

 

はい知ってましたーなぜならもう3周大槻ヨヨコを

してますからー…でもしょうがないじゃない!

友達ってどうやって作るのよ学校でもライブハウスでも

そんな事教わってないもん!こちとらギターとボーカル

に全振りの人生しか知らないもん!

 

「じゃ、そんなわけで当日よろしく~!」

 

後藤ひとり!結束バンドが解散しなかったのはこの子が

何かしらの行動を起こしたからだわ!気になる…

いやいや気にしちゃダメだ!あの子が何周してようが

ライブ当日に実力の差を明らかにしてやればいいんだ!

 

気にしない!

 

気にしない!

 

気にしない…

 

 

 

 

 

「今日はどのバンドを見に来られました?」

 

「結束バンドです…」

 

 

変装してまで来てしまった…でもこの格好なら誰も

大槻ヨヨコとは思わないよね…にしても4周目にして

初めて下北沢来たけど居心地悪い…ライブ観たら

すぐ新宿帰ろう!って客入りすごっ!100人前後か?

まさか全員結束バンド目当て?まさかね…

 

「あの~今日初めて来た感じですか~?結束バンドを見に来たんですか?」

 

「えっ?」

 

「名前は何て言うの?」

 

何この2人初対面の私にフレンドリーすぎない?

結束バンドのファンよね、否定したら面倒なことに

なりそうだし合わせとくのが無難か…

でも本名言うわけにはいかないから

「つっ…つっきーです」

 

「つっきーちゃんって言うんだ!かわいい名前だね!」

 

「今度から一緒にライブ行こうよ~!」

 

「あっうん…」

下北沢悪くないかも…

 

「ほらっそろそろ始まるよ!」

 

「!」

 

 

\コンバンワーケッソクバンドデース/

 

ボーカルの前にノートパソコンが置かれてる…やっぱり

後藤ひとりはあの画面の中から演奏するのか。何で

ライブハウスに来ないの?どんな事情があるっていうのよ

 

「それじゃあ1曲目、結束バンドで『あのバンド』!」

 

動画で見た流れ…後藤ひとりのソロから始まる曲だ

くそっ上手い…悔しいけど画面越しでも引き込まれる演奏

なのは認めざるを得ない。それだけにもどかしい…

後藤ひとりのソロからごく自然に曲のイントロへ移行する

ここも上手いわね、相当練習積んでる証拠だわ…

後藤ひとりだけじゃない、全員のレベルが高い

まあゲストやるならこれくらいやってくれないとね!

 

…って後藤ひとりの手がまだ動いてる!?

今弾いたらメンバーと絶対合わないじゃない!

…ん?音が出てない?ミュートで…弾いてる様だけ

流してるってこと?そこまでしてバンドしてたいのね…

俯いて猫背の前傾姿勢だからか顔はよく見えない…

けど伝わってくる…この子の本気が…!…そうよね

きっと後藤ひとりだってステージに立って皆で演奏

したいに決まってる…!よっぽどの事情があるのね…

 

 

\ケッソクバンドデシター/\アリガトウゴザイマシター/

 

 

「つっきーちゃん!折角見に来たんだし結束バンドの

みんなに挨拶していこう!」

 

「えっちょ…」

後藤ひとりと接触するチャンスだけどあんまり近づくと

他の子にバレちゃうじゃん!

 

「ひとりちゃん!今日もカッコよかったよ!」

 

『あっはい、ありがとうございます』

 

後藤ひとり…何とか2人で話が出来ないかしら

 

「新しいファンの子連れてきました~!」

 

「え~嬉しい~ありがとう~!」

 

『あっありがとうございます…』

 

バンドメンバーが持つノートパソコンの画面から

ぎこちなく話す後藤ひとりはさっきのライブ中とは

打って変わって弱腰で頼りなく見える…

こんな子が何周もして結束バンドを存続させるために

家に居ながらライブまでして…なんて健気なん

「あれ?何か見た事ある気が」

 

「うぇっ!?きっ…気のせいでは?」

バレた!?いやいや変装は完璧なはず!

 

「みんらぁ~!今日のライブ良かったよ~!あの~あれ、4曲目のやつがエモの塊!!」

 

「3曲しかやってないです。今来ましたよね?」

 

廣井姐さん!?マズイバレる…大人しくしとこう

 

「あっゲスト呼んでくれてありがとうございます!今沢山ライブしたかったので助かります!」

 

「でもどうして私達を?」

 

それは私も気になってたけど…

 

「あ~それね、朝起きたら何故か送信履歴に入ってたんだよね~魔法みたいなこともあるもんだ!」

 

予想はしてたけど案の定酔っ払って誤送信か!

 

「やっぱり適当だったんですね…」

 

「ん~?あれ?大槻ちゃん?」

 

しまった、思わず声出しちゃった

「ちっ違います!」

 

「え~絶対大槻ちゃんだって!」

 

「ぐっ…」

誤魔化すのは無理か

 

「そうです!私が大槻ヨヨコ!」

 

「えっ!?」

 

「誰?」

 

「誰でしょう?」

 

「誰だろうね」

 

『あっすいませんわっわかりません…』

 

くっ…変装が完璧すぎた

「ちょっ…待ってね着替えるから…」

 

「あっうん…」

 

変装からいつもの姿に戻って皆の前に出ると大槻ヨヨコ

と認識してくれた…よかった、これでもわかって

もらえなかったらちょっとショックだったわ…

 

「え~…大槻ちゃんまだ納得出来てなかった感じ?」

 

「…いえ、今日のライブで納得しました。結束バンドはSICK HACKとSIDEROSと出演しても遜色ない良いバンドだと思います」

本人達目の前にして言うの恥ずかしいわね…本心だけど

 

「お?そうでしょ~?いや大槻ちゃんならわかってくれると思ってたよ~」

 

「いや~光栄だな~」

 

『うへへへ…良いバンド…うへへへ』

 

後藤ひとり、なんてだらしない顔してるのよ

 

「あの、そっちの後藤ひとりさんと話がしたいんだけど」

 

「えっぼっちちゃんと?」

 

『えっわわわ私ですか!?』

 

「つっきーちゃんもひとりちゃん推しになったんだね!嬉しいな!」

 

違う!全然違う!

 

「とっとにかく2人だけで話させて!別にイジメたりしないから!5分とかからないから!」

 

「わっわかったわかったって、ぼっちちゃんはいい?」

 

『あっははははい』

 

「決まりね。じゃ控室借りるわね!すぐ、すぐ返すから!」

 

「えっうん…」

 

「人さらい」

 

「この場合はパソコンさらいでは?」

 

「つっきー×ひとり…ありだわ!」

 

「2号さん?」

 

 

 

 

現在誰もいない控室に入り漸く2人きりに…厳密には

1人とパソコンなんだけど…まあそこはどうでもいい!

 

「後藤ひとり!」

 

『あっはい』

 

「時間がないから単刀直入に聞くわ、あなた今何周目なの?」

 

『ふぇ!?あっあっ…』

 

「安心して!私もそうだから!」

 

『あっ…えっと』

 

「私は4周目よ!後藤ひとり、あなたは?」

 

『あっ…さ…3周目です…』

 

「そうよね!やっぱりそうよね!」

思った通りだ

「大丈夫よ!わかってるから。あなたが結束バンドを解散させないように頑張ってたのよね!」

 

『あっ…はい』

 

「でもどうして家から出られないの?身体的な事情って言ってたけど…」

 

『あっそれは…』

カクカクシカジカテンシノニジカ

 

「うっ…うっ…そう、そんな事が…確かに9割死ぬなんて言われたら大っぴらにバンド活動し辛いわよね…でも安心して!」

 

『あっはい』

 

「及ばずながら私も協力するわ!同じバンドマンとして

“先輩”周回者として何でも相談しなさい!なんたって

私は4周目だからね!」

 

『あっそれは』

 

「私もね…バンドで1番になりたくて…でもなかなか

上手くいかなくて…でも人生やり直してでも絶対1番に

なってやる!そしたら周りが見てくれて世界が認めてくれるって思ってね!だから私は好きなことで1番になるの!あなたもそうなのよね?」

 

『あっはい』

 

「そう、ならライバルね!お互い頑張りましょう!

でも負けないから!」

 

『あっはい』

 

 

 

ノートパソコンを返し今日の目的は達成された。

「帰ります!結束バンド、特に後藤ひとり!私と一緒に

姐さんのライブ絶対盛り上げるわよ!」

 

『あっはい』

 

「じゃあねぇ~大槻ちゃ~ん!ゲスト出演よろしく~!

って訳で皆も頑張ってね!」

 

「ありがとうございます!よーし新宿FOLTでのクリスマスライブ盛り上げていこう!」

 

「ですね!」

 

「頑張ります!」

 

「恋人のいない暇人に向けてね」

 

「もー!リョウそういうこと言わない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフフ…後輩…フフフ♪」

 




次回 メリークリスマス

↓おまけ

8割自分の確認用
現在の各キャラの状況整理

①大槻ヨヨコ
現在4周目、自分の夢を叶えるために何度も人生を
やり直してる最中に自分と同じ境遇の後藤ひとりを
見つけて接触する。本人は仲間(後輩)ができて御満悦
だが、山田リョウの事はまだ知らない。知らない方が
幸せなことってあるよね!ちなみにguitarheroの事は
知っているがまだ後藤ひとりだとは気づいてない
知らない方が幸せな以下略

②廣井きくり
路上ライブのこともあって今回は初めから
結束バンド全員を気にかけている
それ以外はいつも通りの酒カスベーシスト

③伊地知星歌
画面の中のぼっちちゃんが気になって仕方ない
ぼっちちゃんに会えるのがオンラインレッスンか
ライブ中くらいしかないので、少し寂しい
声には出さないがぼっちちゃん復帰を心待ちにしてる

④PAさん
全然台詞ないし出番も少ないけどちゃんといます。

⑤1号さん2号さん
路上ライブで結束バンドのファンになり、以降各ライブに
来てくれるようになる。が、ぼっちちゃんの環境とソロに
脳を焼かれて原作以上にぼっちちゃん推しになっている。

⑥佐藤14歳
結束バンドのレベルが高いおかげで最初から協力的
guitarheroを原作以上に神格化しているため記事に
できるできない関係なく復帰を楽しみにしている。
彼女が焚き付けなかったのでまだ結束バンドの誰も
未確認ライオットの存在を知らない

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