ブラッシュ・アップ・ぼっち!   作:氷英

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御覧になっていただきありがとうございます!
話が複雑になっていくにつれ書くのも遅くなっていく…
申し訳ないです。ちゃんと終われるよう頑張ります。

今回の話で山田リョウが多少感情的になります。
原作と乖離したリョウ先輩が苦手な方はご注意下さい。


後藤ひとり3周目Ⅷ

クリスマスパーティーがお開きになった後、私達は少し残って話し合うことになった…議題は勿論…

 

「緊急開催!結束バンドメンバーミーティング~!」

 

「わー」

 

「おー」

 

『あっはい』

 

「…」

 

「という訳で内容は言うまでもなく未確認ライオットの

ことなんだけど…先ずは全員の意志を聞いとこうかな!

ぼっちちゃんは本気なんだよね?」

 

『あっはい!』

 

「わかった!じゃあ皆は?私は勿論出場したいな!」

 

「私もです!今の私達がどこまで通用するのか知りたいです」

 

「私も賛成です!開催時期もぼっちさんの完全復帰に間に合いそうですし」

 

「うん、いいと思うよ」

 

「よーし、決まりだね!じゃあ次は詳しく確認していこう」

 

そう言うと虹夏ちゃんは大槻さんからもらったフライヤー

を手に細かく説明をしてくれた

 

「ふむふむ…順番にデモ審査、ウェブ投票、ライブ審査があって最終審査はフェス形式でやるみたいだね。デモ審査の〆切が4月だからそれまでに曲とMV作っていかないとね!」

 

4月か…2月まで引きこもりの私がいて間に合うのかな…

 

「STARRYでの月1ライブじゃ足りないしぼっちちゃん

復帰したら路上ライブもしていこう!」

 

「これから半年忙しくなりますね!」

 

「あの~うちのシフトだけはちゃんと入ってね?」

 

「お姉ちゃん…いくらでもここでライブさせてやるっていう展開じゃないんだ…」

 

バイトしてる皆がバンド活動中心の生活になったら

STARRY大変そうだよね…私も16歳になったらまた

バイトに入れるかな?

 

「あっそうだ、同世代でSIDEROS以外の人気バンドチェックしてみる?」

 

「いいですね!」

 

「曲も聴いてみましょう!」

 

『あっはい』

 

「…」

 

和気藹々と同世代のバンドを調べ始めた私達だったが

人気と実力を兼ね備えたバンドの人達を見るうちに次第に

自信がなくなっていってるのがわかった…何故わかったかって?私もそうだからです

 

「同世代にこれだけ活躍してる人達がいるんですね…」

 

「皆凄くうまいですよね…」

 

喜多さんとサーヤちゃんも落ち込んでるみたい…

でも私はともかく2人とも負けないくらい良い線

いってると思うんだけどな…

 

「SIDEROSをはじめ当面はこの人達が目標ってことになるね。でも私達は曲も知名度もまだまだ足りない…ミニアルバム作るにしてもあと1曲は欲しいね」

 

新曲…今まで以上の…

 

「だから次の曲は最高の1曲を作ろう!それでその曲を

デモ審査に送ろう!ぼっちちゃん、リョウ、頼んだよ!」

 

『あっがっ頑張ります…』

 

「まぁ…がんばるわ……」

 

リョウさん…?なんだか様子が…

『あっリョウさん…どうかしましたか?』

 

「あぁごめんぼっち…作詞作曲者には印税が入るんだぜ。タワマン住めるくらいの凄いの作ろうぜぇ」

 

『あっはい』

 

「生々しい話にするのはやめて!」

 

 

とにかく今まで漠然と売れるため、有名になるために

頑張らないとと思っていたところに明確な方針目標が

できたのはいいことだ…頑張るぞ

 

 

ーーーーー

 

 

年が明けて待ちに待った私の16歳の誕生日まで

約1ヶ月に迫った頃、虹夏ちゃんから連絡がきた

 

『もしもしぼっちちゃん?ちょ~っと相談があるんだけど…今大丈夫かな?』

 

「あっはっはい!大丈夫です」

どうしたんだろう虹夏ちゃん…なんだか思い詰めてるように聞こえるけど

 

『リョウのことなんだけど…何か聞いてる?』

 

「リョウさん…ですか?いえ、特に何も…何かあったんですか?」

リョウさん…メンバーミーティングの時から少し気になってはいたけど…

 

『実は最近リョウが学校にもバイトにも来てなくてね…連絡しても返事ないし、もしかしたら新曲のことで私が無意識にプレッシャーかけてたのかも…』

 

「そっそんな事が…かっ歌詞の進捗とか確認してる時はふっ普通に見えましたけど」

 

『そっか…いや~そろそろバイト来ないとお姉ちゃんに殺されちゃうよ冗談抜きdイヤーーーッ!!』

 

「ひっ!?えっどっどうしたんですか?」

 

『あ~…いや喜多ちゃんがちょっとね…しばらくリョウと会えてないから荒れちゃって…』

 

「あっそっそうなんですね」

そういえば喜多さんはリョウさんに憧れて結束バンドに入ったんだった…きっと会えなくて寂しいん

『後藤さんはどう思う?やっぱり恋!男よね!』

 

「へ?」

 

『悪い男に引っ掛かったに違いないわ!女が突然変わる時そこには大抵男の影があるのよ!』

 

「あっはい」どうやら寂しい感じではなさそう…

 

『誰1人浮かれた話がないから安心してたけどそんな事なかったのね!だって女子高生だもの~っ!』

 

「あっはい」寧ろなんか生き生きしてる?

 

『もう!喜多ちゃんスマホ返して!ごめんねぼっちちゃんそんな訳だからぼっちちゃんからも連絡して様子見てくれないかな?』

 

「あっはいわっわかりました」

リョウさん…何があったんだろう

 

 

虹夏ちゃんからの電話の後すぐリョウさんへ連絡を試みる

電話出るかな…虹夏ちゃんにも返信しないくらいだし

先ずはロインで様子見しよう…曲作りの進捗を伺う感じで

 

 

「『リョウさん曲作り進捗いかがでしょうか?』…送信っと…あっもう既読付いた」

 

しかしそこから返信がくるまで30分くらい間が空いた

 

ピロン

 

「返信きた…『ぼちぼち』…か」

多分だけどこれは嘘だ…リョウさん本当は…

このままじゃダメだ…きっとリョウさんは1人で悩んでる…

力になりたいけど今の私にできることってなんだろう…

家から出られない私ができることなんてたかが知れてる

 

 

 

…そうだ

私は虹夏ちゃんに電話をかけた

「にっ虹夏ちゃん、おっお願いしたいことがあります」

 

ーーーーー

虹夏ちゃん達は私の提案でリョウさんの自宅に様子を

見にやってきた

 

「ごっ豪邸ですね…」

 

「リョウさんのお家初めて来ました」

 

「よいしょっと…ふう、重…リョウの親病院やってるからね今家にいるかな?」

 

「ごめんくださ~い…ってリョウ先輩あんな所にいますよ!テントを張って寝袋にくるまるってます!」

 

「わざわざ家の庭でですか?」

 

「いやどういう状況!?こんなところで何してんの!?」

 

「虹夏か…いや遠くに旅に出ようと思ったけど途中でダルくなって庭でキャンプしてた」

 

「よく見たらパソコンも持ち込んでるしご飯もケータリングしてますよ!」

 

「お前はキャンプをなめてんのか!とにかくここじゃなんだから部屋行くよ!」

 

「えー」

 

渋々だがリョウさんは部屋へ案内する

 

「…入って」

 

「おじゃましま~す!ここがリョウ先輩のお部屋!

わ~楽器がたくさん!」

 

「ギターがこんなにいっぱい…あっバイオリンまであります!」

 

「昔習ってたから」

 

「よっこいしょっと…はあ重かった」

 

「虹夏…気になってたんだけどそのキャリーバッグは何?」

 

「ああこれ?これはね…」

 

虹夏ちゃんがキャリーバッグの鍵を開けると…

 

「あっわっ私でーす…」

 

「なっ…」

 

中にはなんと私後藤ひとりが

 

「何やってるのぼっち」

 

「あっ…きっ来ちゃいました…へへ」

 

「っ…!来ちゃいましたじゃないでしょ!!」

 

「えっちょっとリョウどうした急に」

 

「リョウ先輩!?」

 

リョウさんから今まで聞いたことのないくらい大きく怒気のこもった声が部屋中に響いた…

 

「あっリョウさん…すっすいません…でも」

 

「あと1ヶ月で乗り越えられるって時に何してるの!死ぬかもしれないんだよ?もう1度やり直せる保障なんてないんだよ?」

 

「あっそっそれでも直接会うべきだとおっ思いまして…

作曲…うまくいってないんですよね…?」

 

「それは…っ!ぼちぼちだよ。そう返事したでしょ」

 

「そっその返事がくるのに既読が付いてからさっ30分かかってました…わ私にはわかります。うっうまくいってるって返したら聴かせてって言われるし、ぎっ逆に全然できてないって返したらしっ心配させちゃうから…」

 

「でもだからってぼっちがここまで来る必要なんて」

「ありますよ!」

 

リョウさんの言葉を遮って言い放ったセリフに部屋が

静まり返る…

 

「わっ私にはこの“ぼちぼち”が“助けて”に見えたんです…

いっ行かなきゃって思ったんです!結束バンド皆で!」

 

「そんなのいつもみたいにノートパソコンの画面越しでもよかった!ぼっちがリスクを負う必要なんてない」

 

「それでも!バッバンドメンバーが……」

違う…私にとってリョウさんはもっと大事な…

 

「とっ友達が助けを求めてるのに知らん顔なんてしてられません!!」

 

「…っ!ぼっち…」

 

「ぼっちちゃん…そうだよリョウ、仲間なんだから1人で抱え込まないでよ!バンドの問題は皆で考えようよ」

 

「そうですよリョウ先輩!それに曲たくさん作ってあるじゃないですか」

 

「本当ですね。聴いてみたいです!」

 

「っ!それはダメ」

 

喜多さんとサーヤちゃんがリョウさんのパソコンの画面を

覗き込んでいるとリョウさんが素早く取り上げた

 

「つっ作りかけだし…微妙だからまだ聴かせたくない」

 

「でもいつもいい曲作ってきてくれるじゃないですか~」

 

「今までの曲のクオリティじゃ通用しないよ…もっといいの作れるから待ってて」

 

「リョウさん…どうして1人でそんなに…」

 

「…“今”の結束バンドは奇跡のような存在なんだ…ぼっちが生きててサーヤも加わって今までで1番実力もある。

200年以上生きててこんなの初めてなんだ…その上

未確認ライオットで結束バンドの音楽をアピールできる

チャンスまで出てきた…やっとここまできた…台無しに

したくない絶対ものにしたい…でもなかなかいい曲…

できなくて…」

 

そうだ…リョウさんは誰よりも長く結束バンドのために

生きてきたんだ…何度も結束バンドが解散する未来を見てきた…私が死んじゃったばかりに…でも今は生きてる

生きてる今の私がリョウさんにできること…考えるまでもないだろう後藤ひとり!今までもこれからもギターで道を切り開く!

 

徐に持ってきていたギターを構える

ジャンッ ジャカジャカ チャカチャカ ジャン

思い付くまま感じるままにギターを鳴らす…少しでも

リョウさんのインスピレーションが湧くように

 

「あっそれカッコいいフレーズだね!じゃあドラムはこんな感じかな?」

 

「あっじゃあ私も!リョウ先輩このギターお借りしますね!」

 

「私もリョウさんのギター借ります!あっこんなフレーズどうですか?」

 

4人が思い思いの音を出す…まだバラバラの音でまとまりはないが気持ちは1つだ

 

「リョウさんも…セッションしませんか?」

 

「…うん」

 

しばらく5人のセッションタイムが続くといいフレーズが

いくつか生まれ、それらをアドリブで繋げて弾いてみる

 

「あっリョウさん…いっ今のいい曲だと思いませんか?」

 

「…うん」

 

よかった…リョウさん少し本調子になったみたいだ

 

「ごめんねリョウ、こんなになるまで気づかなくて…」

 

「別に私が勝手にスランプになってただけだし…今まで

何度も結束バンドが解散したから、このフェスの結果が

ダメだったらまたそうなるんじゃないかって不安になっ」

 

言い終える前にいつの間にか虹夏ちゃんの両腕が

リョウさんの腰へ…そしてそのままリョウさんを後ろへ

ぶん投げる…お手本のような綺麗なバックドロップだ…

 

「ぐふっ…なっなぜ突然のバイオレンス…」

 

「にっ虹夏ちゃん!?」

 

「伊地知先輩!?」

 

「虹夏さんおっ落ち着いてください」

 

「ふぅ…スッとした。あのね、確かに私はリョウやぼっちちゃんみたいに人生何周もしてないし前の周?の記憶なんてありゃしないけどさ、だからこそ今この時を一生懸命

全力で生きてるの!このフェスの結果が悪いくらいで解散なんてするわけないじゃん!このメンバーで音楽やるのが楽しいからバンド組んでるんでしょ!」

 

虹夏ちゃんすごいな…今この時を全力で…か

 

「でもリョウがどれほど結束バンドのこと思ってくれてるかは伝わったよ!どうでもよさそうな態度とってる時も

あったからちょっと意外かも」

 

「…そうだよ。知らなかったの?」

 

いつもは見せないにこやかな笑顔でリョウさんが言った

その目から流れる涙はさっきのバックドロップの痛みからかそれとも…




次回 ヒーローの帰還

↓おまけ
「ところで何でキャリーバッグに入ってきたの?」

「あっそれは…サッサプライズ的な」

「いや外出るの怖いから物理的に強引に連れ出してくれ
っていうから私達が詰め込んできたんだよ」

「3人でガードしながら来たから時間かかっちゃいましたよね!」

「電車の中では不思議な目で見られましたしね」

「あっ皆さん御迷惑おかけしました…かっ帰りもお願いします…」

その後3人は無事ぼっちちゃんを家まで送り届けました
ちなみにぼっちちゃんの分の電車代もちゃんと払いました。
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