ブラッシュ・アップ・ぼっち!   作:氷英

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御覧になっていただきありがとうございます。
最近よく行くゲームセンターにやっと
ぼっち・ざ・ろっく!の景品が入荷されて
散財の日々でございます。

更新遅くなってしまい申し訳ないです。
今回ついにぼっちちゃんが解き放たれますやったね
(長かった…)


後藤ひとり3周目Ⅸ

2月21日。冬の寒さがまだまだ健在なこの季節に電車で

1時間かけて友達の家に向かう女子高生4人の姿があった

皆特別な思いをよせ今日という日を迎え、彼女の待つ家へ

足を運ぶ…仲間の大切な日を祝うため、理不尽な運命に

抗い打ち勝った喜びを分かち合うため、自然と足取りは

軽やかになる。4人の顔はどれを取っても柔和だ

 

「ぼっちちゃんの家に来るのはこれで何回目だっけ?」

 

「最初とキャリーバッグに詰めて行ってまた返しに来て…それで今回で4回目ですね」

 

「慣れるとそこまで遠くに感じませんね」

 

「お葬式以外で行くようになったのは今回が初めてだよ」

 

「またリョウはそういうこと言う…今日はぼっちちゃんを祝う日でしょ!」

 

「そうですよリョウ先輩!後藤さんは今日で91.2%の壁を乗り越えたんですよ?喜ばしい日なんですから」

 

「考えてみたらすごい数値ですよね。私だったらギターもバンドも諦めてたかもしれません」

 

「だよね~…それをぼっちちゃんはやりきったんだから

大したもんだよ!」

 

「ぼっちはやる時はやる女」

 

各々が彼女を称える話題で夢中になっていると…

 

 

 

\《歓迎!結束バンド御一行様》/

 

 

 

の文字が記された横断幕が一同の目に入ってきた

 

「後藤さんの家って旅館でしたっけ?」

 

「違ったと思いますけど…」

 

「少なくともものすごく歓迎されてるのは伝わるね」

 

兎も角インターホンを鳴らし今日の主役を呼ぶことにする

 

「ぼっちちゃん来たよ~」

 

「ぼっち、もてなせ」

 

『あっ今開けます』

 

玄関の扉が開き中から現れたのは言うまでもなく…

 

「いっいえぇぇぇぇぇい!ウェウェルカ~~~ム!!」

パンパーン!

 

いつものピンクジャージにパーティーハットを被り

星形のサングラスと『一日巡査部長』たすきと完全

フル装備でぎこちなくクラッカーを鳴らす本日の主役

後藤ひとりその人である…

 

「ぼっちちゃん楽しそうだね」

 

「あっはいぜっ絶好調です」

 

「それなら私達からも後藤さんおめでとう!」パーン

 

「おめでとうございます!」パパーン

 

陽キャギター2人が負けじと隠し持ってたクラッカーで

応戦する

 

「2人とも準備いいな!てか玄関でやることじゃないでしょ!」

 

「うっうへへへありがとうございますぅフフフ…」

 

「動じない…だと?このぼっち無敵か!?」

 

「あっはいきょっ今日の…いえ、今日からの私はむっ無敵です!」

 

調子に乗る後藤ひとり…いつもなら注意されたり呆れられたりするが、今日だけは誰も野暮ったいことは言わない

目の前ではしゃぐ仲間に同調し、ただただ彼女を祝福する

 

 

「喜多ちゃん、サーヤちゃん、いらっしゃ~い!虹夏ちゃんとリョウちゃんも~!」

 

「わんわん!」

 

「ふたりちゃーん!約束通りみによんず弾けるようになったよ!」

 

「私はナナ雪マスターしました!後で聴かせてあげるね!」

 

「ジミヘンは相変わらず人懐っこいね~」

 

「ふむ…これは…使えるな」

 

玄関の騒ぎを聞きつけてふたりとジミヘンが駆け寄って

きた。いつの間にか仲良くなってた喜多さんとサーヤちゃんがこれまたいつの間にかしていた約束でふたりと盛り上がっている…そういえば喜多さんは1周目でもそんな約束してたな…そしてリョウさんはなんか悪い顔をしてる…

何か企んでる?

 

 

それから私は家族とバンドメンバーに囲まれながらの誕生日パーティーで最高に幸せな時間を過ごした。この時の

私の感情は感動と安堵の連続で、ことあるごとに泣きまくって周りに慰めてもらった記憶しかない…

 

ーーーーー

 

パーティーがお開きになった後、メンバー全員で私の部屋に集まり今後の活動について話し合うことになった

 

「結束バンドメンバーミーティングIN後藤家~拍手!!」

 

「わー」パチパチ

 

「おー」パチパチ

 

「ケーキと唐揚げ旨かった…」オナカペチペチ

 

「わっ…わー」パチパチ

 

「はい、という訳でこれからのことだけど、ぼっちちゃん

完全復活に伴いまして先ず5人揃ったアー写を撮ろう。

今のアー写ぼっちちゃんだけクラスの集合写真休んだ子

みたいになってるから…」

 

「あっはい」

本当だ…後付けした右上の丸枠の中に私がいる…

 

「そんでその後STARRYで記念ライブしようと思うんだけどぼっちちゃんは大丈夫?」

 

「あっはい!大丈夫です!」

 

「やっと後藤さんと合わせてのライブができますね!」

 

「楽しみです!」

 

「これで売れたも同然」

 

プレッシャーはあるけど絶対成功させたい!まともに

ステージに立ってライブするのは31年ぶりだけど…

 

「ただね~…お姉ちゃんが『5人そろってちゃんとライブするのがぶっつけ本番じゃ困る』ってことで練習は勿論

なんだけど例によってオーディションがあります」

 

「あっはい…ですよね」

そっか…オーディションも久しぶりだな…頑張ろう!

 

「私からもいい?」

 

「ん?何リョウ」

 

「新曲ができた」

 

「「「「おおー!!」」」」

 

よかった… リョウさんスランプ克服できたんだ…

 

「曲名は『グルーミーグッドバイ』か。リョウお疲れ様

ぼっちちゃんも歌詞ありがとね!早速聴いてみよう!」

 

皆そろって新曲を聴く…この時間も久しぶりだ

 

「今回の曲何か爽やかでいいですね!」

 

「陰な歌詞かと思ったらサビで明るくなっていくのがいいですよね!」

 

「この曲でデモ審査突破間違いなし」

 

リョウさんすごい自信だな…でも確かにいい曲だ

 

「よーし!じゃあ新曲もできたことだしMVも撮っていこう!」

 

虹夏ちゃん曰く今は動画サイトで音楽を探して聴く時代

なので、MVがあった方が私達の曲を見つけられやすいし

バンドの世界観をより伝えられるみたい…

だけどつい先日まで引きこもりだった私が写りこんで

折角のMVが無価値なものになったりしないだろうか…

 

「あとネット投票の時にもMVあった方が拡散されやすいし音楽配信サイトにも曲を申請しよう!」

 

「にっ虹夏ちゃん詳しいですね」

 

「ですね。この日のためにたくさん調べたんですね!」

 

「ううん、このメモに全部書いてあったの」

 

そこにはデモ審査やウェブ投票通過のコツやどの音楽サイトに申請すれば通りやすいかがこと細やかに書かれていた

 

「こっこのメモをどこで…?」

 

「あ~この前宣戦布告した後に大槻さんが渡してくれた」

 

「大槻さんが?あの人親切すぎませんか!?」

 

目付きや口調はキツめだけどいい人だよなぁ大槻さん…

 

 

 

「ハッ…クチュッ…」

 

「ヨヨコ先輩風邪っすか?かわいいくしゃみっすね」

 

「…うっさい」

 

 

 

「じゃまとめるね?先ずは5人のアー写撮ってSTARRYでオーディションしてぼっちちゃん復活ライブ、そんで新曲『グルーミーグッドバイ』のMV撮影!でそれをデモ審査に送る!今後の結束バンドの主な活動はこんな感じだね」

 

「本格的になってきましたね!」

 

「初めてぼっちさんが側にいるライブ…緊張するけど楽しみです!」

 

「その前の合わせ練習も大事」

 

「あっはいがっ頑張ります」

 

やっと…やっと大手を振ってSTARRYに行ける…!

絶対店長さんが納得する演奏してみせるぞ!

 

ーーーーー

 

時は進みオーディションの日

 

「ちゃんと会うのは初めてだよね。STARRYの店長

伊地知 星歌だ」

 

「あっはいごっ後藤ひとりです」

 

「まあそんなかしこまらなくていいよ。普段のレッスンとか練習の時の様子でぼっちちゃんのこと大体知ってるし」

 

「あっはい」

 

練習に練習を重ねた成果を店長さんに見せる日…

久しぶりに面と向かって挨拶した店長さんは

なんとなく機嫌がいいように見えた…

 

「結束バンドです。じゃあ『グルーミーグッドバイ』って曲、やりまーす!」

 

妹がやってるバンドだからといって甘い判定にしてくれる

とは思っていない。私が、私達が今出せる最大の演奏を

披露して今の結束バンドがどういうバンドなのかを知ってもらうんだ!

 

思えば長い長い時間だった…最初の合わせ練習で

ド下手だと言われ、完熟マンゴーで挑んだ散々な

ライブから始まった私のバンド人生…喜多さんが戻り、

アー写を撮り、作詞をして曲ができてオーディション

ノルマのためにお姉さんと路上ライブをしてその時に

初めて自分のファンができたし…台風ライブを経て

虹夏ちゃんの本当の夢も知れたし結束バンドを最高の

バンドにするって目標もできた…

 

2周目なんて結束バンドに入れないところから始まったもんな…でもそこでサーヤちゃんに出会えてギターの先生になって…どんどん上達していくのを見てるのが嬉しくて…

嫉妬もしちゃって…あの時のサーヤちゃんにちゃんと

謝れてないのは心残りかな…

 

そして3周目、たくさんの人に助けられて私は今ここで

演奏することができている…だからオーディションで

終わらせる訳にはいかないんだ!

 

 

 

\アリガトウゴザイマシター/

 

演奏が終わりメンバー全員が店長さんの第一声を待つ…

 

「…いいんじゃない?…と言いたいとこだけど」

 

あっこれは…

 

「演奏自体は…まあいいよ。ただドラム、ベース、ギター2人…ぼっちちゃんを見すぎ。本番はお客さん相手にするんだからちゃんと集中するように」

 

えっ私そんなに見られてたんだ…

 

「いや~ぼっちちゃんの演奏スゴくてつい」

 

「これが本気の後藤さんの演奏…」

 

「圧巻でした…」

 

「待ってたぜぼっち」

 

「あっ…はい」

 

オーディションは合格…よかった、ついにステージに

立てる…この5人でバンドができる…この時をどれほど

待ちわびたか…胸が熱くなるのがわかる

 

 

 

 

「えっ…ふたり明日ライブに来るの…!?」

 

「うん!おとーさんと一緒に行くよ!」

 

ライブの前日ふたりからの突然のサプライズ発言に

私は面を食らった…

 

「そっ…そうなんだ…」

 

「こどもでも大丈夫なんだって!すっごい楽しみ!おねーちゃんおうちだとギターうまいもんね!」

 

「えへへ…ありがと…」

 

「バンドだとどうなるか楽しみだなぁ!」

 

あれ?このやりとり前にもあったような…ああそうだ…

ふと脳裏によぎるのは私とふたりが車に轢かれる1周目

最後のあの瞬間…いやいやいや、あの事故の日は半年前に

過ぎたし私の死亡率91.2%の時期も終わったんだ!

大丈夫…大丈夫だ…

「お父さんの言うことちゃんと聞いて車に気をつけて来るんだよ?」

 

「うん!」

 

 

ライブ当日お客さんを出迎えていると私達結束バンド

目当てのお客さんが次々入って来てくれた

 

「うお~いひとりちゃ~んきたよぉ~」

 

「あっお姉さんこんにちは」

 

「えっお前ぼっちちゃん目当てだったっけ?」

 

「そだよぉ~新宿でも話題になってるんだ~」

 

えっそうなんだ…どんな話題なんだろう

 

「ね~ね~今日のライブ打ち上げするよね~?美味しい

場所知ってますよぉ~」

 

「お前本当はそっちが目的だろ」

 

うんお姉さんはいつものお姉さんだ…

 

「キャー本当にひとりちゃんだー!生ひとりちゃん!やっと会えたーかわいいカッコいい!今日のライブ頑張って下さいね!」

 

「いやあんた落ち着きなさいって…」

 

「あっはいありがとうございます頑張ります」

1号さん2号さん…来てくれて嬉しいけど2号さんの

テンションが少しおかしいのはなんでかな?

 

「guitar…じゃなかったひとりさ~ん!復活おめでとうございま~す!今日のライブもバッチリ記事にしますから♪あ、もちろん例の約束も守ったうえでですよ?」

 

「やっぱり来たか佐藤14歳」

 

「佐藤愛子よ!いや違うぽいずん♡やみよ!もう!私は

結束バンド専属ライター兼ファンなんですから~

そろそろ勘弁してくださいよ~」

 

ぽいずんさん最初は危ない人と思ってたけど書いてくれた

記事はちゃんとしてるし約束も守ってくれてるから服装と

言動以外はまともな大人の人なんだよなぁ…

 

「おねーちゃん!」

 

「ひとりー来たぞー!」

 

「あっふたりとお父さん」

 

「ここすごい!ひろーい!」

 

「ふたり大人しくしててね」

多分大丈夫だろうけど帰りは私が全力で守るからね…

 

「あっ!つっきーちゃん、そんな隅っこにいないでこっち来なよー」

 

あっ…大槻さんいつの間にあんな所に

 

「あっ…いや私は別に…」

 

「大槻さん?来てくれたんだ!このメモすごく役立ってるよありがとう!」

 

「えっあっそっそう?まぁSIDEROSのライバルな訳だし?デモ審査やウェブ投票で落ちるなんてダサい事されたくないし?きょっ今日だってただの敵情視察っていうか…偶々ライブも練習もない日だったしちょうどよかっ」

「素直に気になって観に来たって言えばいいのにー」

 

「ヨヨコ先輩友達いないのそういうとこっすよ」

 

「なっ!?なんであんた達もいるのよ!大きなお世話よ!」

 

「あらあらぁ~?」

 

えっ何かずっとこっち見てくる?なんで?

「あっなな何か?」

 

「いえ…この間まで憑いてたのが無くなってて残念って

思っただけよー?」

 

付いてた?何の事だろう…

 

「いや幽々急に怖いこと言わないで…気にしちゃダメよ

後藤ひとり!それと復活ライブ不甲斐ない演奏したら承知しないからね!」

 

「あっはいがっ頑張ります」

 

「後これあげるわ」

 

「あっこっこれは?」

渡してくれたこれは…缶ジュース?

 

「私が愛飲してるエナドリよ。それ飲んで気合い入れなさい!」

 

「あっはい…」

こんなに私達のことを応援してくれる人がいる…嬉しいな

勇気と力が漲ってくる…!たくさんの人から多種多様な

激励を受け、いよいよ運命のライブが始まる…




次回 君がいてくれたから

まだ最終回ではないです。もうちっとだけ続くんです。

↓おまけ
【何周してもぼっちちゃんは年上キラー】

「ちゃんと会うのは初めてだよね。STARRYの店長
伊地知 星歌だ」ソワソワ

「あっはいごっ後藤ひとりです」

「まあそんなかしこまらなくていいよ。普段のレッスンとか練習の時の様子でぼっちちゃんのこと大体知ってるし」
(生ぼっちちゃん、生ぼっちちゃんだ実物はやっぱり
かわいいな仲良くなれるかな頭撫でたりしてもいいかな)

「あっはい」ゾワゾワ



「キャー本当にひとりちゃんだー!生ひとりちゃん!やっと会えたーかわいいカッコいい!今日のライブ頑張って下さいね!」
(実物のひとりちゃんかわいいマジ天使お近づきになりたいペロペロしたいスリスリしたい)

「いやあんた落ち着きなさいって…」
(うわひとりちゃん可愛よ!)

「あっはいありがとうございます頑張ります」ゾクゾク




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